瞬間英作文は効果ある?おすすめ教材とやり方を詳しく紹介!
書店や英語学習サイトなどでよく見かける「瞬間英作文」という言葉。
口頭で瞬間的に英作文を行うこの学習法は森沢洋介先生のベストセラー「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」を皮切りにまたたく間に英語学習者に広まりました。
しかし、この学習法ネット上では賛否両論で取り組むのに不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では実際に3ヶ月間トレーニングを行った私が第二言語習得論をもとに瞬間英作文の効果について解説していきます。
この記事でわかること
- 瞬間英作文の効果
- 瞬間英作文におすすめの教材
- 瞬間英作文のやり方
瞬間英作文は効果あり!特に初学者におすすめ!
結論から言うと、瞬間英作文には効果があります。
特に初級の学習者と読み書きはできるが、会話ができない学習者には効果抜群です。
その理由は以下の3つです。
- 不足している知識に気づくことができる
- 言語知識が自動化される
- パターン・プラクティスで文法が定着する
1つずつ詳しく見てみましょう。
不足している知識に気づくことができる
第二言語習得において、「読む」「聞く」というような受け身の活動のことを「インプット」といいます。
反対に「書く」「話す」というような自発的な活動を「アウトプット」といいます。
言語習得は、インプットした知識を無意識レベルに落とし込んでいくことで徐々に進んでいきます。
しかし、インプットだけでは知識は自分のものにはなりません。
例えば、過去形を習ったあとは「I enjoyed surfing.」というように同士の末尾にedをつけることができるようになります。
しかし別の英作文で「I haved breakfast.」としてしまう場合、この学習者は不規則変化のルールを知らないということが考えられます。
これはインプットだけでは気づかなかった学習の漏れです。
このように、アウトプットをすることで、学習者はインプットでは得られない気付きを得られる可能性があるのです。
言語知識が自動化される
学習者が意識的に持っている知識のことを「宣言的知識」といい、逆に無意識に持っている知識のことを「手続き的知識」といいます。
例えば、名詞の複数形には末尾にsをつけるという法則は宣言的知識といえます。
一方、自転車の乗り方のように無意識に知識(やり方)を持っている知識は手続き的知識といえます。
宣言的知識は繰り返し使うことで、徐々に手続き的知識に変わっていきます。
このプロセスを「言語知識の自動化」といい、いちいち頭で英文を組み立てなくても口から英語が飛び出す「英語脳」を作る上で欠かせないのです。
瞬間英作文は、覚えた文法事項を使って繰り返し英作文をします。
これはまさに言語知識を自動化するトレーニングであり、英文法・英単語・発音といった宣言的知識を手続き的知識に変えていく効果があります。
パターンプラクティスで文法が定着する
オーディオリンガル・メソッドでは、言語は「刺激」と「反応」の結びつきが習慣化されて習得されると考えます。
このメソッドでは口頭で文型練習を繰り返す「パターン・プラクティス」により、言葉が習慣として身についていくという学習法が実践されています。
例えば、「I like books.」という文章を同じ文型でbooksの部分をdogs, dollsなど別の単語で置き換えたり、副詞を加えて「I like dogs very much.」にしたりと次第に高度な文章を口頭で作文していきます。
この学習方法は自然と言語の構造に目が向き、また母語話者の発音を真似て繰り返し発音するので特に初期の学習者に有効であるとされています。
瞬間英作文のおすすめ教材
それでは実際に瞬間英作文を行う際におすすめの教材をご紹介します。
瞬間英作文にまつわる様々な本がありますが、どんどん話すための瞬間英作文トレーニング を選んでおけば間違いないでしょう。
瞬間英作文の大家、森沢洋介先生の著書で50万部超えのベストセラーです。
前段では、瞬間英作文の効果と誕生秘話が森沢先生の実体験を基に語られています。
本編では全例文のCDが付いているので、出先でも練習ができるようになっています。
ちなみに瞬間英作文シリーズは上の青い本以外にも緑や白、赤、金などいろいろな種類がありますが、用途や使うべき段階が違うものもあるので1冊目としては青色のものをおすすめします。
瞬間英作文のやり方
上でご紹介したテキストを例に瞬間英作文のやり方を見ていきましょう。
まず、テキストは文法項目別に並んでいます。
下の画像だとはじめは「this/that」の項目が取り上げられています。
1つの項目は見開き左右で分かれており、左に日本語文、右に対応する英文が記載されています。
左側の日本語の文をきっかけに右側の英文が反射的に飛び出してくる状態を目指します。
こちらが見開きの左ページに乗っている日本語文。
こちらが右側に載っている英文。
使っている単語は非常に簡単なものばかりで、本来の目的である文型への瞬時のアクセス能力が鍛えられます。
基本的には左側を見て右側の英文を口にするという練習を繰り返していくのですが、テキストを進めていく上で注意点があります。
- 知らない文法項目がある場合、きちんと勉強してから取り組む
- 日本語から英語が出てくるようになっても続ける
このトレーニングでは、既に三単現のsや、現在完了などをすでに学習済みであるという前提で取り組むものです。
書籍の中にも詳しい文法説明はありません。
もし、中学校の文法内容そのものがあやふやな場合は一度そちらを勉強してからの方が良いでしょう。
取り組み始めてからしばらく経つと、段々と日本語訳を見て(聞いて)すぐに英語が口をついて出るようになるはずです。(私の場合は20週ほどしたところでこの状態になりました。)
しかし、ゴールはまだ先です。
というのも、このトレーニングの目的は文法事項の知識を、意識せずとも使いこなせるレベルまで自分のものにすることです。
そのためには運動記憶として口に、脳に英文を染み込ませなくてはなりません。
ですので、「覚えた!」と思ってからさらにテキスト全体を何周も回してください。
まとめ
この記事では瞬間英作文の効果とおすすめの参考書とその進め方について解説しました。
はっきり言って作業は単調ですがだんだんと英語が口をついてでるようになってきたときの喜びは何にも変えられません。
もし、社会人や大学生の方で英語を勉強し直すのであれば、英会話のはじめのトレーニングとしてぜひおすすめします。
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