毎日やるべきだと思い込んでいませんか?英会話の理想の頻度とは?
今や自宅でもオンラインで簡単に英会話のレッスンを受講できる便利な時代になりました。
しかし、やみくもにオンライン英会話を続けていても「毎日やった方が良いの?」「毎日続けたらどんな効果が出るの?」という疑問が出てきますよね。
この記事では以下の疑問を解説していきます。
- オンライン英会話は毎日やったほうがいい?
- オンライン英会話を毎日受けるメリット・デメリットは?
- オンライン英会話は毎日続けたらどうなるか?
- 毎日のオンライン英会話に効果的な学習法
- オンライン英会話を毎日続けるコツは?
オンライン英会話は毎日やったほうがいい?
結論から言うと、オンライン英会話は毎日やらなくてもOKです。
毎日やる、2日に1回という頻度で決めずに、1週間の学習時間の2割がアウトプットになるようにする、というのがおすすめです。
第二言語習得理論では、英語学習の黄金比率はインプット8割、アウトプット2割とされています。
インプットとは、外から英語の情報を取り入れる学習のことで、語彙、文法学習、リーディング、リスニングなどの活動を指します。
アウトプットとは、自分の中から英語を外に生み出す学習のことで、ライティングやスピーキングなどの活動を指します。
英語学習では、大量のインプットと少量のアウトプットというバランスを保つのが重要でこの比率で学習することで効率的に英語を習得できると言われています。
そのため、英会話の頻度が毎日であるかどうかよりも、1週間などの単位で見たときに全体の2割程度がアウトプットになっているか、というのが大切だというわけです。
例えば、1日1.5時間の学習で週に10.5時間学習しており、アウトプットとして英会話だけをしているとしましょう。
この場合、週の2割の学習時間である約120分をアウトプット活動に充てるのが適切です。
英会話のレッスンが1回あたり25分とすると、週5回程度取り組むと配分としては十分です。
毎日取り組む場合は、1回のレッスン時間を20分に設定するのもいいでしょう。
もしほかにもアウトプット活動をしている場合は、英会話の回数を減らしてその分を他のアウトプット活動に充てるなどがいいでしょう。
オンライン英会話を毎日受けるメリット・デメリットは?
オンライン英会話は頻度よりも、時間の配分で決めるとよい、という話をしましたがもちろん毎日取り組むことにはメリット・デメリットがあります。
それぞれ確認していきましょう。
オンライン英会話を毎日受けるメリット
オンライン英会話を毎日受けるメリットは以下の2つです。
- 習慣化しやすい
- 英会話への恐怖心が早い段階で薄れる
まず、毎日受講することで一日の中にオンライン英会話の時間があることが自然になり、継続しやすくなります。
英会話は教材決め、講師選び、予約、予習・復習など準備が多い上、対面で行うため腰が重くなりがちです。
毎日実施することでリズムができるため、ルーティンとして習慣化しやすくなります。
また、特に最初のうちは英語で外国人を話すこと自体が難しく、オンライン英会話に恥ずかしさや恐怖心を感じてしまいがちです。
これらは英会話の回数を重ねていくことで徐々に薄れていきますが、毎日レッスンを受講することで英会話への慣れが生まれ恐怖心が早い段階で和らぐでしょう。
オンライン英会話を毎日受けるデメリット
オンライン英会話を毎日受けるデメリットは以下の2つです。
- 毎日時間を確保する時間がある
- インプット不足に陥りやすい
オンライン英会話の受講にはインターネット環境+周りが静かな環境を用意することが必要です。
家庭がある方は家に自分一人、という環境を毎日作るのが難しい場合も多いでしょうから環境づくりに苦労します。
移動中に実施するのも難しく、スキマ時間で区切りながらの実施も難しいため、社会人にとっては毎日オンライン英会話を受けるのは難しい場合があります。
すでに述べたように、英会話は頻度よりも時間の割合が重要です。毎日オンライン英会話を受けることで、インプットの時間が十分に確保できなくなる可能性があります。
例えば、1日1時間英語学習する人が毎日30分英会話をした場合、インプットとアウトプットの割合は5:5になり、理想的な配分の8:2に比べるとアウトプットの時間が多すぎる、ということになります。
これはインプット不足で、毎日英会話をしたことで逆に英会話の学習効率が落ちてしまうことになります。
オンライン英会話は毎日続けたらどうなるか?
オンライン英会話を毎日続けることでどのような軌跡をたどって成長するのでしょうか?
1日1時間のインプットと20分のオンライン英会話を毎日続けた場合の、期間別の成長を紹介します。
1ヶ月
英会話への恐怖心が和らぎ、まだまだ緊張感は残っている状態です。
英語でのあいさつやレッスンの流れを理解し、講師の言っていることはゆっくりジェスチャーを交えてもらうことで何とか理解できる状態です。
スピーキングはまだ文法的な構造を持った文章は言えません。
単語を繋ぐ形で、自分の意図を伝えられる場面がポツリポツリ出てきますが、自分自身では成長を感じられず、ここで情けなさや空回り感を感じて挫折する人が出てきます。
3ヶ月
毎日オンライン英会話をすることが習慣化し、学習に取り組む際の腰の重さもなくなってくる時期です。
超初心者向けのレッスン内容に飽きを感じはじめて、教材の変更を検討し始めます。
リスニングでは、講師のよく言う言い回しなどから5割程度理解して大きく意味を取り違えることが少なくなってきます。
スピーキングは短いながらもしっかりとした文章の形で言えるものが1レッスンで数回出てくるようになります。
このあたりからは落ち着いてレッスンを受講できるからこそ、インプット能力に比べてスピーキングの能力が著しく低いことを認知し、歯がゆい思いをしやすいです。
第三者から見るとリスニングで聞き取れる割合も増え、スピーキングでも何とか意思疎通ができるようになっておりかなり熟達を感じますが、本人は自覚していません。
6ヶ月
明確な変化を感じやすいのが6ヶ月が経過したころで、この頃になると同時に進めてきたインプットの効果が如実に英会話に現れ始めます。
ブレイクスルーが起きて、日によってスラスラ英文が出てくる日がポツポツと出てきて、本人も成長を自覚し英会話の楽しさ、英語でコミュニケーションを取る楽しさを感じられるようになります。
リスニングでは、講師の言っていることはある程度のスピードで喋られてもキャッチアップでき、適切な相槌を挟みながら会話の内容を考えながら聞くことができるようになります。
スピーキングでは、ミスはあれど頭に浮かんだことの半分程度は短い英文を使って伝えることができます。この頃になってくると、徐々にスピーキングで言えなかったことよりも言えたことが増えるようになり、「もっとこんなふうに話せるようになりたい」という欲が出てきます。
1年
同時並行する進めているインプットのレベルも上がり、自分の言いたいことを接続詞などを使ってある程度の長さを持った文章でほぼ正確に意図を伝えることができます。
このあたりからはインプットの能力に応じて人それぞれ天井を感じ始めます。つまり、これまでに培った語彙力や文法知識インプットの量が多かった人はより高いレベルになりますが、そうでない人はストックがなくなってきて成長が鈍化します。
インプットの重要性を感じて、英会話以外の時間でどんな活動をしていくか、ということに目が向いてきます。
周りから見ると、普通に英会話ができる人、として捉えられますが、本人は「細かいニュアンスまで伝えたい」といった成長意欲が出てきてより高みを目指していくことになります。
毎日のオンライン英会話に効果的な学習法
毎日オンライン英会話を続けることは大切ですが、毎回のレッスンの質を上げていくことも重要です。
ここでは、毎日のオンライン英会話の効果を最大化するための学習法を4つ紹介します。
- レベルや目的にあった教材を選ぶ
- 自分が話している時間の長さを意識する
- 予習・復習する
- 聞き取れないときは聞き返す
レベルや目的にあった教材・コースを選ぶ
オンライン英会話は各社様々なコースや教材を用意しています。
例えば日常英会話コース、ビジネス英会話コース、英会話フレーズ教材、場面別ロールプレイング教材など幅広い選択肢があります。
この中で自分の目的とレベルにあったものを選ぶのが毎日のオンライン英会話の効果を最大化するうえで重要です。例えばビジネス英会話が目的なのに「まずは日常英会話から…」としてしまうと目的がずれて遠回りになります。
また英会話を始めたてなのに、ディスカッション系の素材を選んでしまうと質問すら聞き取れず、意見もまったく言えずに自信を失くしてしまうでしょう。
背伸びをせずに「ギリギリ対応できた」と思える教材を選べるよう、はじめは簡単なものからスタートしましょう。
自分が話している時間の長さを意識する
英会話は大きいくくりではアウトプットですが、教材や講師によって実際に自分が英語をアウトプットしている時間が増減します。
例えば、日常英会話フレーズ、のような教材で単語の確認→文章の音読→講師の説明、などの時間は話を聞いているインプットの時間と言えます。
まるまる自分が話しているだけの時間、というのは英会話の性質上難しいですが、受け身で楽な教材をずっと選んでいるとアウトプットの成長がありません。
ある程度慣れてきたら、なるべく自分の能力ギリギリで頭をフル回転させてスピーキングする必要のある教材へとレベルを上げていきましょう。
予習・復習する
英会話ではレッスンを受けっぱなしにして予習・復習に取り組まない、ということがないようにしましょう。
レッスンの前には受講予定の教材の単語や文章の意味はきちんと調べて解釈まで終えておきましょう。レッスンの中には「自分一人でもできるな」というセクションが多くありますので、そういった箇所は講師にお願いして飛ばしてもらうことでアウトプットに多くの時間を割くことができます。
またレッスンを受けた後には、レッスン中にメモしておいた「言いたかったけど言えなかった」ことを調べておきましょう。
調べないとずっとその表現は言えないままです。
日本語と同じように自分がよく言うこと、というのは一定の傾向がありますから都度調べていくと徐々に自分がよく言うセリフから言えるようになるものが増えていきます。
聞き取れないときは聞き返す
講師の質問が聞き取れていないときや、意図があっているかが曖昧なときはきちんと聞き返しましょう。
英会話で質問が聞き返すと「相手に迷惑がられるんじゃないか?」と思うかもしれませんが、曖昧なまま質問に答えるほうがコミュニケーションを取る意志がないと感じられて失礼に当たります。
Could you say that again?(もう一度言っていただけますか?)と言えば、講師はきちんと質問を繰り返してくれるはずです。
英会話講師はこれから英語を頑張りたいという生徒を相手にしていますから、聞き返しには慣れています。もし嫌な顔をされたら、次から別の講師を指名すればよいでしょう。
オンライン英会話を毎日続ける6つのコツ
忙しい社会人がオンライン英会話を毎日続けるためには、6つのコツを押さえることが重要です。
- 1週間のレッスン予約を済ませてカレンダーに入れる
- レッスンの受講タイミングを固定する
- 飽きたら教材を変える
- お気に入り相性の良い講師を見つける
- 定期的にテストを受ける
- できなくて当然と割り切る
1週間のレッスン予約を済ませてカレンダーに入れる
「英会話は一度始まってしまえば楽しいが、始めるまでの腰が重い」というように感じる人が本当に多いです。
特に英会話をしたい気分になったときにやろうとしても、すぐには予約が取れない、などでせっかくのやる気が削がれてしまいます。
毎日英会話を継続するためには、気分で英会話を受けるのではなく、1週間分の受講の予定を取りカレンダーに入れてしまうのがおすすめです。
やる気の有無にかかわらず、とにかく時間になったら受講する、とすることで気分に左右されずにオンライン英会話は毎日受講しやすくなります。
もし、受講予約が先までできない場合は、自分のカレンダーには受講予定を入れておいて毎回のレッスン後すぐにその場で次のレッスンの予約を取ってしまうのがおすすめです。
レッスンの受講タイミングを固定する
オンライン英会話は20分などある程度まとまった時間を取り、周りに邪魔されない環境を作ることが必要です。
予定の合間や家族が活動している時間に家でレッスンの受講環境を作るためには、朝の時間などにレッスンの受講タイミングを固定するのがおすすめです。
夜の仕事終わりだと、仕事の影響でズレが生じたりしやすいので、影響を受けにくく、家族の活動も多くない朝にレッスンを固定して受講していくとリズムを作りやすくなります。
飽きたら教材を変える
オンライン英会話では各社多数の教材を用意していますが、はじめは簡単すぎるくらいの教材から徐々に難しいものにレベルを上げていきます。
各教材ボリュームはありますが、完走せずとも飽きたら教材を変えるのが継続のコツです。
「飽きる」というのはその教材が自分の能力に比べてレベルが低くなっている証拠です。
ギリギリのレベルで頭がフル回転している状態では、「教材に飽きた」と感じることはありません。
特に多いのが「講師の話している時間や単語の確認などがつまらない」と感じるパターンです。
この場合は、もっと話したい、頭を使ってスピーキングをしたい、と思えている前向きな成長の証です。
ディスカッション系の教材や、ニュース記事などのディスカッションパートだけに取り組むなどして、自分がアウトプットしている時間が長くなるような、自由度の高い教材に変えるのがおすすめです。
お気に入り相性の良い講師を見つける
英会話はコミュニケーションですから、相手あってのことです。日本語でもそうであるように、話しやすい、発話の割合がちょうどいい、適度に指摘してくれる、など相性がいいと感じられる講師を見つけましょう。
毎日同じ講師というわけにはいきませんが、「この先生と話すのが楽しみ!」と思えると英会話のレッスンに前向きに取り組めるようになっていきます。
また、お気に入りの講師を見つけて、長期間レッスンを受けていると自己紹介の必要もないですし、成長を感じたときに相手がコメントしてくれる、こともあります。
英会話の成長は自分でも実感しづらいので、お気に入りの先生から「最初の頃よりも発音が良くなっているよ!すごく成長したね!」という言葉をもらえるととても嬉しいものです。
定期的にテストを受ける
英会話における成長は自分でも感じづらいため、定期的に客観的なスコアを確認することをおすすめします。
テストを受けることで、自分では「成長しているんだろうか?」と思っていてもスコアが伸びていることが分かれば成長を実感できます。
人間は前に進んでいる感覚があることに大きな喜びややりがいを感じますので、定期的にスコアで成長を感じられるようにすることで、毎日のオンライン英会話のモチベーションになります。
VERSANTやPROGOSなどスマホで受けられるスピーキングの試験も増えてきているので、ぜひ受験を検討してみてください。
以下の記事では、英会話の資格おすすめ5選を詳しく解説しています。
できなくて当然と割り切る
英会話で挫折の一番の要因は「自分自身に失望すること」です。
特にある程度読み書きができるところから、英会話を始めた場合自分の期待と現実のギャップに苦しむことになります。
実際は少しづつ上達していても「リーディングでは難しい英文が読めるのに、なんでスピーキングはこの程度しか出来ないんだ」と自分の小さな変化に気付けない、満足できないということが往々にしてあります。
英会話の能力はTOEICなどの試験で測れる能力とは別物です。学生時代に英語を学んでいても、スピーキングの教育は受けていないため、出来なくて当然です。
能力の開きは当たり前のことと捉えて、これから徐々にできるようになっていけばいいという気持ちで小さな成長を喜んでいきましょう。
毎日オンライン英会話を受けるべきかについてのまとめ
この記事では毎日オンライン英会話を受けるべきかについて以下の疑問に答えてきました。
- オンライン英会話は毎日やったほうがいい?
- オンライン英会話を毎日受けるメリット・デメリットは?
- オンライン英会話は毎日続けたらどうなるか?
- 毎日のオンライン英会話に効果的な学習法
- オンライン英会話を毎日続けるコツは?
まず、オンライン英会話は毎日やらなくてもOKで、頻度よりも、学習時間の2割がアウトプットになるようにするのがおすすめということでした。
オンライン英会話を毎日受けるメリットは以下の2点です
- 習慣化しやすい
- 英会話への恐怖心が早い段階で薄れる
オンライン英会話を毎日受けるデメリットは以下の2点です
- 毎日時間を確保する時間がある
- インプット不足に陥りやすい
オンライン英会話は毎日続けると期間別に以下のような成果が見られるようになります。
- 1ヶ月→成長は感じないが慣れ始める
- 3ヶ月→本人は感じないが成長が見られ、何とか意思疎通できる
- 6ヶ月→インプットの成果が如実に現れ成長を自覚できる
- 1年→もとの英語力によって成長の天井が変わる。次のステージを見始める
毎日のオンライン英会話に効果的な学習法としては以下の4つを挙げました。
- レベルや目的にあった教材を選ぶ
- 自分が話している時間の長さを意識する
- 予習・復習する
- 聞き取れないときは聞き返す
オンライン英会話を毎日続けるコツは以下の6つです。
- 1週間のレッスン予約を済ませてカレンダーに入れる
- レッスンの受講タイミングを固定する
- 飽きたら教材を変える
- お気に入り相性の良い講師を見つける
- 定期的にテストを受ける
- できなくて当然と割り切る
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