【英語コーチの結論】英会話ができるようになるにはどうしたらいい?
「英会話が出来るようになりたい!」と思ったときにはまず何から始めればいいのでしょうか?
闇雲に英会話スクールに通っても効果は期待出来ませんし、たくさん調べても情報の海に溺れてしまいます。
この記事では、現役の英語コーチである私が「この記事だけを読めば、最高の英会話学習のスタートを切れる」という最低限の情報をまとめています。
学習が軌道に乗ってきたら、自分に合う教材やアプリなどもブログ内でたくさん紹介しているので覗いてみてくださいね。
以下の疑問・悩みに応えていきます。
・英会話が出来るようになるために知っておくべきことは?
・おすすめの英会話勉強法は?
・英会話学習を成功させるコツは?
・英会話が上達するテクニックは?
まずは最低限知らなくてはいけないことだけを抑えましょう!
英会話が出来るようになるために知っておくべき前提知識
英会話が出来るようになるために知っておくべき前提知識を3つに絞って紹介します。
- 英語が話せるようになるまで〇〇時間
- 国内にいても英語は話せるようになる
- 第二言語習得理論とはなにか
1つずつ解説していきます!
①英語が話せるようになるまで〇〇時間
結論から言うと、社会人からスタートして日常英会話が出来るまでには約860時間、ビジネス英会話が出来るまでには約2,800時間かかります。
論文「日本人の英語学習時間について-これまでの学習時間とこれから求められる学習時間」で言及されている計算式によると、英語の知識ゼロからスタートした場合、日常英会話レベルの英語力を身につけるまでには約3,000時間、ビジネス英会話レベルで約5,000時間かかることになります。
大学卒業までに平均して2,200時間の英語学習を行っているため、日常英会話で約800時間、ビジネス英会話で約2800時間が必要だと言えます。
日常英会話・ビジネス英会話レベルの定義や、必要な学習時間の導出過程は以下の記事で詳しく解説しています。
②国内にいても英語は話せるようになる
留学にいかずとも、日本国内で十分英会話が出来るようになります。
英会話習得に必要な学習環境は国内でも十分に揃っているためです。
アウトプットの場所としては、オンライン英会話・英会話スクール・英語圏の外国人との交流・独り言・AIアプリなど十分すぎるほどです。
インプットの教材としても、テキスト・アプリ・Youtubeなど豊富に揃っています。
実際、私も留学経験はありませんが国内で英会話の学習を実践して英検1級を取得しています。
昔は国内でアウトプットの場面がなく、インプット教材もまだ数がなかったため「英会話=留学」というイメージが強かったですが、現代においては必ずしも当てはまりません。
国内にいても、十分英語は話せるようになります。
③第二言語習得理論とはなにか
第二言語習得理論とは、実証的な研究を通して確立された科学的に正しい言語習得についての知見のことです。
日本ではまだ馴染みが無いかも知れませんが、海外では大学などにおける学問分野として認知されています。
この第二言語習得理論に基づいて学習することで、効率的に英会話が出来るようになります。
なぜこれを「英会話上達の前提知識」と位置づけているかというと、日本では個人の経験談が偏重される傾向があるためです。
例えば書店の英語コーナーに行くと「〇〇が教える最強の勉強法!」「こうして私は英語が話せるようになった!」という内容の書籍が見受けられます。
これらはあくまで個人の体験談であって、「本当にそれが最適なのか?」「なぜそれで英語が話せるようになるのか?」という点において実証的な裏付けはありません。
読み物として参考程度にするのは良いですが、個人の英語習得体験談の再現性は低い、ということは頭に入れておきましょう。
ちなみに日本で第二言語習得理論に基づいた英語教育を実践しているのは英語コーチングです。
英語コーチングとは何かについては、以下の記事で詳しく解説しています。
英会話が出来るようになるおすすめの英会話勉強法
具体的に英会話を習得するために必要な学習を3ステップにまとめました。
自分のレベルに合ったところからスタートしましょう。
合格ライン
- 個別の音素と音声変化を習得している
合格ライン
- 英単語を3,000語覚えている
- 中学の英文法を理解している
合格ライン
- 中学レベルの英文を即座に発話できる
- 英会話の試験でB1レベルに到達する
好きな教材でインプットをしながら、英会話の実力を伸ばしていきましょう。
各ステップの内容を詳しく見ていきましょう!
ステップ①発音を学習する
英会話の中で最初に取り組むのは、発音・単語・文法という英語の基礎です。
中でも発音学習からスタートしましょう。
以下の2つをマスター出来るまで練習します。
- 個別の音素
- 音声変化
音素とは音の最小単位です。
例えば、/tíːθ/などの発音記号に含まれている/t/, /íː/, /θ/のことを指します。
この最小単位の音素の時点で発音を誤っている場合、英文全体を読んだときに相手に英文を認識してもらえない可能性が高くなります。
例えば、日本語の「ア」に相当する音素は/ə/, /æ/, /ʌ/, /ɑ/の4つ存在します。
hat/hæt/, hut/hʌt/, hot/hɑt/はこの音素の発音が出来ないと、大きな誤解に繋がってしまいます。
次に、音声変化とは単語内、および英単語同士の間で発音される際に辞書通りの読まれ方とは異なる読まれ方になる際のルールです。
例えば、例えば「get out」が速く読まれると「ゲラウト」に聞こえるようになるのは一定のルールに沿って「ゲット アウト」という読みから変化しているためです。
音声変化がマスターできていないと、発音が忙しく聞こえたり、なめらかに読むことができなくなったりしてしまいます。
発音の合格基準としては、発音矯正ができるELSAというアプリの無料テスト内で「中級」とします。
ステップ②中学単語・文法を学習する
英単語・英文法はともに中学レベルをマスターしましょう。
英検3級が余裕で取れるようなら、中学基礎は固まっていると判断して良いでしょう。
英単語は以下のような参考書の英単語の意味が即座に出るようになったら、OKです。
お好きな1冊で十分です。
1周目では覚えられていない単語のみマークする。
このときは覚えるのではなく単語を仕分けるのが目的なので、サクサク進めましょう。
私は自分でやるときは2,000単語くらいなら1時間で終わります。
1周目でマークした単語のみを「単語の発音→和訳→例文」の順で声に出して読む。
繰り返していくと自然に覚えるので、無理に覚えようとしなくてOK。
1週間で100〜200単語毎日同じ単語で、上記のやり方を繰り返す。
※「100~200単語」というのは、仕分け時点で意味が出なくてマークした単語の数です。分からない単語が3割なら単語の通し番号では300〜600くらい進みます。
赤シートで和訳を隠しながら、意味が瞬間で出るようになった単語は次回以降触れないようにしましょう。
この作業を「すべての単語を覚えた!」となるまで、ひたすら繰り返していきましょう。
私が英検のパス単を使っていたときは30周くらいしました。
ステップ2ではすべての単語を覚えるまで、と言いましたがこれで終わってしまっては1ヶ月後に聞かれたときに忘れている、なんてことになりかねません。
覚えたと思ってからが勝負です。
ステップ2での覚えた=短期記憶には残った、ということです。
ずっと忘れない長期記憶に移すには、短期記憶に残ったあとであらためて全体を回していくことが重要です。
目安は1日で1周して1ヶ月位回していくといいです。
ちなみに英単語を覚えるのにかかる時間の目安は以下です。
- 1日2時間→1ヶ月1000語
- 1日1時間→2ヶ月で1000語
- 1日30分→4ヶ月で1000語
- 1日15分→8ヶ月で1000語
英文法に関しては、説明がほしいなら動画講義と丁寧な解説がされている「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」を仕上げましょう。
説明は不要で、中学英文法を復習がてらさくさく進めたいなら「中学全範囲英文法パターンドリル」がおすすめです。
それぞれを仕上げた上で、英検3級を受けてみるのがおすすめです。
楽々受かるようなら、かんたんな英会話のための基礎はOKです。
ステップ③英会話と瞬間英作文を並行する
発音と中学英語の基礎が出来たらいよいよ英会話に入っていきましょう。
瞬間英作文でインプットしたことを、英会話でアウトプットしていきます。
瞬間英作文とは、口頭で日本語の文章を英語に直していくトレーニングのことです。
まずは中学レベルの英文が、口をついて出るように繰り返し、繰り返し瞬間英作文していきます。
1日45分やって、「すべての英文が口をついて出る」ようになるまでに3~4ヶ月位かかると思います。
多くの人が「考えれば英文が出せる」レベルで辞めてしまいますが、それでは意味がありません。
英会話では英作文と違って、即座にレスポンスする必要があるので、すべての英文がバネ仕掛けのようにポーンと出てくるまでやり込みます。
進め方は、「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」に詳細に記載されているのでこちらをメインの学習に据えましょう。
ステップ④インプット7割・アウトプット3割で勉強していく
中学レベルの英語ならスラスラ話せるようになった後は、既定路線の勉強法はありません。
ビジネスで通用するレベルを目指すもよし、TOEICなどを中心に英会話は継続的に行っていくも良しです。
ただし、共通しているのは「インプット7割・アウトプット3割」の割合をぜひ守っていただきたいという点です。
これは英語学習の黄金比率ですから、これを守って伸ばしたい技能にあったトレーニングを組んでいくといいですね。
英会話学習を成功させる9つのコツ
英会話の学習を長期間かつ効率的に進めるために役立つ「英会話学習成功のコツ」は9つあります。
闇雲に英会話に取り組むのは非効率的ですし、何より英会話に対する恐怖心が芽生えてしまう可能性があるため、ここで紹介するポイントをしっかり抑えて学習しましょう。
英会話学習成功9つのコツ
- 英作文をする
- 例文データを増やす
- スキマ時間を活用する
- フィードバックをもらう
- 発音・単語・文法を固める
- 英会話の予習・復習を行う
- 1つの教材を繰り返し練習する
- 英会話中のアウトプット割合を高める
- インプット7割・アウトプット3割で勉強する
1つずつ確認していきましょう!
①英作文をする
英会話の導入・補助として、英作文がおすすめです。
第二言語習得理論において、英会話のプロセスは「①概念化②文章化③音声化」であり、英作文のプロセスは「①概念化②文章化」です。
つまり、両者は「①概念化②文章化」のプロセスが共通しており、英作文のトレーニングをすることで、英会話の能力も鍛えられるということです。
英会話と比べたときの、英作文のメリットは以下の3つです。
- 英会話の前に導入しやすい
- 文法的なミスを可視化できる
- 疲れていても取り組みやすい
英会話では即座にレスポンスが求められますが、英会話では少し考える時間があっても大丈夫です。
また、いきなり対人で英会話をするのには抵抗がある人も多いでしょう。
アウトプットの経験がない状態からいきなり英会話に入ると「全然言いたいことが言えなかった」「いざ相手を目の前にすると固まってしまった」とたくさんの壁が一気に押し寄せてきます。
英作文なら「①概念化②文章化」のプロセスのみに集中出来るので、英作文で慣らしてから英会話に進むのがおすすめです。
英作文は英会話と違って自分のアウトプットが可視化されるので、自分の書いた英文をじっくり復習できます。
例えば、「同じ表現ばかりを使ってしまっている」「動詞の時制が崩れている」なども後から見返してみるとよく分かります。
理想は誰かに書いた英文を添削してもらうことですが、自己添削でも自分の癖や間違いに気づくことが出来ます。
英会話は対人のコミュニケーションなので、正直気疲れします。
しかも、初対面の相手と第二言語でコミュニケーションを取るというわけですから、かなり疲れます。
仕事終わりに「今日は疲れちゃったから、英会話をしたくない。。。」というのはよくある悩みです。
英作文は英会話に比べると、心理的なハードルは低くなるため、英会話が出来なくても英作文をすることでアウトプットの学習時間を確保できます。
②例文データを増やす
英会話ができる人・できない人の決定的な違いは「例文データの有無」です。
例文データとは「即座に口をついて出る形で頭に入っている英文」のことです。
例えばTOEICが900あっても英会話に自身がない人がいるのは、たくさん英単語を知っていたり、英文法を深く理解していたりしてもこの例文データが不足しているためです。
ある程度勉強している人なら、so~that…構文を読んで理解することは難しくないはずですが、これを英会話の中で即座に英文としてアウトプットできるか、というと話は別です。
このように英会話では、英単語や英文法を「知っている」だけでは駄目で、「使いこなせる」例文データとして頭の中に蓄えておく必要があります。
③スキマ時間を活用する
学生・社会人とも、すでにやるべきことがたくさんある中で英語学習を続けようとすると、まとまった時間を長期間取るのは難しいかもしれません。
そうなったときに大切なのは、スキマ時間を活用するということです。
例えば、電車の待ち時間、乗車時間、友達が待ち合わせに10分遅れるときなど、日常にはちょっとしたスキマの時間が案外多く存在します。
英語学習は長期間に及ぶので、こうしたスキマ時間を上手に活用することで、忙しい方でも無理なく英語学習を続けることが出来ます。
スキマ時間を有効活用するには、アプリの使用がおすすめです。
ちょっとした待ち時間でも、アプリならサッと勉強をはじめて、サッと終わることが出来ます。
また心理的にもアプリは学習者を応援してくれる機能が豊富なので、「アプリならやってもいいか」と思えるようになります。
実際私も、スキマ時間に英単語アプリを使うようになったら、1週間で2時間学習記録がついていたのには驚きました。
④フィードバックをもらう
英会話においても、英作文と同様自分の話した内容にフィードバックをもらうようにしましょう。
自分の弱点はなにか、強みはなにか、勉強していることが反映出来ているか、というのを定期的にチェックしましょう。
理想は日本人の英語指導者に英会話の様子を見てもらうことですが、難しければ外国人の英会話講師やセルフフィードバックでもOKです。
自分の英会話の記録を取っていくことで、思い描いた成長曲線をたどっているか、修正すべきポイントはなにか、というのが分かってきます。
⑤発音・単語・文法を固める
英会話には最低限の基礎が必要です。
もしあなたがTOEIC550未満(CEFR B1未満)なら、英語の基礎が不足していると言っていいでしょう。
英語の基礎とは「発音・単語・文法」のことです。
これらが最低限身についていないと、英会話の練習に入っても高い学習効果が得られません。
まずはこの基礎をしっかりと見につけてから、英会話に取り組みましょう。
⑥英会話の予習・復習を行う
英会話はただ漫然と英会話レッスンをこなすよりも、前後にしっかりと予習・復習をすることでより高い効果が期待できます。
具体的な予習・復習の取り組み方を紹介します。
予習の段階では、事前に英作文をしておくことで話題に困らずに話したいことを話すことが出来ます。
また、毎回の英会話で新しく使ってみたい表現を決めておくことで、表現が固定化されずに幅を広げることが出来ます。
復習では、英会話の中で言いたかったけれど咄嗟に出てこなかったフレーズや表現などをメモにとっておき、レッスン後に再考してみましょう。
ポイントはすぐに調べるのではなく、一旦自分の知っている表現で言えないかどうかを考えてみる、という工程を挟むことです。
その後に、直接的に表せる表現をWebなどで調べてみましょう。
例えば、英会話中に「処方箋」という英単語が咄嗟に出てこずにメモしておいたとします。
レッスン後にはまず「処方箋を他の表現で表せないか」を考えます。
例えば「診察の後でもらえる薬の指示書」と言い換えれば「an instruction on the medicine which we can get after we see a doctor」とできます。
ここで自分なりの言い換えをせずに、すぐに調べてしまえば処方箋=prescriptionということがわかります。
しかし、これではいつまで経っても「辞書・ネットがないと話せない人」止まりで、咄嗟の言い換え能力は身につきません。
ぜひ英会話の復習の際には、「自分の知っている言葉でなんとか伝えられないか」を考えてみましょう。
⑦1つの教材を繰り返し練習する
英会話で必要なのはハイレベルな語彙・文法ではなく、「かんたんな」語彙・文法を使いこなせる能力です。
例えばTOEIC900で英会話に苦手意識がある人の特徴は、「読み・聞き」はできるけど、「書き・話す」ことはできないレベルの知識がたくさんある点です。
反対にTOEICが550でも英会話が得意な人の特徴は「読み・書き」できる知識と「書き・話す」ことのできる知識の差が少ないことです。
以下にこれを図にしたものを示しています。
左右の円を比べてみると、TOEIC900でも英会話が苦手な人は「知っている知識」が多いですが「使える知識」の円の大きさは、TOEIC550でも英会話が得意な人よりも小さいことが分かります。
英会話が出来るようになるためには、この「使える知識」の円を大きくしていくことが必要です。
そのためには、1つの簡単な教材をひたすら繰り返すことが近道です。
どこまで繰り返すかと言えば、「口をついて出るようになるまで」です。
そこまで繰り返して定着した知識は「使える知識」になっていると言えます。
⑧英会話中のアウトプット割合を高める
英会話の受講時間=アウトプットの時間、というわけではありません。
英会話では相手の話を聞いている時間、音読や単語の確認などのアクティビティなどもレッスン時間に含まれています。
25分のレッスンで、自分で英文を考えて口にしている時間はせいぜい7, 8分くらいではないでしょうか??
当然ですが、レッスン中にたくさん話す人のほうが、狙い通りアウトプットの時間になっていると言えます。
英会話で発話量を増やすためには、次のポイントを抑えましょう。
- ディスカッション形式で進める
- 1ターンでの発話量を増やす
- 予習をしっかり行う
英会話の教材でよくあるのは「このレッスンで習う英単語・英文法」、「リーディング・アクティビティ」などが前半にあり、後半に「ディスカッション」パートが含まれている構成です。
効率的に英会話の力をつけるなら、前半のインプットのパートは不要です。
これらは自分一人でも出来るので、もしやるなら英会話の前に終わらせておきましょう。
自分でこれらの下読みを終えた上で、レッスンの冒頭に「ディスカッションパートだけをやりたい!」と講師に伝えればOKです。
講師に質問をされたときに、1つの文で返すよりも、できるだけ多くの情報を付け加えて返答するようにしましょう。
講師の質問の数も限られていますし、なにより積極的に話そうとしないとレッスン内での発話の割合が低くなってしまいます。
英会話のレッスンの前に、ディスカッションパートで質問されていることに対して英作文を書いておくと話す内容に困りません。
初心者の方がいきなり、英語でディスカッションをするのは大変ですから、事前にテーマに対して自分の考えをまとめておくと安心して取り組むことが出来ます。
⑨インプット7割・アウトプット3割で勉強する
第二言語習得理論によると、英語学習の黄金比率はインプット7割、アウトプット3割です。
英会話においても話した時間の2倍以上インプットを確保することが大切です。
英会話の勉強で英会話だけ続ける人もいますが、それではインプットが不足して伸び悩みに陥ります。
反対に、インプットばかりで英会話の時間を確保しない人もいますが、それでは当然アウトプットが不足しています。
「英会話ができるようになるには、英会話をする」というのは当然のようですが、案外英会話を避ける・先延ばしにしている人が多いようです。
「もっと話せるようになってからやろう」と考える人もいるかも知れませんが、基礎が出来たら(TOEICが550点を超えたら)実際にアウトプットの機会として英会話を導入してみましょう。
今日から実践できる!英会話上達7つのコツ
ここからは、英会話の中で相手とのコミュニケーションをスムーズにするために、今日からでも活用できる「英会話を成り立たせるためのコツ」を7つ紹介します。
英会話上達7つのコツ
- フィラーを用いる
- Yes, Noで終わらない
- 結論ファーストで話す
- 大げさに抑揚をつける
- 簡単な単語・文法で話す
- 分かるまで質問を聞き直す
- ジェスチャー・表情も有効に使う
①フィラーを用いる
フィラーとは会話中のつなぎ言葉のことで、「今、考え中です!」という意思表示になるので、相手を不安にさせずに済みます。
一番まずいのは沈黙です。
フィラーには以下のようなものがあります。
・well:えーと
・um, umm:えーと
・Let me see:えーと
・like:〜みたいな
・Actually:実際は
・I mean:つまり
・As I said:今述べたように
・How can I say:なんていうか
状況に応じて使い分けてみましょう。
フィラーはつなぎ言葉ですから、理想はこれらを使わずに言葉がスラスラ出ることです。
あまり頻繁に使うとノイズが多くて、相手が苛立ちます。
②Yes, Noで終わらない
英会話を上達させるためには、相手からの質問に対してyes, noだけで答えないようにしましょう。
これでは話が広がりませんし、講師も次に聞きたいことがなくなってしまいます。
発話量を増やすことで、積極的なコミュニケーションへの参加意識が伺えて相手にも暖かみのある印象を与えられます。
③結論ファーストで話す
英語では「結論ファースト」が大切です。
書き言葉ほど厳密ではありませんが、スピーキングにおいても、まず自分の意見を簡潔に述べた後、肉付け部分を話していくということが重要です。
意外と多いのが「猫は好きですか?」という質問に対して
といった流れです。
結論ファーストの伝え方ではまず伝えるのは「猫が好きかどうか」です。
なぜ好きなのか、具体的な理由や肉付けは後からいくらでも付け足せばいよいですが、始めにこちらを話し始めると聞いている側は「で結論は?」とずっとお預けのまま、結局結論から逸れた回答を聞かされることになります。
これは意識次第ですぐに改善出来るので、「結論ファースト」を意識して論理的なスピーチが出来るようになりましょう。
④大げさに抑揚をつける
日本語は一定のリズムで発音されるため、外国人が日本語のリスニングで苦しむのはこの抑揚のなさということが言われています。
逆に言えば、英語を日本語のように一定のリズムで話してしまうと、聞き取ってもらえないことが多いです。
例えばorangeというのは日本語にも「オレンジ」というカタカナが存在しますが、英語では「オゥレンジ」というように、誤答にアクセントを置いて話します。
これは単語レベルの話ですが、文章を読む場合にはさらにどの単語を強く読むのか、という観点も加わります。
思っている以上に抑揚をつけて、強く読むところは強く・長く・ゆっくりと、弱く読むところは弱く・短く・素早く発音するようにしましょう。
⑤簡単な単語・文法で話す
話し言葉は、書き言葉に比べてより簡単な語彙・文法を用いる傾向があります。
特に英会話では即時のレスポンスが重要であるため、英作文のときのように難しい語彙・表現や文章が長くなる構文などは避けて話すほう即座に相手に返答ができるようになります。
⑥分かるまで質問を聞き直す
英会話でのご法度は「質問の意図があやふやなまま答える」ことです。
相手の発言を100%理解する必要はありません。
細かいところを気にして、発言の趣旨が分からなくなってしまってはだめです。
しかし「相手が何を聞きたいのか」が分からない状態で、答え始めるのは辞めましょう。
「何度も聞き返したら失礼かな…」と考えてしまうかもしれませんが、質問が分からないまま答え始めるほうが失礼です。
言語はコミュニケーションのツールであり、目的は意思疎通を成立させることです。
質問が聞き取れないときに、恥ずかしさ・申し訳なさから聞き返さないのは「コミュニケーションを成立させる気がない」と宣言しているようなものです。
とはいえ、何度もお願いするのは心苦しいと感じることもあるかと思うので、私がよく使っているテクニックをご紹介します。
質問の聞き返し
・1回目:Could you say that again?(もう一度言っていただけますか?)
・2回目以降:You mean ~ , right?(〜ということでしょうか?)
1回目であれば、普通にCould you say that again?でOKですが、2回目・3回目となってくると何度も相手に質問をさせてしまうことになります。
その場合はYou mean ~ , right?(〜ということでしょうか?)というフレーズを使ってみましょう。
なんとなくでもいいので「こういうことを聞いているのかな?」と思っていることを「〜」の部分に当てはめて「あなたが聞きたいのって、こういうことですか?」と聞いてみましょう。
すると相手は「この人は一生懸命、質問を聞き取ろうとしてくれている」と感じるはずです。
聞き返した質問の意図が合っていれば「そうです!そういうことを聞きたかったのです。」と返してくれるでしょうし、間違っていれば「いいえ、そうではなく〇〇ということを聞きたかったのです。」と今度は別の言い回しで質問をしてくれるはずです。
始めは抵抗があるかもしれませんが、しっかりと相手の質問の意図を理解しようとする態度は、言語学習者として素晴らしい姿勢ですし、相手に敬意を払うこととなります。
⑦ジェスチャー・表情も有効に使う
コミュニケーションにおいては、言葉だけでなくジェスチャーや表情も有効な表現です。
もちろんジェスチャーや表情に頼り切ってしまうのは好ましくありませんが、より分かりやすく伝えるという観点では非常に有効です。
例えば嬉しい話をするときは笑顔で身振り手振りも興奮を伝えるようにすれば、聞いている側も入り込んでいけます。
特に「勉強」という意識で英会話をしていると、発話の内容ばかりに意識が向きがちですが、相手に分かりやすく伝えるという観点も持っておきましょう。
まとめ
この記事では以下の疑問についてお答えしてきました。
- 英会話が出来るようになるために知っておくべきことは?
- おすすめの英会話勉強法は?
- 英会話学習を成功させるコツは?
- 英会話が上達するテクニックは?
まとめるとこちらのようになります。
英会話が出来るようになるために知っておくべき前提知識
- 英語が話せるようになるまで、日常会話で860時間、ビジネス会話で2,800時間
- 国内にいても英語は話せるようになる
- 第二言語習得理論とは実証的な研究を通して確立された科学的に正しい言語習得についての知見のことで、これに沿えば効率的に学習できる
おすすめの英会話学習ステップ
- 発音を学習する
- 中学単語・文法を学習する
- 英会話と瞬間英作文を並行する
- インプット7割・アウトプット3割で勉強していく
英会話学習を成功させる9つのコツ
- 英作文をする
- 例文データを増やす
- スキマ時間を活用する
- フィードバックをもらう
- 発音・単語・文法を固める
- 英会話の予習・復習を行う
- 1つの教材を繰り返し練習する
- 英会話中のアウトプット割合を高める
- インプット7割・アウトプット3割で勉強する
英会話上達7つのコツ
- フィラーを用いる
- Yes, Noで終わらない
- 結論ファーストで話す
- 大げさに抑揚をつける
- 簡単な単語・文法で話す
- 分かるまで質問を聞き直す
- ジェスチャー・表情も有効に使う
独学が難しいと思った方はプロに学習をサポートしもらうのが早いですね。
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