TOEIC速読のコツ!速読できるようになる学習方法は?
「TOEICのリーディングパートが時間内に解き終わらない!」とお悩みの方は多いのではないでしょうか?
TOEICのPart7は非常に読解量が多く、平均スコア以上を保有している人でもかなりの問題が解き終わらずに残ってしまうことがほとんどです。
そうなると、もっと英文を速く読めるようになりたい、速読ができるようになりたい、といった願望が出てきますよね。
この記事ではTOEICの速読について以下の項目を解説していきます。
- TOEICスコアアップに速読が有効である理由
- TOEIC英文速読のコツは?
- TOEICで速読できるようになる学習方法は?
TOEICスコアアップに速読が有効である理由
TOEICのスコアをアップさせるには、英文を速いスピードで処理する能力を身につけることが必要です。
TOEICスコアアップに速読が有効である理由は以下の2つです。
- リーディングのPart6, 7の回答数が増える
- リスニングのPart3, 4のスピードについていける
リーディングのPart6, 7の回答数が増える
TOEICを実際に解いたことがある人は分かると思いますが、TOEICのリーディングパートは試験時間75分に対して100問に解答する必要があり非常に時間の制約が厳しいです。
下の表はリーディング各パートの問題数と出題分野、目安の解答時間を一覧にしたものです。
Part5 | Part6 | Part7 | |
---|---|---|---|
問題数 | 30問 | 16問 | 54問 |
分野 | 語彙・文法 | 短文穴埋め | 長文読解 |
目安の解答時間 | 10分 | 8分 | 57分 |
特にPart6, 7は大量の英文を読んで設問に解答する必要があり頭から解いていって最後まで解き終わるのはスコア950点を超えたハイスコアの人間のみです。
また下の表は解き終わらなかった問題数と解いた問題の正解率から導かれるリーディングスコアの予想値です。
仮に正答率を9割と据え置きした場合、以下のようになります。
- 解き終わらなかった問題数が40問→300点
- 解き終わらなかった問題数が30問→350点
- 解き終わらなかった問題数が20問→385点
- 解き終わらなかった問題数が10問→425点
- 解き終わらなかった問題数が0問→460点
このようにリーディングパートは解き終わる問題数が多くなればその分だけスコアがぐんぐん伸びていきます。
英文が速く読めるようになれば、それだけ解ける問題数も増えスコアアップに繋がると言えます。
リスニングのPart3, 4のスピードについていける
速読の効果はTOEICのリーディングだけでなく、リスニングセクション後半のPart3, 4の聞き取りにも有効です。
以下の音源はTOEIC公式より引用したPart4の音源です。
多くの人が「速い」と感じるのではないでしょうか?
問題にもよりますが、TOEICで流れる音源のスピードはwpm150〜175です。
wpmはwords per minuteの略で1分間に読まれる英単語の数を表し、リスニングやリーディングのスピードの指標として用いられます。
日本人の平均的な処理スピードがwpm100と言われているため、1.5倍以上のスピードでのTOEICのリスニングは「速くてついて行けない」と感じることが多いでしょう。
聞いて分かるスピード<読んで分かるスピードですから、読める以上のスピードで聞き取りはできません。
速読スキルを磨き読解のスピードが上がれば、リスニングで速い音源の意味解釈にもついていけるようになります。
以下はリスニング時の脳内の処理を第二言語習得理論に沿って、図式化したものです。
音声知覚とは、聞こえてきた音を正しく認識するプロセスのことで、What do you do?と聞かれた時に「What do you do?と聞かれているな」と正しく認識できていれば、音声知覚には成功していることになります。
意味理解とは、正しく認識した音声の意味を処理するプロセスのことで「What do you do?=職業は何か?」と正しく解釈できていればOKです。
実は意味理解のプロセスはリーディングとリスニングで共通しており、リーディングで速読ができればリスニングにおける意味理解のプロセスも高速化されることが科学的にも分かっています。
TOEIC英文速読のコツは?
- スキミングやスキャンニングをしない
- 返り読みをしない
- 英語を英語の語順のまま理解する
- チャンクで区切る
- 分からない部分で立ち止まらない
- 読解のスピードを数値化する
スキミングやスキャンニングをしない
速読というワードと関連して名前が挙がるのが、スキミングやスキャニングというリーディングのテクニックです。
スキミングは文章を飛ばし読みして、大まかな内容だけを素早く捉える技術です。
スキャニングは文章を拾い読みをして、解答に必要な情報だけをテキストから抜き出して読む技術です。
私はこういった文章全体を読まない、飛ばし読み・部分読みはおすすめしません。
理由は2つです。
1つ目はテクニックに頼っているといつまでも本質的な読解力が身につかないためです。
2つ目はTOEICは文章内の複数箇所を参照して解答する問題など、テクニックだけでは対処できない問題が多数出題されるためです。
速読=文章のおいしいところだけを読む、という発想は捨てて地道に速く・正確に読めるように努力を重ねましょう。
この事実を受け入れることが速読への第一歩です。
返り読みをしない
こちらも勘違いされがちですが、速読というとその名の通りものすごい勢いで目を動かして次に次に文章の意味を理解していくイメージがあるかもしれません。
しかし、イメージと異なり実際には速読している最中、目の動きはゆっくりで淀みなく進んでいくイメージです。
実際に私はTOEICのリーディングで5〜10分ほど時間が余るスピードで読解ができますが、読むスピードが速いというよりは止まらずに、前に戻らずに読む読み方がその大きな要因です。
私はこの一度読んだ文章を何度も往復して読み直す読み方を「返り読み」と読んでいます。
この読み方は主に学校教育で英語をきれいな日本語に直すために身についたのが一因だと考えています。
また、返り読みをしてしまう人は、短い文章では一度で読めるが長い文章は何度か読まないと理解できない特徴があります。
速読を習得するコツは「速く読もうとする」ことではなく、「ゆっくりでもいいから一読で正確に文の構造を読み解く」ことです。
英語を英語の語順のまま理解する
英文が長くなると何度も返り読みをしてしまう人は、英語を日本語の語順に、すなわち後ろから前に英語を和訳して理解する癖がついています。
こちらは英文を理解する際にきれいな日本語訳をしてしまう場合と、英語の語順のままでの理解をする場合の違いを表した一例です。
英文理解の語順の違い
Studies show that deep breathing can be an effective way to reduce tension, or stress, at work.
きれいな日本語訳
→深呼吸は仕事での緊張、ストレスを和らげる効果的な方法になりうると研究は示した
英語の語順のままでの理解
→研究は示した。(何を?)深呼吸は効果的な方法になりうると。(どんな?)緊張・ストレスを和らげるための。(どんな緊張・ストレス?)仕事での。
きれいな日本語訳をするとき、「後ろから、後ろから」という思考回路で「深呼吸は仕事での緊張、ストレスを和らげる効果的な方法になりうると研究は示した」とするためには、deep breathing→at work→tension, or stress→to reduce→can be an effective way→Studies show thatという目の動きになりこれでは脳が混乱して何度も返り読みをするのは当然です。
一方で英語の語順のままの場合は「研究は示した。(何を?)深呼吸は効果的な方法になりうると。(どんな?)緊張・ストレスを和らげるための。(どんな緊張・ストレス?)仕事での。」と、英語の区切りでそのまま文章を理解していく読み方になります。
はじめは違和感があるかもしれませんが、慣れてくると英語の語順のまま理解できるようになり返り読みが次第に減っていきます。
チャンクで区切る
ここまでの話を整理すると、速読をするには返り読みを辞める必要があり、返り読みを辞めるためには英語を英語の語順のまま理解することが必要です。
そして、英語を英語の語順のまま理解するには、適当な位置で区切りをいれるのが大切です。
この区切りをチャンクと言います。また、区切りを入れて読む方法をスラッシュリーディングと呼ぶこともあります。
英語のチャンクとは一言でいうと「意味に基づくカタマリ」です。
チャンクは文法に関わらず、書き手が「意味の単位」として認識する言葉のまとまりを指します。チャンクは文の中で区切りやすい部分で、発音やリズム、意味的なまとまりによって決まります。
話し手や読み手によって、どこで区切るかが変わるため、一口にチャンクと言ってもその切り方はさまざまです。
例えば、The sun set quietly over the horizon.という文章は、短く切ればThe sun「太陽は」、set quietly「静かに沈む」、over the horizon「地平線の彼方に」という意味のカタマリにもなります。また、The sun set quietly「太陽は静かに沈む」、 over the horizon「地平線の彼方に」という意味のチャンクに切ることもできれば、The sun set quietly over the horizon.を一つのチャンクとして見ることもできます。
チャンクで区切る際に区切りのポイントとなるのは以下のような文法項目です。
- 主語
- 前置詞
- 接続詞
- 関係詞
- 分詞
- 不定詞
こうした品詞や文の働きで文章は区切ることができるため、一度区切って意味を完結させながら英語の語順のまま英文を理解していきましょう。
例えば先程の英文はこちらのチャンクで区切ることができます。
Studies show that deep breathing can be an effective way to reduce tension, or stress, at work.
→Studies show that / deep breathing can be an effective way / to reduce tension, or stress, / at work.
まずthat節、次にto不定詞、最後に前置詞で区切っていきます。
このように英文の区切りを意識して読むことで、適切な長さで英文を前から自然な形で意味を取ることができます。
分からない部分で立ち止まらない
英文を読んでいくと必ず、意味が100%理解できない英文が出てくることがあります。
このとき、ここで立ち止まってしまうと英文を読むスピードはガクッと落ちてしまいます。
「パレートの法則」というものを聞いたことがあるでしょうか?
全体の8割の仕事は2割の優秀な人が担っている、とか全商品の売上の8割を2割の商品があげている、といった法則です。
私はリーディングにおいても、このパレートの法則が当てはまると思っています。
つまり、意味が取りづらい2割の英文の読解に8割の時間をかけてしまっている、という現象です。
リーディングの際は分からない部分が登場したとしても、一度飛ばして後ろを読むことで全体の意味を見失わずに速読ができるようになるでしょう。
読解のスピードを数値化する
1分間に読める語数のことをWPM(Words per minute)といい、読解のスピードやリスニング音源のスピードを表す単位として活用されます。
はじめにWPMを計測し、速読のトレーニングを続けていく中で定期的にWPMを測定することで自分の読解のスピードが上がって速読ができるようになっているかが客観的な指標で分かるようになります。
WPMのレベル感として次のようになっています。
WPMのレベル感
・ネイティブスピーカー→200~400wpm
・日本人平均→100wpm
・中高生→50~75wpm
これらはリーディングの数値ですが、すでにお伝えしたようにリスニングで聞き取れるスピード<リーディングで読み取れるスピードですから、TOEICの音源のスピードが150~175wpmであることを考えるとTOEICのレベル感を目指す場合は日本人の平均の100wpmから1.5〜1.75倍となる150~175wpmで読解できるようにしていくのがおすすめです。
wpmは「読んだ語数÷読むのにかかった分数」で計算できます。
例えば300語読むのに3分かかった場合は300÷3=100wpmであることが分かります。
wpmを計測する場合は、サイト内で英文を読むだけで自動でwpmを算出できる英語総合読解力測定メジャーさんや、語数だけ入力しストップウォッチを使って測定できるWPM タイマーなどを活用するのがおすすめです。
語数を数えるのが面倒な場合は、もしデジタルの文章ならばChatGPTなどで語数を自動で数えさせるのもいいでしょう。
注意点としてはサンプルテストなので100%の正確性はないことと、読解するテーマや文章の難易度によってスピードに差が生まれてしまう点です。
TOEICの英文で速読できるようになりたい場合は、TOEICの文章を使ってwpmを測定するのがいいでしょう。
TOEICで速読できるようになる学習方法は?
TOEICで速読できるようになる学習方法には以下の3つがあります。
- 語彙学習
- 文法学習
- 精読
- 音読
語彙学習
速読をするためには、英文を見た時にすぐに英単語の意味が浮かぶ必要があります。
極論、英文は英単語の集まりですから知らない単語が多いほど意味を瞬時に理解するのは難しくなっていきます。
速読のためにはできるだけ多くの語彙を瞬時に日本語に直せる必要があります。
TEOICにおいては、目標のスコアの10倍の語彙数を持っていることが理想で、例えば500点を目指すなら5000語、800点を目指すなら8000語といった語彙数となります。
この語彙数はTest your English vocabularyというサイトで5分程度でチェックすることができます。
回答を終えると以下のように結果が表示されます。例えば以下の場合だと語彙力は10,436語あることになります。
意味が分かる英単語にチェックを入れていくだけで語彙力が簡単に測定できます。いろいろ試しましたがこちらのサイトは割と正確だと思います。
例えば目標のTOEICスコアが650点の場合、理想の語彙力は6500語となります。こちらのサイトで測定した語彙力が4000だった場合、語彙力を鍛えることがスコアに直結します。
99%の人は目標スコアに対して語彙が足りていないので、語彙学習はほぼ必須です。
単語帳はレベル感に合ったものを選ぶのが大切です。すでに実施した語彙力テストの結果をもとに、自分のレベルに合った単語帳を一冊やり抜きましょう。
キクタンTOEIC(R) L&Rテストシリーズです。4冊出ていますので、語彙数に合わせてどれにするかを決めるのがいいでしょう。
- 語彙力が4000以下の人→SCORE500
- 語彙力が4000〜5000の人→SCORE500
- 語彙力が5000〜6000の人→SCORE800
- 語彙力が6000以上の人→SCORE990
kindle版とペーパーバック版があるので好きな方を選ぶといいでしょう。
アプリで学習したい場合はmikanがイチ推しです。
スマホでスキマ時間に学習したり、音声が自動で再生できたり、覚えている度で出題を変えられたり、自動で学習記録が付けられたりする点がおすすめです。
mikanの詳しい使い方は以下の記事で詳しく解説しています。
3ヶ月でTOEICを伸ばすためには以下のような流れで単語学習を行うといいでしょう。
- 1日で終わらせる
- 範囲を区切らず、最初から最後まで通しで進める
- 音声もセットで覚える
- 1日最低300語に触れる
まずは意味がパッと出てこない英単語にチェックをつけましょう。ここでチェックが付かなかった=すでに意味を知っている英単語は最後まで触れなくてOKです。
チェックを付けた単語のみを3ヶ月後のTOEICまでひたすら勉強していくので、ここでは「仕分け」作業になります。
1000語以上あると思いますが、意味を覚えようとする必要はないので買ったその日に仕分けは済ませましょう。
仕分けが終わったら実際に英単語を覚えていきましょう。チェックが付いた単語だけを1から順に発音と和訳を読み上げていきましょう。
ただ単語帳を眺めるだけでなく、必ず音声もセットで自分でも発音したり和訳を口に出したりすることで効率的に覚えられます。
毎日違う単語に触れて、復習の感覚を空けるのがポイントです。脳は「忘れた頃に復習する」ことで効率的に記憶することができます。前日と同じ範囲を復習したり、1週間で同じ範囲の単語を復習したりするのは避けましょう。
英単語は1日300単語のように「広
文法学習
速読をするには文法知識が必須となります。
速読→文章を返り読みしない→英語の語順のまま文章を理解する→チャンク(カタマリ)で区切る、という論理ですが、カタマリで区切るためには文法的な知識が不可欠です。
すでに挙げたような以下の品詞・文の働きで英文を区切って読んでいくのですが、これらの役割をしっかり理解していないと速読は不可能です。
- 主語
- 前置詞
- 接続詞
- 関係詞
- 分詞
- 不定詞
TOEICの英文ももちろん、チャンクで区切って速読するためには文法知識が不可欠ですから中学・高校英文法を学ぶことが速読の大前提になります。
中学英文法に不安がある場合、まずは中学英文法を学習し、その後高校英文法を学習することがおすすめです。
中学文法のおすすめ参考書は中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版です。
わかりやすい挿絵もあり、演習もセットになっているので一冊仕上げれば十分です。
高校文法のおすすめ参考書はMr.Evineの英文法ブリッジコース[中学修了→高校基礎]です。
中学レベルの復習と高校基礎レベルの学習が一冊で完成します。
文法を学習するときは以下のポイントを押さえましょう。
- わからない部分は動画を見る
- 問題を解く
- 完璧主義を捨てる
- 1つの参考書を3周する
- 早めに4技能の学習に進む
文法学習で分からないところは何度読んでもわからないことが多いので、理解度が高まる動画視聴がおすすめです。Youtubeで該当の文法事項の名前で検索すれば文法講義の動画が見つかるはずです。
文法を学ぶときは説明を読んだあとに問題を解きましょう。アウトプットしてみると理解度が低いところが分かったり、記憶に残りやすくなったりします。
文法事項は参考書の学習だけでは100%分からない部分があります。実際に英語を読んだり書いたりする中で分かることもあるので、この時点で100%理解する必要はありません。
分からない箇所に詰まって時間をかけすぎるのは得策ではありません。
文法の参考書はコロコロ変えず、これと決めた一冊を最低三周しましょう。周回を重ねることで次第に理解が深まるので、三周を目安に取り組みましょう。
また、一周したら参考書を変える人がいますが、記憶が定着しないうちに参考書を変えるとせっかく深まりかけた記憶がリセットされるのでおすすめしません。
精読
精読とは文章の構造・意味を完璧に理解しながら読解を進めていくことを言います。
学生時代に教科書の英文を単語を調べ、文法を読み解きながら和訳をしていったと思いますがあの作業はまさに精読です。
精読トレーニングによりすでに持っている知識の活用の仕方を覚えたり、未知語・未知の文法を新たに覚えたりしながら、文章を正確に読むことができるようになります。
一見すると「速読できるようになりたいのに、精読なんて意味あるの?」と思うかもしれません。
しかし、正確な読解なくして速読はありえません。
正確な読解が精読・音読を通して処理が速くなっていく、といった成長プロセスをたどります。
精読の際は以下の点に注意しましょう。
- きれいな日本語訳にしようとしない
- 訳は必ず声に出す
- あいまいな部分は必ず解決する
まず速読のためにはいちいちきれいな日本語訳を作る癖を辞めましょう。
訳すときは以下のように英語の語順のまま理解するにとどめましょう。
英文理解の語順の違い
Studies show that deep breathing can be an effective way to reduce tension, or stress, at work.
英語の語順のままでの理解
→研究は示した。(何を?)深呼吸は効果的な方法になりうると。(どんな?)緊張・ストレスを和らげるための。(どんな緊張・ストレス?)仕事での。
また和訳をする際は書かなくてもいいので、必ず声に出すようにしましょう。
精読を十分こなしていない人はすでに「なんとなくで文意を推測する癖」がついてしまっています。
いざ声に出そうとするとうまく言語化できないときがありますが、それは意味をはっきりと知らない単語がある、構文が取れていないなど必ず見逃しているポイントがあります。必ずです。
頭の中で考えるだけでなく、声に出すことで自分の理解があいまいな箇所が浮き彫りになるのでおすすめです。
最後に精読をしていてあいまいな箇所があるときは、必ず辞書を使ったり文法書を出したりして調べるようにしましょう。
付属の全文訳を見て分かった気になってはいけません。なぜその訳になるのか、というのを一つ一つ潰していくことで英文を読む力が徐々に形成され、最終的には初めて見る文章でも正確に素早く読解できるようになります。
音読
精読した文章は必ず音読をしましょう。
学生時代、理由もわからぬまま音読をさせられた人も多いかもしれませんが、音読は英語の総合力を伸ばすのにうってつけのトレーニング方法です。
英語の音読の効果について議論するには、まず英語学習時の音読時に脳がどのように活動しているのかを理解しましょう。
以下は第二言語習得理論に基づいて、音読時の脳の働きを図式化したものです。
まず、音読するテキストの文字を脳内に音声を持った記号としてインプットします。
例)「I ate an apple.」という文章を「アイ エイト アン アップル」という音として認識する。
じつはリーディングのときにも、頭の中で文字情報を音声化しており、これを音韻符号化と言います。
ただ文字を読んでいるだけなのに、音声情報に変換されるのは意外に感じるかもしれません。
しかし、日本語でも書かれている文字を読んでいる時に、自然とゴモゴモと書かれた文字を読み上げていることがあるのではないでしょうか。
この作業を繰り返すことで、次第に文字➔音声の変換(音韻符号化)が自動化されていきます。
次に、インプットした文字列を処理し、内容を理解します。
例)「I ate an apple.」=「私はりんごを食べた。」という意味だな
このプロセスではそれぞれの単語の意味を理解し、文法知識を動員して意味を導き出します。
同じ文章の文法や単語の意味を繰り返し処理することで、語彙・文法が内在化され次第に意味を理解するのが速くなっていきます。
そして、内容を理解した上で発音をします。
事前に発音の学習を済ませていれば、音読を通して正しい発音が定着します。
また、音声化というスピーキングのプロセスをたどることでスピーキング力の向上に繋がります。
最後に自分で発音した音声は自分の耳にも聞こえてきます。
自分の発音を自分で聞き、評価することで自分が正しく発音できているかを確認し、修正する力が身につきます。
このように音読は一見単純な作業に見えますが、実は脳内では複数のプロセスが同時進行で動いており、非常に効率よく様々な回路を鍛えられるわけです。
ある実験で学習者を音読を大量に行うグループと少ししか行わないグループの2つに分けたところ、5ヶ月間でリーディングのスピードに大きな差が出たそうです。
音読を大量に行った集団はもう一つの集団に比べて約24%のリーディングのスピードにおける向上が確認されました。
これはたった5ヶ月間で生まれた差ですが、年単位で考えると音読をするかしないかでリーディングのスピードが大きく変わることが分かります。
これは音読の中で文字認識と意味処理が繰り返し行われることで、「英語を英語のまま理解する」という感覚に近い形で以前よりも英文を読むスピードが上がった結果だと言えます。
TOEIC400点以下の場合は中学1・2年生レベル、700点以下の場合は中学3年生レベル、700点以上の場合は高校レベルの英文を丁寧に繰り返し読み・聞くトレーニングが効果的です。
具体的には英文を丁寧にすべて意味が分かるように解釈し、解釈が終わった英文の音声を聞き、自分でも音読していくのがおすすめです。
以下の教材は中学高校の教科書から集めた英文で構成されており、文法も自然な形で散りばめられているので非常におすすめです。
- TOEIC〜400
→英会話・ぜったい・音読 【入門編】 - TOEIC〜700
→英会話・ぜったい・音読 【標準編】 - TOEIC700〜
→英会話・ぜったい・音読 【挑戦編】
TOEICの速読まとめ
この記事ではTOEICの速読について以下の項目を解説してきました。
- TOEICスコアアップに速読が有効である理由
- TOEIC英文速読のコツは?
- TOEICで速読できるようになる学習方法は?
TOEICスコアアップに速読が有効である理由は以下の2つです。
- リーディングのPart6, 7の回答数が増える
- リスニングのPart3, 4のスピードについていける
TOEIC英文速読のコツは以下の6つです。
- スキミングやスキャンニングをしない
- 返り読みをしない
- 英語を英語の語順のまま理解する
- チャンクで区切る
- 分からない部分で立ち止まらない
- 読解のスピードを数値化する
TOEICで速読できるようになる学習方法は以下の4つです。
- 語彙学習
- 文法学習
- 精読
- 音読
一人でのTOEIC速読習得に不安がある方へ
一人で英語学習を継続するのに不安がある方は英語コーチングがおすすめです。
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