TOEIC900は転職で有利?転職先や年収、学習のポイントについて解説

ビジネスマンで「TOEIC900を持っている」と聞くと、「英語を武器にしているのだな」と全員一致で思うくらい、TOEIC900点は社会人として憧れの資格と言えます。

ただし「自分もTOEIC900点を名乗りたい!」と思っても、簡単に取れる資格ではありません。

せっかく勉強時間をかけてもTOEIC900点が転職市場で評価されないならモチベーションもなくなってしまいますよね。

この記事では現役の英語コーチがTOEIC900点の転職について以下の疑問に答えていきます。

  • TOEIC900点は転職活動で有利になる?
  • TOEIC900点で転職できる業界・職種は?
  • TOEIC900点の年収は?
  • TOEIC900点のすごさは?
  • TOEIC900点の人は何ができる?
  • TOEIC900点の取得に必要な勉強時間は?
  • TOEIC900点達成におすすめの勉強法は?
目次

TOEIC900点は転職活動で有利になる?

結論からお伝えするとTOEIC900点は英語を使う企業への転職活動で非常に有利に働きます

このように言える理由は以下の3つです。

  1. 履歴書で高い英語力をアピールできる
  2. 国内の認知度が高い
  3. コツコツ努力できることをアピールできる

履歴書で高い英語力をアピールできる

企業は選考時に履歴書などの書類で応募者をスクリーニングしますが、履歴書にTOEIC900点と書くことで選考を通りやすくなったり、企業からスカウトが来やすくなったりします

TOEICという客観的な指標で英語力をアピールできるのは900点ホルダーの魅力でしょう。
面接で「僕は英語力に自信があります!」と言わなくても、履歴書の時点で採用担当者に高い英語力をアピールできるため、やはり資格試験は強みになるでしょう。

TOEICL&Rのスコア別レベルと企業が期待するスコアの一覧表
「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」より引用

国内の認知度が高い

転職市場において英語力を証明する資格として一番の認知度を誇るのがTOEICです。

ビジネス英語の力を990点満点で細かく示すTOEICは多くの企業の採用担当者が認知しているため、TOEIC900点という資格の強みは十分強みになるでしょう。

コツコツ努力できることをアピールできる

TOEIC900点は簡単に取れるスコアではありません。

目標に向けて長期間、計画を立てて毎日勉強をしていく必要があります。

英語力はさることながら、TOEIC900点を勉強して取ったということは、「この人はコツコツ積みあげて結果を出すことができる人だ」という印象を与えることができるでしょう。

TOEIC900点で転職できる業界・職種は?

TOEIC900点で転職できる業界・職種には以下のようなものがあります。

  1. 外資ITエンジニア
  2. 外資コンサルティング
  3. 外資金融
  4. 外資メーカー
  5. 商社
  6. 教育サービス

外資ITエンジニア

ITエンジニアは世界共通のプログラミング言語を使って仕事をしますが、高い英語力があれば外資ITでの就業機会も広がります。

2024年1月調べで、ITエンジニアの給料は1位のスイスで日本円にして1,537万円、2位のアメリカで1,381万円です。

それに対して、日本のITエンジニアの給料は532万円と2〜3倍の開きがあります

ITエンジニアの給与上位10カ国と日本の比較表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001508.000005089.htmlより引用

つまり、外資系の企業でITエンジニアとして働くことができれば、給与を大きく伸ばすことができる可能性がぐんと高くなるわけです。

外資コンサルティング

下の一覧表はコンサルティング業界の平均年収ランキングTOP20社を一覧にしたものですが、外資系企業も多くランクインしていることが分かります。

コンサル業界の平均年収ランキングTOP20
https://www.fcon-navi.com/colum1/より引用

外資のコンサルティング業界は高学歴、華やかな経歴、帰国子女などが集まる業界であるため、求められる英語力の最低条件が高いです。

どのレベルのファームなのか、職種にもよりますが、TOEIC900点を持っていれば英語力が原因で書類に落ちるということはないでしょう。

外資金融

外資金融もコンサルティング業界同様、非常に優秀な応募者が集まる業界です。

こちらは外資金融の平均年収の一覧です。

外資金融年収一覧
https://br-campus.jp/articles/report/106より引用

こちらもフロントで働くのか、バックで働くのかなどの要素によって年収・求められる英語力も大きく変わりますが、応募者のレベルが高いためTOEIC900点を取っておいて損することはないでしょう。

外資メーカー

こちらは製造業界における日系企業と外資企業の年収の比較表です。

外資系の製造業界の平均年収一覧
https://www.jac-recruitment.jp/market/multi-national-company/gaishi-annual-income/より引用

外資系企業は成果主義を採用しているため、下限は変わりませんが、上限が基本的に外資系企業のほうが高くなっていることが分かります。

他の企業と同様、海外に本社がある企業の日本法人という位置づけですから、国際会議が頻繁にあるため、入社時点でTOEICのスコアは非常に重要となります。

商社

以下の表は商社の年収一覧です。

https://www.s-agent.jp/column/22921より引用

商社は日本独自の形態の会社であるため、外資系という概念は存在しませんが就活生や転職希望者から人気のある業界です。

商社は業務の特性上、海外とのやりとりや駐在の機会が非常に多いため、英語力の証明としてTOEIC900点というのは非常に強い武器となるでしょう。

教育サービス

教育サービス業界は今回紹介した他の業界に比べると、平均年収こそ低いですがTOEIC900点という数字がもっとも活用しやすい業界です。

  • 塾講師
  • 教員

などで英語を教える場合、TOEICのスコアがそのまま自信の信用・実績の一部となるため、TOEIC900点というのは大きな強みになるでしょう。

TOEIC900点の年収は?

転職大手サイトdodaによるとTOEICテストのスコアと年収には一定の相関が見られるようです。

TOEICスコアと年収の相関関係を示したグラフ
https://doda.jp/global/guide/004.htmlより引用

スコアなしの人に比べて、TOEIC900以上の人は150万円以上平均年収が高くなっています

TOEIC900点のすごさは?

TOEIC900点は受験者全体の上位4.4%という非常に希少性の高い英語力を持ち合わせていることになります。

TOEIC受験者の中でスコア900の人の位置をマークした図
TOEIC公式より引用した図に筆者が赤で加筆

偏差値でいうと66、受験者100人中3位

まず2023年度のTOEICの平均スコアは612点ですので、スコアが900点の人は偏差値で言うと66になります。
学生時代は偏差値で模試の成績が出ますので、平均50の偏差値で表されると66というのは非常に優れた成績であることが分かります。

正規分布していると仮定して計算すると、900点以上の人は上位4.4%でトップ層にいることが分かります。
仮に受験者の数を100人とすると、4位になるといったレベル感です。

学生時代に偏差値66を取ったり、100人中4位だったりしたら非常に成績が良いと感じる人が多いでしょう。
TOEIC900点というのは受験者の中で上位5%に満たないトップレベルの優れた成績だと言えます。

TOEIC900点は英検準1〜1級程度の英語力

TOEIC900点のレベルは英検準1〜1級程度です。

以下の表はTOEICスコアと英検の級を対照させた表です。

英検とTOEICをCEFRで並べたときの対応表

TOEIC900点の人は語彙が9000語程度と英検準1〜1級で求められる水準で、TOEICのリスニングやリーディング問題は「ほとんどの英語を高いレベルで理解できる」と感じるでしょう。

TOEIC本番で流れるリスニング音源のスピードはwpm150~175程度ですが、900点の人はwpm170程度くらいまでは初見でも十分聞き取れる力があります。
聞き取れるスピードと同じくらいの問題もあるため、TOEIC900点の人にとってリスニング音源は「初見でもしっかり内容を理解できる」と感じるでしょう。

リーディングは全100問が解き終わるかどうかというレベル感です。
下記の対応表を見ると、すべての問題を解いたうえで問題の正答率が8.5割程度だとリーディングスコアは425くらいになることが予測できます。
TOEICではリスニングのスコアのほうが高く出やすいため、TOEIC900点の人はリスニング465点、リーディング425点で合計900点、といったような得点配分となります。

TOEICリーディングにおけるとき終わらなかった問題数と予想スコアの関係表
TEX加藤氏ブログより引用

TOEIC900点の人は何ができる?

TOEIC900点の人は具体的に英語を使ってどんなことができるのでしょうか?
技能別に見ていきましょう。

なお、TOEICはリスニング方がスコアが出やすいため、900点のうちリスニング465点・リーディング425点の得点配分を仮定しています

リスニング

TOEICでリスニングスコアが375~495の人の長所と弱点の一覧表
TOEIC公式より引用

上記はTOEIC公式が出している資料の一部を抜粋したもので、リスニングスコアが375~495までの人の長所と弱点を述べています。
簡単にまとめると以下のようになります。

リスニングの長所

  • 短い会話で臨機応変に内容を把握することができる
  • 長い文章を聞いて、容姿を正しく推測することができる
  • 短い会話で複雑な語彙や構文にも対応して詳細が理解できる
  • 長い文章を聞いて、複雑な構文や言い換えに対応して一度で話の詳細が理解できる

リスニングの弱点

  • 使用頻度の低い語彙や構文が理解できない時がある

公式のデータに加えて実際に私の経験を加えると、

  • TOEICのリスニングは91/100の正答数
  • TOEICの音源をはほとんどが正しく聞き取れている
  • ナチュラルスピードの英語でもたいてい聞き取れる

といった様子がリアルなTOEIC900点のリスニング力です。

リーディング

TOEICでリーディングスコアが425~495の人の長所と弱点の一覧表
TOEIC公式より引用

上記はTOEIC公式が出している資料の一部を抜粋したもので、リーディングスコアが425~495までの人の長所と弱点を述べています。
簡単にまとめると以下のようになります。

リーディングの長所

  • 文章全体に渡って言い換えがあっても正しく理解できる
  • 幅広い語彙や多義語も理解して文章を読解できる
  • 複雑な文法構造も理解して英文を解釈できる

リーディングの弱点

  • 難解な語彙や遠回しの表現で意図を取り違えることがある

公式のデータに加えて実際に私の経験を加えると、

  • TOEICのリーディングは解き終わるかどうか微妙なライン
  • 返り読みをせずに一読で英文の意味を正しく解釈できる
  • 辞書を使わなくても、ほとんどの英文の意味は解釈できる

といった様子がリアルなTOEIC900点のリーディング力です。

ライティング・スピーキング

ライティング・スピーキングといったアウトプットの能力はTOEICでは測れないため、個人差が大きいです。

TOEIC900でも簡単な英会話さえできない人もいれば、十分日常的な英会話をこなすことができる人もいます。

しかし、言語の本質はインプットであり、TOEIC900点の人はTOEIC400点の人よりもインプットの総量が多いため、ライティング・スピーキングのトレーニングを両者が同時にスタートした場合、TOEICの900点の人のほうが圧倒的に早く上達します。

つまり「TOEIC900点はアウトプットの能力を示すものではないが、大きなポテンシャルを持っている」ということが言えます。

TOEIC900点の取得に必要な勉強時間は?

現状のTOEICスコアからTOEIC950点を取るのにかかる時間はどれくらいなのかを一覧にしました。

(データが900点のものがなく、950点で計算していますが、十分参考になるでしょう。)

→目標のスコア
↓現状のスコア
350450550650750850点950
250200425700950115014501750h
35022545070095012251550h
4502254507009751300h
5502254507251050h
650225500825h
750275600h
850325h
https://elt.oup.com/elt/students/exams/pdf/elt/toeic_teachers_guide_international.pdfより作成

黄色に塗ったセルが各スコアからTOEIC950到達までにかかる学習時間です。

  • TOEICスコア250から950点へ上げるのに必要な学習時間は1750時間
  • TOEICスコア350から950点へ上げるのに必要な学習時間は1550時間
  • TOEICスコア450から950点へ上げるのに必要な学習時間は1300時間
  • TOEICスコア550から950点へ上げるのに必要な学習時間は1050時間
  • TOEICスコア650から950点へ上げるのに必要な学習時間は825時間
  • TOEICスコア750から950点へ上げるのに必要な学習時間は600時間
  • TOEICスコア850から950点へ上げるのに必要な学習時間は325時間

TOEICスコア250から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア250から950点へ上げるのに必要な学習時間は1750時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)4年10ヶ月
1.5時間(週10.5時間)3年2ヶ月
2時間(週14時間)2年
3時間(週21時間)1年4ヶ月

TOEICスコアが250点の場合は中学英語の基礎からしっかりと積み上げることが必要です。
中学レベルの英単語と中学英文法の学習を中心に時間をかけるといいでしょう。

TOEICスコア350から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア350から950点へ上げるのに必要な学習時間は1550時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)4年3ヶ月
1.5時間(週10.5時間)2年10ヶ月
2時間(週14時間)2年1.5ヶ月
3時間(週21時間)1年5ヶ月

TOEICスコアが350点の場合は中学英語の読み・聞きトレーニングで英語のインプット処理能力を鍛えるといいでしょう。
中学語彙・文法に不安があればまずはそちらから復習するのがおすすめです。

TOEICスコア450から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア450から950点へ上げるのに必要な学習時間は1300時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)3年7ヶ月
1.5時間(週10.5時間)2年4ヶ月
2時間(週14時間)1年9.5ヶ月
3時間(週21時間)1年2ヶ月

TOEICスコアが450点の場合は、高校英語の基礎学習が必要です。
高校レベルの語彙5000語と高校レベルの英文法の参考書を仕上げるのが最優先になります。

TOEICスコア550から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア550から950点へ上げるのに必要な学習時間の目安は1050時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)2年11ヶ月
1.5時間(週10.5時間)1年11ヶ月
2時間(週14時間)1年5.5ヶ月
3時間(週21時間)11.5ヶ月

TOEICスコアが550点の場合は高校英語の読み・聞きトレーニングで英語のインプット処理能力を鍛えるといいでしょう。
高校語彙・文法に不安があればまずはそちらから復習するのがおすすめです。

TOEICスコア650から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア650から950点へ上げるのに必要な学習時間の目安は825時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)2年3ヶ月
1.5時間(週10.5時間)1年6ヶ月
2時間(週14時間)1年1.5ヶ月
3時間(週21時間)9ヶ月

TOEICスコアが650点の場合は高校英語を超えたレベルのリーディング・リスニングをたくさん実施するといいでしょう。
語彙力が6000未満の場合は、語彙学習も並行していくといいでしょう。

TOEICスコア750から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア750から950点へ上げるのに必要な学習時間の目安は600時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)1年8ヶ月
1.5時間(週10.5時間)1年1ヶ月
2時間(週14時間)10ヶ月
3時間(週21時間)6.5ヶ月

TOEICスコアが750点の場合は、TOEICの模試を復習することでリーディングとリスニングの力を伸ばしていきましょう。
TOEIC950を取得するには高い語彙力が必要ですから、語彙8000語に足りない場合がほとんどなので単語帳での学習も行いましょう。

TOEICスコア850から950点へ上げるのに必要な学習時間

TOEICスコア850から950点へ上げるのに必要な学習時間の目安は325時間です。
1日に確保できる学習時間に応じた必要な学習期間は以下の表の通りになります。

1日の学習時間950点までにかかる期間
1時間(週7時間)11ヶ月
1.5時間(週10.5時間)7ヶ月
2時間(週14時間)5.5ヶ月
3時間(週21時間)3.5ヶ月

TOEICスコアが850点の場合は、弱点に応じて対策をするといいでしょう。
ただし、語彙が900語に満たない場合が多いと思いますから、900点に必要な語彙9000語を目指しましょう。

リスニングは満点を取れるように、リーディングは425点を取れるように演習と復習を繰り返していきましょう。

TOEIC900点達成におすすめの勉強法は?

TOEIC900点を取るための学習方法は以下のとおりです。

  1. 語彙を9000を目指して単語を覚える
  2. 中学・高校英文法を固める
  3. 本番環境で模試を解く
  4. シャドーイング
  5. Part7の精読

語彙を9000を目指して単語を覚える

語学において意味が分かる単語の数は非常に重要であり、語学力=語彙力といっても過言ではありません。
TOEICも例に漏れず、意味がパッと出てくる英単語の数が増えればスコアも自然と伸びていきます。

TOEICでは目標スコアの10倍の語彙力が理想です。
900点が目標なら語彙力は9000程度を目指すと良いでしょう。
現在の語彙力を知りたい場合は、Test your English vocabularyというサイトで5分程度でチェックすることができます。

Test your English vocabularyで語彙力測定テスト受験中の画面のスクリーンショット

回答を終えると以下のように結果が表示されます。例えば以下の場合だと語彙力は10,436語あることになります。

Test your English vocabularyで語彙力測定テスト結果表示画面のスクリーンショット

意味が分かる英単語にチェックを入れていくだけで語彙力が簡単に測定できます。いろいろ試しましたがこちらのサイトは割と正確だと思います。

単語帳はレベル感に合ったものを選ぶのが大切です。すでに実施した語彙力テストの結果をもとに、自分のレベルに合った単語帳を一冊やり抜きましょう。

キクタンTOEIC(R) L&Rテストシリーズです。4冊出ていますので、語彙数に合わせてどれにするかを決めるのがいいでしょう。

  • 語彙力が4000以下の人→SCORE500
  • 語彙力が4000〜5000の人→SCORE500
  • 語彙力が5000〜6000の人→SCORE800
  • 語彙力が6000以上の人→SCORE990

kindle版とペーパーバック版があるので好きな方を選ぶといいでしょう。

アプリで学習したい場合はmikanがイチ推しです。
スマホでスキマ時間に学習したり、音声が自動で再生できたり、覚えている度で出題を変えられたり、自動で学習記録が付けられたりする点がおすすめです。

mikanの詳しい使い方は以下の記事で詳しく解説しています。

中学・高校英文法を固める

現状のTOEICスコアが400以下の場合は中学英文法を、500以下の場合は高校英文法を学習することが最優先です。
英文法は英語の「ルール」であり、ルールを知らずにリーディング・リスニングの学習をしてもすぐにスコアは頭打ちになってしまうでしょう。

英文法はすべての学習の基礎になります。TOEICのPart5は語彙・文法問題ですが、それ以外のPartでも英文法を理解していないと学習の効率が下がってしまいます。

中学文法のおすすめ参考書は中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版です。
わかりやすい挿絵もあり、演習もセットになっているので一冊仕上げれば十分です。

高校文法のおすすめ参考書はMr.Evineの英文法ブリッジコース[中学修了→高校基礎]です。
中学レベルの復習と高校基礎レベルの学習が一冊で完成します。

文法を学習するときは以下のポイントを押さえましょう。

  • わからない部分は動画を見る
  • 問題を解く
  • 完璧主義を捨てる
  • 1つの参考書を3周する
  • 早めに4技能の学習に進む

文法学習で分からないところは何度読んでもわからないことが多いので、理解度が高まる動画視聴がおすすめです。Youtubeで該当の文法事項の名前で検索すれば文法講義の動画が見つかるはずです。

文法を学ぶときは説明を読んだあとに問題を解きましょう。アウトプットしてみると理解度が低いところが分かったり、記憶に残りやすくなったりします。

文法事項は参考書の学習だけでは100%分からない部分があります。実際に英語を読んだり書いたりする中で分かることもあるので、この時点で100%理解する必要はありません。
分からない箇所に詰まって時間をかけすぎるのは得策ではありません。

文法の参考書はコロコロ変えず、これと決めた一冊を最低三周しましょう。周回を重ねることで次第に理解が深まるので、三周を目安に取り組みましょう。
また、一周したら参考書を変える人がいますが、記憶が定着しないうちに参考書を変えるとせっかく深まりかけた記憶がリセットされるのでおすすめしません。

本番環境で模試を解く

効率的にTOEIC900を達成するためには試験に慣れることが必須です。
そのためにはできるだけ多くTOEICの問題を解いて形式に慣れることが必要です。目安としては、TOEICの模試を10回分解くといいでしょう。
TOEICは一回あたり120分という長丁場で高速の処理をするために、高い集中力が求められる試験です。
本番までになるべく通しで休みを挟まずに解く回数を稼ぐことで、時間配分や集中力のトレーニングになります。
10回も解けば、各パートでどんな問題が出るのか、時間配分はどうしたら良いのか、といった部分が分かってきて容量が掴めてくるはずです。

TOEICの模試を解く、復習する際は以下のポイントに注意しましょう。

  • 自分なりの解き方を確立する

TOEICはリーディングパートの時間配分が大切です。日頃から意識していないと本番でペース配分がうまくいかなくなります
普段からPart5は10分、Part6は8分、Part7は57分といったようにパート別に目標時間を設定しておきましょう。
そうすると徐々にペース感が分かって来るはずです。

TOEICではリスニング、リーディング各パートの解き方のコツやテクニックがあります。絶対にこれ、というものはありませんが例えばPart3, 4の先読みやPart6,7の設問先読みなどそれぞれのパートの解き方を確立させておくことで安定したスコアを出すことができます。

TOEIC900を目指す場合はすべての問題を100%理解できるまで復習しましょう。自分が解けなかった問題にこそ900点を達成するために必要なヒントが隠されています。

シャドーイング

TOEICのリスニング中でもPart3, 4は長めの英文を聞いて設問に解答していく難度の高いパートになります。
英文法の学習が済んでいる場合は、まとまった量の文章を聞き取る練習をしましょう

具体的にはシャドーイングというトレーニングがおすすめです。
シャドーイングはその名の通り、聞こえてきた音を文字を見ないで影のように復唱して付いていくトレーニングです。
以下の動画はシャドーイングを実際に行っているところからスタートしています。

シャドーイングは聞こえてきた音声を自分でも発音することで、リスニングにおいて音声を正確に捉えることができるようになります

シャドーイングは初見で7割程度意味が理解できるレベルの教材がおすすめです。
TOEIC600レベルの場合は、中学レベルの英文を、TOEIC700レベルの場合は高校レベルの英文を、それ以上の場合はTOEICの過去問を教材にするといいでしょう。
「英会話・ぜったい・音読」シリーズはレベル別になっていますので、初心者の方は入門編から仕上げていくといいでしょう。

シャドーイングは非常に奥が深く「初心者がむやみに手を出すと失敗する」と言われるトレーニングです。
詳しいやり方を以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

Part7の精読

文法学習がすでに終わっているTOEIC600以上の方は、Part7が解き終わらないという問題にぶつかることと思います。
TOEIC900までは普通に読み進めてもPart7は最後まで終わりませんが、スコアアップのためには少しでも多くの問題を解くことが重要になってきます。

Part7では、たくさんの英文を読解する必要がありますが、これを速く処理するためには地道にPart7の長文を精読していくしかありません
解き終わったあとの英文を精読していくことで少しづつ英文が正確に読めるようになり、文法や英単語の知識が素早く引き出せるようになります。

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TOEIC900は転職で有利なのかについてまとめ

この記事ではTOEIC900点の転職について以下の疑問に答えてきました。

  • TOEIC900点は転職活動で有利になる?
  • TOEIC900点で転職できる業界・職種は?
  • TOEIC900点の年収は?
  • TOEIC900点のすごさは?
  • TOEIC900点の人は何ができる?
  • TOEIC900点の取得に必要な勉強時間は?
  • TOEIC900点達成におすすめの勉強法は?

結論からお伝えするとTOEIC900点は英語を使う企業への転職活動で非常に有利に働きます

TOEIC900点で転職できる業界・職種には以下のようなものがあります。

  1. 外資ITエンジニア
  2. 外資コンサルティング
  3. 外資金融
  4. 外資メーカー
  5. 商社
  6. 教育サービス

TOEIC900以上の人はスコアなしの人に比べて150万円以上平均年収が高くなっています

TOEIC900点のすごさは、受験者全体の上位4.4%という非常に希少性の高い英語力を持ち合わせていることになります。

TOEIC900点の人はリスニングで以下のことができます。

リスニングの長所

  • 短い会話で臨機応変に内容を把握することができる
  • 長い文章を聞いて、容姿を正しく推測することができる
  • 短い会話で複雑な語彙や構文にも対応して詳細が理解できる
  • 長い文章を聞いて、複雑な構文や言い換えに対応して一度で話の詳細が理解できる

TOEIC900点の人はリーディングで以下のことができます。

リーディングの長所

  • 文章全体に渡って言い換えがあっても正しく理解できる
  • 幅広い語彙や多義語も理解して文章を読解できる
  • 複雑な文法構造も理解して英文を解釈できる

各スコアからTOEIC950到達までにかかる学習時間は以下のとおりです。

  • TOEICスコア250から950点へ上げるのに必要な学習時間は1750時間
  • TOEICスコア350から950点へ上げるのに必要な学習時間は1550時間
  • TOEICスコア450から950点へ上げるのに必要な学習時間は1300時間
  • TOEICスコア550から950点へ上げるのに必要な学習時間は1050時間
  • TOEICスコア650から950点へ上げるのに必要な学習時間は825時間
  • TOEICスコア750から950点へ上げるのに必要な学習時間は600時間
  • TOEICスコア850から950点へ上げるのに必要な学習時間は325時間

TOEIC900点を取るための学習方法は以下のとおりです。

  1. 語彙を9000を目指して単語を覚える
  2. 中学・高校英文法を固める
  3. 本番環境で模試を解く
  4. シャドーイング
  5. Part7の精読
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