【英語コーチが解説】社会人の英会話レッスンは意味がない?
「英会話教室に通うのは時代遅れだ」「オンライン英会話をやっても英会話ができるようにならない」という意見を聞いたことがあったり、実際に体験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
せっかく通うならしっかり英会話を習得したいですよね。
この記事では、英検1級・TOEIC985の英語コーチが社会人の英会話レッスンについて以下の疑問に答えていきます。
- 社会人の英会話レッスンは意味ない?
- 社会人の英会話レッスンの効果を最大化するには?
社会人の英会話レッスンが意味ないと言われる5つの理由
結論から言うと英会話レッスンに意味がない、ということはありません。
しかし、正しく活用しないと効果が出づらいのも事実ですからまずは社会人の英会話レッスンが意味ないと言われる5つの理由を解説していきます。
- レッスン時間だけでは学習量が不足するため
- 講師・カリキュラムが合っていない
- 上達に気づきづらいため
- 短期間では効果が出づらいため
- 自分が話している時間が短いため
レッスン時間だけでは学習量が不足するため
英会話スクールやオンライン英会話のレッスンで効果が出ない一番の理由は単純に学習時間が不足していることです。
社会人から学習をスタートした場合学生時代の学習に加えて、日常英会話の習得にはおよそ860時間、ビジネス英会話の習得には2800時間必要だとされています。
週に2回1時間ずつ英会話のレッスンを受講した場合、年間で約100時間かかる計算になりますから、ビジネス英会話はもちろん、日常英会話の習得までにも9年ほどかかることになります。
このことを考えれば「英会話のレッスンは意味がない」というわけではなく、単純に英語の学習時間が足りていないことが問題だと言えます。
講師・カリキュラムが合っていない
英会話レッスンの講師や学習カリキュラムが自分に合わない場合、英会話のレッスンを受けても効果が出づらいでしょう。
特にマンツーマンのレッスンでは、講師とレッスン時間のすべてを一緒に過ごすことになるため、相性は重要です。
例えば、英文法の間違いを過度に指摘される、レッスンに対して準備不足を感じる、そもそも英会話の力が怪しい、など講師に満足していない状態ではレッスンの満足度も下がってしまうでしょう。
また英会話スクールはそれぞれ独自のカリキュラムを提供しており、自分の受講目的とカリキュラムの特徴が一致していることが重要です。
例えば英会話スクールとはいうものの、TOEIC対策をメインに行なっているところもあり、英会話の習得が目的なのにこういったスクールに通っては効果が薄いでしょう。また、初心者がいきなりレベルの高いビジネス英会話のレッスンに参加しても自信を失ってしまうでしょう。
上達に気づきづらいため
英会話は実際には上達しているにもかかわらず、当の本人は自らの成長に気付けないことがよくあります。
英会話の学習で成果を感じづらい理由は2つです。
一つ目はリーディング能力とのギャップの大きさです。学校教育を受けた日本人はリーディングは大学受験レベルの難しい英文を理解できるのに、スピーキングでは簡単な英語も言葉にできないというギャップがあります。
そのため、多少成長して「I like reading books.」のような英文を言えるようになったとしても「こんなこと言えて当たり前だ」「会議で使えるレベルの英語じゃない」と無意識に考えてしまいます。
二つ目は英会話の実力が可視化できない(と思われている)ためです。リーディングやリスニングはTOEICなどの有名な試験でスコアという形で見えます。
しかし、英会話のスキルはテストなどの知名度が低いため、スコアにできないのではないかと思われがちです。
実際には英会話の実力を可視化することができる検定試験はいくつかありますので、以下の記事で確認しておきましょう。
短期間では効果が出づらいため
英会話の学習は取り組んですぐに効果が出るものではありません。
すでに述べた通り、日常英会話で860時間、ビジネス英会話で2800時間程度の学習時間が必要です。
1ヶ月でもやればすぐにできるようになる、という期待をしていると現実とのギャップから「英会話のレッスンなんて意味がない!」と勘違いしてしまうでしょう。
実際には1ヶ月取り組んでも英会話で明確に成長を感じることはできないでしょう。ましては「ペラペラ」というレベルに達するには1年でも到達できない、ということは肝に銘じておきましょう。
自分が話している時間が短いため
英会話教室に通っていれば自動で英会話が上達するわけではありません。
英会話の時間はあくまで「アウトプットの時間」でしかありませんが、レッスンの時間どれだけ自分の頭をフル回転させて英文を口にしたか、というのが大切です。
英会話のレッスンを受講しても、講師の話を聞いているだけ、新しい表現を音読するだけといったインプットの活動がメインになっていては、せっかく英会話をしに行っているのにスピーキングをする時間が短くなってしまいます。
受身の姿勢で漫然とレッスンを受講するだけでは英会話の成長は見込めないでしょう。
社会人の英会話レッスンの効果を最大化する方法
社会人が英会話レッスンを受講する場合には、ポイントを押さえた方法で取り組むことでレッスンの効果を最大化させることができるでしょう。
ここでは社会人の英会話レッスンの効果を最大化する6つの方法を解説していきます。
- レベルや目的に合った英会話サービスを選ぶ
- レッスン外の時間に学習する
- 十分なレッスン数を受ける
- 成長を可視化する
- レッスン中は積極的に話す
- 英語コーチングを利用する
レベルや目的に合った英会話サービスを選ぶ
英会話のレッスンの効果を最大化させるためには、自分が学習する目的と自分のレベル感をはっきりさせておくことが大切です。
まずあなたが英会話のレッスンを受講する目的は何でしょうか?
「とりあえず英会話のレッスンを受けておこう」「英会話のレッスンに通ったら英会話ができるようになって将来役立ちそう」といったあいまいな理由だと、自分に合った英会話のレッスンを決めることができません。
例えば、「会社の英語の会議で内容を理解して自分の意見をはっきり言いたい」「外国人の友人とのコミュニケーションをスムーズにしたい」など具体的な目的をはっきりさせましょう。
次に自分の英会話のレベル感を自分で認識してきましょう。「英会話は全然できない!」といっても、中学英文法を理解するところからスタートするのか、大学受験まで経験しているがスピーキングは苦手、という状況なのかによって何から着手していくかが大きく変わります。
このように①学習の目的②現在のレベル感を把握したうえで、適切な英会話サービスを選びましょう。
レッスン外の時間に学習する
英会話で効果が出ないのは、英会話レッスンに意味がないわけではなく、単純に学習時間が不足しているためです。
1週間に1時間だけレッスンを受けるだけでは、英会話の上達を感じるまでに長い期間がかかってしまい「英会話に意味がない」と感じてしまいます。
すでに述べた通り、日常英会話には860時間、ビジネス英会話の習得には2800時間の学習時間が必要とされています。
英会話のレッスンのほかに、自分で学習時間を確保しないとそもそもの学習時間が足りなくなってしまいます。
また英会話を習得する場合でも、大量のインプット学習が必要であることが必須です。
第二言語習得理論によると理想的な英語学習の時間配分はインプット8割、アウトプット2割とされています。
インプット学習とは、英単語、英文法、例文暗記、リーディングやリスニングなど外部から英語の情報を受信する活動を指します。
アウトプット学習とは、ライティング、スピーキングなど自分の中から英語を発信する活動を指し、英会話中のスピーキングもこれに含まれます。
英会話のレッスンのほかに、自分で大量のインプットをする時間を設けることで、英会話レッスンの効果を最大化できます。
十分なレッスン数を受ける
本気で英会話を習得しない場合、ある程度の頻度で英会話のレッスンを受講する必要があります。
1日1.5h英語学習の時間を確保できる場合、オンラインでも英会話教室でも週に2時間分のレッスン受講が適当です。
オンライン英会話ならレッスン一回あたりは25分が多いので、週5回程度受講するのがちょうどいいでしょう。
週に1回だけの受講となると、十分なアウトプットの時間とは言えないため、なかなか効果を実感しづらいでしょう。
成長を可視化する
英会話は①リーディングの能力と比べてスピーキングのレベルが極端に低い②会話の内容は残らない、という2つの理由で自分自身で成長を実感しづらいです。
最近ではスマートフォンでAIがスピーキングの能力を測定してくれるアプリがあったり、英会話の能力を測定してくれる試験なども登場していますので、こういった試験を定期的に受けることで成長を可視化することをおすすめします。
自分では成長が分からなくても、英会話のテストで点数が上がっていくことで「少しづつ英会話が上達している!」という実感が得られ、モチベーションを高く保つことができるでしょう。
レッスン中は積極的に話す
英会話のレッスン中に受け身で話を聞いているだけ、講師に任せて一言二言英語で話す、という姿勢ではせっかくのアウトプットの機会を逃していることになります。
英会話レッスンを30分受講したとして、積極的に自分から発言する人は15分アウトプットができていますが、受け身の人はアウトプットの時間は3分にも満たないでしょう。
英会話の習得のためには、アウトプットの機会をしっかり持つことが重要ですので、レッスン中は自分が主導権を握るくらいのつもりで積極的に発言していきましょう。
英語コーチングを利用する
社会人が英会話を習得しようとする場合、英語コーチングを利用することで英会話の効果を最大化させやすくなります。
英語コーチングとは、英語学習のプロである英語コーチが専属で学習者のサポートを行うサービスです。
具体的には
- 週次の面談
- 毎日の学習進捗チェック
- 学習計画の作成
- 発音・英作文の添削
- チャットでの質問対応
といったサポートを提供することで、英会話習得までの時間を1/2~1/3にまで短縮することができます。
日常英会話には860時間、ビジネス英会話の習得には2800時間の学習時間が必要とされています。
しかし、英語コーチングを利用することで日常英会話の習得までを280時間、ビジネス英会話の習得までを900時間程度にまで圧縮することができます。
英会話教室やオンライン英会話はレッスン時間にのみ英会話の機会を提供しますが、英語コーチングは面談以外の時間にも毎日学習進捗の確認や課題の添削などのサポートを行っている点が最大の違いです。
学習の継続と効率的な学習の2つに重点を置くことで、社会人の英会話習得をサポートしてくれます。
英語コーチングについて、以下の記事で詳しく解説しています。
社会人の英会話レッスンは意味がない?についてのまとめ
社会人の英会話レッスンが意味ないと言われる5つの理由は以下です。
- レッスン時間だけでは学習量が不足するため
- 講師・カリキュラムが合っていない
- 上達に気づきづらいため
- 短期間では効果が出づらいため
- 自分が話している時間が短いため
社会人の英会話レッスンの効果を最大化するポイントは以下の6つです。
- レベルや目的に合った英会話サービスを選ぶ
- レッスン外の時間に学習する
- 十分なレッスン数を受ける
- 成長を可視化する
- レッスン中は積極的に話す
- 英語コーチングを利用する
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