【脱停滞期!】あなたの英会話が上達しない10個の原因と対策!
英会話の習得を目指していると「オンライン英会話を1年続けているのに満足に話せない」「英会話の伸びがあるときから止まっている感じがする」といった悩みを抱える人は本当に多いです。
資格試験の勉強や受験勉強に比べて、英会話の学習は自分の実力が伸びているのかが分かりづらく伸び悩んだ時に何をすればいいのかが分かりづらいですよね。
この記事では英会話が上達しない理由と上達しなくなった時にすべきことを解説していきます。
- 英会話が上達しないのはなぜ?
- 英会話が上達しなくなったときにすべきことは?
英会話が上達しないのはなぜ?
- プラトーの時期だから
- 上達に気づいていないから
- 勉強時間が足りていないから
- 基礎的な単語・文法を知らないから
- 英会話表現を知らないから
- リスニングの音が聞き取れていないから
- リスニングの意味解釈が追いつかないから
- スピーキングで和文和訳ができていないから
- スピーキングで長文を作る練習をしていないから
- スピーキングで手続き的記憶が少ないから
プラトーの時期だから
英会話の上達が止まっているのはプラトーの位置にいるからかもしれません。
プラトーとは成長過程の中で、時間をかけても成長がほぼ感じられない期間のことをいいます。
このプラトーは英会話の習得においてもほぼ全員が経験する現象で、プラトーの前後では飛躍的な成長があります。
例えば、英会話の勉強を始めて3ヶ月ほどは順調に成長し、かけた時間の分だけ英会話ができるようになります。
しかし、そこからプラトーの時期に突入し3ヶ月間勉強してもまったく成長を感じられない時期が続きます。
プラトーの時期もそれまでと同様の学習を続けていると、突然ブレイクスルーして飛躍的に成長する時期がやってきます。
もしいま英会話の成長が停滞している場合プラトーにいる可能性があります。
プラトーの時期は、残念ながらどれだけ勉強しても成長は見込めません。
しかし、ここで学習を辞めてしまう、緩めてしまうとその後の飛躍的な成長は望めません。
プラトーは次のレベルにステップアップするために、それまでの脳をアップデートしている充電期間とも言える時期です。
プラトーが来たら、「飛躍的な成長の前兆だ」と前向きに捉えるようにしましょう。
ただし、勉強の方向性を間違えずにプラトーを迎えている場合はいいですが、単に英会話の学習の方向性が間違っている可能性もあります。
プラトーの時期が半年以上続いている、オンライン英会話を受講しているだけ、という場合はプラトーではなく学習の方向性を見直す必要があります。
上達に気づいていないから
リーディングやリスニングなどはTOEIC、英検などの資格試験で全員が同じ問題を読む・聞くためスコア算出もしやすく成長を実感しやすいです。
一方で英会話は一つのテーマに対して答えはなく、個人差が大きく出るため成長を実感しづらいです。
そのため、今「英会話の成長が停滞している」と思っている場合でも実は周りから見ればきちんと成長している、という可能性もあります。
実際、私が担当している受講者さんも本人は「ここ最近は英会話の成長を感じられていません…」とお悩みである一方で客観的なスコアを出してみるとしっかり成長していた、ということは本当によくあります。
勉強時間が足りていないから
社会人からスタートして日常英会話が出来るまでには約860時間、ビジネス英会話が出来るまでには約2,800時間かかります。
そもそもの学習時間が成長を実感するのに十分でない場合、期待値が高すぎると言えるでしょう。
例えば社会人の方が英語の学び直しで1日30分学習した場合、日常英会話を身につけるのに必要な860時間を達成するには約4年9ヶ月かかることになります。
これでは半年経って「成長が感じられないなあ」と思うのも当然だと言えるでしょう。
日常英会話、ビジネス英会話の習得に必要な学習時間の算出根拠などは以下の記事で詳しく解説しています。
基礎的な単語・文法を知らないから
中学レベルの英単語・文法に不安がある場合、英会話のレッスンを受講しても満足に成長を感じられないでしょう。
最低限の英単語3,000語程度を知らないと、そもそも相手が何を言っているのかを理解できずスピーキングの前にリスニングで躓いてしまいます。
この状態ではジェスチャーや講師からのサポートがないと英会話のレッスンは成立せず、いくら英会話のレッスン数を受けても成長は難しいでしょう。
また文法は英語の「ルール」です。英会話のリスニング・スピーキングにおいても最低限中学英文法というルールを理解しない状態では、英会話のレッスンはほとんど効果がないと言えます。
英会話表現を知らないから
基礎的な英語力はあるはずなのに、相手の言っていることで理解できない、即座に反応できない、という場合英会話で使われる表現をあまり知らないことが原因で上達していない可能性があります。
例えば英会話を始めたてのうちは、「What do you do?=仕事は何をしているの?」という質問を「今何をしている最中ですか?」と勘違いして「I’m talking with you!」などと答えてしまうのはよくある笑い話です。
他にも英語での相槌が分からず相手の話をうまく聞けなかったり、書き言葉では使わない、学校では習わない表現を知らないと英会話で苦戦してしまうでしょう。
リスニングの音が聞き取れていないから
ここからは英会話をプロセスごとに分解したうえで、英会話上達のボトルネックになっている要素をあぶり出していきましょう。
以下は外国語習得のプロセスを学問的に明らかにする第二言語習得論に基づき、リスニングのプロセスを図式化したものです。
リスニングは音声知覚→意味理解という2つのプロセスで処理されます。
このうち、音声知覚とは聞こえてきた音を正しく認識するプロセスを、意味理解とは知覚した音声から意味を読み取るプロセスを指します。
英会話のリスニングに課題感がある場合、まずは音声知覚が正しくできているかどうかを検証しましょう。
方法は聞こえてきた音声をシャドーイングできるかどうかを試してみるといいでしょう。
シャドーイングはその名の通り、聞こえてきた音を文字を見ないで影のように復唱して付いていくトレーニングです。
以下の動画はシャドーイングを実際に行っているところからスタートしています。
英会話のスピードは相手にもよりますがwpm100~175(1分間に読まれる語数)くらいのスピードです。
相手がゆっくり喋ってくれる場合wpm100で、ナチュラルなスピードで喋るとwpm175程度のスピードになります。
私が英語コーチングを担当する際ははじめに様々なスピードの音源をシャドーイングしてもらって現状聞き取れるスピードを把握します。
学校英語で育った場合、ほとんどの方が音声知覚に課題があるため英会話での聞き取りの能力を高めるトレーニングを行います。
リスニングの意味解釈が追いつかないから
リスニングで音声知覚したあとは意味理解のプロセスに入り、自分の語彙・文法の知識をフル活用して話された英語の内容を理解していきます。
リスニングの大原則として「聞いて分かるスピード<読んで分かるスピード」があります。
当然といえば当然ですが、読解のスピードがwpm100の場合それ以上のスピードの音源はたとえ音声知覚できても意味の処理が追いつかないため、理解することはできません。
ある程度速いスピードでの音源はシャドーイングできるのに、意味を考えているうちに置いていかれてしまう、という場合リスニングの意味理解にプロセスに課題があると言えます。
スピーキングで和文和訳ができていないから
続いてスピーキングのプロセスを確認していきましょう。
以下は外国語習得のプロセスを学問的に明らかにする第二言語習得論に基づき、スピーキングのプロセスを図式化したものです。
スピーキングは概念化→文章化→音声化の3つのプロセスで処理されます。
まず概念化のプロセスでは、英語で何をいいたいのかを頭に思い浮かべます。
次に文章化のプロセスでは、頭に思い浮かべたことを実際に英語に直していきます。
最後に音声化のプロセスでは頭の中で作った英文を実際に発音します。
はじめの概念化のプロセスの時点で英語に直す前提で頭に文章を思い浮かべることが重要です。
伸び悩みの原因として浮かんだ日本語を英語に直訳しようとすることがあります。
もう少し具体的に言うと、頭に浮かんだ内容を和文和訳して英語に直しやすい日本語に直します。
例えば「この機械には高額なパーツがある」という日本語を瞬時に「この機械は高額なパーツを持っている」と考えてhaveを動詞に用いる、など頭に浮かんだ日本語を「英語らしい日本語」に直すのが和文和訳です。
和文和訳の能力を鍛えることで、多くの場面ですでに知っている英語を使って表現できるようになります。
スピーキングで長文を作る練習をしていないから
概念化、文章化のプロセスで頭に浮かんだ日本語の長文を瞬時に英語に直していくのはなかなか大変です。
実際、短文なら話せて旅行レベルの英会話はできる方でも、ビジネスで使えるような長文を英語で話すことができずに壁にぶつかっている方も多いです。
長めの文章を英語で作れるようになるには、英文法を駆使して短文のパーツを使った文章の骨組みを瞬時に作り上げる能力が必要です。
例えば「彼女は彼が美しい女の人とレストランから出てきたのを見たと言っていたがそれは本当には聞こえなかった」という複雑な文章を見て文章を構造を瞬時に見抜いてShe said that he came out of the restaurant with a beautiful woman, but it sounded unlikely.という最終的な形を作っていきます。
このとき頭の中ではまず最初に「彼女は彼が美しい女の人とレストランから出てきたのを見たと言っていた」を言う文章を先に作りbutを挟んで「それは本当には聞こえなかった」を作ればいいとなります。
次に前半はShe said that~の形でthat節の中はhe came out of the restaurant with a beautiful womanとすればよいと分かります。
後半は代名詞itで前文を指して時制の一致を適用させてit sounded unlikelyとすればいいと考えます。
長い英文を喋れるようになるには長文を次に次に作っていくトレーニングがおすすめです。
スピーキングで手続き的記憶が少ないから
スピーキングに文章化に時間がかかってしまう、時間をかけてもいいライティングならできるのにスピーキングとなると途端に苦手意識がある場合手続き的記憶の不足が原因だと考えられます。
手続き的記憶とは自転車の乗り方やボールの投げ方など一度取得したら忘れない記憶のことです。
手続き的記憶があれば、意識しなくても高速に記憶を引き出すことができるため、スピーキングにおいても非常に重要な役割を果たしています。
具体的にはすぐに口をついて出る英文(手続き化された記憶)が700程度あれば基礎的な英会話でも瞬時に英語を話すことができるでしょう。
手続き的記憶と反対の概念として宣言的記憶があり、これは意識すれば思い出せる、再現できる記憶のことです。
例えば英語を読む・書くときには、単語の意味や文法項目の宣言的記憶を引き出しながら時間をかけて解釈できますが、英語を聞く・話すときには自分のペースではできないので宣言的記憶では間に合わないのです。
つまり学校の勉強や受験勉強では良い成績でも英会話になると途端に自信がなくなる方は、宣言的記憶は豊富だが手続き記憶が不足していると言えます。
英会話が上達しなくなったときにすべきことは?
- 英会話の試験を受ける
- 伸び悩みの原因を分析する
- 正しい発音を身につける
- 瞬間英作文で手続き的記憶を増やす
- インプット8割、アウトプット2割を意識する
- インプットは幅より反復
- 英会話の復習をする
- 英会話内での発話を増やす
- スピーキングに特化したトレーニングを行う
- 英語コーチングを受講する
英会話の試験を受ける
英会話を学習するときは、学習を始める前、それからは定期的に試験を受けて英会話の能力を可視化しましょう。
英会話は自分で成長を感じ取りづらく、また数値化されないとモチベーションを保つのも難しくなってしまいます。
「海外旅行で困らない英会話力を身につける」「ビジネスの現場で使えるスピーキング力をつける」といった定性的な目標は数値化して定量的な目標に変換してあげると達成への意欲が高まります。
以下の図はVERSANTという英会話の技能試験の運営元が、ビジネスシーンごとに英会話でできることをスコア別に一覧にしたものです。
これを使うと会議で「仕事に関する業務(期日、仕様など)の詳細について議論できる。」という定性目標は、CEFRでいうとB2、VERSANTスコアでいうと58をとれば達成できそうだと言うことが分かります。
このように英会話の能力も資格試験などを活用することで数値化できるため、ぜひ自分の現状と目標を設定するところから始めましょう。
おすすめの英会話資格試験については以下の記事で詳しく解説しています。
伸び悩みの原因を分析する
英会話が上達しない、といってもその原因は千差万別です。
全員に対して100%最適な処方というのは存在せず、自分の英会話の伸び悩みの原因を診断したうえで当てはまる対策を実践することで突破口を開くことができます。
この記事の前半では英会話の伸び悩みの原因を第二言語習得論に基づき10個上げています。
どれかが単一の原因となっているケースは珍しく、ほとんどの場合複数の原因が絡み合って「英会話が上達しない」という状態になっています。
しっかりと一つ一つ検証して「なぜ私の英会話能力は上達しなくなったのか」を突き止めたあとで、対策を講じるのがポイントです。
このように書くと「そんなこと当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、特に独学だと伸びが鈍化してもなんとなくそれまでの学習を続けたり、YouTubeやWebで見かけたおすすめの勉強法に飛びついてしまったりと非合理的な解決策を実践してしまうものです。
お医者さんになったつもりで、客観的な目線から自身の英会話停滞の原因を診断しましょう。
正しい発音を身につける
英会話は口頭でのコミュニケーションで文字ではなく、音を介して英語を聞き・話します。
受験勉強では重要ではなかった発音が英会話においては生命線となります。
正しい発音を身につけることで、リスニング・スピーキングともに大きく成長しやすくなりますので発音に自信がない方はまず発音の学習からはじめましょう。
発音学習で身につけてほしいのは以下の2つです。
- 発音記号
- 音声変化
発音記号(/ɑ/, /ʌ/など)とは英語の音素を表すもので、約15個の母音と24個の子音で構成されています。
正しい発音を身につけることで、リスニングでの聞き分けができるようになる、リーディングのスピードが上がるといったような効果が期待できます。
英語と日本語の発音は大きく異なります。例えば日本語の母音「あ」に近い発音は、英語では/ʌ/, /ə/, /æ/, /ɑ/など複数存在します。
本来は一番はじめに学習するべきですが日本の学校教育では学ばないことのほうが多いです。
発音を学ぶ際は動画つきの教材がおすすめです。
英語の会の発音記号3時間マスターは動画とセットで発音記号を学習できます。書籍で学習したい方はDVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本がおすすめです。
発音記号は数が多くないので、数時間程度で学習を終えることができます。実際に発音しながら、学習してみましょう。
音声変化とは文章を読むときに発音が変化する現象のことで、大きく5つに分類できます。
英語の文章を読めば分かるのに、うまく音が聞き取れないのは音声変化が発生しているためです。
音声変化のルールを学ぶことで、リスニング力を効率的に上げることができます。2週間程度で一通りのルールは学習できます。
音声変化を学習する際には、kindle版とハードカバーがある5つの音声変化がわかれば英語はみるみる聞き取れるがおすすめです。
発音の学習を終えたら、自分の発音の正しさをチェックできるELSA Speakなどのアプリでテストを受けるのがおすすめです。
画像のように発音の正確さが数値で確認できます。
音声記号別に発音の正確度を診断することもできるので、例えば/ʌ/の発音は90%出ているけれど/ə/の発音が30%という数字の場合は、後者の音素を復習する、といった効率的な学習ができます。
ELSA Speak: AIで英会話・英語の学習・発音を改善
Elsa Corp無料posted withアプリーチ
瞬間英作文で手続き的記憶を増やす
受験勉強ではある程度難しい英文も読むことができた、TOEICでハイスコアを取ることができるのにスピーキングが苦手な方は手続き的記憶が不足しています。
手続き的記憶とは自転車の乗り方やボールの投げ方など一度取得したら忘れない記憶のことです。
スピーキングにおいては、まず中学レベルの文法で700程度すぐに口をついて出る英文を手続き記憶化しましょう。
語彙・文法・英文を理解できるのと使いこなせるのには大きな差があります。
スピーキングで瞬時に英文を口から出すためには、かんたんな文章を徹底的に反復してすぐに口から出るレベルまで記憶を深めていきましょう。
まずはかんたんな英文を即座に口頭で英作文できるようにしましょう。
具体的には「SVO」「動名詞」など中学レベルの文法項目別に英文を作れるようにしましょう。
例えば「SVO」の項目では以下のように第3文型の文章を単語を替えながら瞬間的に行動で作文できるように練習していきます。
例:SVOの文章の口頭英作文
・私は猫が好きです。
→I like cats.
・彼女はりんごを食べます。
→She eats an apple.
・彼らはサッカーをします。
→They play soccer.
教材としてはどんどん話すための瞬間英作文トレーニングがおすすめです。
中1〜中3の文法項目別に720の日本語と対応した英語の文章がセットになった参考書です。
付属のCDもしくはアプリの音声を使って、慣れてきたら日本語の文章を見ずに音声を聞いて英語に直すように負荷を上げていくといいでしょう。
学習のゴールは耳から日本語を聞いて即座に淀みなく英語に直せるようにすることです。
ここで多い失敗が「ゴールの設定が低い」ことです。
日本語を言われたら瞬間的に英語を返せるレベルまでこの教材をやり込むべきですが、瞬間英作文で効果を感じられない方は7割位の完成度で離脱してしまいます。
あくまで瞬間英作文は理解するための教材ではなく、徹底的に繰り返して英語を使いこなせるようになる教材です。
アプリ版もあるので学習スタイルに合わせて活用してください。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
Beret Publishing Co. INC¥1,300posted withアプリーチ
より詳細な使用方法については以下の記事で解説しています。
インプット8割、アウトプット2割を意識する
英会話を習得しようと思うと「英会話だけをやっていればいい」と思いがちですが、実は英会話以上にそれ以外の時間でのインプット学習が大切です。
インプットというのは、単語、文法、リーディング・リスニングといった自分の外側から英語で情報を受信する活動を指します。
アウトプットというのは、ライティング、スピーキングといった自分の内側から英語で情報を発信する活動を指します。
外国語を習得するプロセスを明らかにする第二言語習得論では、インプット8割、アウトプット2割の時間配分で勉強するのが効率的とされています。
ですから、週に10時間勉強する場合、8時間をインプットに、2時間をアウトプットに配分するのが適切です。
英会話のレッスンを一回あたり25分とすると、1週間で5回程度英会話のレッスンを受講し、あとの時間はインプット学習に費やすのがいいでしょう。
インプットは幅より反復
英会話学習はインプット8割、アウトプット2割と書きましたがインプットのときには数多くの教材に1回ずつ触れるよりも一つの教材を繰り返すことを意識しましょう。
一回程度触れたくらいでは宣言的記憶(読めば分かるが使えはしない知識)にはなっても、手続き的記憶(使える知識)にはなりません。
アウトプットで使いこなせるようになるには、手続き的記憶が必要ですからインプットをするときには一つの教材をやり込んでいくようにしましょう。
英会話の復習をする
英会話を上達させるためには、英会話のレッスン後必ず復習する時間を取りましょう。
リスニングの面で言えば、講師が言った内容でよく意味がわからなかった部分は表現をメモしたり、単語の発音をチェックしておくといいでしょう。
スピーキングの面で言えば「英語で言いたかったけど言えなかった」部分を調べるようにしましょう。
例えばレッスン中に「最近、新しい仕事に慣れました」と言いたかったけれど言えなかったとしましょう。
その場合まずは自分の知識で言い換えられなかったかを考え、難しければ調べてみるとbe used to doingといった表現が簡単に言いたいことを伝えられる、ということに気づきます。
毎回の復習時間は短くても良いので、聞いて・話して分からなかった表現を調べていくことで徐々に以前は言えなかった英語が英会話中に話せるようになっていきます。
私が運営する英語コーチングでは英会話の前後に「使いたいフレーズ」と「使いたかったフレーズ(言いたかったけど言えなかった表現)」をそれぞれ予習・復習してもらっています。
レッスン前にその日の英会話で使いたい文法項目を一つ、二つ決めておきレッスンで意識的に使うようにします。
またレッスン中は手元にメモ帳かiPadを用意しておき、「これ言いたいんだけど言えないな」と感じた場面でササッとメモをとっておき、レッスン後にその表現を調べる、という流れです。
例えばレッスン中に「私は去年の私とはまるっきり別人です」という表現言えずに濁してしまったとしましょう。
レッスン中は詳細に書いている時間はありませんから、走り書きで「別人」などと書いておき、レッスン後にメモをすぐに見返して「ああ、ここは私は去年の私とはまるっきり別人です、と言いたかったんだったな」と思い出します。
その後調べて「I’m completely different from what I was last year.」などとでてきたものを繰り返し音読します。
できれば、少し表現を替えたりしてTom is quite different what he used to be.などと派生させると応用力がつきます。
英会話内での発話を増やす
英会話の受講時間=アウトプットの時間、というわけではありません。
英会話では相手の話を聞いている時間、音読や単語の確認などのアクティビティなどもレッスン時間に含まれています。
25分のレッスンで、自分で英文を考えて口にしている時間はせいぜい7, 8分くらいではないでしょうか??
当然ですが、レッスン中にたくさん話す人のほうが、狙い通りアウトプットの時間になっていると言えます。
英会話で発話量を増やすためには、次のポイントを抑えましょう。
- ディスカッション形式で進める
- 1ターンでの発話量を増やす
- 予習をしっかり行う
英会話の教材でよくあるのは「このレッスンで習う英単語・英文法」、「リーディング・アクティビティ」などが前半にあり、後半に「ディスカッション」パートが含まれている構成です。
効率的に英会話の力をつけるなら、前半のインプットのパートは不要です。
これらは自分一人でも出来るので、もしやるなら英会話の前に終わらせておきましょう。
自分でこれらの下読みを終えた上で、レッスンの冒頭に「ディスカッションパートだけをやりたい!」と講師に伝えればOKです。
講師に質問をされたときに、1つの文で返すよりも、できるだけ多くの情報を付け加えて返答するようにしましょう。
講師の質問の数も限られていますし、なにより積極的に話そうとしないとレッスン内での発話の割合が低くなってしまいます。
英会話のレッスンの前に、ディスカッションパートで質問されていることに対して英作文を書いておくと話す内容に困りません。
初心者の方がいきなり、英語でディスカッションをするのは大変ですから、事前にテーマに対して自分の考えをまとめておくと安心して取り組むことが出来ます。
スピーキングに特化したトレーニングを行う
英会話内で発話の割合を高めるのは大切ですが、英会話はあくまで「会話」であり、相手の話を聞くターンが存在するため、純粋なスピーキングの時間を確保するのには限界があります。
「リスニングは大丈夫だから、スピーキングに特化して伸ばしたい」という方は一人でもできるスピーキングトレーニングを行うことでより効率的にスピーキング能力を伸ばすことができます。
具体的にはこの5つです。
- 独り言
- 4-3-2
- 4コマ描写
- 要約スピーチ
- 2分間スピーチ
独り言
英語での独り言は、日本語同様頭に浮かんだことや目にしたものを手当たり次第英語に直していくトレーニングです。
例えば、道を歩いているなら「I’m walking on the street. A utility pole is standing in front of me.」など今の自分の状況や目に映っている様子を英語に直していきます。
スピーキングの上達は「自分の頭で英語を生み出そうとした数」が大切ですから、英語で考える習慣をつけるのに英語での独り言はおすすめです。
また、独り言だけだとすぐに話すことがなくなってしまうので、仮想の相手を見立てて相手からの質問なども想定すると英会話調で続けやすくなります。
こちらの動画では実際に独り言で英語を話している様子を見ることができます。
4−3−2
4−3−2はあるトピックについて1回目は4分、2回目は3分、3回目は2分でスピーチをするトレーニングです。
時間制限が徐々に厳しくなってくるため、自然と速く話そうという意識が働きスピーキングにおける流暢性の獲得に効果があることが分かっています。
また、同じ内容について話をするため、繰り返し同じ構文や語彙のデータにアクセスすることになり、そういった知識を引き出すまでのスピードが速くなります。
注意点として、一つのトピックについて4分間話をするのはなかなかハードルが高いため初心者には難しく感じるかもしれません。
そういった場合は2−1.5−1というように時間を半分にして、1回目は2分、2回目は1.5分、3回目は1分でスピーチをするなど時間を短くして実践することをおすすめします。
4コマ描写
4コマ描写は、4コマのイラストマンガを英語で説明していくトレーニングです。
英検の二次試験(スピーキング)でも取り入れられており、英語の場面描写をする力が身につくトレーニングです。
以下の動画では英検準1級の4コマ漫画問題の解答の流れを確認することができます。
英語での4コマ描写トレーニングは以下の流れで進めていくといいでしょう。
- レベルに合った教材を選びましょう
- 模範解答を見てこれならできそう、と思えるレベルが適切です
- 1分間漫画を見て、話の流れや構成を考えましょう
- 細かい描写を見ていると間に合わないので、全体の流れを確認する程度でOKです
- 2分時間を測りながら4コマを30秒ずつ目安で英語で説明し録音します
- 録音と模範解答を見比べて、描写できていない場面、言いたかったけど言えなかった表現をメモします
- 前のステップで作成したメモをもとに再度英語で描写します
4コマ漫画の題材としては14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題 改訂版などがおすすめです。
要約スピーチ
要約スピーチは英語の記事を読んで、かんたんなメモをもとに記事の要約を英語で話すトレーニングです。
- 興味・関心のあるトピックに関する記事を紙面でもWeb上でもよいので一つ選び読みます
- 記事の要約を話すうえで必要な項目をメモしておきます
- STEP2で作成したメモを元に記事の要約を英語で話します
- 録音したようやくと元の記事とを見比べて、英語で言いたかったけど言えなかった表現をメモします
- 前のステップで作成したメモをもとに再度英語で記事の要約を話します
記事を探す場合はNative Campのデイリーニュースという教材を利用するのがおすすめです。オンライン英会話を提供するサービスが無料で公開している教材ですが、レベルが絞れ、音声も付いており、更新頻度も高いため興味関心に合った内容で楽しみながら取り組むことができるでしょう。
2分間スピーチ
上級者向けですが、社会問題についてなど高度な内容について英語で意見を述べられる用になりたい場合は2分間スピーチがおすすめです。
以下の動画は英検1級でお題をその場で選び、1分間用意したうえで2分間スピーチを行う様子を撮影した動画です。
これらを自分一人で行う場合は以下の流れで取り組むのがおすすめです。
- 教材の中から興味関心のあるものを選びましょう
- 賛成あるいは反対の立場を決めて、それぞれの根拠・理由を用意しスピーチの構成を考えます
- 2分間構成をもとにお題についてスピーチしましょう
- スピーチは録音し、復習で用います
- 録音と模範解答を見比べて、言いたかったけど言えなかった表現をメモします
- 前のステップで作成したメモをもとに再度英語でスピーチを行います
2分間スピーチには、14日でできる! 英検1級 二次試験・面接 完全予想問題 改訂版がおすすめです。
英語コーチングを受講する
プロの手を借りて効率的に英会話を伸ばしたい方は英語コーチングがおすすめです。
英語コーチングとは、英語学習のプロである英語コーチが専属であなたの英語学習を徹底的にサポートするサービスです。
具体的には
- 週次の面談
- 毎日の学習進捗チェック
- 学習計画の作成
- 発音・英作文の添削
- チャットでの質問対応
といったサポートを提供することで、英会話習得までの時間を1/2~1/3にまで短縮することができます。
日常英会話には860時間、ビジネス英会話の習得には2800時間の学習時間が必要とされています。
しかし、英語コーチングを利用することで日常英会話の習得までを280時間、ビジネス英会話の習得までを900時間程度にまで圧縮することができます。
英会話教室やオンライン英会話はレッスン時間にのみ英会話の機会を提供しますが、英語コーチングは面談以外の時間にも毎日学習進捗の確認や課題の添削などのサポートを行っている点が最大の違いです。
学習の継続と効率的な学習の2つに重点を置くことで、英会話習得をサポートしてくれます。
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英会話が上達しない原因と対策まとめ
この記事では以下の疑問について10個の原因と対策を紹介しました。
- 英会話が上達しないのはなぜ?
- 英会話が上達しなくなったときにすべきことは?
英会話が上達しない原因は以下の10個です。
- プラトーの時期だから
- 上達に気づいていないから
- 勉強時間が足りていないから
- 基礎的な単語・文法を知らないから
- 英会話表現を知らないから
- リスニングの音が聞き取れていないから
- リスニングの意味解釈が追いつかないから
- スピーキングで和文和訳ができていないから
- スピーキングで長文を作る練習をしていないから
- スピーキングで手続き的記憶が少ないから
英会話を上達させるための10個の対策はこちらです。
- 英会話の試験を受ける
- 伸び悩みの原因を分析する
- 正しい発音を身につける
- 瞬間英作文で手続き的記憶を増やす
- インプット8割、アウトプット2割を意識する
- インプットは幅より反復
- 英会話の復習をする
- 英会話内での発話を増やす
- スピーキングに特化したトレーニングを行う
- 英語コーチングを受講する
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