【いきなり勉強開始はNGです。】TOEIC初心者向けの勉強法
会社の昇進に必要、生涯学習として英語を勉強したい、など様々な理由で多くの人が受験するTOEIC。
勉強を始める前にTOEICの概要を押さえておくこと、効果的な学習法を調べておくことはその後の学習効率に大きく影響します。
この記事ではTOEIC初心者の方に向けて書いています。
この記事で解決する疑問・悩み
- 「TOEICってどんな試験?」
- 「初心者はまず何から始めればいい?」
- 「学習が続けられるか不安」
TOEIC860を保持する私が解説します!
【試験概要】TOEICってどんな試験?
はじめにTOEICがどんな試験かを概観します。
TOEIC試験の概要
- 正式名称:TOEIC® Listening & Reading Test
- 試験時間:120分
- 試験内容:リスニング100問(45分)、リーディング100問(75分)
- 試験構成:リスニング4パート・リーディング3パートの計7パート
- 満点:990点(リスニング495点・リーディング495点)
- 平均点:523点(2019年)
- 受験料:6,490円(2021年時点)
- 実施頻度:大体月1回位×午前・午後2回実施
- 受験会場:全国
- オンライン結果発表:2週間後
一般的に「TOEIC」といったら「TOEIC® Listening & Reading Test」を指しますが、他にも「TOEIC® Speaking & Writing Tests」「TOEIC Bridge」など他の形態の試験もあるので受験時には注意しましょう。
120分でリスニング・リーディング計200問を解くのですが、時間制限はかなり厳しいです。
英文の難易度や登場する単語のレベルはそこまで高くありません。
しかし、時間内に読む英文の量がかなり多いため、「英語の処理能力の速さ」が問われる試験だと言えます。
試験構成はリスニング4パート、リーディング3パートの計7パートです。
リスニングセクション(約45分間・100問) 会話やナレーションを聞いて設問に解答 | |
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Part1 | 写真描写問題 6問 1枚の写真について4つの短い説明文が1度だけ放送される。説明文は印刷されていない。4つのうち、写真を最も的確に描写しているものを選び解答用紙にマークする。 |
Part2 | 応答問題 25問 1つの質問または文章とそれに対する3つの答えがそれぞれ1度だけ放送される。印刷はされていない。設問に対して最もふさわしい答えを選び解答用紙にマークする。 |
Part3 | 会話問題 39問 2人または3人の人物による会話が1度だけ放送される。印刷はされていない。会話を聞いて問題用紙に印刷された設問(設問は放送される)と解答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。会話の中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連づけて解答する設問もある。 各会話には設問が3問ずつある。 |
Part4 | 説明文問題 30問 アナウンスやナレーションのようなミニトークが1度だけ放送される。印刷はされていない。各トークを聞いて問題用紙に印刷された設問(設問は放送される)と解答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。トークの中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連づけて解答する設問もある。各トークには質問が3問ずつある。 |
リーディングセクション(75分間・100問) 印刷された問題を読んで設問に解答 | |
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Part5 | 短文穴埋め問題 30問 不完全な文章を完成させるために、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。 |
Part6 | 長文穴埋め問題 16問 不完全な文章を完成させるために、4つの答え(単語や句または一文)の中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。各長文には設問が4問ずつある。 |
Part7 | 1つの文書:29問 複数の文書:25問 いろいろな文書が印刷されている。設問を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。文書内に新たな一文を挿入するのに最も適切な箇所を選ぶ設問もある。各文書には設問が数問ずつある。 |
日本人の平均点は990点満点中523点、ざっくり600点を超え始めたあたりから中級者、800点を超え始めると上級者扱いになります。
年3回実施の英検と比べるとTOEICは1年間に10回くらい実施しているうえ、それぞれの日程で午前・午後の2回実施しているので好きな時期に受けることができます。
会場は全国各地ですが、実施会によっては都市部のみでの開催ということもあるので注意が必要です。
TOEIC初心者が勉強を始める前にするべき3つのこと
TOEICを受けると決めた後、いきなり学習を開始するのはNGです。
最初にやってほしいことが3つあります。
- 公式問題集を1回分解いて現状スコアを把握する
- 目標を定める
- 学習計画を立てる
1つずつ詳しく見ていきます。
TOEICに限らず、資格試験などでは「いきなり本番形式の問題を解いてみる」ことが重要です。
「勉強してテストに備える」のではなく「テストを受けてから勉強をする」という普通の考え方とは逆の流れです。
なぜいきなりテストを受けるのかというと、理由は2つです。
- ゴールがわかる
- スタート地点がわかる
まずテストを受けることで自分が最終的に何を目指して勉強するのかが分かります。
スポーツで言えばトレーニングを始める前に競技を実際にやってみたあとの方がトレーニングの目的が明確になります。
そして勉強を始める前にテストを受けることで現在の自分の実力を把握することができます。
学習を始める前に自分のニガテポイントや逆に比較的得意な分野がわかるので勉強の方針を立てるのに役立ちます。
現状のスコアが分かったら目標を立てます。
目標を立てるときは「いつ」までに「何点」とるのかを決めましょう。
人間の意志は弱いですから、1ヶ月もすれば勉強が続くなくなる人も出てきます。
そんな時に明確な目標を持っていれば踏みとどまって学習を継続することができます。
現状のスコアを知り、目標を定めたらそのギャップを埋めるための学習計画を立てます。
おそらくここが一番難しいはずです。
というのも、Googleで検索してもサイトによって言っていることが違うため、結局何をしたらいいのかがわからなくなってしまうんです。
理由は単順で現状と目標スコア、さらにはその人が確保できる勉強時間によって計画が変わってくるからです。
例えばTOEIC初心者でも現状のスコアはバラバラですし、目標スコアや取得時期も人によって違います。
ですから重要なのは自分の現状、目標に合った学習計画を立てることです。
TOEICスコア500を目指す人向けの勉強法
最初に確認した現状のTOEICスコアが500以下の場合、まずはスコア500を目標にしましょう。
レベル的には中学の英語をキチンとつかいこなせていれば取れるスコアです。
次の2ステップで勉強を進めるといいでしょう。
この段階ではTOEICに特化した対策よりも、英語の基礎回路を作るような学習をオススメします。
英語の基礎回路とは、基礎的な英語の知識を「知っている」だけでなく「使いこなせる」ようになっている頭の状態を指します。
この中学レベルの基礎回路を作るには「文法学習」と「音読」が有効です。
TOEICは試験ですから、傾向や対策が存在します。
基礎回路を作った後は実際の試験に近い形式でTOEIC本番で実力を発揮できるように準備しましょう。
本番と同じ形式の模試が市販されているのでそちらを使って試験2週間前くらいから解いてみましょう。
それぞれのステップの詳しい学習法などは以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
TOEIC初心者が知っておくべき3つの事実
TOEIC初心者向けの勉強法を解説しました。
次はTOEICを受験する上で知っておくべきことを解説します。
TOEIC初心者が陥りやすく、重大な影響をおよぼす3つの事実をまとめました。
- 初心者が時間内に解き終えるのはほぼ不可能
- いろいろな参考書や勉強法に手を出しすぎない
- TOEIC対策よりも実力を底上げする学習をするべき
初心者が時間内に解き終えるのはほぼ不可能
TOEICでは120分の試験時間で200の設問に解答していきます。
率直に言って、時間制限がかなり厳しいです。
TOEIC初心者の場合、試験本番でも時間内に解き終えることはほぼ不可能だと言えます。
私がスコア720を取得した際も解き終わりませんでしたし、860を取得した際も最後の数問は解き終わりませんでした。
それくらい問題文の量が多いです。
特にパート7の長文は次から次へと長文を処理していくので頭がパンクします。
ですから、初心者の方は時間内にすべての問題を解くことは諦めたほうが無難です。
それよりも確実に取れる問題をしっかり時間を掛けて解くことから始めましょう。
いろいろな参考書や勉強法に手を出しすぎない
インターネットや書籍、知人の話などを聞くたびに勉強法を変える、というのはNGです。
自分に合った学習方法を探るのも重要ですが、継続して1つのことをやり抜くことはそれ以上に大切です。
参考書や単語帳は1周程度では効果は出ません。
何周も何周もしていくうちに徐々に自分の実力になっていきます。
私も過去に単語帳をたくさん買い替えましたが、結局学校で半ば無理矢理にでも使い続けさせられた単語帳が一番効果が出ました。
特に初心者の場合、勉強法に大差はありません。
参考書や勉強法を気にしすぎず、基本に忠実な学習を続けてみましょう。
TOEIC対策よりも実力を底上げする学習をするべき
TOEIC初心者はTOEIC対策に時間を掛けるのは辞めましょう。
もちろん目標スコアが現在よりも+100というのであれば止めません。
しかし、現在よりもスコアを大きく伸ばしたいのであれば小手先のテクニックに走るのではなく、本物の実力を身に着けましょう。
前述の通り、TOEICは模試をたくさん解いたり、テクニックを覚えればスコアを100くらい上げることが可能です。
しかし、それはあくまでTOEICの中での話ですし、実際に英語力はほとんど身に付いていないはずです。
半年以上、ずっとTOEICの問題集や模試を解き続けるような勉強は実力がつかないですし、何より楽しくないと思います。
音読や多読、多聴など英語の本質に迫るような学習を行うことで確固たる英語力が身につきますし、英語を通して新たな学びを得ることができます。
目先の点数に囚われすぎずに(試験前の最低限の対策はもちろんOK!)英語を楽しんで学習するほうが長い目で見たときに有益でしょう。
TOEIC初心者に有料サービスをオススメする3つの理由
最後にTOEIC初心者の方に利用をオススメしたいのは有料のサービスです。
有料サービスには「英語コーチング」「英会話教室」「有料アプリ」などがあります。
お金に余裕がある場合はコーチングなどもアリですが、月々3,000円程度から始められる有料のアプリを活用することをオススメします。
理由は3つです。
- 試験のポイントや重要事項を知ることができる
- 継続しやすくなる
- 理解のスピードが上がる
詳しくは以下の記事で解説していますのでぜひご覧ください。
まとめ
この記事ではTOEIC初心者の方向けに勉強法や知っておくべきことを解説しました。
この記事のまとめ
- 勉強始める前に模試を解いて逆算して計画を立てる
- 時間内に全部解き終わるのは至難の業
- 試験対策に囚われすぎない
- 1つの参考書を極める
- 有料サービスを利用する
最高のスタートが切れるようにしましょう!
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