TOEICはひたすら単語を覚えればOKと思っていませんか?

TOEICはリスニング・リーディングの能力を測る試験ですが、すべて選択問題であることもあり「単語さえ分かればなんとなくで答えられるから、ひたすら単語帳だけ勉強すればOK」と考える人もいるのではないでしょうか?

たしかにTOEICスコアアップにおいて、単語学習は欠かせませんが「ひたすら単語だけ勉強すればOK」というわけにはいきません。
この記事では以下の疑問に答えていきます。

  • TOEICはひたすら単語だけ勉強したらいい?
  • TOEICスコア別の必要な語彙数とおすすめの単語帳は?
  • 現状の語彙力を測定する方法は?
  • 効率的なTOEIC語彙学習の方法は?
  • TOEICは単語学習以外に何を勉強したらいい?
目次

TOEICはひたすら単語だけ勉強したらいい?

単語だけ勉強してもすぐにスコアの成長は鈍化する

TOEICスコアをアップさせるためにたくさんの単語の意味を覚えることは非常に有効です。
しかし、単語だけひたすら覚えればいいというのは極論であり、単語だけひたすら勉強してもスコアの成長は止まってしまうでしょう。

単語以外にも以下のような項目を積み上げることが必要です。

  • 英文法
  • リスニングで音を正しく聞き取る能力
  • リスニングで音から意味を取る能力
  • リーディングで正確に英文を読む力
  • リーディングで英文を長時間読む集中力
  • Part別の時間配分
  • Part別の出題内容・傾向の把握

語彙・文法のといった基礎の上にリスニングやリーディングと言った運用能力が積み上がっていきます。
バランスよく勉強した場合と比べて、単語だけひたすら勉強した場合には運用能力が高く積み上がらないため、スコアの伸びは鈍化していきます。

勉強してもスコアが伸び悩んでいる場合はひたすら単語学習も効果的

基本的にひたすら単語学習に時間を費やすことはおすすめできませんが、リスニング・リーディング学習に時間を割いてもスコアが伸び悩んでいる場合はひたすら単語学習をすることが効果的なこともあります。

後で詳しく説明しますが、目標のTOEICスコアに必要な語彙力は目標スコア×10倍で、リスニングやリーディング学習をしても、語彙が不足しているとスコアが伸び悩みます。

例えば、TOEIC800点を目指しているが現状の語彙力が5000で、リスニングやリーディングをしてもTOEICのスコアがなかなか伸びない、というケースがあるとしましょう。
TOEICを800に必要な語彙力は8000ですから、語彙が3000足りていないわけです。
このとき、どれだけ読み・聞きの練習をしてもそもそもの語彙力が足りていないので、伸び悩みが起きています。

こういうケースの場合、ひたすら単語学習をして語彙が8000語に近づいていけば自然とスコアは伸びていくと期待できます

TOEICスコア別の必要な語彙数とおすすめの単語帳は?

目標のTOEICスコアに必要な語彙力は、基本的に目標スコア×10倍を目指すといいでしょう。

ここからはTOEICスコア別の必要な語彙数とおすすめの単語帳を解説していきます。

TOEIC300点に必要な語彙数とおすすめの単語帳

TOEIC300点を取得するのに必要な語彙数は3000語です。

語彙力3000語は英検でいうと3級〜準2級程度で高校1年生くらいの語彙力となります。

おすすめの単語帳は英検3級 でる順パス単英検準2級 でる順パス単です。一般書店でもだいたい売っているので、2冊を見比べて、3級の単語で意味がすぐに出る単語が7割以下の場合は3級から始めましょう。

英検3級の単語帳でもかなり難しいと感じる場合は中学英単語MAX3200がおすすめです。
中学校3年間の教科書に掲載される必修語3200語以上をカバーしており、単語数は多いので骨は折れますが、中1の単語から復習したい人にピッタリです。

TOEIC400点に必要な語彙数

TOEIC400点を取得するのに必要な語彙数は4000語です。

語彙力4000語は、英検でいうと準2級〜2級程度で高校2, 3年生くらいの語彙力となります。

おすすめの単語帳は英検準2級 でる順パス単英検2級 でる順パス単です。一般書店でもだいたい売っているので、2冊を見比べて、準2級の単語で意味がすぐに出る単語が7割以下の場合は準2級から始めましょう。

語彙5000語までは基本英単語で、どの単語帳を使っても大差はないので単語の重複を避ける意味でもパス単シリーズを仕上げていくのがおすすめです。

TOEIC500点に必要な語彙数

TOEIC500点を取得するのに必要な語彙数は5000語です。

語彙力5000語は、英検でいうと2級程度で英語が得意な大学受験生くらいの語彙力となります。

おすすめの単語帳は英検2級 でる順パス単です。もしくはこのあたりのレベルは大学受験時に持っていた英単語帳が当てはまるケースが多いので、大学受験レベルの単語帳を持っている場合はそれを使ってもOKです。

語彙5000語までは基本英単語で、どの単語帳を使っても大差はないので単語の重複を避ける意味でもパス単シリーズを仕上げていくのがおすすめです。

TOEIC600点に必要な語彙数

TOEIC600点を取得するのに必要な語彙数は6000語です。

語彙力6000語は、英検でいうと2級超程度で大学受験でも少し難しめの英単語が登場し始めます。

おすすめの単語帳はキクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 600です。

このあたりからは徐々にTOEICで出題されやすい単語帳にシフトしていくのがおすすめです。
現状で語彙が5000語ない方はまず英検2級 でる順パス単で基本単語を覚えてから取り組むのがおすすめです。

TOEIC700点に必要な語彙数

TOEIC700点を取得するのに必要な語彙数は7000語です。

語彙力7000語は、英検でいうと準1級程度で大学受験のあとも継続的な単語学習を行わないと到達できないレベルです。

おすすめの単語帳はキクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 800です。

現状で語彙が6000語ない方はまずキクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 600で6000語レベルの英単語を覚えてしまうのがおすすめです。

TOEIC800点に必要な語彙数

TOEIC800点を取得するのに必要な語彙数は8000語です。

語彙力8000語は、英検でいうと準1級程度で、基本単語以外にTOEICによく出題されるフレーズなどをインプットしていく必要があります。

おすすめの単語帳はTOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズです。

こちらはフレーズをセットで覚えるタイプの単語帳ですが、使われているフレーズがTOEICでも頻出のものが多いため、TOEICハイスコアを目指す方におすすめです。
TOEIC出題に特化したハイレベルな単語が揃うので、語彙7000語がない方はまずはキクタンシリーズを仕上げてから挑むのが良いでしょう。

TOEIC900点に必要な語彙数

TOEIC900点を取得するのに必要な語彙数は9000語です。

語彙力9000語は、英検でいうと準1級超程度で、しっかりとTOEICに出題されやすいフレーズを多く知り、いかに失点しないか、というのが試験での課題となります。

おすすめの単語帳はTOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズTOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズです。

どちらもフレーズをセットで覚えるタイプの単語帳ですが、使われているフレーズがTOEICでも頻出のものが多いため、TOEICハイスコアを目指す方におすすめです。
金のフレーズを仕上げたうえで余裕がある場合は黒のフレーズまで取り組んでおくと語彙やフレーズとしては安心です。

現状の語彙力を測定する方法は?

現在の語彙力を知りたい場合は、Test your English vocabularyというサイトで5分程度でチェックすることができます。

Test your English vocabularyで語彙力測定テスト受験中の画面のスクリーンショット

回答を終えると以下のように結果が表示されます。例えば以下の場合だと語彙力は10,436語あることになります。

Test your English vocabularyで語彙力測定テスト結果表示画面のスクリーンショット

意味が分かる英単語にチェックを入れていくだけで語彙力が簡単に測定できます。

効率的なTOEIC語彙学習の方法は?

  1. レベルにあった単語帳を使う
  2. 英語から日本語で覚える
  3. 音声もセットで覚える
  4. 自分でも発音する
  5. 品詞を意識する
  6. 一冊を繰り返し学習する
  7. 忘れた頃に復習する
  8. 一日に触れる単語数をできるだけ多くする
  9. アプリを活用する
  10. 英語コーチングを利用する

レベルにあった単語帳を使う

単語帳選びで大切なのは自分の現状のレベルに合った単語帳を使うことです。
具体的に言うと、自分の現在の語彙力+1000〜1500程度のレベルの単語帳を選びましょう

よくあるのが、「TOEIC400点台で金のフレーズ(TOEIC特化のハイレベル単語帳)を使っている」というパターンです。
金のフレーズはTOEIC参考書の中でもNo.1の売上を誇る名著ですが、すべての人に最適であるわけではありません。
語彙7000くらいの方が使って非常に効果的、というレベル感ですが、「TOEIC対策に良さそう!」という理由で適正レベルでない人が多く使っています。
TOEIC400点台の場合、まずは基礎語彙5000を覚え、その後は6000語、7000語と積み上げた後に金のフレーズといったTOEIC特化のハイレベル単語帳に移行するのがおすすめです。

例えば現状語彙力が3000語ならば語彙力4000を目指して、英検準2級レベルの単語帳を、現状の語彙力が5000語ならば6000語を目指してTOEIC600取得目標向けの単語帳が適正レベルです。

単語帳を開いてぱっと意味が分かる単語が5割以下の場合、その単語帳は少しレベルが高すぎると考えて良いでしょう。

英語から日本語で覚える

単語帳に取り組むときは、英語から日本語が出るように覚えていきましょう

日本語から英語に直そうとする人がいますが、覚える効率が1/3になってしまうことが学術研究で分かっています。
TOEICはリスニング・リーディングのインプットの試験ですから、英語から日本語の意味が出るようになれば問題ありません。

また、英語の意味を英語で説明した単語帳もありますが「英単語を効率的に覚える」という観点で言うとおすすめできません。
読解の練習にはなりますが、あくまで第二言語として処理する際には「高速で英語から日本語の意味に直すことができる」のが目標となります。

音声もセットで覚える

英単語を覚えるときは必ず音声とセットで覚えましょう。
英単語帳にはたいていCDやダウンロード形式で単語の音声がセットになっていると思います。
発音記号を読める方は自分で発音して確認するのでもいいでしょう。

単語の音を覚えることでリスニングでも聞き取れる単語が増えます。TOEICはリスニングの語彙も高いですから、英単語を覚えるときは音声もセットで覚えることでリスニングで聞き取れる単語の数が増え、スコアの上昇が見込めます。

また、実は英単語の音声を覚えることでリーディングのスピードも劇的に速くなります
第二言語習得論では、リーディングのプロセスに「音韻符号化」といって書いてある文章を頭の中で発音するというプロセスがある、としています。
例えば、日本語の文章を読むときも「8月30日に〜で…」というように自然と小さな声で音読しながら文章を読んでいることはありませんか?
あれと同じで、英語の文章を読むときも読解のスピードが速い人は、小さく口を動かして文章を追っています。
つまり、リーディングにおいても単語の音声知識を活用しているため、スムーズに発音ができればリーディングのスピードも格段に速くなると言えるのです。

自分でも発音する

単語を覚えるときは、単語を眺めるだけにするのではなく、自分でも発音するようにしましょう。
電車の中などで声が出せない場合は口を動かして空気だけで発音するのでもOKです。
単語を眺めているとき、脳は低活性で刺激をほとんど受けていない状況です。自分で発音することで、脳が活性化し、同じ時間勉強したとしても圧倒的に記憶に定着させることができます

音声とセットで覚えることを考えると「音声を聞く→自分でも発音する→日本語の意味も声に出す」という流れで一つ一つ進めていくのがおすすめです。

品詞を意識する

単語を覚えるときは品詞への意識を持ちましょう。
品詞とは名詞、形容詞、動詞、副詞、といった単語の種類分けのことで、TOEICのPart5では品詞の識別問題が出題されるため、単語を覚えるときにも品詞を意識することでPart5の対策もできます

例えば、以下の問題では選択肢はすべて同じ語の派生で、品詞から正解を導き出す必要があります。

TOEIC公式より引用

単語帳で品詞を意識していると、次第に初見の語でも-ationは名詞になる、-ateは動詞になる、などの傾向がつかめるようになります。

一冊を繰り返し学習する

単語帳は2,3周したら覚えられるものではありません。
繰り返し、繰り返し学習することで徐々にあいまいな記憶が変化し、長期記憶に定着していきます。

「一周したあとにはじめの方を見たら全然覚えられていない…」と嘆く必要はまったくありません。
反対に一周で覚えられるとしたらそれは特殊能力かもしれません。

2,3周して単語の意味が覚えられないと「この単語帳は合っていないから最近話題の違う単語帳をやってみよう」という気持ちが芽生えがちですが、これは避けましょう。
徐々に記憶の薄い層が出来上がってきたのに、違う単語帳に切り替えてしまうとまた一から記憶の層を張り直すことになり、単語帳をいくつも渡り歩くことになってしまいます。

すでに述べたように単語帳選びで大切なのはレベル感であり、最初に決めた一冊をやり抜くことが大切です。

忘れた頃に復習する

復習のタイミングですが、英単語を含む暗記系は忘れた頃に復習するのが鉄則です。

第二言語習得論の最新研究では、間を空けずに復習すると学習効率が著しく下がることが分かっています。(意外ですよね。)
例えば、一週間毎日同じ単語を勉強するというのは復習の頻度が高すぎて逆効果になります。
間が空きすぎるのもよくありませんが、暗記物に関しては「間が空きすぎるよりも、間が詰まりすぎている方が覚えられなくなる」ということを覚えておきましょう。

感覚的には復習の頻度が高いほうが速く覚えられそうなものですが、実際には逆ということです。
間隔を空けて「忘れた頃に思い出す」ことによって脳が最大限活性化するため、効率よく覚えられるということですね。
明確にこの頻度が最適、というマジックナンバーは存在せず、「覚えていたい期間が長いなら、間隔は広く空けるのが好ましい。逆に1日だけ覚えていればいい、という場合は復習の間隔は狭くてもいい。」というのが現時点で分かっていることです。

一日に触れる単語数をできるだけ多くする

復習の頻度を空けて良い、ということは同じ単語に頻繁にアクセスする必要がなくなるため、単語帳はどんどん進めて良い、ということになります。

例えば、従来の「1週間同じ単語100語を毎日覚える」のではなく、「毎日100単語ずつ進める」ことにより、自然と単語の復習頻度は空き、さらに多くの数の単語に触れることができるので効率的に語彙を増やすことができます

下の図は、1週間毎日同じ単語100語を学習したときと、1週間違う単語100語を学習したときの復習頻度と学習の進度の差を表しています。

1週間毎日同じ単語100語を学習したときと、異なる単語を学習したときの学習効果の違いについて説明した図

1週間毎日同じ単語100語を学習した場合、毎日同じ単語を復習することになり復習の頻度が高く脳が活性化しない状態で非効率な学習をしていることになります。
さらに、1週間で進む単語数は100語となります。

一方、1週間違う単語100語を学習した場合、毎日100個ずつ進めるので自然と復習の間隔は空き、「忘れた頃に思い出す」ことで脳が活性化した状態で効率的な学習ができます。
さらに、毎日違う単語に触れるので1週間で700語進めることができます。

アプリを活用する

英単語の学習にはアプリの学習も検討してみてください。
アプリの良いところは、

  • 持ち運びが便利
  • 継続したくなる仕組みがある
  • スキマ時間に取り組みやすい
  • 学習時間が自動で記録される
  • 音声がセットで再生される
  • 間違えた単語を自動で抽出できる

といったものがあります。

おすすめのアプリは、mikanabceedです。
いろいろ試しましたが、レベルに合った単語帳が選べてアプリの設計も親切で非常に使いやすいです。
有料ですが十分課金する価値がある思います。

mikanの使い方については以下の記事で詳しく解説しています。

英語コーチングを利用する

一人でTOEICスコアアップに向けた語彙学習に不安がある方は英語コーチングがおすすめです。

英語コーチングとは、英語学習のプロである英語コーチが専属であなたの英語学習を徹底的にサポートするサービスです。
具体的には

  • 週次の面談
  • 毎日の学習進捗チェック
  • 学習計画の作成
  • 発音・英作文の添削
  • チャットでの質問対応

といったサポートを提供することで、TOEICスコアアップまでの時間を1/2~1/3にまで短縮することができます。
特に語彙学習は自分に合った単語帳選び、学習の時間配分、進捗管理などが面倒になりがちです。
英語コーチングでは専属コーチがすべてのプロセスを担当するので、「勉強するだけ」の環境を作ることができます。

英会話教室やオンライン英会話はレッスン時間にのみ英会話の機会を提供しますが、英語コーチングは面談以外の時間にも毎日学習進捗の確認や課題の添削などのサポートを行っている点が最大の違いです。
学習の継続と効率的な学習の2つに重点を置くことで、効率的なスコアアップをサポートしてくれます。

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TOEICは単語学習以外に何を勉強したらいい?

単語以外に勉強しておくべきものとしては以下のような項目が挙げられます。

  • 発音
  • 文法
  • レベルに合った教材でのリーディング・リスニング
  • TOEIC模試の通し演習

発音

発音学習で身につけてほしいのは以下の2つです。

  • 発音記号
  • 音声変化

発音記号(/ɑ/, /ʌ/など)とは英語の音素を表すもので、約15個の母音と24個の子音で構成されています。
正しい発音を身につけることで、リスニングでの聞き分けができるようになる、スピーキングで相手に聞き取ってもらえるといったような効果が期待できます。
英語と日本語の発音は大きく異なります。例えば日本語の母音「あ」に近い発音は、英語では/ʌ/, /ə/, /æ/, /ɑ/など複数存在します。
本来は一番はじめに学習するべきですが日本の学校教育では学ばないことのほうが多いです。
英会話学習をはじめる40代の方は、一番はじめに発音記号を学習しましょう。発音を学ぶ際は動画つきの教材がおすすめです。
英語の会の発音記号3時間マスターは動画とセットで発音記号を学習できます。書籍で学習したい方はDVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本がおすすめです。
発音記号は数が多くないので、数時間程度で学習を終えることができます。実際に発音しながら、学習してみましょう。

音声変化とは文章を読むときに発音が変化する現象のことで、大きく5つに分類できます。
英語の文章を読めば分かるのに、うまく音が聞き取れないのは音声変化が発生しているためです。
音声変化のルールを学ぶことで、リスニング力を効率的に上げることができます。2週間程度で一通りのルールは学習できます
音声変化を学習する際には、kindle版とハードカバーがある5つの音声変化がわかれば英語はみるみる聞き取れるがおすすめです。

発音の学習を終えたら、自分の発音の正しさをチェックできるELSA Speakなどのアプリでテストを受けるのがおすすめです。
画像のように発音の正確さが数値で確認できます。

音声記号別に発音の正確度を診断することもできるので、例えば/ʌ/の発音は90%出ているけれど/ə/の発音が30%という数字の場合は、後者の音素を復習する、といった効率的な学習ができます。

ELSA Speak: AIで英会話・英語の学習・発音を改善

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文法

中学英文法はすべての技能の基礎になりますので、必ず復習しておきましょう。
おすすめの参考書は中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版です。
わかりやすい挿絵もあり、演習もセットになっているので一冊仕上げれば十分です。

文法を学習するときは以下のポイントを押さえましょう。

  • わからない部分は動画を見る
  • 問題を解く
  • 完璧主義を捨てる
  • 1つの参考書を3周する

文法学習で分からないところは何度読んでもわからないことが多いので、理解度が高まる動画視聴がおすすめです。Youtubeで該当の文法事項の名前で検索すれば文法講義の動画が見つかるはずです。

文法を学ぶときは説明を読んだあとに問題を解きましょう。アウトプットしてみると理解度が低いところが分かったり、記憶に残りやすくなったりします。

文法事項は参考書の学習だけでは100%分からない部分があります。実際に英語を読んだり書いたりする中で分かることもあるので、この時点で100%理解する必要はありません。
分からない箇所に詰まって時間をかけすぎるのは得策ではありません。

文法の参考書はコロコロ変えず、これと決めた一冊を最低三周しましょう。周回を重ねることで次第に理解が深まるので、三周を目安に取り組みましょう。
また、一周したら参考書を変える人がいますが、記憶が定着しないうちに参考書を変えるとせっかく深まりかけた記憶がリセットされるのでおすすめしま

レベルに合った教材でのリーディング・リスニング

発音、語彙3000語、中学文法を学習した後は、語彙学習と並行して中学英文の音読トレーニングを始めていきましょう。

音読をしているとき脳は非常に活発化しており、読む、聞く、書く、話すという英語の4技能すべてに必要な能力が同時に鍛えられています。

ですから、短い時間で大きな効果が期待できるのです。

なぜ音読が効果的と言えるのかについては以下の記事で詳しく解説しているのでぜひご一読ください。

特に英語の基礎が十分でない初学者の方であれば、音読学習は効果抜群と言えるでしょう。

具体的なステップとしては次のようになります。

  1. CDで正しい音声を聞き、テキストを見ながらポーズのあとに続いて音読する
  2. テキストを見ながら音読する
  3. バリエーションを加えて音読する
  4. テキストを見ずにポーズのあとに続いて音読する

それぞれを詳しく見てみましょう。

STEP
CDで正しい音声を聞き、テキストを見ながらポーズのあとに続いて音読する

まずは正しい発音を身に付けましょう。

いきなり読み始める前に必ず正しい発音を聞いてください。

全部聞いてから読むと短期記憶から飛ぶので、適度にポーズを入れながら聞く➔読む➔聞く➔読むというようにCDと交互に音読していきます。

STEP
テキストを見ながら音読する

いわゆる普通の音読です。

正しい発音で読めるようになったら、今度は音声無しでテキストを自分で音読します。

直前で音声を聞いていても読んでいる途中で読み方が崩れたりするので、途中CDステップ1に戻って発音を修正しながら行います。

STEP
バリエーションを加えて音読する

音読は単調になりがちです。

ステップ2をしばらく続けていると意味処理を伴わない「空読み」状態に陥ります。

そこで、音読に変化をつけて「シャドーイング」や「ルックアップアンドセイ」といった音読を行います。

徐々に負荷を高めていく工夫をすると飽きずに音読できます。

STEP
テキストを見ずにポーズのあとに続いて音読する

最後の仕上げでテキストを見ずに、音声だけを聞いてポーズの後に自分で音声を再現します。

かなり負荷が高いですが、音読の仕上げとして行います。

できない箇所は何度も音声を繰り返してできるようになるまで練習します。

※文章が長すぎる場合はコンマで区切ってOKです!

音読を行う際にはいくつか注意事項があります。

ポイントを外すと効果が薄れるので注意してください。

音読をする際の注意事項

  • 正しい音声を聞くこと
  • 意味を理解してから音読すること
  • 同じテキストを繰り返すこと

音読というと、テキストを声に出して読むだけというイメージがあるかもしれません。

しかし、それでは正しい効果が得られません。

音読は必ず正しい発音を聞いて、正しい発音で行ってください。

文法と語彙を調べて英文の意味を理解した後で音読しないと意味がありません

意味がわからないまま、曖昧なまま音読しても脳が働かないので効果が出ません。

音読は繰り返しが肝だということを忘れないでください。

同じテキストを繰り返すことで、徐々に脳が自動で英語を処理してくれるようになります。

中途半端な回数しか練習せず、いろいろなテキストに手を出すのは厳禁です。

音読学習の最初の一冊におすすめなのが「英会話・ぜったい・音読(入門編)」というテキストです。
内容的には中学1、2年生レベルです。

「こんなに簡単なテキストで効果があるのか?」と思うかもしれませんが、中学英語には英語の基本が詰まっています

中学英語をマスターすればTOEIC500は楽に突破できるというデータも出ています。

まずはこのレベルの英語を体の芯まで染み込ませましょう。

もし上のテキストが簡単すぎる、もしくは繰り返しが終わった場合は「英会話・ぜったい・音読(標準編)」というテキストに挑戦してみましょう。

テキストのレベルは中3レベルです。ちなみに私はこのテキストを開始した時TOEICスコアは860でしたが、十分負荷がかかりました。

音読の回数は1つの文章につき100回を目指します。
音読の回数に関して気になる方は、以下の記事で悩みを解決できます。

私は1日30回音読する前提で、次のようなスケジュールで進めました。(上で紹介したテキストは12レッスンで構成されています。)

テキスト周回数音読の内容と回数
1、2周目音声を聞き、テキストありでリピーティング×5回、通常の音読×15回、シャドーイング×5回、テキストなしリピーティング×5回
3、4周目音声を聞き、テキストありでリピーティング×2回、通常の音読×7回、シャドーイング×3回、テキストなしリピーティング×3回 これを2レッスン分すすめる
5周目音声を聞き、テキストありでリピーティング×1回、通常の音読×5回、シャドーイング×2回、テキストなしリピーティング×2回 これを3レッスン分すすめる。

これで100回読んだことになります。

TOEIC模試の通し演習

TOEICは各パートの出題内容に明確な傾向があり、できるだけ多くTOEICの問題を解いて形式に慣れることが必要です。
目安としては、TOEICの模試を10回分解くイメージです。
TOEICは一回あたり120分という長丁場で高速の処理をするために、高い集中力が求められる試験です。
本番までになるべく通しで休みを挟まずに解く回数を稼ぐことで、時間配分や集中力のトレーニングになります。
10回も解けば、各パートでどんな問題が出るのか、時間配分はどうしたら良いのか、といった部分が分かってきて容量が掴めてくるはずです。

TOEICの模試を解く、復習する際は以下のポイントに注意しましょう。

  • 解ける問題を解いていく
  • 制限時間の中で解く
  • 自分なりの解き方を確立する
  • すべての問題を復習しようとしない

TOEICは900を超えるくらいになるまでは、すべての問題に腰を据えて解く時間はありません。英検などのグレード別試験と違って、TOEICは満点の人でも最低点の10点の人でも同じ問題を解きます。
ですから、普通に取り組んでも終わらないような問題数と制限時間が設定されています。
例えば、TOEIC700を目指す場合は普通に解いていったら、リーディングはPart7の前半くらいで制限時間を迎えてしまうでしょう。
分からない問題は飛ばしながら、解ける問題だけを解いていって最後の長文付近までたどり着けるように頑張りましょう。

またTOEICはリーディングパートの時間配分が大切です。日頃から意識していないと本番でペース配分がうまくいかなくなります
普段からPart5は10分、Part6は8分、Part7は57分といったようにパート別に目標時間を設定しておいて制限時間を迎えたら次のパートに行ってしまうようにしましょう。
そうすると徐々にペース感が分かって来るはずです。

TOEICではリスニング、リーディング各パートの解き方のコツやテクニックがあります。絶対にこれ、というものはありませんが例えばPart3, 4の先読みやPart6,7の設問先読みなどそれぞれのパートの解き方を確立させておくことで安定したスコアを出すことができます。

最後に解き終わった後の復習のときには、すべての問題を復習するのは不可能に近いです。
問題を解くのにかかった2倍の時間をかけて復習するのが理想ですが、それだと900点以上でもない限り問題の1/4程度を復習して終わりになってしまうでしょう。
すべてを薄く復習するのではなく、自分の苦手とするパートに多めに時間を配分してすべての問題の中から数問ピックアップして復習するくらいでちょうどいいでしょう。

TOEICはひたすら単語だけ勉強したらいい?についてのまとめ

この記事では以下の疑問に答えてきました。

  • TOEICはひたすら単語だけ勉強したらいい?
  • TOEICスコア別の必要な語彙数とおすすめの単語帳は?
  • 現状の語彙力を測定する方法は?
  • 効率的なTOEIC語彙学習の方法は?
  • TOEICは単語学習以外に何を勉強したらいい?

TOEICはひたすら単語だけ勉強したらいいわけではなく、文法、リスニング・リーディングもバランスよく学習する必要があります。

TOEICスコア別の必要な語彙数とおすすめの単語帳は、目標スコア×10倍の語彙数で、おすすめは以下の参考書です。

現状の語彙力を測定する方法はTest your English vocabularyがおすすめです。

効率的なTOEIC語彙学習の方法は以下の点を押さえることです。

  1. レベルにあった単語帳を使う
  2. 英語から日本語で覚える
  3. 音声もセットで覚える
  4. 自分でも発音する
  5. 品詞を意識する
  6. 一冊を繰り返し学習する
  7. 忘れた頃に復習する
  8. 一日に触れる単語数をできるだけ多くする
  9. アプリを活用する
  10. 英語コーチングを利用する

TOEICは単語学習以外に以下の項目を学習するといいでしょう。

  • 発音
  • 文法
  • レベルに合った教材でのリーディング・リスニング
  • TOEIC模試の通し演習
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この記事を書いた人

現役の英語コーチ・講師が英語学習に関するお役立ち情報を発信中!
TOEIC985・英検1級保有

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