【TOEIC950】取得のメリットや学習法・コツは?

TOEIC950です!」というカッコいい肩書き。一度は使ってみたいですよね。

英語のインプット能力を証明する試験の中でもっとも有名なTOEICで、950点というのはどのようなレベルなのでしょうか?
またもし目指すとしたらどれくらいの期間、何を頑張ればいいのでしょうか?

この記事ではTOEIC950点について以下の疑問に答えていきます。

  • TOEIC950点のレベルはどれくらい?
  • TOEIC950点は何ができる?
  • TOEIC950点を取得するメリットは?
  • TOEIC950点を取るのにどれくらいかかる?
  • TOEIC950点を取るための学習方法は?
  • 最短でTOEIC950点を取るためのコツは?
目次

TOEIC950点のレベルはどれくらい?

結論から言うと、TOEIC950点は非常に高いレベルです。

具体的なレベルやすごさは数字にしてみると分かりやすいので、見てみましょう。

偏差値でいうと69、受験者100人中3位

まず2023年度のTOEICの平均スコアは612点ですので、スコアが950点の人は偏差値で言うと69になります。
学生時代は偏差値で模試の成績が出ますので、平均50の偏差値で表されると69というのは非常に優れた成績であることが分かります。

またTOEIC950点以上というのはどれくらいの割合で存在するのでしょうか?
以下の図は2024年10月実施回のTOEICにおける平均スコアと標準偏差の一覧です。

正規分布していると仮定して計算すると、950点以上の人は上位2.74%でトップ層にいることが分かります。
仮に受験者の数を100人とすると、3位になるといったレベル感です。

学生時代に偏差値69を取ったり、100人中3位だったりしたら非常に成績が良いと感じる人が多いでしょう。
TOEIC950点というのは受験者の中で上位3%に満たないトップレベルの優れた成績だと言えます。

TOEIC950点は英検1級程度の英語力

TOEIC950点のレベルは英検1級程度です。

以下の表はTOEICスコアと英検の級を対照させた表です。

英検とTOEICをCEFRで並べたときの対応表

TOEIC950点の人は語彙が9500語程度と英検1級で求められる水準より少し低いくらいで、TOEICのリスニングやリーディング問題は「ほとんどの英語を高いレベルで理解できる」と感じるでしょう。

TOEIC本番で流れるリスニング音源のスピードはwpm150~175程度ですが、950点の人はwpm175程度くらいまでは初見でも十分聞き取れる力があります。
聞き取れるスピードと同じくらいの問題もあるため、TOEIC950点の人にとってリスニング音源は「初見でもしっかり内容を理解できる」と感じるでしょう。

リーディングは全100問がギリギリ時間内に解き終わるというレベル感です。
下記の対応表を見ると、すべての問題を解ききって解いた問題の正答率が9割だとリーディングスコアは460くらいになることが予測できます。
TOEICではリスニングのスコアのほうが高く出やすいため、TOEIC950点の人はリスニング495点、リーディング455点で合計950点、といったような得点配分となります。

TOEICリーディングにおけるとき終わらなかった問題数と予想スコアの関係表
TEX加藤氏ブログより引用

TOEIC950点は何ができる?

TOEIC950点の人は具体的に英語を使ってどんなことができるのでしょうか?
技能別に見ていきましょう。

なお、TOEICはリスニング方がスコアが出やすいため、950点のうちリスニング495点・リーディング455点の得点配分を仮定しています

リスニング

TOEICでリスニングスコアが375~495の人の長所と弱点の一覧表
TOEIC公式より引用

上記はTOEIC公式が出している資料の一部を抜粋したもので、リスニングスコアが375~495までの人の長所と弱点を述べています。
簡単にまとめると以下のようになります。

リスニングの長所

  • 短い会話で臨機応変に内容を把握することができる
  • 長い文章を聞いて、容姿を正しく推測することができる
  • 短い会話で複雑な語彙や構文にも対応して詳細が理解できる
  • 長い文章を聞いて、複雑な構文や言い換えに対応して一度で話の詳細が理解できる

リスニングの弱点

  • 使用頻度の低い語彙や構文が理解できない時がある

公式のデータに加えて実際に私の経験を加えると、

  • TOEICのリスニングは97〜100/100の正答数
  • TOEICの音源をはほとんどが正しく聞き取れている
  • ナチュラルスピードの英語でもかなりの割合で聞き取れる

といった様子がリアルなTOEIC950点のリスニング力です。

リーディング

TOEICでリーディングスコアが425~495の人の長所と弱点の一覧表
TOEIC公式より引用

上記はTOEIC公式が出している資料の一部を抜粋したもので、リーディングスコアが425~495までの人の長所と弱点を述べています。
簡単にまとめると以下のようになります。

リーディングの長所

  • 文章全体に渡って言い換えがあっても正しく理解できる
  • 幅広い語彙や多義語も理解して文章を読解できる
  • 複雑な文法構造も理解して英文を解釈できる

リーディングの弱点

  • 難解な語彙や遠回しの表現で意図を取り違えることがある

公式のデータに加えて実際に私の経験を加えると、

  • TOEICのリーディングはギリギリ解き終わる
  • 返り読みをせずに一読で英文の意味を正しく解釈できる
  • 辞書を使わなくても、ほとんどの英文の意味は解釈できる

といった様子がリアルなTOEIC950点のリーディング力です。

ライティング・スピーキング

ライティング・スピーキングといったアウトプットの能力はTOEICでは測れないため、個人差が大きいです。

TOEIC950でも簡単な英会話さえできない人もいれば、十分日常的な英会話をこなすことができる人もいます。

しかし、言語の本質はインプットであり、TOEIC950点の人はTOEIC400点の人よりもインプットの総量が多いため、ライティング・スピーキングのトレーニングを両者が同時にスタートした場合、TOEICの950点の人のほうが圧倒的に早く上達します。

つまり「TOEIC950点はアウトプットの能力を示すものではないが、大きなポテンシャルを持っている」ということが言えます。

TOEIC950点を取得するメリットは?

  1. 年収が高くなる
  2. 就職活動や転職活動で英語力をアピールできる
  3. 昇進に活用できる
  4. 国際的なプロジェクトに参加しやすくなる
  5. 海外赴任・社費留学しやすくなる
  6. 進学・留学で有利になる

年収が高くなる

転職大手サイトdodaによるとTOEICテストのスコアと年収には一定の相関が見られます

https://doda.jp/global/guide/004.htmlより引用

スコアなしの人に比べて、TOEIC900以上の人は150万円以上年収が高いことが分かります。
TOEIC950の人は高い英語力があることをアピールして、転職や昇進で高い評価を得て高年収の職を得ていることが分かります。

就職活動や転職活動で英語力をアピールできる

TOEICを運営するIIBCによると、TOEICのスコア別のレベル感と企業が期待するスコア、コミュニケーションは以下のようになります。

TOEICL&Rのスコア別レベルと企業が期待するスコアの一覧表
「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」より引用

スコアが10〜215点はEランク、220〜465点はDランク、470〜725点はCランク、730〜855点はBランク、860〜990点はAランクとなり、海外部門の社員には570~810点のスコアを期待する企業が多いということです。

また、以下の図を見ると実際に多くの企業がTOEICのスコアを採用・昇進の基準に持っていることが分かります。

転職にTOEICと英語力は有利なの?TOEICで年収アップを目指す転職方法とは?より引用

日系大企業では最低要件として平均スコアと同程度の600点以上を掲げています。また特に海外との取引や駐在が多い業界や外資系企業では800点以上を必要とする企業もあります。
これらはあくまで目安であり、管理職以上の役職、外資系投資銀行、海外部門などではより高いスコアが求められる傾向があります。
いずれにせよ、TOEICスコア950点を保有していれば、ほぼすべての企業の選考で高い英語力をアピールすることができます。

昇進に活用できる

以下の2022年の調査では企業・団体が管理職を中心に英語力において一定のスキルを求めていることが分かります。

企業・団体が求める英語スキルの水準
IIBCによる英語活用実態調査2022より引用

つまり、英語スキルは社会人にとって年収アップ・昇進・転職において大きな影響があると言えます。

さらに以下の図を見ると、企業・団体が昇進・昇格時にTOEICスコアを評価して入ることが分かります。
係長・主任クラスでは、TOEICスコアを昇進・昇格の「要件としている」「参考としている」企業・団体が21.5%、今後「要件・参考とする可能性がある」回答を含めると、46.5%がTOEICスコアを査定に入れる可能性があることが分かります。

企業・団体が、役職別の昇進・昇格にTOEICのスコアを要件として設定しているか、また設定している場合の役職別に要件となる平均スコアを表した図。
IIBCによる英語活用実態調査2022より引用

また、昇進・昇格の要件となる場合の平均スコアは役職別に以下のようになっています。

  • 係長・主任→520点
  • 課長→560点
  • 部長→555点
  • 役員→590点

これは平均値ですので、グローバル事業を手掛けている会社や外資系の企業ではもっと高いスコアが要件となるでしょう。

いずれにせよ、TOEIC950点は昇格・昇進においても大きな役割を果たすであろうことが分かります。

国際的なプロジェクトに参加しやすくなる

コロナ禍でオンライン会議システムが普及したこともあり、国内にいても国際的なプロジェクトに携わる機会は急速に増えました。
国際的な会議は英語で共通語の英語で行われることが多く、まだまだ英語会議に参加できるレベルの英語力を持っている社会人は多くありません。

TOEIC950を持っている人はリスニングが満点レベルで、英語での会議にも付いていくことができる実力があると言えます。
そして国際的なプロジェクトでは高い英語力が必要であることは、管理職の人も理解しているのでTOEIC950点という高得点を持っていればそういったプロジェクトにも積極的に登用されるでしょう。

海外赴任・社費留学しやすくなる

以下の図を見ると、多くの企業・団体が海外出張・赴任者選抜の際にTOEICスコアを参考にしており、海外赴任者に着目すると、TOEICスコアを「要件としている」「参考としている」企業・団体が43.7%、今後「要件・参考とする可能性がある」と回答している企業・団体を含めると実に80.5%がTOEICを考慮に入れて海外赴任者を決定する可能性があると言えます。

企業・団体が海外出張・赴任者選抜の際にTOEICスコアを要件としているか、また要件とする場合の平均スコアを表した図
IIBCによる英語活用実態調査2022より引用

また要件とする場合には、645点というスコアを求めていることが分かります。

さらに以下の図はビジネスパーソンがそれぞれのTOEICスコアを持つ人が、英語でどんなことができるかを回答しているデータです。
これを見るとビジネスパーソン側の実感値としては、800点以上の人は「海外赴任できる」を現在の英語力にもっとも近いスキルだと回答していることが分かります。

IIBCによる英語活用実態調査2022より引用

つまり、企業・団体目線からはTOEIC645点が海外赴任の要件となるスコアとなり、ビジネスパーソン目線からはTOEIC800点以上が海外赴任できるレベルである、と感じているようです。

TOEIC950点を持っていれば、海外赴任の要件を満たしたうえで、実際に赴任しても英語で仕事が十分できると言えるでしょう。

TOEIC950点を取るのにどれくらいかかる?

現状のTOICスコアからTOEIC950点を取るのにかかる時間はどれくらいなのかを一覧にしました。

→目標のスコア
↓現状のスコア
350450550650750850点950
250200425700950115014501750h
35022545070095012251550h
4502254507009751300h
5502254507251050h
650225500825h
750275600h
850325h
https://elt.oup.com/elt/students/exams/pdf/elt/toeic_teachers_guide_international.pdfより作成

黄色に塗ったセルが各スコアからTOEIC950到達までにかかる学習時間です。

  • TOEICスコア250から950点へ上げるのに必要な学習時間は1750時間
  • TOEICスコア350から950点へ上げるのに必要な学習時間は1550時間
  • TOEICスコア450から950点へ上げるのに必要な学習時間は1300時間
  • TOEICスコア550から950点へ上げるのに必要な学習時間は1050時間
  • TOEICスコア650から950点へ上げるのに必要な学習時間は825時間
  • TOEICスコア750から950点へ上げるのに必要な学習時間は600時間
  • TOEICスコア850から950点へ上げるのに必要な学習時間は325時間

TOEICスコア250から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア250から950点へ上げるのに必要な学習時間は1750時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)4年10ヶ月
1.5時間(週10.5時間)3年2ヶ月
2時間(週14時間)2年
3時間(週21時間)1年4ヶ月

TOEICスコアが250点の場合は中学英語の基礎からしっかりと積み上げることが必要です。
中学レベルの英単語と中学英文法の学習を中心に時間をかけるといいでしょう。

TOEICスコア350から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア350から950点へ上げるのに必要な学習時間は1550時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)4年3ヶ月
1.5時間(週10.5時間)2年10ヶ月
2時間(週14時間)2年1.5ヶ月
3時間(週21時間)1年5ヶ月

TOEICスコアが350点の場合は中学英語の読み・聞きトレーニングで英語のインプット処理能力を鍛えるといいでしょう。
中学語彙・文法に不安があればまずはそちらから復習するのがおすすめです。

TOEICスコア450から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア450から950点へ上げるのに必要な学習時間は1300時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)3年7ヶ月
1.5時間(週10.5時間)2年4ヶ月
2時間(週14時間)1年9.5ヶ月
3時間(週21時間)1年2ヶ月

TOEICスコアが450点の場合は、高校英語の基礎学習が必要です。
高校レベルの語彙5000語と高校レベルの英文法の参考書を仕上げるのが最優先になります。

TOEICスコア550から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア550から950点へ上げるのに必要な学習時間の目安は1050時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)2年11ヶ月
1.5時間(週10.5時間)1年11ヶ月
2時間(週14時間)1年5.5ヶ月
3時間(週21時間)11.5ヶ月

TOEICスコアが550点の場合は高校英語の読み・聞きトレーニングで英語のインプット処理能力を鍛えるといいでしょう。
高校語彙・文法に不安があればまずはそちらから復習するのがおすすめです。

TOEICスコア650から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア650から950点へ上げるのに必要な学習時間の目安は825時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)2年3ヶ月
1.5時間(週10.5時間)1年6ヶ月
2時間(週14時間)1年1.5ヶ月
3時間(週21時間)9ヶ月

TOEICスコアが650点の場合は高校英語を超えたレベルのリーディング・リスニングをたくさん実施するといいでしょう。
語彙力が6000未満の場合は、語彙学習も並行していくといいでしょう。

TOEICスコア750から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア750から950点へ上げるのに必要な学習時間の目安は600時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)1年8ヶ月
1.5時間(週10.5時間)1年1ヶ月
2時間(週14時間)10ヶ月
3時間(週21時間)6.5ヶ月

TOEICスコアが750点の場合は、TOEICの模試を復習することでリーディングとリスニングの力を伸ばしていきましょう。
TOEIC950を取得するには高い語彙力が必要ですから、語彙8000語に足りない場合がほとんどなので単語帳での学習も行いましょう。

TOEICスコア850から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア850から950点へ上げるのに必要な学習時間の目安は325時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)11ヶ月
1.5時間(週10.5時間)7ヶ月
2時間(週14時間)5.5ヶ月
3時間(週21時間)3.5ヶ月

TOEICスコアが850点の場合は、弱点に応じて対策をするといいでしょう。
ただし、語彙が900語に満たない場合が多いと思いますから、900点に必要な語彙9000語を目指しましょう。

リスニングは満点を取れるように、リーディングは460点を取れるように演習と復習を繰り返していきましょう。

TOEIC950点を取るための学習方法は?

  1. 語彙を9000を目指して単語を覚える
  2. 中学・高校英文法を固める
  3. 本番環境で模試を解く
  4. シャドーイング
  5. Part7の精読

語彙を9000を目指して単語を覚える

語学において意味が分かる単語の数は非常に重要であり、語学力=語彙力といっても過言ではありません。
TOEICも例に漏れず、意味がパッと出てくる英単語の数が増えればスコアも自然と伸びていきます。

TOEICでは目標スコアの10倍の語彙力が理想です。
950点が目標なら語彙力は9000〜10000程度を目指すと良いでしょう。
現在の語彙力を知りたい場合は、Test your English vocabularyというサイトで5分程度でチェックすることができます。

Test your English vocabularyで語彙力測定テスト受験中の画面のスクリーンショット

回答を終えると以下のように結果が表示されます。例えば以下の場合だと語彙力は10,436語あることになります。

Test your English vocabularyで語彙力測定テスト結果表示画面のスクリーンショット

意味が分かる英単語にチェックを入れていくだけで語彙力が簡単に測定できます。いろいろ試しましたがこちらのサイトは割と正確だと思います。

単語帳はレベル感に合ったものを選ぶのが大切です。すでに実施した語彙力テストの結果をもとに、自分のレベルに合った単語帳を一冊やり抜きましょう。

キクタンTOEIC(R) L&Rテストシリーズです。4冊出ていますので、語彙数に合わせてどれにするかを決めるのがいいでしょう。

  • 語彙力が4000以下の人→SCORE500
  • 語彙力が4000〜5000の人→SCORE500
  • 語彙力が5000〜6000の人→SCORE800
  • 語彙力が6000以上の人→SCORE990

kindle版とペーパーバック版があるので好きな方を選ぶといいでしょう。

アプリで学習したい場合はmikanがイチ推しです。
スマホでスキマ時間に学習したり、音声が自動で再生できたり、覚えている度で出題を変えられたり、自動で学習記録が付けられたりする点がおすすめです。

mikanの詳しい使い方は以下の記事で詳しく解説しています。

中学・高校英文法を固める

現状のTOEICスコアが400以下の場合は中学英文法を、500以下の場合は高校英文法を学習することが最優先です。
英文法は英語の「ルール」であり、ルールを知らずにリーディング・リスニングの学習をしてもすぐにスコアは頭打ちになってしまうでしょう。

英文法はすべての学習の基礎になります。TOEICのPart5は語彙・文法問題ですが、それ以外のPartでも英文法を理解していないと学習の効率が下がってしまいます。

中学文法のおすすめ参考書は中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版です。
わかりやすい挿絵もあり、演習もセットになっているので一冊仕上げれば十分です。

高校文法のおすすめ参考書はMr.Evineの英文法ブリッジコース[中学修了→高校基礎]です。
中学レベルの復習と高校基礎レベルの学習が一冊で完成します。

文法を学習するときは以下のポイントを押さえましょう。

  • わからない部分は動画を見る
  • 問題を解く
  • 完璧主義を捨てる
  • 1つの参考書を3周する
  • 早めに4技能の学習に進む

文法学習で分からないところは何度読んでもわからないことが多いので、理解度が高まる動画視聴がおすすめです。Youtubeで該当の文法事項の名前で検索すれば文法講義の動画が見つかるはずです。

文法を学ぶときは説明を読んだあとに問題を解きましょう。アウトプットしてみると理解度が低いところが分かったり、記憶に残りやすくなったりします。

文法事項は参考書の学習だけでは100%分からない部分があります。実際に英語を読んだり書いたりする中で分かることもあるので、この時点で100%理解する必要はありません。
分からない箇所に詰まって時間をかけすぎるのは得策ではありません。

文法の参考書はコロコロ変えず、これと決めた一冊を最低三周しましょう。周回を重ねることで次第に理解が深まるので、三周を目安に取り組みましょう。
また、一周したら参考書を変える人がいますが、記憶が定着しないうちに参考書を変えるとせっかく深まりかけた記憶がリセットされるのでおすすめしません。

本番環境で模試を解く

効率的にTOEIC950を達成するためには試験に慣れることが必須です。
そのためにはできるだけ多くTOEICの問題を解いて形式に慣れることが必要です。目安としては、TOEICの模試を10回分解くといいでしょう。
TOEICは一回あたり120分という長丁場で高速の処理をするために、高い集中力が求められる試験です。
本番までになるべく通しで休みを挟まずに解く回数を稼ぐことで、時間配分や集中力のトレーニングになります。
10回も解けば、各パートでどんな問題が出るのか、時間配分はどうしたら良いのか、といった部分が分かってきて容量が掴めてくるはずです。

TOEICの模試を解く、復習する際は以下のポイントに注意しましょう。

  • 自分なりの解き方を確立する

TOEICはリーディングパートの時間配分が大切です。日頃から意識していないと本番でペース配分がうまくいかなくなります
普段からPart5は10分、Part6は8分、Part7は57分といったようにパート別に目標時間を設定しておきましょう。
そうすると徐々にペース感が分かって来るはずです。

TOEICではリスニング、リーディング各パートの解き方のコツやテクニックがあります。絶対にこれ、というものはありませんが例えばPart3, 4の先読みやPart6,7の設問先読みなどそれぞれのパートの解き方を確立させておくことで安定したスコアを出すことができます。

TOEIC950を目指す場合はすべての問題を100%理解できるまで復習しましょう。自分が解けなかった問題にこそ950点を達成するために必要なヒントが隠されています。

シャドーイング

TOEICのリスニング中でもPart3, 4は長めの英文を聞いて設問に解答していく難度の高いパートになります。
英文法の学習が済んでいる場合は、まとまった量の文章を聞き取る練習をしましょう

具体的にはシャドーイングというトレーニングがおすすめです。
シャドーイングはその名の通り、聞こえてきた音を文字を見ないで影のように復唱して付いていくトレーニングです。
以下の動画はシャドーイングを実際に行っているところからスタートしています。

シャドーイングは聞こえてきた音声を自分でも発音することで、リスニングにおいて音声を正確に捉えることができるようになります

シャドーイングは初見で7割程度意味が理解できるレベルの教材がおすすめです。
TOEIC600レベルの場合は、中学レベルの英文を、TOEIC700レベルの場合は高校レベルの英文を、それ以上の場合はTOEICの過去問を教材にするといいでしょう。
「英会話・ぜったい・音読」シリーズはレベル別になっていますので、初心者の方は入門編から仕上げていくといいでしょう。

シャドーイングは非常に奥が深く「初心者がむやみに手を出すと失敗する」と言われるトレーニングです。
詳しいやり方を以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

Part7の精読

文法学習がすでに終わっているTOEIC600以上の方は、Part7が解き終わらないという問題にぶつかることと思います。
TOEIC900までは普通に読み進めてもPart7は最後まで終わりませんが、スコアアップのためには少しでも多くの問題を解くことが重要になってきます。

Part7では、たくさんの英文を読解する必要がありますが、これを速く処理するためには地道にPart7の長文を精読していくしかありません
解き終わったあとの英文を精読していくことで少しづつ英文が正確に読めるようになり、文法や英単語の知識が素早く引き出せるようになります。
「速読」という言葉がありますが、正確なリーディングなしに速く読むことはできません。
Part7の英文は文法、単語を調べながら腰を据えて精読することでしっかり力がついてきます。

最短でTOEIC950点を取るためのコツは?

  1. 最初に公式問題集を解く
  2. 学習計画を立てる
  3. アプリを利用する
  4. 英語コーチングを利用する

最初に公式問題集を解く

TOEICで最短でスコアを上げるためには、TOEICがどんな試験なのかを知り出題の傾向と対策を立てておきましょう。
そのためには公式問題集と解くところから始めるのがおすすめです。

TOEICには過去問は存在しませんが、市販の予想問題集や模試はたくさんあります。ただ、その中でもTOEICを開発するETSが発行しているのは「公式問題集」というシリーズのみです。
年々難化傾向にあると言われるTOEICですが、公式問題集は開発元からの「こういう問題を出しますよ」というメッセージなのです。
2016年のアップデート以降、2024点時点で11冊が刊行されており、各刊2回分の模試を収録しています。
はじめてTOEICを受ける場合は必携の一冊となりますので、ぜひ最新版を購入しておきましょう。

直近のTOEICでも受験までには一ヶ月以上ありますから、実際に模試を解いて出題傾向や初回のテストまでの自分の学習方針を立てるのに役立てましょう。
TOEICはリスニング・リーディングそれぞれ100問の計200問出題されますが、公式問題集の巻末には正当数から予測スコアを導く対応表が載っていますのでぜひ自己採点して自分の現状のスコアを知りましょう。

公式問題集を解くときは、120分時間を測って通しで実施しましょう。リスニングとリーディングを分けて実施したり途中で休憩を入れる、時間を測らない、といった本番と違う環境で解くのは予測スコアに影響が出るのでNGです。

学習計画を立てる

TOEICについて理解が深まったら、いよいよ学習計画を作っていきましょう。0からのTOEIC受験を想定した学習計画の作り方の一例をご紹介します。
ここまでに確認した事項を織り込んで、自分専用の学習プランを作りましょう。

  • TOEICの基礎知識を得る
    →OK
  • スコア別のレベル感を知る
    →OK
  • 目標のスコアを決める
    →まずは500点(1年後)
  • 直近のTOEICに申し込む
    →翌月のTOEICをに申し込み済
  • 公式問題集を解いてみる
    →解いた結果850点(リスニング450点、リーディング400点)
  • 1日の学習時間を決める
    →1日1.5h
  • 机に座れる時間、電車で取れる時間などを確認する
    →机に座れるのは1h、電車やスキマ時間で30分

仮にここまでの項目をもとに自分の状況・目標がはっきりしたとしましょう。
その後最終的に以下のような学習計画を立てるとよいでしょう。

こちらの学習計画では、まず最初に単語・文法・発音を学習し、発音の学習が終わったら単語・文法を4ヶ月で仕上げ、その後は中学英語の音読&シャドーイングを行うと良いでしょう。

アプリを利用する

効率的なTOEICのスコアアップにおすすめしたいのが、アプリの活用です。

アプリでのTOEIC対策には以下のようなメリットがあります。

  • 電車内でも取り組みやすい
  • パッと始めてパッとやめられる
  • 学習記録が自動化される
  • 音声の再生がしやすい
  • 継続しやすい仕組みがある

実際私もアプリを使う前は「勉強は参考書派。紙だからこそ勉強している実感がある。」と思っていましたが、一度試してみると、非常に便利でしっかり学習効果も出ました

アプリはスマホ上でできるので、電車内で参考書を広げられない状況やホームで電車を待っているほんの少しの時間でも学習をすぐに始めてすぐに辞められるので、スキマ時間の活用が圧倒的にしやすくなります。

学習記録が自動化されるうえ、アプリからの通知で学習忘れが防げるので継続のハードルを下げてくれる仕組みが整っています。
私の英語コーチングを受講者も「アプリの学習記録を途絶えさせたくない!」というモチベーションで学習を継続できている方が多くいます。

また、何より便利なのが音声がセットで学習できるという点です。アナログの教材だと参考書を開きながら、音声再生ツールを開いて操作して…と音声をセットで勉強するにはひと手間必要です。
しかし、アプリでは文章表示画面でそのまま音声が再生できるので非常に便利です。

TOEIC対策のためにおすすめしたいのが「mikan」「スタディサプリ」「abceed」の3つです。
単語だけの学習ならmikanがおすすめです。
スタディサプリは動画での解説が付いているので初中級者向けですが、単語学習機能が弱いです。
abceedは解説動画はありませんがデジタル化された参考書を使い放題、というイメージの参考書で、単語帳もいろいろ選べるので中上級者向けです。

ただし、TOEIC400点から600点の場合はTOEIC模試を教材として使うのは時期尚早なので、直前の対策に使うか、単語だけのmikanの利用がおすすめです。

mikanの使い方はこちらの記事で詳しく解説しています。

英語コーチングを利用する

一人で英語学習を継続するのに不安がある方は英語コーチングがおすすめです。

英語コーチングとは、英語学習のプロである英語コーチが専属であなたの英語学習を徹底的にサポートするサービスです。
具体的には

  • 週次の面談
  • 毎日の学習進捗チェック
  • 学習計画の作成
  • 発音・英作文の添削
  • チャットでの質問対応

といったサポートを提供することで、TOEICスコアアップに必要な時間を1/2~1/3にまで短縮することができます。

英会話教室やオンライン英会話はレッスン時間にのみ英会話の機会を提供しますが、英語コーチングは面談以外の時間にも毎日学習進捗の確認や課題の添削などのサポートを行っている点が最大の違いです。
学習の継続と効率的な学習の2つに重点を置くことで、効率的なスコアアップをサポートしてくれます。

英語学習の悩みを無料でプロに相談

代表コーチによる無料カウンセリング実施中

  • 英語学習の課題が明確になる
  • 効率的な英語学習の進め方が分かる
  • コーチング期間で何ができるようになるかが分かる

\ フォームで簡単入力 /

TOEIC950点のすごさまとめ

この記事ではTOEIC950点のすごさについて以下の疑問に答えてきました。

  • TOEIC950点のレベルはどれくらい?
  • TOEIC950点は何ができる?
  • TOEIC950点を取得するメリットは?
  • TOEIC950点を取るのにどれくらいかかる?
  • TOEIC950点を取るための学習方法は?
  • 最短でTOEIC950点を取るためのコツは?

TOEIC950点のすごさはどれくらいか?についてはTOEIC950点は非常に優れたスコアで、偏差値で言うと69上位2.74%英検1級レベルです。

TOEIC950点は何ができる?については以下のようになります。

リスニングは、簡単にまとめると以下のようになります。

リスニングの長所

  • 短い会話で臨機応変に内容を把握することができる
  • 長い文章を聞いて、容姿を正しく推測することができる
  • 短い会話で複雑な語彙や構文にも対応して詳細が理解できる
  • 長い文章を聞いて、複雑な構文や言い換えに対応して一度で話の詳細が理解できる

リスニングの弱点

  • 使用頻度の低い語彙や構文が理解できない時がある

公式のデータに加えて実際に私の経験を加えると、

  • TOEICのリスニングは97〜100/100の正答数
  • TOEICの音源をはほとんどが正しく聞き取れている
  • ナチュラルスピードの英語でもかなりの割合で聞き取れる

といった様子がリアルなTOEIC950点のリスニング力です。

リーディングは、簡単にまとめると以下のようになります。

リーディングの長所

  • 文章全体に渡って言い換えがあっても正しく理解できる
  • 幅広い語彙や多義語も理解して文章を読解できる
  • 複雑な文法構造も理解して英文を解釈できる

リーディングの弱点

  • 難解な語彙や遠回しの表現で意図を取り違えることがある

公式のデータに加えて実際に私の経験を加えると、

  • TOEICのリーディングはギリギリ解き終わる
  • 返り読みをせずに一読で英文の意味を正しく解釈できる
  • 辞書を使わなくても、ほとんどの英文の意味は解釈できる

といった様子がリアルなTOEIC950点のリーディング力です。

ライティング・スピーキングといったアウトプットの能力はTOEICでは測れないため、個人差が大きいですが、「TOEIC950点はアウトプットの能力を示すものではないが、大きなポテンシャルを持っている」ということが言えます。

TOEIC950点を取得するメリットは以下の6つです。

  1. 年収が高くなる
  2. 就職活動や転職活動で英語力をアピールできる
  3. 昇進に活用できる
  4. 国際的なプロジェクトに参加しやすくなる
  5. 海外赴任・社費留学しやすくなる
  6. 進学・留学で有利になる

TOEIC950点を取るのにかかる期間は以下のとおりです。

  • TOEICスコア250から950点へ上げるのに必要な学習時間は1750時間
  • TOEICスコア350から950点へ上げるのに必要な学習時間は1550時間
  • TOEICスコア450から950点へ上げるのに必要な学習時間は1300時間
  • TOEICスコア550から950点へ上げるのに必要な学習時間は1050時間
  • TOEICスコア650から950点へ上げるのに必要な学習時間は825時間
  • TOEICスコア750から950点へ上げるのに必要な学習時間は600時間
  • TOEICスコア850から950点へ上げるのに必要な学習時間は325時間

TOEIC950点を取るための学習方法は以下の5つです。

  1. 語彙を9000を目指して単語を覚える
  2. 中学・高校英文法を固める
  3. 本番環境で模試を解く
  4. シャドーイング
  5. Part7の精読

最短でTOEIC950点を取るためのコツは以下の4つです。

  1. 最初に公式問題集を解く
  2. 学習計画を立てる
  3. アプリを利用する
  4. 英語コーチングを利用する
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

現役の英語コーチ・講師が英語学習に関するお役立ち情報を発信中!
TOEIC985・英検1級保有

コメント

コメントする

目次