英会話のための文法学習におすすめの本・サイト・アプリ7選

英会話に文法学習は必要なし。ひたすら英会話の場数を踏むべき。」という意見を聞いたことがあるかもしれません。
学生時代英文法を学んでいるのに、英語が少しでも話せる日本人は少ないですよね。

しかし、結論からお伝えすると「効率的な英会話習得には英文法が必須」です。
この記事では英会話のための英文法について以下の疑問にお答えしていきます。

  • 英会話に文法が必要な理由は?
  • 英会話のために集中的な文法学習は必要か?
  • 英会話のための文法テキストの選び方は?
  • 英会話のための文法を学ぶのにおすすめの本・サイト・アプリは?
目次

英会話に文法が必要な理由は?

英会話に文法が必要な理由は以下の2つです。

  1. リスニングで相手の意図が理解できなくなるため
  2. スピーキングの成長が著しく鈍化するため

リスニングで相手の意図が理解できなくなるため

英文法を知らない状態では、たとえ音を聞き取ることができても相手が英語で何を伝えようとしているのかを解釈するのは難しくなります
挨拶程度の定期的な表現であれば英文法を介さずとも意味を理解できますが、内容を伴う会話では文法なしに正しい解釈は不可能です。

以下は外国語習得のプロセスを学問的に明らかにする第二言語習得論に基づき、リスニングのプロセスを図式化したものです。

第二言語習得理論におけるリスニングのプロセス

リスニングは音声知覚→意味理解という2つのプロセスで処理されます。
このうち、音声知覚とは聞こえてきた音を正しく認識するプロセスを、意味理解とは知覚した音声から意味を読み取るプロセスを指します。

意味理解のプロセスでは、脳内のデータベースに記憶されている英単語の意味や文法知識を参照して、聞き取った英文の意味を解釈していきます。
当然文法知識がない場合、英文の意味を正しく解釈することはできません。

例えば以下は極端な例ですが、私たちが英語を解釈するときは自然に英文法の知識を参照している例です。

I eat an apple.
→I=S、eat=V、an apple=Oだと分かるため「私はりんごを食べる」と解釈できる。
→文法を知らないと「りんごが私を食べる」という解釈の可能性が出てくる。

「こんなの間違えないよ」と思うかもしませんが、Iは代名詞の中でも「主格」のため主語だと分かり、動詞のeatのあとに名詞an appleが来ているため「私はりんごを食べる」という解釈ができています。
このとき品詞・格・文型といった英文法の知識を知らず知らずのうちに総動員しているのです。
皆さんは、あまりに馴染みがあるせいでほとんど無意識のうちに英文法の知識を活用して意味解釈をしています。

英文法を知らないままだと、かんたんな挨拶以外の意味理解ができなくなってしまいますのでリスニングのためにも英文法は必須です。

スピーキングの成長が著しく鈍化するため

英文法を知らないままスピーキングの学習をするのは非常に勿体ないです。
英文法を学ぶことで、スピーキングの引き出しが大きく増えます。
一を聞いて十を知る、という言葉通り、英文法の項目を一つ学ぶことで何十通り物応用パターンを習得できるため非常に効率よくスピーキングが成長します。

例えば文法は「ルール」ですから、以下のように一つの文法項目と同じ用法をするものが複数あります。

want O to do→「Oに〜してほしい」という文法項目
→ask O to do, tell O to doなどの類似表現も一緒に覚えられる

このように一つの文法と同じルールが適用される項目を一気に覚えることができるため英文法はスピーキングにおいて必須と言えます。

英会話のために集中的な文法学習は必要か?

英会話において英文法が必要だということを説明しましたが、「英会話の中で自然に覚えたらいいのでは?」という疑問をお持ちの方もいると思います。

残念ながら、大人が英会話の中で自然と英文法を自然に習得するのは非常に非効率的です。
15歳ころまでは母語習得と近い形で、英語に触れていく中で自然に英文法が身についてきますが、15歳を過ぎると外国語は母語を通してのみ習得されることが分かっています。
ですから、子どものようにたくさん英語に触れたり使えば自然と英語ができるようになる、という発想は子どもにしか当てはまらないのです。

一つ朗報があるとすれば、英文法を理解して応用する力は子どもよりも大人の方が圧倒的に高いという事実です。
学生の時に英文法が苦手でも大人になった今は理解しやすくなっているのは論理的思考力は年齢とともに成熟していくためです。
そのため、子どものように英会話の中で自然と英文法が身につくことはなくても、大人は英文法を集中的に学習して英会話の中で応用する、というステップを踏むことで効率的にスピーキング力を高めることができるわけです。

英会話のための文法テキストの選び方は?

英会話のための文法テキストの選び方は以下の3つです。

  1. レベルに合わせて選ぶ
  2. 本かkindleかアプリかで選ぶ
  3. 音声がついているかどうかで選ぶ

レベルに合わせて選ぶ

何も話せない状況からいきなりペラペラになるわけではなく、スピーキングには大きく分けて4つの習熟段階があります。
この4つの段階に合わせて適切な英文法学習に取り組むといいでしょう。

STEP
文法項目別にかんたんで短い文章が口をついて出るようにする
  • 中1から中3の文法項目別に短文を口頭で作文できる
  • はじめは文字ありで、徐々に音だけで英訳する
STEP
文法項目をシャッフルしてもかんたんで短い文章が口をついて出るようにする
  • 中1から中3の文法項目をシャッフルして即座に口頭で英作文できる
STEP
文章を組み合わせて、長めの文章も話せるようにする
  • 文字ありで複雑な日本語を即座に英語の構造に変換して作文できる
STEP
定型表現や場面を想定して適切な表現ができる
  • フレーズ集などで身につけたい分野のフレーズを覚える
  • 和文和訳を駆使して幅広い状況に英語で対応できる

日本人のほとんどはSTEP1からスタートしますが、中学英文法が怪しい方はすべての技能の基礎になりますので、必ず復習しておきましょう。
大学受験などを経験していて、「中学英文法をしっかり理解しているが、使いこなしてかんたんな英文を口頭で作ることはできない」という場合は、瞬間英作文というトレーニングでかんたんな英文を口頭で即座に口に出していく頒布トレーニングをする教材がおすすめです。

STEP2ではSTEP1で文法項目別に口頭で瞬間英作文できるようになった状態から、それらをシャッフルして出題されても答えられるようにしていきましょう。

STEP3では中1から中3のを文章を組み合わせて、長めの文章も話せるようにするしていきましょう。
STEP1,2でしっかり中学英文の短文なら口をついて出るレベルにしていないとこのレベルのトレーニングは難しいでしょう。

最後にSTEP4ではすでに基礎的なスピーキングは問題なくできるはずですので、さらなる高みを目指すことになります。
ビジネスで英語を使いたい人は高校英文法を、日常英会話や旅行など特定の場面で使えるフレーズを増やしたい方はフレーズ集などを教材にするといいでしょう。

本かkindleかアプリかで選ぶ

英文法の教材のメディア形式は大きく以下の3つに大別されます。

  • kindle
  • アプリ

王道は市販されている参考書で、書店などで購入するハードコピーの文法教材です。
本での学習は書き込みがしやすく、ページのめくりも速く、また何より慣れている人が多いのがメリットです。
一方で持ち運びが面倒であるというデメリットもあります。

kindle版で出版されている電子書籍化された教材もあります。
本と比べて持ち運びがしやすいですが、画面が小さく目が疲れたり、書き込みができないという弱点があります。

最後にWebアプリや、アプリで英文法を学ぶことも可能です。
書き込みの代わりにタッチやスワイプで並べ替えをしたり、英文法の解説動画もスムーズに接続しやすい反面スマホでの操作に慣れていない人にはハードルが高く感じるでしょう。

音声がついているかどうかで選ぶ

スピーキングのための英文法のうち、すでに述べた4ステップのSTEP1,2の瞬間英作文は音声付きの教材を選びましょう
中学・高校英文法の理解をしたい場合は、基本的には読み物がメインになりますが、口頭での英作文の瞬発力を鍛えたい場合は、文字無しで日本語の音声を聞いて即座に英語に直していくトレーニングが有効です。

音声がないとそういったトレーニングができないので、自分の学習段階がSTEP1,2に属する場合は音声付きの教材を選びましょう。

英会話のための文法を学ぶのにおすすめの本・サイト・アプリは?

英会話のための文法を学ぶのにおすすめの本・サイト・アプリを7つ紹介していきます。

中学英文法に不安がある→中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版

中学英文法をイチからやり直したい、正直不定詞や動名詞と言われても説明できない、という方におすすめの参考書は中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版です。
わかりやすい挿絵もあり、演習もセットになっているので一冊仕上げれば中学英文法の理解は十分でしょう。
kindle版もあります。

並び替えや英作文を通して中学英文法をさらっと確認したい→ 中学全範囲英文法パターンドリル

説明は不要だが、中学英文法をさらっと一通り復習しておきたい方におすすめの参考書は英文法パターンドリル 中学全範囲です。
説明は最小限に、中学英文法の全項目別に穴埋め、並べ替え、英作文といった演習メインの参考書です。
いきなり英作文から取り組んでいって怪しい項目だけ、説明を読んだあとに穴埋め、並べ替えにも取り組むやり方が効率的です。
こちらはハードコピーの本のみです。

中学英文法を項目別に使いこなしたい→どんどん話すための瞬間英作文トレーニング

中学英文法を理解しているけれど、それを使って口頭ですぐに英文を作ることができないという方は瞬間英作文と言って、口頭で次々に日本語から英語を生成していくトレーニングがおすすめです。
大学受験以来勉強する方などは、ここから始める方がほとんどです。

ここでは「文法項目別にかんたんで短い文章が口をついて出るようにする」ようになるための、瞬間英作文の取り組み方を動画でチェックしてみましょう。

動画では日本語→英語が順に読まれており、日本語を聞いて(はじめのうちは読んで)すぐに英文を口頭で作文するようなトレーニングになります。

教材としてはどんどん話すための瞬間英作文トレーニングがおすすめです。
中1〜中3の文法項目別に720の日本語と対応した英語の文章がセットになった参考書です。
付属のCDもしくはアプリの音声を使って、慣れてきたら日本語の文章を見ずに音声を聞いて英語に直すように負荷を上げていくといいでしょう。
学習のゴールは耳から日本語を聞いて即座に淀みなく英語に直せるようにすることです。

アプリ版もあるので学習スタイルに合わせて活用してください。

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング

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より詳細な使用方法については以下の記事で解説しています。

中学英文法を使いこなしたい→スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

中学レベルのかんたんな英文が口をついて出るようになったら、次は文法項目をごちゃ混ぜにした状態でも対応できるようにしましょう
例えばSTEP1では、「SVO」の項目ではすべて同じ文法項目が用いられていますが、それでは実際の英会話では使い物になりません。
STEP2では文法事項をシャッフルした状態で次から次へと日本語を英語に口頭で直せるようにします。

文法項目をシャッフルした例
・あなたはよく映画を見ますか?
→Do you often watch movies?(一般動詞の疑問文)
・彼は今、英語を勉強しています。
→He is studying English now.(現在進行形の文)
・私たちは去年、京都に行きました。
→We went to Kyoto last year.(過去形の文)
・彼女はすでに宿題を終えました。
→She has already finished her homework.(現在完了形の文)
・彼らは明日、美術館を訪れる予定です。
→They will visit the museum tomorrow.(未来の文)

STEP2の教材としてはスラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニングおすすめです。
この教材は前半の「シャッフル編」と後半の「コンビネーション編」に分かれており、STEP2では前半のシャッフル編を活用します。
付属のCDもしくはアプリの音声を使って、慣れてきたら日本語の文章を見ずに音声を聞いて英語に直すように負荷を上げていくといいでしょう。
学習のゴールは耳から日本語を聞いて即座に淀みなく英語に直せるようにすることです。

アプリ版もあるので学習スタイルに合わせて活用してください。

スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング

Beret Publishing Co. INC¥1,300posted withアプリーチ

Web上で中学・高校英文法を理解したい→ちょいデブ親父の英文法

中学・高校英文法の説明を無料のWebページで学習したい場合はちょいデブ親父の英文法がおすすめです。

無料なので広告がつきますが、スポットで分からないところを確認したい場合などにおすすめです。

アプリで文法を理解したい→早打ち英文法

スマホアプリで気軽に英文法を学習したい場合は「早打ち英文法」がおすすめです。
文法項目別に空欄補充や並べ替え問題がたくさん用意されており、ガンマンになったつもりで語順通りに風船を撃ち落としていきます。

広告はありますが無料で利用できるので、テキストでの学習に抵抗がある方にはおすすめです。

早打ち英文法

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高校英文法を理解したい→Mr.Evineの英文法ブリッジコース[中学修了→高校基礎]

高校英文法を理解したい場合、Mr.Evineの英文法ブリッジコース[中学修了→高校基礎]がおすすめです。
名前通り、中学英文法と高校英文法の基礎をつなぐレベルの参考書で英会話に使える高校基礎レベルの英文法を学習するのにピッタリです。
kindle版もあります。

英会話のための文法学習についてのまとめ

英会話のための文法学習についてこの記事では以下の疑問に答えてきました。

  • 英会話に文法が必要な理由は?
  • 英会話のために集中的な文法学習は必要か?
  • 英会話のための文法テキストの選び方は?
  • 英会話のための文法を学ぶのにおすすめの本・サイト・アプリは?

英会話に文法が必要な理由は以下の2つです。

  1. リスニングで相手の意図が理解できなくなるため
  2. スピーキングの成長が著しく鈍化するため

英会話のために集中的な文法学習は必要か?について、結論は「必要である」と言えます。
大人が英会話の中で自然と英文法を自然に習得するのは非常に非効率的で、集中的に英文法を学習することでその後の英会話習得をスムーズにできます。

英会話のための文法テキストの選び方は以下の3つの観点を持つといいでしょう。

  1. レベルに合わせて選ぶ
  2. 本かkindleかアプリかで選ぶ
  3. 音声がついているかどうかで選ぶ

英会話のための文法を学ぶのにおすすめの本・サイト・アプリは以下の7つです。

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具体的には

  • 週次の面談
  • 毎日の学習進捗チェック
  • 学習計画の作成
  • 発音・英作文の添削
  • チャットでの質問対応

といったサポートを提供することで、英会話習得までの時間を1/2~1/3にまで短縮することができます。
日常英会話には860時間、ビジネス英会話の習得には2800時間の学習時間が必要とされています。
しかし、英語コーチングを利用することで日常英会話の習得までを280時間、ビジネス英会話の習得までを900時間程度にまで圧縮することができます。

英会話教室やオンライン英会話はレッスン時間にのみ英会話の機会を提供しますが、英語コーチングは面談以外の時間にも毎日学習進捗の確認や課題の添削などのサポートを行っている点が最大の違いです。
学習の継続と効率的な学習の2つに重点を置くことで、効率的な英会話習得をサポートしてくれます。

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この記事を書いた人

現役の英語コーチ・講師が英語学習に関するお役立ち情報を発信中!
TOEIC985・英検1級保有

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