TOEICと英検準1級、難易度比較と換算スコアを徹底解説!目的別おすすめ診断

ビジネスでのキャリアアップ、憧れの海外留学、あるいは将来の選択肢を広げるため――。英語力を証明する資格として、TOEIC英検準1級は、多くの日本人にとって主要な目標となっています。「どちらの試験を受けるべきか?」「それぞれの難易度はどれくらい違うの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

この2つの試験は、どちらも高い英語力を測るものですが、その目的、試験形式、問われるスキルには明確な違いがあります。TOEICはビジネスシーンに特化した「聞く・読む」能力を、英検準1級はより総合的な「聞く・読む・書く・話す」の4技能を評価します。そのため、あなたの学習目標や現在の英語力によって、最適な選択は異なります。

本記事では、TOEICと英検準1級の難易度、スコア換算、メリット・デメリットを徹底的に比較。それぞれの試験がどのような人におすすめなのかを具体的に解説し、あなたが英語学習の次のステップを自信を持って踏み出せるよう、分かりやすくガイドします。さあ、あなたの英語学習の目標達成のために、最適な一歩を見つけましょう。

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目次

TOEICと英検準1級の試験概要と基本情報

英語学習者がTOEICと英検準1級のどちらを受験するかを検討する上で、まず理解しておくべきは、両試験の基本的な情報です。ここでは、受験料、試験時間、開催頻度、有効期限など、試験の概要を比較し、それぞれの特徴を明確にします。

TOEIC L&Rと英検準1級の基本情報比較

以下の表は、TOEIC L&Rと英検準1級の主要な基本情報をまとめたものです。

項目TOEIC L&R (公開テスト)英検準1級
主催団体一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 (IIBC)公益財団法人 日本英語検定協会
受験料7,810円(税込)12,500円(税込)
試験形式マークシート方式(リスニング/リーディング)筆記(リスニング/リーディング/ライティング)+二次(スピーキング)
測定技能リスニング、リーディング(2技能)リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング(4技能)
試験時間約120分(リスニング約45分、リーディング約75分)一次試験:100分(リーディング90分、ライティング)、リスニング約25分
二次試験:約8分(面接)
スコア形式10点~990点のスコア(5点刻み)合否判定、CSEスコア(技能別・総合)
開催頻度年10回(全国主要都市で実施)・本会場: 年3回(第1回、第2回、第3回)
・S-CBT: 原則毎週土日(一部地域で平日開催)
結果発表約3週間後(オンライン)、約1ヶ月後(郵送)一次:約2週間後(オンライン)、約3週間後(郵送)
二次:約1週間後(オンライン)、約2週間後(郵送)
有効期限公式にはなし(ただし、企業・学校によっては2年以内などの指定あり)公式にはなし(ただし、企業・学校によっては2年以内などの指定あり)
試験会場全国の大学、専門学校、その他施設・本会場: 全国の大学、高校、専門学校など
・S-CBT: 全国のテストセンター

※上記情報は2025年7月時点の公開情報に基づいています。受験料や試験形式などが変更される場合がありますので、必ず各主催団体の公式サイトで最新情報をご確認ください。

各項目の詳細な比較

受験料

TOEIC L&Rは、税込7,810円。 一方、英検準1級の受験料は税込12,500円と、TOEIC L&Rよりも高額です。これは、4技能すべてを測るため、試験問題作成や採点(特にライティングとスピーキング)にコストがかかること、そして二次試験(面接)の運営が必要となるためです。費用面から見ると、英検準1級の受験はより慎重な計画が求められるかもしれません。

試験時間と形式

TOEIC L&Rは、リスニング約45分、リーディング約75分の合計120分(2時間)で完結するマークシート形式の試験です。途中で休憩はなく、集中力と時間配分が非常に重要になります。 対照的に、英検準1級は一次試験と二次試験に分かれています。一次試験は筆記(リーディング・ライティング)とリスニングで構成され、全体で約2時間半近くかかります。特にライティングは、与えられたトピックについて英文エッセイを作成する必要があり、思考力と記述力が問われます。合格した場合のみ、後日二次試験(面接形式のスピーキングテスト)に臨むことになります。この複数段階にわたる試験形式が、英検の「総合力」評価を支えています。

開催頻度

TOEIC L&Rは、年10回と非常に高頻度で開催されています。これにより、学習者は目標スコアに到達するまで何度も挑戦しやすく、直近の目標に合わせて受験計画を立てやすい利点があります。 一方、英検準1級は本会場での受験は年3回(6月、10月、1月頃)と開催頻度が限られていますが、テストセンターで受験可能なS-CBT受験の場合、原則毎週土日(一部地域は平日も)実施しているので、TOEICよりも受験の機会は多いです。

スコア形式と有効期限

TOEIC L&Rは10点から990点までのスコアで評価され、5点刻みで結果が出ます。これにより、自身の英語力の伸びを詳細に把握しやすく、目標設定もしやすい特徴があります。公式な有効期限は設けられていませんが、企業や学校によっては「2年以内に取得したスコア」を有効とするケースが多いため、注意が必要です。

英検準1級は合否判定に加え、各技能のスコアと総合のCSEスコアで評価されます。CSEスコアは国際基準であるCEFRとの関連付けもされており、より詳細な技能ごとの分析が可能です。TOEICと同様に公式な有効期限はありませんが、団体によっては有効期限を設けている場合があります。英検は一度合格すれば「級」として履歴書に記載できるため、長期的な英語力証明として活用できます。

難易度と測定技能の徹底比較

TOEICと英検準1級、結局どっちが難しいの?」この疑問は、多くの英語学習者が抱える共通のものです。結論から言えば、一概に「こちらが難しい」とは断言できません。なぜなら、両試験が測定する能力の種類や、問題形式、出題範囲が大きく異なるためです。ここでは、それぞれの試験が持つ独自の難しさと、求められるスキルの違いを徹底的に比較していきます。

TOEIC vs 英検準1級:難易度が高いのはどっち?

TOEIC L&Rと英検準1級の難易度を比較する際、最も重要なのは「何を基準に測るか」という点です。

  • TOEIC L&Rの難しさ: 主に「時間との戦い」と「ビジネス・日常英語に特化した語彙・表現の習熟度」にあります。問題自体は極端に複雑なものが少ない一方で、リスニングもリーディングも膨大な量の情報を短時間で正確に処理する能力が求められます。特にリーディングセクションでは、時間が足りずに全問解ききれない受験者が少なくありません。TOEIC900点の人でも時間ギリギリに終わるくらいです。
  • 英検準1級の難しさ: 「4技能すべてを高いレベルでこなす総合力」と「アカデミック・社会性の高い語彙・内容への対応力」、そして「アウトプット能力」にあります。TOEICでは問われないライティングやスピーキングの項目は、自分の意見を論理的に構成し、適切な英語で表現する力が必須であり、インプット中心の学習をしてきた人にとっては大きな壁となり得ます。また、出題されるテーマが多岐にわたり、社会問題や環境問題など専門性の高い内容も含まれるため、幅広い知識と語彙力が求められます。

このように、TOEICは「瞬発力と情報処理の速さ」、英検準1級は「総合的な英語力と論理的思考、発信力」が難しさのポイントとなります。

2技能 vs 4技能:測定方法の違いが難易度に与える影響

TOEIC L&Rがリスニングとリーディングの「2技能」のみを測定するのに対し、英検準1級はリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの「4技能」すべてを測定します。この測定方法の違いが、難易度に大きく影響します。

  • TOEIC (2技能): インプット能力(聞く・読む)に特化しているため、試験対策も比較的絞りやすい傾向にあります。英語を理解する能力があれば高得点を狙えますが、実際に英語を話したり書いたりする能力は直接問われません。そのため、「TOEICのスコアは高いけれど、英会話は苦手」という人も少なくありません。
  • 英検準1級 (4技能): 英語を「使う」能力、つまりアウトプット能力(書く・話す)が必須となるため、インプット学習だけでなく、能動的な練習が不可欠です。ライティングでは論理的な文章構成力、スピーキングでは即興での発話能力が問われ、これらは一朝一夕には身につかないスキルです。そのため、4技能をバランス良く高める必要があり、学習の範囲が広がり、結果的に難易度が高く感じられることがあります。

語彙・文法の難易度比較:日常会話 vs アカデミック・専門用語

試験で問われる語彙や文法のレベル・種類も、両試験の難易度を分ける重要な要素です。

  • TOEIC L&R: 主にビジネスシーン(会議、プレゼンテーション、商談、電話対応など)や日常生活(買い物、旅行、レストランなど)で用いられる語彙や表現が中心です。文法問題も複雑な構文よりは、品詞、時制、動詞の形、前置詞などの基本的な理解が問われることが多いです。
  • 英検準1級: 日常会話やビジネス英語に加え、環境問題、科学、歴史、文化、政治、経済などのアカデミックかつ社会性の高いテーマが出題されます。そのため、TOEICではあまり見かけないような高度な語彙、抽象的な概念を表す単語、イディオム、そして複雑な構文の理解が求められます。単語の難易度だけで見れば、英検準1級の方が高いと言えるでしょう。

リスニング・リーディングの難易度比較と求められるスキル

両試験に共通するリスニングとリーディングセクションでも、求められるスキルに違いがあります。

  • TOEIC L&Rのリスニング・リーディング:
    • リスニング: 会話やアナウンスが中心で、設問と選択肢を先読みし、流れてくる情報を即座に聞き取る「情報処理のスピード」が重要です。音声速度はナチュラルスピードですが、聞き取れなかった部分があっても、全体を理解して正解にたどり着く力が求められます。
    • リーディング: 短文穴埋め、長文読解、メールや広告、記事などを読む問題が中心です。各パートで制限時間があり、膨大な量の英文を「速く正確に読み解く」能力が不可欠です。特に長文問題では、情報を効率的に探し出し、全体像を把握する「速読力」が最も重視されます。
  • 英検準1級のリスニング・リーディング:
    • リスニング: 内容はTOEICよりもアカデミック・社会性の高いテーマが増え、ニュースや講演の一部のようなものが含まれます。一度しか読まれない問題が多く、より深い理解が求められるため、文脈を正確に把握し、話者の意図まで汲み取る「精聴力」が重要です。
    • リーディング: 長文読解の比重が高く、文章量も多いです。パッセージの内容は多岐にわたり、抽象的な概念や専門的な知識を扱うものも少なくありません。TOEICのような速度だけでなく、文章全体の論理構成を理解し、細部にわたる情報を正確に把握する「精読力」と「情報処理能力」が求められます。

TOEICに求められる「速読力」と英検準1級の「情報処理能力」

ここでは、リスニングとリーディングに焦点を当て、各試験で特に必要とされる能力を掘り下げます。

  • TOEICの「速読力」: TOEICのリーディングセクションは、約75分で100問を解く必要があります。これは1問あたり45秒程度という計算になり、膨大な英文を流し読みするだけでなく、必要な情報を素早く見つけ出し、正しく解釈する能力が必須です。選択肢を効率的に確認し、根拠となる箇所を瞬時に見つけるトレーニングが重要になります。
    関連記事:TOEIC速読のコツ!速読できるようになる学習方法は?
  • 英検準1級の「情報処理能力」: 英検準1級のリーディングは、TOEICほど極端な時間制限はないものの、文章の内容が複雑で、一文一文の構造も入り組んでいます。そのため、単に速く読むだけでなく、複雑な構文を正確に理解し、文章全体の論理展開や各段落の役割を把握する「情報処理能力」が求められます。特に、空所補充問題や内容一致問題では、表面的な理解ではなく、論理的な思考力に基づいて情報を統合・分析する力が試されます。

英検準1級独自のライティング・スピーキングの壁

英検準1級の最大の「壁」とも言えるのが、ライティングとスピーキングの2技能です。これらはTOEIC L&Rでは直接問われないため、TOEICで高得点を取っている人でも、これらの技能の対策が不足していると英検準1級の合格は困難になります。

実践的なアウトプット能力が問われるポイント

  • ライティング:
    • 与えられたトピック(社会問題、環境問題など)について、自分の意見を主張し、その理由を2つ挙げ、具体例を交えてまとめる形式が一般的です。語数も120~150語程度と指定があり、論理的な構成力、適切な語彙・文法の使用、そして内容の具体性が評価されます。また、2024年度第1回検定より新形式として要約問題が増え、与えられた英文を60〜70語の英語に要約する問題が設置されました。
    • 問われる力: 論理的思考力、構成力、語彙力、文法力、表現力。単に英語が書けるだけでなく、「英語で論理を構築する力」が問われます。
  • スピーキング (面接):
    • 面接官との質疑応答形式で、4コマのイラストを見て状況を説明する「ナレーション」、社会性のあるトピックについて意見を述べる「意見論述」、面接官からの質問に答える「Q&A」などが出題されます。
    • 問われる力: 即興性、流暢さ、発音、イントネーション、語彙力、文法力、そして自分の意見を英語で適切に表現するコミュニケーション能力。ナレーションでは状況説明力、意見論述では論理的な思考と表現力が特に重視されます。

これらのアウトプット技能は、インプット学習だけではなかなか伸びにくい領域です。実際に英語を「使ってみる」練習、例えばエッセイを繰り返し書いて添削してもらう、オンライン英会話で積極的に話す、シャドーイングや音読で発話練習をするなど、能動的な学習が不可欠となります。これが、英検準1級の難易度を一層高めている要因と言えるでしょう。なお、2024年第一回試験より英検の出題がリニューアルされ、よりアウトプットが重視される内容に変更されています。

2024年度の英検問題リニューアル内容の一覧
英検公式より引用

スコア換算とレベルの目安

TOEICと英検準1級、それぞれの試験の概要や難易度の違いを理解した上で、次に気になるのが「結局、英検準1級ってTOEICで何点くらいのレベルなの?」という疑問でしょう。このスコア換算は、自身の英語力を客観的に把握し、次の学習目標を設定する上で非常に重要な指標となります。ここでは、国際的な指標であるCEFRを交えながら、両試験のレベル感を詳細に解説します。

英検準1級はTOEIC何点レベル?CEFR基準で徹底解説

TOEICと英検は測定する技能や試験形式が異なるため、厳密な意味での「換算」はできません。しかし、英語力の国際的な共通評価基準である「CEFR(セファール)」を用いることで、おおよそのレベル感を比較することが可能です。

CEFR上の英検、TOEICの対応一覧表
CEFR上の英検、TOEICの対応一覧表

CEFR(セファール)とは?国際的な英語力の指標

CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)は、「ヨーロッパ言語共通参照枠」の略で、言語の学習、教授、評価のための国際的なガイドラインです。欧州評議会によって開発され、世界中の多くの教育機関や企業で活用されています。

CEFRは、A1(入門)からC2(熟練)までの6段階で言語運用能力を評価します。それぞれのレベルは、具体的な「~ができる」という記述(Can-do statements)で示されており、言語能力を測る国際的な共通ものさしとして機能します。

  • A1, A2: 基礎段階の言語使用者
  • B1, B2: 自立した言語使用者
  • C1, C2: 熟練した言語使用者

このCEFRに照らし合わせると、英検準1級は「B2レベル」に相当するとされています。B2レベルは、「広範囲にわたる話題について明確で詳細な文章を作成でき、また、ある程度の流暢さで自然に交流できる」レベルと定義されており、専門分野の議論にもついていけるような、「中上級者」の英語力を意味します。

一方、TOEIC L&Rは、CEFRのB2レベルに到達するためには785点以上が必要とされています。このことから、英検準1級の合格ラインは、TOEIC L&Rで785点〜940点程度に相当すると考えられます。

TOEICスコア別:英検準1級の合格可能性診断

国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)のデータや、これまでの受験者の傾向から、TOEIC L&Rのスコアと英検準1級の合格可能性には一定の相関が見られます。ただし、TOEICが2技能、英検が4技能を測るため、TOEICスコアが高くても、ライティングやスピーキングの対策を怠ると英検準1級の合格は難しいことに留意してください。

以下に、TOEICスコアから見た英検準1級の合格可能性の目安を示します。これはあくまで一般的な傾向であり、個人の学習状況や得意不得意によって変動します。

TOEIC L&R スコア帯英検準1級 合格可能性の目安備考
~600点未満10%以下英検準1級の語彙・文法レベルはTOEICより高め。まずは基礎固めとTOEICでのスコアアップを目指しつつ、徐々に英検準1級の学習にも着手するのが現実的です。
600~699点10%~30%TOEICのリスニング・リーディングの基礎は身についているレベル。しかし、英検準1級合格には、ここからさらに語彙力・文法力を強化し、アウトプット(ライティング・スピーキング)の練習が必須です。
700~799点30%~60%このスコア帯に入ると、英検準1級合格が見えてきます。特にリスニングとリーディングで安定して高得点が取れている場合、あとはライティングとスピーキングの対策をどれだけできるかが鍵となります。
800~899点60%~80%かなり合格に近いレベルです。インプット能力は十分にあるため、苦手なアウトプット技能を集中的に強化することで、合格の可能性が大幅に高まります。
900点以上80%以上英語上級者であり、TOEICのインプット能力は英検準1級を大きく上回るレベルです。アウトプット対策をしっかり行えば、高確率で合格できるでしょう。

この診断は、あくまで目安としてご活用ください。重要なのは、現在のTOEICスコアを基に、英検準1級のどの技能が特に不足しているのかを把握し、集中的に対策を行うことです。

英検準1級合格者のTOEIC平均スコア

古い情報にはなりますが国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が発表しているデータによると、英検準1級取得者のTOEIC L&Rスコア平均は、おおよそ732点程度とされています。

TOEICスコアと英検準1取得者の関係
IIBCより引用

この平均スコアは、先述のCEFRの目安(B2レベルで785点以上)とややギャップがあるように見えるかもしれません。その理由はいくつか考えられます。

  • TOEICと英検の特性: 英検準1級は4技能をバランス良く評価するため、TOEIC L&Rで高得点を取るために必要な「速読・速聴力」が必ずしもTOEIC受験時と同等であるとは限りません。特に、英検合格後にTOEICを受験していない、あるいはTOEIC対策を特にしていない場合、スコアが平均を下回る可能性もあります。
  • 受験者層の違い: 英検準1級は学生の受験者も多く、大学入試や留学を目的とするケースも多いため、ビジネス英語に特化したTOEICの学習経験が少ない人も含まれます。
  • データ取得時点の差: 英語力は常に変動するため、英検準1級を取得した時点とTOEICを受験した時点での英語力に差が生じることもあります。

この平均スコアはあくまで「取得者の平均」であり、英検準1級に合格する英語力があれば、TOEICでも十分高得点を狙える潜在能力があることを示唆しています。特に、英検準1級の学習を通じて培われる幅広い語彙力や、論理的に文章を理解する力は、TOEICのリーディングセクションにも大いに役立つでしょう。

最終的には、あなたの現在のTOEICスコアを参考にしながらも、英検準1級が求める4技能のバランスと、特にアウトプット能力を強化することに焦点を当てた学習計画を立てることが、合格への近道となります。

各試験のメリット・デメリットと評価

TOEIC L&Rと英検準1級、どちらの試験も英語力を証明する強力なツールですが、それぞれに異なる強みと弱みがあり、社会での評価も異なります。あなたの目標に合わせて、最適な試験を選ぶために、それぞれのメリット・デメリットを深く理解しましょう。

TOEIC L&Rを受験するメリット・デメリット

TOEIC L&Rは、特にビジネスシーンでの活用を考えている方にとって、非常に大きなメリットがあります。

メリット

  • 就職・転職、昇進・昇格での高い評価:
    • 企業の採用・評価基準: 日本企業を中心に、多くの企業がTOEICスコアを新卒採用、中途採用、あるいは昇進・昇格の英語力基準としています。国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の調査によると、新卒採用時にTOEICスコアを参考にしている企業は約半数に上り、昇進・昇格の要件としている企業も少なくありません。客観的なスコアで自身の英語力をアピールできるため、履歴書に記載する際のインパクトは絶大です。
    • 明確な目標設定: 10点から990点までのスコア形式のため、具体的な目標スコアを設定しやすく、学習のモチベーションを維持しやすいという利点もあります。
  • ビジネスシーンでの実用性:
    • 実践的なビジネス英語: TOEICの出題内容は、会議、プレゼンテーション、商談、電話対応、Eメールのやり取りなど、実際のビジネスで遭遇する場面がほとんどです。そのため、TOEIC対策を通じて身につく語彙や表現は、そのまま実務に直結しやすく、職場で「使える英語」を習得したいと考えるビジネスパーソンに最適です。
    • 短期間でのスコアアップも可能: リスニングとリーディングの2技能に特化しているため、集中的に対策すれば比較的短期間でのスコアアップも目指しやすいと言われています。
採用時にTOEICプログラムを参考にしている企業の割合
「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」より

デメリット

  • 4技能を測れない: TOEIC L&Rはリスニングとリーディングの2技能に特化しているため、スピーキングやライティング能力は直接評価されません。そのため、「TOEICのスコアは高いが、英語を話す・書くのが苦手」という印象を持たれる可能性もあります。企業によっては、TOEIC S&W(Speaking & Writing)テストのスコアも求める場合があります。
  • 学術的な英語には不向き: ビジネスや日常会話が中心のため、大学での講義理解や学術論文の読解など、アカデミックな英語力を証明するには不向きな側面があります。

英検準1級を受験するメリット・デメリット

英検準1級は、TOEICとは異なる幅広い場面で、総合的な英語力を証明したいと考える方におすすめです。

メリット

  • 大学入試・留学での優遇:
    • 大学入試: 多くの大学で、英検準1級の取得が入試の優遇措置(加点、出願資格、試験免除など)の対象となっています。特に、英語を重視する学部や国際系の学部を目指す受験生にとっては、合否を左右する大きなアドバンテージとなり得ます。
    • 留学: 海外の大学や語学学校への留学の際、英検準1級が英語力の証明として認められるケースがあります。特に、英語圏以外の国の教育機関や、特定のプログラムで有効とされることがあります。
  • 総合的な英語力の証明:
    • 4技能バランス評価: リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能すべてを測るため、バランスの取れた総合的な英語力が身についていることを証明できます。これは、単に「聞ける・読める」だけでなく、「書ける・話せる」という実践的な英語コミュニケーション能力をアピールしたい場合に非常に有効です。
    • 幅広い知識と教養: 出題テーマが社会問題、環境問題、科学、歴史など多岐にわたるため、試験対策を通じて英語力だけでなく、幅広い知識や教養も身につけることができます。
  • 教員採用試験での優遇:
    • 英語教員への道: 小学校、中学校、高校の英語教員を目指す場合、英検準1級は多くの自治体で教員採用試験の優遇(加点、一部免除など)の対象となっています。特に、中学校や高校の英語教員には高い英語力が求められるため、英検準1級の取得は必須に近いと言えます。
外侮英語検定の大学での採用率
https://eic.obunsha.co.jp/resource/pdf/exam_info/2017/1207_1.pdfより引用

デメリット

  • アウトプット対策の難しさ: ライティングとスピーキングは、独学での対策が難しいと感じる学習者も少なくありません。添削や実践練習の機会を意識的に作る必要があるため、TOEICと比較して学習コストや手間がかかる可能性があります。
  • ビジネスでの知名度の差: 多くの企業では、TOEICスコアの方が依然として広く認知され、評価基準として用いられることが多いです。もちろん、英検準1級も「総合的な英語力」の証明として評価されますが、特定の企業においてはTOEICスコアが求められるケースが多いことを理解しておく必要があります。

これらのメリット・デメリットを考慮し、あなたの最終的な目標や、英語力をどのように活用していきたいかに合わせて、最適な試験を選択することが、効率的で効果的な英語学習への第一歩となります。

目的別:あなたが受けるべきはどっち?

TOEIC L&Rと英検準1級、それぞれの特徴や難易度、社会での評価を理解した上で、いよいよ「あなたにとって最適な試験はどちらか?」という問いに答えるフェーズです。あなたの現在の状況や、英語力をどのように活用したいかによって、選ぶべき試験は異なります。ここでは、具体的な目標別に診断していきます。

【診断】こんな人はTOEIC L&Rがおすすめ!

TOEIC L&Rは、特にビジネスシーンでの英語力証明や、リスニング・リーディング能力の向上を目指す方に強く推奨されます。

具体的な目標別おすすめ度

  • 就職活動で英語力をアピールしたい人:
    • 多くの企業が新卒・中途採用においてTOEICスコアを重視しています。特に総合商社、外資系企業、メーカー、IT企業など、グローバルな事業展開をしている企業では、TOEICスコアが書類選考や面接の基準となることが一般的です。内定獲得や入社後の活躍のために、TOEICは非常に有効な「パスポート」となり得ます。
  • 昇進・昇格、海外赴任を目指すビジネスパーソン:
    • 社内で英語力が求められるポジションへの昇進・昇格の条件として、あるいは海外拠点への赴任の際に、TOEICスコアが基準となる企業は少なくありません。現在の役職からのステップアップや、キャリアの幅を広げたいと考えている方には、TOEICスコアの向上が直接的な成果につながる可能性が高いです。
  • ビジネスシーンで「使える英語」を身につけたい人:
    • TOEICの出題内容は、ビジネス会議、プレゼンテーション、電話応対、社内メールなど、実社会でのビジネスコミュニケーションに直結しています。試験対策を通じて、ビジネスで頻出する語彙や表現、フレーズを効率的に学ぶことができ、即座に仕事に活かせる英語力を養うことができます。
  • 短期間で客観的な英語力の指標が欲しい人:
    • TOEICは受験機会が多く(年10回)、結果も比較的早く出ます。そのため、急な転勤や転職の機会、あるいは大学の単位認定などで、短期間で公式な英語力証明が必要な場合に最適です。
  • リスニングとリーディング能力を重点的に強化したい人:
    • 英語のニュースを聞いたり、英文記事を読んだりする能力を向上させたい、情報収集能力を高めたいという方には、TOEICのリスニング・リーディング対策が効果的です。
採用・昇進にTOEIC基準を持つ企業一覧
https://shihonshugi-koryaku.com/tenshoku-toeic/より引用
企業・団体が、役職別の昇進・昇格にTOEICのスコアを要件として設定しているか、また設定している場合の役職別に要件となる平均スコア
TOEIC公式より引用

【診断】こんな人は英検準1級がおすすめ!

英検準1級は、総合的な英語力をバランス良く高めたい方や、学術的な英語、そしてアウトプット能力を重視する目標を持っている方に特に適しています。

具体的な目標別おすすめ度

  • 大学入試で優遇を受けたい高校生・浪人生:
    • 多くの大学・学部で、英検準1級の取得が入試の加点、出願資格、試験科目免除といった優遇措置の対象となっています。特に難関大学や国際系の学部を目指す場合、英検準1級は合否を左右する強力な武器となります。
  • 海外留学や大学院進学を目指す人:
    • 英語圏の大学や大学院への留学の際、英検準1級が英語力の証明として認められることがあります。特に、TOEFLやIELTSといった専門的な留学試験対策の前に、総合的な英語力の土台を固める意味でも有効です。現地の講義を理解し、ディスカッションに参加し、レポートを書くといったアカデミックな場面での英語力の基礎を培うことができます。
  • 教員採用試験で英語力をアピールしたい人(特に英語教員志望者):
    • 小・中・高校の英語教員を目指す場合、英検準1級は多くの教育委員会で採用試験の加点対象や、一部試験免除の条件となっています。4技能すべてを高いレベルで運用できる証明となるため、教壇に立つ上で必須の英語力とみなされます。
  • 総合的な英語力(4技能)をバランス良く高めたい人:
    • 「聞く・読むだけでなく、話す・書くもできるようになりたい」という強い願望がある方には、英検準1級が最適です。ライティングのエッセイやスピーキングの面接を通じて、論理的に考え、自分の意見を英語で表現する「アウトプット力」を飛躍的に向上させることができます。
  • 幅広い知識や教養を英語で学びたい人:
    • 英検準1級は、社会問題、科学、歴史、文化など多岐にわたるテーマが出題されます。試験対策を通じて、英語力を高めると同時に、様々な分野の知識や教養を英語で吸収する機会が得られます。

両方取得するメリットと効果的な学習ロードマップ

TOEICと英検準1級は異なる特性を持つ試験ですが、両方を取得することで、あなたの英語力をより多角的に証明し、幅広い場面で活用できるようになります。

両方取得するメリット

  • キャリアの選択肢が広がる: ビジネスシーンでの評価が高いTOEICと、学術・教養面での評価が高い英検準1級を両方持っていることで、就職・転職、昇進、留学、教員採用など、あらゆる分野で高い英語力をアピールできます。
  • 真の総合的英語力: TOEICでリスニングとリーディングの速読・速聴力を、英検準1級でライティングとスピーキングのアウトプット力を高めることで、インプットとアウトプットのバランスが取れた、真に実用的な英語力を身につけることができます。
  • 自信の向上: 異なる形式の試験で高得点・高級を取得することは、英語学習へのモチベーション維持にもつながり、国際社会で活躍するための大きな自信となります。

効果的な学習ロードマップ

もし両方の取得を目指すのであれば、以下のロードマップを参考にしてください。

  1. まずはTOEIC L&Rから着手(推奨):
    • 多くの人にとって、リスニングとリーディングの2技能に特化したTOEICの方が、学習のハードルが低く、スコアアップの実感を得やすい傾向にあります。まずはTOEICで700点台後半~800点台を目指し、ビジネス英語の基礎と情報処理能力を固めましょう。ここで培った語彙力やリーディングスピードは、英検準1級の対策にも大いに役立ちます。参考記事:【TOEIC800点突破!】レベル・勉強法・時間配分・学習計画を徹底解説!
  2. TOEICで一定のスコア達成後、英検準1級に移行:
    • TOEICで目標スコアを達成したら、次に英検準1級に挑戦しましょう。この段階では、すでにリスニングとリーディングの基礎ができているため、重点的にライティングとスピーキングのアウトプット対策に時間を割くことができます。
    • 英検準1級特有のアカデミックな語彙や社会性のあるテーマに慣れるための多読・多聴も重要になります。
    • ライティングは添削サービスや英語学習アプリの活用、スピーキングはオンライン英会話や英会話スクールでの実践練習を積極的に取り入れると効果的です。私が運営する英語コーチングSatelliteでは英検準1級の添削はもちろん、スピーキングの学習方法についても専用カリキュラムを作成してサポートします。
  3. 定期的なメンテナンスと挑戦:
    • 一度取得した後も、英語力は使わないと衰えてしまいます。定期的にTOEICを受験してスコアを維持・更新したり、英検1級への挑戦を検討したりすることで、継続的に英語力を高めていくことができます。

各試験の具体的な対策法

TOEIC L&Rと英検準1級、どちらの試験を選ぶにしても、効果的な学習法を知っているかどうかが結果を大きく左右します。ここでは、それぞれの試験に特化した具体的な対策法を詳しく解説します。

TOEIC L&Rで高得点を取るための学習法

TOEIC L&Rは、正確性とスピードが問われる試験です。効率的な学習と実践的な演習が、高得点への鍵となります。

パート別対策

TOEIC L&Rは7つのパートで構成されており、それぞれ出題形式が異なります。パートごとの特性を理解し、適切な対策を立てましょう。

  • Part 1: 写真描写問題 (Listening)
    • 写真に写っている物や人物の動作、状態を表す短い英文を聞き取る問題です。
    • 対策: 日常生活で目にする光景を英語で描写する練習をしましょう。単語だけでなく、「〜ing」「〜ed」などの動詞の形や前置詞に注目して聞く練習が重要です。
  • Part 2: 応答問題 (Listening)
    • 質問文や平叙文に対する適切な応答を選ぶ問題です。
    • 対策: 疑問詞(What, When, Whereなど)の聞き分けを徹底し、ひっかけの同音異義語にも注意しましょう。質問の意図を瞬時に把握する練習がカギです。
  • Part 3: 会話問題 (Listening)
    • 2人または3人の会話を聞き、内容に関する質問に答える問題です。
    • 対策: 会話の流れを追いながら、Who, What, When, Where, Why, Howといった基本的な情報に加え、話者の意図や感情を読み取る練習をしましょう。設問と選択肢の先読みを習慣化することが高得点に繋がります。
  • Part 4: 説明文問題 (Listening)
    • アナウンス、ナレーション、講演などの説明文を聞き、内容に関する質問に答える問題です。
    • 対策: Part 3と同様に先読みが重要です。メモを取りながら聞く練習も有効です。専門用語や固有名詞に惑わされず、話の主題や目的を捉えるようにしましょう。
  • Part 5: 短文穴埋め問題 (Reading)
    • 文法や語彙の知識が問われる穴埋め問題です。
    • 対策: 文法ルール(品詞、時制、仮定法など)を完璧に理解し、語彙を増やすことが必須です。時間をかけずに解けるように、問題を見た瞬間に正解が分かるレベルを目指しましょう。
  • Part 6: 長文穴埋め問題 (Reading)
    • 短い長文の中に空所があり、文脈に合う語句や文を選ぶ問題です。
    • 対策: 文全体の流れと論理構成を把握しながら解き進めましょう。空所だけでなく、その前後の文や段落全体を読むことで、適切な選択肢を選べるようになります。新しく導入された「挿入文問題」は、文と文の繋がりを正確に理解する力が問われます。
  • Part 7: 読解問題 (Reading)
    • Eメール、記事、広告、チャット、複数の文書を読み、設問に答える問題です。
    • 対策: 記事全体を素早く読み、必要な情報を正確に見つけ出す「速読力」と「情報検索能力」が最も重要です。設問と選択肢を先に読み、どこに注目して読むべきかを把握する練習を徹底しましょう。複数の文書を扱う問題では、情報間の関連性を読み解く力も問われます。

時間配分

TOEIC L&Rで高得点を取るには、正確な解答力だけでなく、時間配分が極めて重要です。特にリーディングセクションは、時間が足りずに最後まで解ききれない受験者が非常に多いです。

  • リスニング(約45分): 比較的、時間配分を意識する場面は少ないですが、次のパートの先読み時間を確保できるよう、集中して聞きましょう。
  • リーディング(約75分):
    • Part 5: 1問20秒以内(約10分)
    • Part 6: 1問30秒以内(約8分)
    • Part 7: 残りの時間(約57分)を問題数で割って配分。シングルパッセージ(約28問)に30分、マルチパッセージ(約22問)に27分をかけるイメージです。
    • 理想: Part 5と6を速やかに終え、Part 7にできるだけ多くの時間を残すことを意識しましょう。もし時間が足りなければ、難易度の高いマルチパッセージから手をつけ、確実に解けるシングルパッセージで取りこぼしがないようにする戦略も有効です。

模試活用法

TOEIC対策において、公式問題集などの模試を最大限に活用することは不可欠です。

  1. 本番同様に時間を測って解く: まずは、実際の試験時間に合わせて全問題を解いてみましょう。これにより、現在の実力と時間配分の課題が明確になります。
  2. 徹底的な復習: 解き終わったら、答え合わせだけでなく、間違えた問題と正解した問題の両方を詳細に復習しましょう。
    • リスニング: 聞き取れなかった箇所はスクリプトを確認し、何度も音読・シャドーイングを行い、聞き取れるまで練習します。
    • リーディング: なぜその答えが正解なのか、なぜ他の選択肢は間違いなのかを文法・語彙・文脈の観点から徹底的に分析します。長文はすべて精読し、語彙を確認しましょう。
  3. 弱点分析と対策: どのパートで点数を落としやすいのか、どのタイプの問題が苦手なのかを分析し、その弱点を克服するための学習計画を立てます。例えば、Part 5の文法問題が苦手なら、文法書を読み直すなどです。
  4. 音読とシャドーイング: 特にリスニング対策では、スクリプトを見ながら音声を追いかけるシャドーイングや、英文を声に出して読む音読が非常に効果的です。これにより、英語のリズムやイントネーション、語彙、文法が自然と身につき、リスニング力とリーディングスピードの両方が向上します。関連記事:【スコア爆上がり】TOEICのおすすめ公式問題集と効果的な使い方を解説!

英検準1級に合格するための学習法

英検準1級は、TOEIC L&Rとは異なり、4技能すべてを高いレベルで求められます。特にアウトプット技能の対策が合否を分けます。

語彙対策

英検準1級の語彙は、TOEIC L&Rよりもアカデミックで、社会性の高い単語が多く出題されます。

  • 単語帳の徹底活用: 英検準1級に特化した単語帳(例: 『出る順パス単 英検準1級』など)を1冊選び、完璧にマスターするまで繰り返し学習しましょう。
  • 多読・多聴: 興味のある英語のニュース記事(例: The Japan Times, BBC Newsなど)、英語のポッドキャスト、洋書などを積極的に読み聞きし、文脈の中で新しい単語に触れる機会を増やしましょう。単語帳で覚えた単語が実際に使われている例を見ることで、定着率が高まります。
  • 語源学習: 似たような意味を持つ接頭辞(例: un-, dis-, re-)や接尾辞(例: -tion, -ment, -able)を学ぶことで、知らない単語でも意味を推測する力が身につきます。

ライティング対策

英検準1級のライティングは、与えられたトピックに対して自分の意見を論理的に構成し、明確に表現する力が問われます。

  1. 型を覚える: 導入(主張)、理由1+具体例、理由2+具体例、結論という基本的なエッセイの構成を覚え、テンプレートとして活用しましょう。
  2. アイデア出しの練習: 政治、経済、社会問題、環境問題など、様々なテーマについて日頃から自分の意見を持つ練習をしましょう。賛成・反対の両面から理由を複数考えられるようにします。ブレインストーミングの習慣をつけるのも有効です。
  3. たくさん書いて添削を受ける: 実際にエッセイを繰り返し書き、添削サービス(オンライン添削、学校の先生、ネイティブスピーカーなど)を活用してフィードバックを受けましょう。自分で気づかない文法ミスや不自然な表現、論理の飛躍などを修正し、表現力を高めることができます。
  4. 模範解答の分析: 過去問や参考書の模範解答を読み込み、どのような論理展開で、どのような語彙・表現が使われているかを分析しましょう。良い表現や構成は積極的に自分のライティングに取り入れてみてください。
  5. 制限時間内に書ききる練習: 実際の試験時間(30分程度)で書ききる練習を積むことが重要です。

スピーキング対策

二次試験の面接は、英検準1級合格の大きな関門です。即興で英語を話し、コミュニケーションを取る力が求められます。

  1. 声に出して練習する:
    • 音読・シャドーイング: リスニング力向上にも繋がりますが、英語のリズムやイントネーションを体に染み込ませるために不可欠です。英語を口に出すことに慣れましょう。
    • 独り言: 日常生活で見たこと、感じたことを英語で独り言のように話す練習をしましょう。短い文でも良いので、英語で考える癖をつけます。
  2. 過去問・予想問題の活用:
    • 過去に出題されたナレーションや意見論述のテーマを使い、実際に声に出して話す練習をしましょう。録音して聞き直し、改善点を見つけるのも非常に効果的です。
  3. オンライン英会話の活用:
    • 最も効果的なのが、オンライン英会話などでネイティブスピーカーや英語講師と実践練習をすることです。面接形式のロールプレイングをしてもらい、フィードバックをもらいましょう。人前で英語を話す度胸も養われます。
    • 特に「4コマ漫画のナレーション」や「意見論述」の練習は、オンライン英会話で集中的に行うと良いでしょう。
  4. 社会問題に関する知識と意見:
    • 意見論述では、社会問題などに関する自分の意見を求められます。日頃からニュースや記事を英語で読み、様々なテーマについて自分の考えを英語でまとめられるように準備しておきましょう。
    • 賛成・反対の立場から、理由と具体例を瞬時に引き出せるように練習しておくと、本番でスムーズに発言できます。

まとめ

TOEIC L&Rと英検準1級、それぞれの試験の特性を深く掘り下げてきましたが、いかがでしたでしょうか。単なる英語力の測定だけでなく、あなたの目標、現在のスキル、そして将来の展望によって、最適な選択が異なることがお分かりいただけたかと思います。

ビジネスシーンでの即戦力としての英語力を証明したいなら、TOEICは強力な武器になります。膨大な情報を素早く正確に処理する「速読・速聴力」を磨き、ビジネスに特化した語彙と表現を習得することで、あなたのキャリアパスを確実に広げてくれるでしょう。

一方、総合的な英語力とアカデミックな素養を証明し、大学入試、留学、あるいは英語教育の道を目指すなら、英検準1級がその真価を発揮します。ライティングとスピーキングという「アウトプットの壁」を乗り越えることで、聞く・読むだけでなく、自分の考えを英語で発信できる真のコミュニケーション能力が身につきます。

もちろん、どちらか一方を選ぶだけでなく、両方の資格を取得するという選択肢も非常に有効です。TOEICで培ったインプットの基礎力を土台に、英検準1級でアウトプット能力を磨けば、ビジネスから学術まで、あらゆる場面で通用する盤石な英語力を築くことができます。

重要なのは、「なぜ英語を学ぶのか」というあなたの目的を明確にすることです。その目的がはっきりすれば、自ずと最適な試験が見えてくるはずです。

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この記事を書いた人

現役の英語コーチ・講師が英語学習に関するお役立ち情報を発信中!
TOEIC985・英検1級保有

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