TOEIC対策ebook
このTOEIC対策ebookをお手に取っていただいた皆さん、誠にありがとうございます。
オンライン英語コーチングSatellite代表の石井と申します。
私は留学経験なし、国内での勉強のみでTOEIC985点、英検1級を取得しました。
TOEICは試験である以上、その中身をよく知り、傾向に合わせた学習・対策をすることで短期間でも飛躍的なスコアアップを実現することができます。
こちらのebookには、TOEICのスコアアップに向けてのノウハウを詰め込みました。
TOEIC出題の特徴、各パートの出題傾向や実際に解答するうえでのポイントなど、この一冊を読み込むことでTOEICについてはもちろん、参考書には載っていないような「試験会場で使える具体的なテクニック」を得ることができます。
TOEICとはどんな試験なのか?
TOEIC受験のスタートは「TOEICとはどんな試験なのか?」を知ることです。
要点をまとめると以下のようになります。
- TOEIC® Listening & Reading Testの通称
- 年間18回開催され、全国の会場で受験できるペーパーテスト
- 受験料は7,810円(税込)
- リスニング、リーディングの能力を測る試験
- 試験時間は120分でリスニング45分、リーディング75分
- Part1~4がリスニング、Part5~7がリーディングの7パート
- スコアはリスニング495点、リーディング495点の計990点満点
- スコアは5点刻み
- 過去問は存在しない
一般的にTOEICと言ったら、TOEIC® Listening & Reading Testを指します。実はTOEIC® Speaking & Writing Testsという試験もありますが、こちらは受験者が少ないためTOEICと言われたら=TOEIC® Listening & Reading Testのことだと考えてOKです。
2024年は全国各地の会場で18回開催されましたが、お住いの地域によっては開催されない回もあるので公式サイトで確認しましょう。
2024年時点で、受験料は7,810円(税込)でリスニング、リーディングの能力を測るペーパーの試験になります。
試験時間は120分でPart1~4のリスニング45分、Part5~7のリーディング75分の計120分で、スコアはリスニング495点、リーディング495点の計990点満点で算出されます。
5点刻みになるので、673点、のようなスコアにはなりません。
毎回各パートの問題数は固定されていますが、TOEICに過去問は存在しません。代わりに予想問題集や模試がたくさん市販されているのでそれらを使って対策をすることになります。
スコア別のレベル感
TOEICのスコアは5点刻みの990点満点という話をしましたが、各スコアのレベル感を知って現状の確認や目標設定に役立てましょう。
まずTOEICを運営するIIBCによると、TOEICのスコア別のレベル感と企業が期待するスコア、コミュニケーションは以下のようになります。
スコアが10〜215点はEランク、220〜465点はDランク、470〜725点はCランク、730〜855点はBランク、860〜990点はAランクとなり、海外部門の社員には570~810点のスコアを期待する企業が多いということです。
また2023年度実施回の平均スコアは612点となっており、スコアの分布は以下のようになっています。
また、以下の図を見ると実際に多くの企業がTOEICのスコアを採用・昇進の基準に持っていることが分かります。
日系大企業では最低要件として平均スコアと同程度の600点以上を掲げています。また特に海外との取引や駐在が多い業界や外資系企業では800点以上を必要とする企業もあります。
これらはあくまで目安であり、管理職以上の役職、外資系投資銀行、海外部門などではより高いスコアが求められる傾向があります。
いずれにせよ、TOEICスコア600点以上からは履歴書に書くことができるスコアだと言われています。
TOEICについても基礎知識がインプットできたら、ここからは7つのPart別の出題内容や対策方法を見ていきましょう。
Part1対策
Part1の出題内容
TOEICのPart1はQ1~6までのリスニング6題で構成されます。
1枚の写真に対して4つの英文が1度だけ放送されます。
4つの英文の中から写真の様子を正しく描写しているものを1つ選び解答します。
Part1出題例
A. A child is washing his hands.
B. The door behind is closed.
C. A man is taking a bath.
D.A boy is wearing a cap.
このような形で1つの写真につき、A~Cの4つの英文が読まれます。
便宜上A~Cの英文を表示していますが、実際には音声だけしか流れません。
この例題では「A:子供が手を洗っている」という文章が適切に写真の様子を描写しているので正解になります。
逆に「B:後ろのドアは閉まっている」「C:男性が入浴している」「D:男の子が帽子をかぶっている」という様子は見て取れないので、不正解になります。
Part1の特徴
Part1は設問が6つしかないため、TOEICの中ではもっとも配点が低いパートです。
とはいえ、ハイスコアを出す人でも集中していないと聞き取りミスが起きやすいパートですのできちんと特徴を掴んでおきましょう。
以下の3つがPart1の特徴です。
TOEIC Part1の特徴
- 音声が短く、一度しか流れない
- 写真のメインではない描写が正解になることがある
- ざっくりした選択肢が正解になることもある
詳しく見ていきましょう。
音声が短く、一度しか流れない
TOEICのリスニングは共通して一度しか英文が読まれないため、聞き直しができません。
さらに、Part1は英文が短いため前後の文からの類推ができません。
また、知らない単語が流れるとどうしても後の文章が聞き取りづらくなってしまいます。
単語一つ聞き取れないだけで解答が難しくなるため、ある意味もっとも集中すべきパートです。
写真のメインではない描写が正解になることがある
すべての問題ではありませんが、Part1の解答が写真のメインでないものを描写しているものになる場合があります。
例えばこの写真。
手前にいる男性二人組に関する描写が正解になると思いますよね。
しかし、「Trees are casting shadows.」=「木が影を作っている」という選択肢が正解になることもあるのです。
実際後ろにある木が影を作っている様子が見て取れるし、間違っているとは言えないですよね。
こういった選択肢が正解になることもあるということを頭の片隅に置いておきましょう。
ざっくりした選択肢が正解になることもある
Part1では写真の描写を直接表していないものが正解になることがあります。
例えばこの写真を見てください。
この写真を見たら犬と女の子に目が行きますが、「They are outside the house.」=「彼らは家の外にいます」という選択肢が正解になる可能性があります。
確かに女の子と犬が外にいるのは間違っていませんが、もっと具体的に「外で遊んでいる」とか「芝生に座っている」とかが答えになることを想像しますよね。
このように写真の詳しい描写ではなくざっくりとした表現が正解になることがあります。
Part1で使えるテクニック
ここからはTOEICのPart1で高得点を出すためにすぐに使えるテクニックを解説していきます。
実際に私が試験や模試を解くときに使っているテクニックです。
TOEIC Part1で使えるテクニック
- 写真に目を通して予測する必要はない
- 正解の選択肢をすぐマークする
- 聞き取れなかったら消去法を使う
写真に目を通して予測する必要はない
リスニングの試験では「先読み」して読み上げられる英文の内容を予測しておくのは常套テクニックです。
TOEICも例外ではありませんが、Part1に関しては写真を先読みする必要はありません。
理由は2つです。
- 思い込みを持ってしまう
- リスニングに集中できなくなる
まず、先読みは「予測」が目的ですから言い換えれば「思い込みを持つ」ことになります。
Part1の特徴で「写真のメインではない描写が正解になることがある」「ぼやけた選択肢が正解になることもある」ということを解説しました。
思いがけない選択肢が流れた時パニックになっていまう恐れがあるため、Part1での先読みは得策ではありません。
また、Part1は短い英文が一回しか読まれない一発勝負です。
先読みをしてリスニングの準備ができなくなってしまったら本末転倒です。
変に予測をせずに、写真を見ながら選択肢と写真が合致するかを考えましょう。
正解の選択肢をすぐマークする
これは僕がよくやることですが、最初の英文を聞いた時点で「Aが答えだな」と思っていても、4つの選択肢を聞き終えた後に「あれ、答えってAだっけ?Bだっけ?」と英文の選択肢を忘れてしまうことがあります。
記憶力がいい方は心配はいらないと思いますが、もし不安な方は答えがわかった瞬間にマークをしてしまったほうがいいと思います。
もちろん、解答が変わる可能性もあるので他の選択肢を聞きながらマークしましょう。
聞き取れなかったら消去法を使う
リスニングの最中一部の単語や表現が聞き取れないことは誰にでもあります。
しかし、Part1ではそれぞれの英文は1文だけなので、「一部聞き取れない=その選択肢の意味がわからない」ということになります。
他のパートだと前後からなんとか意味をキャッチアップすることはできますが、このパートでは不可能です。
しかし、選択肢が1つ聞き取れなくても焦る必要はありません。
すぐに切り替えて他の選択肢を聞くことで正答率を上げることができます。
例えば1つの選択肢が聞き取れなくても他の3つが「違うな」と感じたら、聞き取れなかった選択肢を選べばいいですし、他の選択肢の中に答えとなるものがあればそれを選べばいいわけです。
大切なのは「切り替え」です。
選択肢を一つ聞き取れなかったために、その意味を考え込んでしまったり落ち込んでしまったりしていると正解できる問題も落としてしまいます。
Part1まとめ
TOEIC L&RテストのPart1について出題内容や特徴、試験で使えるテクニックを解説しました。
TOEIC Part1のまとめ
- 写真の様子を適切に描写している英文を選ぶ問題が6題出題される
- 音声が短く、一度しか流れない
- 写真のメインではない描写が正解になることがある
- ざっくりした選択肢が正解になることもある
- 写真に目を通して予測する必要はない
- 正解の選択肢をすぐマークする
- 聞き取れなかったら消去法を使う
配点は低いですが意外とミスが出やすいパートです。
Part2対策
Part2の出題内容
TOEICのPart2はQ7~31までのリスニング25題で構成されます。
Part1は問題冊子にある写真を見て解答しますが、Part2では音声だけを聞いて解答します。
問題文が1つ流れた後、それに応答する文章が3つ読まれます。
この中から適切な応答となる選択肢を1つ選びます。
イメージとしてはこんな感じです。※実際は音声だけなので、スクリプト(英文)は読めません!
(問題文)
Where did you go yesterday?(昨日どこへ行ったんですか?)
(応答文の選択肢)
A. So did I.(私もそうでした。)
B. Actually I was sick in bed.(実は病気で寝込んでいたんです。)
C. I want to go to the library.(私は図書館に行きたいです。)
このようにまず疑問形式で問題文が1つ流れます。
ここでは「Where did you go yesterday?(昨日どこへ行ったんですか?)」と聞かれているので、その後流れる選択肢の中から会話が成立するものを選べばいいわけです。
「B:実は病気で寝込んでいたんです。」は行き先が示されていませんが、会話が成立するので正解になります。
「A:私もそうでした。」は前の文とつながらないので不適切です。
「C:私は図書館に行きたいです。」は昨日行ったところを聞かれているのに、未来の話をしているのでNGです。
これで1題です。
Part2は前述の通り25題で構成されているのでこれを1セットとして25回繰り返すことになります。
TOEIC Part2の特徴
Part2はかなり出題に癖があります。
最初は解いていて「こんな答えアリなのか!」と驚くこともあります。
逆に言えば特徴を予め抑えておくことで試験本番で落ち着いて対処できます。
TOEIC Part2の特徴
- 音声が短く、一度しか流れない
- 疑問詞に対応していない応答が正解になることがある
- 疑問文での応答が正解になることもある
1つずつ詳しく見ていきましょう。
音声が短く、一度しか流れない
Part2は問題文、応答文ともに英文が1文で完結するため前後の文からの類推ができません。
他のリスニングパートと異なるのは「問題文が聞き取れなかったら解答できない」という点です。
他のパートでは選択肢や図表の先読みで英文の内容が予想ができたり、選択肢を目で見て確認できますがPart2だけは舗装される音声以外にヒントが一切ありません。
問題文と選択肢を自分で聞き取った上で適切な応答を選ばなくてはいけません。
選択肢の文章を聞き取れなかった場合は消去法が使えます。
しかし、問題文が聞き取れなかった場合はその後の選択肢の文章が聞き取れても解答ができなくなります。
疑問詞に対応していない応答が正解になることがある
Part2の問題文ではよく「what, where, when, who」などの疑問詞が用いられます。
それぞれ「具体的なもの、場所、時、人」などを答えるのが普通ですが、TOEICでは必ずしも疑問詞に対応した応答文が正解になるわけではありません。
例えばこちらをご覧ください。(再掲)
(疑問文)
Where did you go yesterday?(昨日どこへ行ったんですか?)
(応答文の選択肢)
A. So did I.(私もそうでした。)
B. Actually I was sick in bed.(実は病気で寝込んでいたんです。)
C. I want to go to the library.(私は図書館に行きたいです。)
問題文では場所を尋ねる疑問詞「where」が使われています。
通常、答えとなる文章では具体的な場所が答えになることを予想しますよね。
しかし、実際にはB. Actually I was sick in bed.(実は病気で寝込んでいたんです。)が答えになります。
Bの文章では具体的な場所は答えていません。
ですが、「どこへ行ったのか?」という質問に対して「病気だったからどこへも行っていない」という応答は自然です。
このようにTOEICでは「whereが使われたから場所が答えになる」という発想が通用しません。
疑問文での応答が正解になることもある
通常、疑問文で聞かれたら疑問文で返すことはありませんよね。
疑問文には2択で聞かれたら「Yes, No」、疑問詞で聞かれたら「場所や時間」を答えましょう、と習ってきていますよね。
しかし、TOEICのPart2では疑問文に対して疑問文で応答している文章が正解になることがあります。
例えばこちらの文章。
(問題文)
What should I prepare for tomorrow’s meeting?(明日の会議に向けて何を準備したらいいでしょうか?)
(応答文の選択肢)
A. Let’s meet in front of the station.(駅前で会いましょう。)
B. Either will do.(どちらでも結構です。)
C. Why don’t you ask Alice?(アリスに聞いてみたらどうでしょうか?)
この問題では「What should I do for tomorrow’s meeting?」という問題文に対して「C. Why don’t you ask Alice?」が正解になります。
疑問文に疑問文で答えているため、違和感があるかもしれませんが「明日の会議に向けて何を準備したらいいでしょうか?」という質問に対して「アリスに聞いてみたらどうでしょうか?」とアドバイスをしているのは自然ですよね。
TOEICではこの手の「疑問文返し」が正解になることは多々あるので気をつけましょう。
Part2で使えるテクニック
ここからはTOEICのPart2の得点を今すぐ上げるテクニックを解説していきます。
TOEIC Part2で使えるテクニック
- 疑問詞と動詞だけ聞き取る
- TOEICの出題パターンを頭に入れておく
- 聞き取れなかったら消去法を使う
疑問詞だけ聞き取る
Part2の問題文は非常に短いので、一つの単語を聞き取れないだけで命取りです。
しかし、最低限冒頭の疑問詞さえ聞き取っておけば正答率を上げることができます。
Part2の解答の選択肢は3つですから、疑問詞を聞き取るだけでも明らかにおかしい選択肢を削ることができます。
例えば次のような問題。
(問題文)
When is your business trip to Miami?(マイアミへの出張はいつですか?)
(応答文の選択肢)
A. It was a nice trip.(いい旅でした。)
B. Around early December.(12月の下旬です。)
C. By plane.(飛行機で行きます。)
問題文の後半が聞き取れなくても冒頭の疑問詞「when」さえ聞き取ればなんとか正解できます。
前述の通り、TOEICでは独特の出題パターンが存在するため疑問詞に対応していない文が答えになることもあります。
しかし、この問題では「時」に関する答え方としておかしくないものを選んでおけば正答率は高くなります。
「問題文は疑問詞whenが入っていたな。Bは時期を答えているからこれっぽいな。」
くらいの感覚です。
もちろん問題文すべてを聞き取るのが一番ですが、試験本番ではどうしても聞き逃しが起きるものです。
そういった場合にこういったテクニックを知っておくと小さな得点を積み上げられます。
TOEICの出題パターンを頭に入れておく
前節でTOEICの出題パターンを紹介しました。
中でも次の2つはTOEICの癖とも言える独特な出題パターンです。
- 疑問詞に対応していない応答が正解になることがある
- 疑問文での応答が正解になることもある
「Where did you go yesterday?(昨日どこへ行ったんですか?)」という「場所」を尋ねる問題文に対して「Actually I was sick in bed.(実は病気で寝込んでいたんです。)」というように直接場所を答えていない応答が正解になることがあります。
また、「What should I do for tomorrow’s meeting?(明日の会議に向けて何を準備したらいいでしょうか?)」という問題文に対して「Why don’t you ask Alice?(アリスに聞いてみたらどうでしょうか?)」というように疑問文で返している応答が正解になることもあります。
このように受験英語ではあまり答え慣れていないパターンがTOEICでは頻出です。
これらのパターンを知っておくことで試験本番で「なんかwhereに対して場所で答えてないけどおかしいかな?」や「え、疑問文が答えになっていいのかな?」ということで不安にならずに済みます。
聞き取れなかったら消去法を使う
Part2では選択肢が3つしかないため、3分の1の確率で正解できるわけです。
ですから、どうしてもわからない時は消去法を使うことをオススメします。
1つ聞き取れなくてもその後明らかに違う選択肢を2つ削れれば100%正解できますし、1つ削れるだけでも50%の確率で正解できます。
もし、本番で1つ聞き取れなくても焦る必要はありません。
すぐに「消去法モード」に頭を切り替えて他の選択肢を死守しましょう。
Part2まとめ
TOEIC Part2のまとめ
- 疑問文が1つ流れた後、その後読まれる3つの英文から適切なものを選ぶ形式が25問出題される
- 音声が短く、一度しか流れない
- 疑問詞に対応していない応答が正解になることがある
- 疑問文での応答が正解になることもある
- 疑問詞と動詞だけ聞き取る
- TOEICの出題パターンを頭に入れておく
- 聞き取れなかったら消去法を使う
Part2は短い英文がテンポよく読まれていくパートです。
一喜一憂していると後の問題に影響が出てしまいますから、鉄の心で問題のテンポに合わせていきましょう。
Part3対策
Part3の出題内容
TOEICのPart3はQ32~70までのリスニング39題で構成されます。
1つの英文につき3つの設問があるので、13の英文×3つの設問で39題となります。
こんな感じで設問の英文が並んでいます。(もちろんリスニングのスクリプトは見れません!)
ここでは省略していますが、A~Dにはそれぞれ選択肢となる英文が書かれています。
1-1. What does the man inquire about?
A._________________________
B._________________________
C._________________________
D._________________________
1-2. Why does the woman refuse the man’s request?
A._________________________
B._________________________
C._________________________
D._________________________
1-3. What will the woman most likely do next?
A._________________________
B._________________________
C._________________________
D._________________________
放送された英文をもとに正しい選択肢をA~Dの4つの中から選びます。
音声は問題文と設問が読まれます。選択肢は読まれません。
問題文を読み終えてから、設問につき13秒の解答時間が与えられ1題あたり39秒使えます。
上の出題例では以下の流れで問題を解いていきます。
1-1では男性が相手に尋ねた内容が問われているので、文中でのやり取りをもとに選択肢を選びます。
例えば「書類の提出先はどこですか?」とか「ミーティングは何時に始まりますか?」など放送される音声には男性が何かを尋ねている表現が含まれています。
1-2では女性が男性の要求を断った理由が問われているので、文中にはその理由を女性が述べている箇所があるはずです。「この後用事がある」とか「担当ではない」とか女性が何らかの事情で男性の要求を退けているなどです。
1-3では女性は次に何をすると考えられるか、ということを尋ねられています。
ですから、放送される英文中では女性が「これから電話してみます」とか「相手方にメールを送ります」といった表現があるはずです。
Part3の特徴
パート1, 2と比べるとパート3からは聞き取る英文の量も増え、設問も1題につき3問あるなど一気に負荷が増えます。
量・質ともにリスニングパートはこのパート3からが本番と言えるでしょう。
パート3の出題の特徴を見ていきましょう。
TOEIC Part3の特徴
- 設問と選択肢が試験問題に書かれている(パート4と同じ)
- 2名以上のまとまった量の会話が放送される
- 発言の意図を答える問題がある(パート4と同じ)
- 図表を見て答える問題がある(パート4と同じ)
1つずつ詳しく見ていきます。
設問と選択肢が試験問題に書かれている
まず、パート1, 2と決定的に異なるのが「設問と選択肢が試験問題に書かれている」ということです。
いい面としてはこれから流れる音声の内容の予測が立てられます。
例えば設問に「Mr.White」という単語があれば、「Whiteさんについての話が出るぞ」と名前を聞き取る準備ができます。
悪い面は解答の際に求められる英文処理が多くなるということです。
パート1,2では聞いた内容から答えを導いて解答終了でしたが、パート3では英文を聞き、設問・選択肢を読んだ上で解答する必要があります。
テクニック編で詳しくお話しますが、パート3からは試験用紙に設問があるため「先読み」が鍵を握るようになります。
2名以上のまとまった量の会話が流れる
パート1, 2では問題文は1行、それに対する返答も1文で完結します。
しかし、パート3では2名以上の会話が放送されます。
1つの英文を聞き取って理解するのはもちろんですが、同時に話の流れも追う必要があるため一気に難度が高くなります。
特に13題中2題程度で登場人物が3名になります。
登場人物が1人増えるだけで2名の時に比べて話の流れや、今誰が喋っているのかなどが追いづらくなります。
まとまった量の会話文を聞き、厳しい時間制限の中で設問を読み、解答するという作業を13題連続でこなさなくてはいけないため、パート3はTOEICの中でも非常に高い壁となっています。
発言の意図を答える問題がある
まずは次の文を見てください。
What does the woman imply when she says, “you lived in Kyoto, didn’t you”?
この設問は「あなたは京都に住んでいたんですよね?」という女性の発言の意図を答えなくてはいけません。
例えばこの発言の前後の文脈が、観光の計画であれば「あなたは京都の観光地に詳しいはずだ」というのが発言の意図になります。
一方、発言の前後の文脈が方言の話であれば「京都出身ならば関西弁を話すはずだ」というのが発言の意図になります。
つまり、文字通りの意味でなく文脈を正しく理解した上で発言の意図を汲み取らなくてはいけない問題です。
図表を見て答える問題がある
これもパート3で初登場の問題ですが、図表を見て答えなくてはいけない問題があります。
パート3で出題される図表問題の例
Product | Price |
NPX-203 | $345 |
CW-405 | $390 |
SK-2003 | $450 |
GP-553 | $500 |
Look at the graphic. Which device will they buy?
A. NPX-203
B. CW-405
C. SK-2003
D. GP-553
例えば上の設問では英文を聞いた上で、図表を見て登場人物がどの装置を買うと考えられるかを答えます。
この手の問題ではリスニングの音声を聞き取れただけでは解答できません。
例えば英文中で「$400の予算内で一番高価格なものを購入する」という旨の発言があったとします。
このとき、英文中に商品の型番は流れません。
図表を見てはじめて「$400の予算内で一番高価格なもの」は「CW-405」ということがわかります。
このように図表問題ではリスニングと図表の読み取りの合わせ技が求められます。
Part3で使えるテクニック
ここからは試験で使えるTOEICのパート3のテクニック解答テクニックを紹介していきます。
TOEIC Part3で使えるテクニック
- 先読み時間を生み出す
- 選択肢は先読みしない
- 図表問題と意図問題の先読みを優先する
- 聞き取れなかった問題は切り捨てる
先読み時間を生み出す
前述の通り、パート3からは設問と選択肢が試験用紙に書かれています。
音声が流れる前にこれらに目を通すことで英文の内容を予測したり、何が問われるかを知ることができます。
いわゆる「先読み」と言われるテクニックです。
パート3はリスニングの音声1つにつき3つの設問があり、それぞれ解答時間が13秒与えられています。
つまり、1つの音声につき39秒の解答時間があるわけです。
これを1題解答するのにフルに使ってしまっては先読みはできません。
理想は26秒で1題をとき終えて、残りの13秒で次の問題の下読みに入るという時間配分です。
3問目の設問が読み上げられるまでに解答を終えて、3問目の設問が読まれているうちに次の問題の先読みに取り掛かりましょう。
選択肢は先読みしない
パート3では先読みが重要と述べましたが、選択肢は先読みしなくて大丈夫です。
理由は2つです。
- 時間が足りない
- かえって混乱する
まず、13秒の中で3つの設問の問題文と選択肢全てに目を通して理解するのは時間的に厳しいです。
それと、選択肢を読むと情報量は増えますが混乱します。4つの選択肢の内、3つの選択肢は誤っている内容です。
4分の3間違っている情報に時間を割くのはナンセンスです。
これらの理由から選択肢の先読みはオススメしません。
図表問題と意図問題の先読みを優先する
パート3で出題される図表問題と意図問題は、先読みが鍵を握ります。
というか先読みしないと解答が難しいです。
まず、意図問題は” “の中の発言の意図を前後の文脈から考えます。
What does the woman imply when she says, “you’re familiar with, hasn’t it”?
例えば上の設問では“you’re familiar with, hasn’t it”の発言の意図が問われています。
この文章はそのまま音声で流れますから、ここをしっかり先読みしておくとこの前後の流れに集中してリスニングができます。
次に図表問題です。
図表問題ではリスニングの音声と手元の図表を頼りに解答をしていきます。
パート3で出題される図表問題の例(再掲)
Product | Price |
NPX-203 | $345 |
CW-405 | $390 |
SK-2003 | $450 |
GP-553 | $500 |
Look at the graphic. Which device will they buy?
A. NPX-203
B. CW-405
C. SK-2003
D. GP-553
上の例では選択肢が商品名になっています。
リスニングの音声ではっきりと「この値段のものを買います」ということはありません。
「予算が400ドルだからその中で一番いいものを買おう」とか「2番目に高いものを買おう」とか図表を使わないと解けないようになっています。
この設問の選択肢は商品名なので、価格のほうが音声でヒントとなることが予想されます。
この図表を先読みしておけば、リスニング中予算などの具体的な金額や価格の順番などに備えておくことができます。
こう考えると、意図問題と図表問題の先読みは結構しっかり目にやらなくてはいけないことが分かります。
しかし、時には13秒の先読み時間で3つの設問に目を通すのが難しいことがあります。
その場合は意図問題と図表問題の先読みを優先させましょう。
他の設問は目を通さなくてOKです。
3つの設問のうち、意図問題と図表問題はどちらか1つだけなのでこの2つが出た時はここだけ先読みしておくだけでいいです。
聞き取れなかった問題は切り捨てる
リスニングでの鉄則は「先読みのリズムを崩さない」ことです。
聞き取れなかった音声があるときや、解答に自信が持てない時「あれ、これなんて言ってたっけ?」と解答に時間を割いてしまうのはNGです。
気持ちはわかりますが、先読みの時間を削ることは「ぜったい」しないでください。
リスニングは聞き取れなかったら多分解けません。
それよりもその問題に時間をかけたせいでリズムが崩れて先読みができなくなる方が問題です。
聞き取れなかったらその問題はもう諦めて、次の設問の先読みに行くようにしましょう。
Part3まとめ
TOEIC Part3のまとめ
- 設問と選択肢が試験問題に書かれている
- 登場人物のやり取りがある
- まとまった量の英文が放送される
- 発言の意図を答える問題がある
- 図表を見て答える問題がある
- 先読み時間を生み出す
- 選択肢は先読みしない
- 図表問題と意図問題の先読みを優先する
- 聞き取れなかった問題は切り捨てる
パート3からは本格的なリスニングになります。
まとまりのある文章を次々と処理していかなくてはいけません。
鍵を握るのは「先読み」です。
Part4対策
パート4は文章の量・質ともにリスニングパートでもっとも重いです。
出題の傾向と試験本番で使える解き方を紹介しますので、しっかり対策しておきましょう!
Part4の出題内容
TOEICのPart4はQ71~100までのリスニング30題で構成されます。
1題につき3つの設問があるので、10の英文×3つの設問で30題となります。
こんな感じで設問の英文が並んでいます。(もちろんリスニングのスクリプトは見れません!)
ここでは省略していますが、A~Dにはそれぞれ選択肢となる英文が書かれています。
1-1. Where does the speaker likely to work?
A._________________________
B._________________________
C._________________________
D._________________________
1-2. What problem is happening?
A._________________________
B._________________________
C._________________________
D._________________________
1-3. What are listeners asked to do?
A._________________________
B._________________________
C._________________________
D._________________________
放送された英文をもとに正しい選択肢をA~Dの4つ中から選びます。
音声は問題文と設問の両方が読まれますが、選択肢は読まれません。
問題文を読み終えてから、設問につき13秒の解答時間が与えられるので、1題あたり39秒使えます。
上の例題を見てください。
以下の流れで問題を解いていきます。
1-1では話者がどこで働いているか、が聞かれています。
例えば「我々が担当した製品の広告が順調だ」とか「自動車工場を海外に移設することが決まった」など放送される音声には話者の勤務先が予想できるようなヒントが含まれています。
前者だと広告代理店、後者だと自動車メーカーあたりが答えになるでしょう。
1-2ではどんな問題が起きているかを聞かれています。
「顧客から先日注文した商品が届いていないという報告があった」とか「台風の影響で飛行機が飛ばない」など何かしらのトラブルが文中に出てくるはずです。
1-3では聞いている人たちは何をするよう求められているかを聞かれています。
後で詳しく解説しますが、パート4はパート3と違って登場人物は話者1人のみです。
声を読み上げている「話者」とその場で音声を聞いているであろう「聞き手」が存在します。
聞き手は一言も発しませんが、自分が聞き手になったつもりで「これから何をしたらいいか」を答えましょう。
Part4の特徴
パート4の特徴はそのほとんどがパート3と同じです。
違いは「登場人物の人数」と「文章量」のみです。
TOEIC Part4の特徴
- 設問と選択肢が試験問題に書かれている(パート3と同じ)
- 登場人物が1人
- 一文が長く、文章量が多い
- 発言の意図を答える問題がある(パート3と同じ)
- 図表を見て答える問題がある(パート3と同じ)
設問と選択肢が試験問題に書かれている
パート4ではパート3同様「設問と選択肢が試験問題に書かれている」のが特徴です。
いい面としてはこれから流れる音声の内容の予測が立てられます。
例えば設問に「Mr.White」という単語があれば、「Whiteさんについての話が出るぞ」と名前を聞き取る準備ができます。
悪い面としては解答の際に求められる英文処理が多くなることです。
パート1,2では聞いた内容から答えを導いて解答終了でしたが、パート3, 4では英文を聞き、設問・選択肢を読んだ上で解答する必要があります。
テクニック編で詳しくお話しますが、パート4は試験用紙に設問があるため「先読み」が鍵を握るようになります。
登場人物が1人
パート3とパート4は共通している部分が多くあります。
まとまった文章が読まれる、設問が紙に書いてある、選択肢が4つ、図表・意図問題が出題される、など多くの点が共通しています。
しかし、決定的な違いがあります。
それは「パート4は登場人物が1人」ということです。
パート3では2人、もしくは3人の会話が放送されました。
しかし、パート4では英文を読むのは1人だけです。
ですから、読まれる英文のシチュエーションとしては「商業施設内のアナウンス」「ミーティングの始めのアジェンダ説明」「留守電へのメッセージ」など相手からの返答を期待しないものに限定されます。
TOEICを受験する我々は架空の「聞き手」になったつもりでメッセージを聞き、解答します。
パート4では1人がずっと話しており、流れてくる音声だけに集中していればいいので、これはモノローグ形式最大のメリットと言えます。
また、聞き手の返答がないため予想外のことが起きません。
例えばパート3では「週末サーフィンに行かない?」と言って「週末は台風が来るらしいから辞めとこう」と返答があり、さらに「じゃあ代わりに屋内でできるイベントをしよう」というように話が二転三転します。
モノローグでは話す内容が予め決まっているので、聞いていて楽です。
しかし、パート4のモノローグ形式には1つ大きなデメリットがあります。
それは「一文が長く、文章量が多い」ということです。
みなさんも相手ありきの日常の会話では一文を長くすることはありませんよね。
会話はキャッチボールですから短い文章を相手とリズムよく交換していきます。
しかし、パート4は「アナウンス」や「司会進行」など話し手が一方的に話を展開するため、文章量が多くまた一文も長くなります。
これにより、パート4では長い文章を聞いて瞬時に意味を捉える能力が不可欠になります。
発言の意図を答える問題がある
まずは次の文を見てください。
What does the woman imply when she says, “you lived in Kyoto, didn’t you”?
この設問は「あなたは京都に住んでいたんですよね?」という女性の発言の意図を答えなくてはいけません。
例えばこの発言の前後の文脈が、観光の計画であれば「あなたは京都の観光地に詳しいはずだ」というのが発言の意図になります。
一方、発言の前後の文脈が方言の話であれば「京都出身ならば関西弁を話すはずだ」というのが発言の意図になります。
つまり、文字通りの意味でなく文脈を正しく理解した上で発言の意図を汲み取らなくてはいけない問題です。
図表を見て答える問題がある
パート4では、図表を見て答えなくてはいけない問題があります。
パート3で出題される図表問題の例
Product | Price |
NPX-203 | $345 |
CW-405 | $390 |
SK-2003 | $450 |
GP-553 | $500 |
Look at the graphic. Which device will they buy?
A. NPX-203
B. CW-405
C. SK-2003
D. GP-553
例えば上の設問では英文を聞いた上で、図表を見て登場人物がどの装置を買うと考えられるかを答えます。
この手の問題ではリスニングの音声を聞き取れただけでは解答できません。
例えば英文中で「$400の予算内で一番高価格なものを購入する」という旨の発言があったとします。
このとき、英文中に商品の型番は流れません。
図表を見てはじめて「$400の予算内で一番高価格なもの」は「CW-405」ということがわかります。
このように図表問題ではリスニングと図表の読み取りの合わせ技が求められます。
Part4で使えるテクニック
ここからはパート4で実際に僕が実践している解き方を紹介します。
予めお伝えするとパート4の解き方はパート3と全く同じです。
パート3の記事を既に読んでいるという方は復習のつもりで読んでみてくださいね。
TOEIC Part4のテクニック
- 先読み時間を生み出す
- 選択肢は先読みしない
- 図表問題と意図問題の先読みを優先する
- 聞き取れなかった問題は切り捨てる
先読み時間を生み出す
前述の通り、パート3からは設問と選択肢が試験用紙に書かれています。
音声が流れる前にこれらに目を通すことで英文の内容を予測したり、何が問われるかを知ることができます。
いわゆる「先読み」と言われるテクニックです。
パート3はリスニングの音声1つにつき3つの設問があり、それぞれ解答時間が13秒与えられています。
つまり、1つの音声につき39秒の解答時間があるわけです。
これを1題解答するのにフルに使ってしまっては先読みはできません。
理想は26秒で1題をとき終えて、残りの13秒で次の問題の下読みに入るという時間配分です。
3問目の設問が読み上げられるまでに解答を終えて、3問目の設問が読まれているうちに次の問題の先読みに取り掛かりましょう。
選択肢は先読みしない
パート3では先読みが重要と述べましたが、選択肢は先読みしなくて大丈夫です。
理由は2つです。
- 時間が足りない
- かえって混乱する
まず、13秒の中で3つの設問の問題文と選択肢全てに目を通して理解するのは時間的に厳しいです。
それと、選択肢を読むと情報量は増えますが混乱します。
4つの選択肢の内、3つの選択肢は誤っている内容です。
4分の3間違っている情報に時間を割くのはナンセンスです。
これらの理由から選択肢の先読みはオススメしません。
図表問題と意図問題の先読みを優先する
パート3で出題される図表問題と意図問題は、先読みが鍵を握ります。
というか先読みしないと解答が難しいです。
まず、意図問題は” “の中の発言の意図を前後の文脈から考えます。
What does the woman imply when she says, “you’re familiar with, hasn’t it”?
例えば上の設問では“you’re familiar with, hasn’t it”の発言の意図が問われています。
この文章はそのまま音声で流れますから、ここをしっかり先読みしておくとこの前後の流れに集中してリスニングができます。
次に図表問題です。
図表問題ではリスニングの音声と手元の図表を頼りに解答をしていきます。
パート3で出題される図表問題の例(再掲)
Product | Price |
NPX-203 | $345 |
CW-405 | $390 |
SK-2003 | $450 |
GP-553 | $500 |
Look at the graphic. Which device will they buy?
A. NPX-203
B. CW-405
C. SK-2003
D. GP-553
上の例では選択肢が商品名になっています。
リスニングの音声ではっきりと「この値段のものを買います」ということはありません。
「予算が400ドルだからその中で一番いいものを買おう」とか「2番目に高いものを買おう」とか図表を使わないと解けないようになっています。
この設問の選択肢は商品名なので、価格のほうが音声でヒントとなることが予想されます。
この図表を先読みしておけば、リスニング中予算などの具体的な金額や価格の順番などに備えておくことができます。
こう考えると、意図問題と図表問題の先読みは結構しっかり目にやらなくてはいけないことが分かります。
しかし、時には13秒の先読み時間で3つの設問に目を通すのが難しいことがあります。
その場合は意図問題と図表問題の先読みを優先させましょう。
他の設問は目を通さなくてOKです。
3つの設問のうち、意図問題と図表問題はどちらか1つだけなのでこの2つが出た時はここだけ先読みしておくだけでいいです。
聞き取れなかった問題は切り捨てる
リスニングでの鉄則は「先読みのリズムを崩さない」ことです。
聞き取れなかった音声があるときや、解答に自信が持てない時「あれ、これなんて言ってたっけ?」と解答に時間を割いてしまうのはNGです。
気持ちはわかりますが、先読みの時間を削ることは「ぜったい」しないでください。
リスニングは聞き取れなかったら多分解けません。
それよりもその問題に時間をかけたせいでリズムが崩れて先読みができなくなる方が問題です。
聞き取れなかったらその問題はもう諦めて、次の設問の先読みに行くようにしましょう。
Part4まとめ
TOEIC Part4のまとめ
- 設問と選択肢が試験問題に書かれている
- 登場人物が1人
- 一文が長く、文章量が多い
- 発言の意図を答える問題がある
- 図表を見て答える問題がある
- 先読み時間を生み出す
- 選択肢は先読みしない
- 図表問題と意図問題の先読みを優先する
- 聞き取れなかった問題は切り捨てる
パート3の記事を見てもらった方はお気づきかもしれませんが、パート3と4はかなり出題が似通っています。
違いは「登場人物の人数」と「文の長さ」だけです。
図表・意図問題なども共通して出題される点も含めて、対策や解き方もほぼ同じです。
パート4はパート3同様、問題数も多く難易度も高い問題が揃っているので日ごろの学習の成果が試されます。
試験本番で十分自分の実力を発揮できるよう対策しておきましょう!
Part5対策
この記事ではTOEICのPart5の出題内容と試験本番で使えるテクニックについて解説していきます。
TOEICのパート5〜7はリーディングパートと呼ばれ、文法問題や長文読解問題などが出題されます。
パート5は時間制限の中で素早く問題を解く必要があるため、私はもともと苦手でした。
ですが、解き方を変えたことでより「速く」「正確に」解けるようになりました。
Part5の出題内容
TOEICのPart5はQ101~130までの文法問題30題で構成されます。
リーディングパートは全100題ですから、その3割が文法問題です。結構比重が大きいですよね。
下の例題を見てください。
Mr.Gupta said that we needed a more 「ㅤㅤㅤㅤ」 solution to this problem.
A. creative
B. create
C. creatively
D. creation
「 」の中に当てはまるものをA~Dの中から選びます。
この問題の場合は空欄には形容詞が入るので「A. creative」が正解となります。
このようにパート5では、文章中の空欄に当てはまる最もふさわしい表現・単語を4つの選択肢から選ぶ問題が出題されます。
Part5の特徴
ここではパート5の特徴を見てみましょう。
これらの特徴を抑えることで、本番で自信を持って解答できるようになります。
TOEIC Part5の特徴
- 品詞・語彙・文法の3つのパターンがある
- 時間制限が厳しい
品詞・語彙・文法の3つのパターンがある
30題あるパート5ですが、出題のパターンは品詞・語彙・文法の3つに大別できます。
まず、品詞問題の例題です。(再掲)
Mr.Gupta said that we needed a more 「ㅤㅤㅤㅤ」 solution to this problem.
A. creative
B. create
C. creatively
D. creation
品詞とは「形容詞」「名詞」「動詞」「副詞」などです。
このパターンでは、意味は同じだけれども品詞が異なる4つの選択肢が並びます。
例題では空欄の前後から形容詞である「creative」が入ることが分かります。
逆に他の選択肢は文法上入れられないようになっています。
次に語彙問題を見ていきます。
「ㅤㅤㅤㅤ」 that actor is not well known by the public, he is highly regarded by film critics.
A. Because
B. Although
C. If
D. Once
選択肢はすべて接続詞なので、品詞の判断では解答できません。
そして品詞が同じということは単語の意味から正解を導きます。
例題では主節と従属節の内容が逆説で結べるのでBの「Although」が正解になります。
最後は文法問題です。
単語の使い方や文の構成として適切なものを選びます。
Most of the people thought that he 「ㅤㅤㅤㅤ」 tired then.
A. is
B. being
C. has been
D. was
例題では時制の一致が問われています。
主節の時制が過去形で、thenがあることから過去形の「was」が適切だと分かります。
意味だけでは判断ができず、選択肢の品詞がバラバラの場合は語法や文法知識をもとに解答します。
実際の出題では、品詞判断と意味判断がミックスされることもありますが、パート5は品詞・意味・文法の組み合わせで出題されます。
時間制限が厳しい
TOEICのリーディングパートはとにかく時間制限が厳しいです。
パート6, 7では大量の英文を読んで解答しなくてはいけないので、パート5にかけられる時間は多くありません。
1つの問題に20秒程度でしょう。
一つ一つの問題を2度読みしたりしていては到底最後の問題までたどり着きません。
Part5で使えるテクニック
ここからはパート5の文法問題を素早く正確に解くテクニックを紹介します。
TOEIC Part5のテクニック
- 形から解く
- 形から解けない場合のみ意味を考える
- 必ず最後まで目を通す
形から解く
パート5の出題パターンは品詞・語彙・文法の3つに大別できます。
TOEICのパート5は全ての問題の意味を理解する必要はありません。
解き終わらなくなりますし、余計なところで躓いてさらに時間がなくなってしまいます。
ですから、まずは「形から」解いて、それでもわからなかったら意味を考えるのがもっとも効率的です。
理由はその方が早く、正確に解けるからです。
英文の意味を考えるのは時間がかかります。
また、文法問題は前後の文脈がないので意味が非常に取りづらくなっています。
そのため、単語の意味に引っ張られて間違った選択肢を選んでしまう可能性が高くなります。
「ㅤㅤㅤㅤ」wasting time waiting for packages to arrive, First Direct customers can track packages online to know exactly when they will come.
A. In order to
B. Rather than
C. How about
D. In case
例えば、この問題は文の意味を考える間もなく、即答できます。
Aは後ろが動詞の原形を取るから✕。
Cは疑問文の時に使う表現なので✕。
Dは後ろに節を取るので✕。
答えはBです。
このように多くの問題が形だけで解ける、もしくは選択肢を絞ることができます。
形から解けない場合のみ意味を考える
文法問題は「形から解く」のが鉄則です。
しかし、意味を考えなければ解けない問題もあります。
New parking lots have been opened at Granston Airport,「ㅤㅤㅤㅤ」 300 meters from Terminal 2.
A. casually
B. lightly
C. approximately
D. immensely
この問題は選択肢がすべて副詞ですから、形から解くことは不可能です。
素直に英文を読んで意味を考えなくてはいけません。
また、中には形と意味の両方の視点を使って解く問題があります。
The organizers of the New York Philharmonic Concerts developed strict rules about interruptions 「ㅤㅤㅤㅤ」 symphony performances.
A. among
B. during
C. while
D. between
この例題ではまず「形から」考えると、接続詞のwhileは✕ですね。
その他は全て前置詞なので、形だけでは解けません。
ここで初めて「意味から」考えます。
どれも意味が似通っていますが、後ろに「交響曲の演奏」という具体的な「期間」を表せるduringが正解になります。
必ず最後まで目を通す
パート5の文法問題は「形から」➔「意味から」の順番で解答すると効率がいいと解説しました。
しかし、空欄の前後だけを読んで解答するのはおすすめできません。
これは勘違いで失点するのを防ぐためです。
As part of the marketing campaign, images of Newton Auto’s new model 「ㅤㅤㅤㅤ」 on the front of their company headquarters.
A. projected
B. were projected
C. be projected
D. projecting
例題の文中には他に動詞が見当たらず、受動態をとっている「were projected」が正解となります。
この問題で空欄の前後だけを読んでしまうとうっかりAの「projected」を選んでしまうかもしれません。
もし、空欄の後に動詞が他にあれば「projected」が分詞として直前の「model」を修飾することができます。
しかし、空欄の前後だけを見るとそれがわかないため、選択肢を見て「Aだと違和感ないな!」と勘違いしてしまうのです。
こういったミスは、解答を確信しても必ず最後まで目を通す習慣をつけておけば防ぐことができます。
さらっと3秒もあれば、文を最後まで目を通すことはできるはずです。
Part5まとめ
TOEIC Part5のまとめ
- 品詞・語彙・文法の3つのパターンがある
- 時間制限が厳しい
- 形から解く
- 形から解けない場合のみ意味を考える
- 必ず最後まで目を通す
パート5は30問文法問題が続きます。
TOEICは時間制限が厳しい試験なので、パート5にかけられる時間は限られています。
文法問題を素早く、正確に解くコツは「形から解く」「最後まで目を通す」ことです。
最初は文の意味をとらないまま解答することに不安を感じるかもしれません。
しかし、慣れればきっとこの解き方が早く正確に解答する上で最善だと気づくはずです。
TOEIC Part6対策
「TOEICのパート6で毎回失点してしまう。。。」
「文章補充問題が解けるようにならない。。。」
TOEICのパート6は文章は短いですが、なぜか失点してしまいがちですよね。
この記事ではTOEICのパート6の出題内容を分析し、試験で使えるテクニックを解説していきます!
Part6の出題内容
TOEICのPart6はQ131~146までの16題で構成されます。
比較的短めの文章を読んで、文法問題3問と文章補充問題1問に解答します。
1つの文章につき4つの設問があり、それが4セットで計16題です。
例題を見てみましょう。(選択肢の英文省略)
To understand the life of a great man, who has exemplified his century by ( 1-1 ) the world, is to eulogize the human spirit. He who has taken it upon himself to paint this interesting canvas will be hard pressed to perform his task if he has not added to a perfect understanding of the progress of sciences, all the necessary attributes of style that this type of eulogy requires and one which is said to be incompatible with the study of the abstract sciences. ( 1-2 ).
He must show how nature gives birth to a great man and he ( 1-3 ) deconstruct the circumstances which apply to his development and by doing so expose through the details of the literary works of the scientist for who he is constructing the eulogy, that which he has done ( 1-4 ) the sciences by not forgetting to examine his state prior to this period and to establish the point of departure.
1-1.
A.___________
B.___________
C.___________
D.___________
1-2.
A._________________________
B._________________________
C._________________________
D._________________________
1-3.
A.___________
B.___________
C.___________
D.___________
1-4.
A.___________
B.___________
C.___________
D.___________
パート6での文章はあまり長くありません。
しかし、その中に4つの設問があるので配点の密度が高いと言えます。
例題の4つの設問のうち3つは文法知識を問われる穴埋め問題です。
残りの1つは( 1-2 )のように一文がまるごと抜けている空欄があり、適切な英文を1つ選んで解答します。
Part6の特徴
TOEICのパート6は短い英文の中に設問が4つも設けられています。
「短い英文で4つも得点できる!」と捉えることができれば「英文が読めなければたくさん失点してしまう」と捉えることもできます。
しっかりと出題の特徴をとらえて対策しましょう。
TOEIC Part6の特徴
- パート5・7を足して2で割ったパート
- 文章補充問題が厄介
パート5・7を足して2で割ったパート
パート6は、文法知識と長文読解力の両方が求められます。
4つの設問のうち3つはパート5と同様に、語彙・文法・品詞の知識が問われます。
残りの1問はパート7で求められる読解力が試されます。
例題を再掲します。
To understand the life of a great man, who has exemplified his century by ( 1-1 ) the world, is to eulogize the human spirit. He who has taken it upon himself to paint this interesting canvas will be hard pressed to perform his task if he has not added to a perfect understanding of the progress of sciences, all the necessary attributes of style that this type of eulogy requires and one which is said to be incompatible with the study of the abstract sciences. ( 1-2 ).
He must show how nature gives birth to a great man and he ( 1-3 ) deconstruct the circumstances which apply to his development and by doing so expose through the details of the literary works of the scientist for who he is constructing the eulogy, that which he has done ( 1-4 ) the sciences by not forgetting to examine his state prior to this period and to establish the point of departure.
( 1-2 )の空欄は一文がすっぽりと抜け落ちているので、4つの選択肢から適切な英文を1つ選びます。
例題の場合は直前の文章との接続がうまくいくか、段落の中にあっておかしくない内容かという視点で解答を選びます。
他3つの設問は空欄に当てはまる単語や表現を解答します。空欄の前後を見るだけで解答できるものがほとんどで、文章をまたいだ設問はありません。
文章補充問題が厄介
文挿入問題とは英文中の空欄(1)〜(4)のうち、指定された英文を挿入するのにもっともふさわしい場所を選ぶ問題です。
パート6はパート5の文法問題とパート7の長文読解の2つの要素があることを解説しました。
しかし、文法問題よりも文章補充問題のほうに苦手意識を持っている人のほうが多いのではないでしょうか?
なぜなら、文章補充問題は英文の意味だけでなく、英文の流れを理解した上で解答しなくてはいけないからです。
つまり、文章補充問題では英語力に加えて論理的思考力が問われているのです。
TOEIC含め英語の試験で論理的思考力を問われることは少ないので、多くの人が苦手意識を感じやすいポイントです。
しかし、英語だから難しく感じるだけで、TOEICでは高度な論理的思考力は求められていません。
Part6で使えるテクニック
ここからは出題の特徴を踏まえてパート6を解く際に使えるテクニックを紹介します。
空欄補充の正答率を上げつつ、解答スピードを速くすることができますよ!
TOEIC Part6のテクニック
- 文章補充問題は空欄の位置から考える
- 強弱をつけて読む
文章補充問題は空欄の位置から考える
空欄補充問題は英語の読解力と簡単な論理的思考力が問われます。
英語の読解力はテクニックではどうにもならないので、ここでは考えません。
パート6で求められる論理的思考力はとてもカンタンなものです。
「空欄の位置に来て違和感がないか?」ということだけです。
具体的な解き方をステップで紹介します。
To understand the life of a great man, who has exemplified his century by ( 1-1 ) the world, is to eulogize the human spirit. He who has taken it upon himself to paint this interesting canvas will be hard pressed to perform his task if he has not added to a perfect understanding of the progress of sciences, all the necessary attributes of style that this type of eulogy requires and one which is said to be incompatible with the study of the abstract sciences. ( 1-2 ).
He must show how nature gives birth to a great man and he ( 1-3 ) deconstruct the circumstances which apply to his development and by doing so expose through the details of the literary works of the scientist for who he is constructing the eulogy, that which he has done ( 1-4 ) the sciences by not forgetting to examine his state prior to this period and to establish the point of departure.
例題では( 1-2 )は第一段落の最後にあります。
このあと段落が分かれるので話の流れがここで変わります。
ステップ1で空欄( 1-2 )は第一段落にあることを確認しました。
( 1-2 )に入る英文は第一段落だけを見て考えればいいです。
第二段落の内容や文章全体のテーマを考えて解くと引っかかってしまうので注意です。
ここまで来ればあとは選択肢から空欄に入る文章を選ぶだけです。
選択肢を選ぶ際のポイントは次のとおりです。
- 選択肢の中の代名詞がうまくつがなるか
- ほかの段落の内容ではないか
選択肢の中にthis, that, itなどの代名詞が登場したらラッキーです。
空欄の前にその代名詞が指す名詞があれば、うまくつながるでしょうし、そうでなければすぐに選択肢から外せます。
また、選択肢のひっかけで多いのが他の段落の内容が書かれているものです。
下の図を見てください。
文章のテーマは地域イベントの開催についてです。
空欄は第一段落の最後にありますから、選択肢の中からイベントの日時・場所関連の話が続くものを選べばOKです。
このとき、選択肢の中にイベントの主催者についての選択肢がある可能性があります。
イベントの主催者については第二段落の内容なので不適切です。
違う段落についての選択肢に引っかからないように気をつけましょう。
強弱をつけて読む
TOEICのリーディングパートに共通して言えるのは「時間制限が厳しい」ということです。
パート6も例に漏れず文章を全部丁寧に読んで解答している時間はありません。
空欄の周りは集中して、他の文章はサラッと読むというように強弱をつけましょう。
余分な時間と集中力をかけずに解答することができます。
穴埋め問題の空欄が含まれている文章は文の形に集中して読み、文章補充問題は段落の流れを意識して読みます。
それ以外はサラッと読んで、なんとなく意味が分かればいいです。
ちなみに空欄がなくなった後も文章が続くことがありますが、読まなくていいです。
Part6まとめ
TOEIC Part6のまとめ
- パート5・7を足して2で割ったパート
- 文章補充問題が厄介
- 文章補充問題は空欄の位置から考える
- 強弱をつけて読む
16題と問題数は多くありませんが、短い英文に設問が4つもあるオトクなパートです。
しっかりポイントを抑えて解答することで短時間で安定したスコアを出せるようになります!
Part7対策
TOEICのパート別の出題内容と試験本番で使えるテクニックの解説もこの記事で最後です。
(まだ他のパートの記事を読んでいない方はページ下部からどうぞ!)
パート6はTOEIC最大の鬼門である長文読解が出題されます。
Part7の出題内容
TOEICのPart7はQ147~200 までの長文読解54題で構成されます。
設問2〜5個の長文読解問題が計15セット出題されます。
1セットあたりの長文の本数は1〜3本、1本あたりの長文の長さは本数に応じて決まります。
長文の本数が3本の時は1本あたりは短く、1本の時は長くなります。
分かりづらいと思うので図で確認してみましょう。
序盤は英文が1つだけで設問数が2問。
これが一番ラクです。
終盤は英文が3本で設問が5問になります。
ここがTOEICで一番の鬼門です。
このほか英文が2本のパターンや、設問が3・4問のパターンなどがあります。
長文の形式としては以下のパターンがあります。
- テキストチャット
- 新聞記事
- メール
- お知らせ
- アンケート
- 手紙
- ウェブサイト
これらのうち1〜3本が単独or組み合わせで出題されます。
問題のテーマが「ボランティアの募集」であれば「新聞記事」×「メール」×「メール」などが考えられます。
「新聞記事」ではボランティア募集の要項について、1本目の「メール」では興味を持った人からの質問、2本目の「メール」ではそれに対する担当者からの返信などが英文の内容になるでしょう。
Part7の特徴
パート7はTOEICの中で処理する英文の量が多い上、内容も難しいためもっとも負担が大きいパートといえます。
また、時間制限が厳しいこともあいまって本番で解き終わらない人が多く出ます。
パート7の出題パターンは多岐にわたりますが、ある程度の傾向がありますので確認しておきましょう。
TOEIC Part7の特徴
- 時間制限が厳しい
- 図表問題
- 意図問題
- 言い換え問題
- 文挿入問題
- 複数の英文をまたいで解答する問題
時間制限が厳しい
TOEICのリーディングパート全体に共通していえることですが、とにかく「時間が足りない」です。
TOEICのパート7で出題される長文は大学受験や英検などに比べると、語彙や構文自体はさほど難しくありません。
長文1つあたりの長さも短めです。
パート5 | パート6 | パート7 | 合計 | |
出題内容 | 文法問題 | 文法×文章補充 | 長文読解 | 75分 |
問題数 | 30問 | 16問(中文4題×設問4つ) | 54問(長文15題×設問2〜5つ) | 100問 |
リーディングパートは75分。
文法問題×30問(パート5)、中文問題×4セット(パート6)、長文×15セット(パート7)を時間内に解き終えるのはなかなか大変です。
ある程度のスコアを持っていても解き終わらない、ギリギリ間に合う人が大半でしょう。
TOEIC対策ではまず「最後まで解く」ことが当面の目標になります。
図表問題
パート7では、図表を見て答えなくてはいけない問題があります。
パート7で出題される図表問題の例
Product | Price |
NPX-203 | $345 |
CW-405 | $390 |
SK-2003 | $450 |
GP-553 | $500 |
Look at the graphic. Which device will they buy?
A. NPX-203
B. CW-405
C. SK-2003
D. GP-553
例えば上の設問では図表を見て、登場人物がどの装置を買うと考えられるかを答えます。
長文の中に「400$の予算内で一番いい製品を買おう」という表現があった場合、「B. CW-405」が適切な選択肢となります。
このように長文の中にある図表と文章をつなげて解答する問題が出題されます。
意図問題
まずは次の文を見てください。
What does the woman imply when she says, “you lived in Kyoto, didn’t you”?
この設問は「あなたは京都に住んでいたんですよね?」という女性の発言の意図を答えなくてはいけません。
例えばこの発言の前後の文脈が、観光の計画であれば「あなたは京都の観光地に詳しいはずだ」というのが発言の意図になります。
一方、発言の前後の文脈が方言の話であれば「京都出身ならば関西弁を話すはずだ」というのが発言の意図になります。
つまり、文字通りの意味でなく文脈を正しく理解した上で発言の意図を汲み取らなくてはいけない問題です。
言い換え問題
言い換え問題とは文章中の単語と文脈上もっとも意味が近い単語を選択肢から選ぶ問題です。
〜〜〜〜innovation~~~~~~
A. invention
B. improvement
C. revision
D. repair
上の例で「innovation」ともっとも近い意味になる単語を選びます。
解答のポイントは2つ。
- 単語の本来の意味
- 文脈上の意味
まずは単語本来の意味から除外できるものを選択肢から外します。
その上で文脈上に適切なものを判断して解答します。
上の例では「innovation」が本来もつ「革新」のイメージから考えると「A. invention=発明」「B. improvement=改善」が似たような意味として残りますね。
他の2つ「C. revision=修正」「D. repair=修理」はそれぞれ「革新」の持つポジティブなイメージとは相容れないのでNG。
例題には文脈は省略していますが、「社内新製品の発売」の文脈と仮定すると「A. invention=発明」が正解となります。
文挿入問題
文挿入問題とは英文中の空欄(1)〜(4)のうち、指定された英文を挿入するのにもっともふさわしい場所を選ぶ問題です。
TOEIC含め英語の試験で論理的思考力を問われることは少ないので、多くの人が苦手意識を感じやすいポイントです。
しかし、英語だから難しく感じるだけで、TOEICでは高度な論理的思考力は求められていません。
複数の英文をまたいで解答する問題
パート7は、後半になるにつれて1セットあたりの英文の本数が増えます。
2つ以上の英文が出題される際に、設問に登場するのが「複数の英文をまたいで解答する問題」です。
まずはこちらの図を見てください。
長文のテーマはスポーツ祭の開催について。
1つ目の長文では、祭の詳細についてのお知らせ、2つ目の長文では祭の後日参加者からのメールが英文で書かれています。
設問では祭に参加したワトソン氏が当日どの競技に参加したかが問われています。
まず、2つ目の長文ではワトソン氏は赤下線部「雨で屋外で活動できなかった」ということが分かります。
1つ目の長文の最後に同赤下線部「雨の場合、テニス競技参加者は体育館でバドミントンに変更」とありますから、答えはバドミントンです。
このように長文をまたいで手がかりを追っていくタイプの問題が出題されます。
Part7で使えるテクニック
パート7で使えるテクニックを見る前に伝えたいこと
TOEICに限らず、英検・大学受験でも長文読解は配点の多くを占めています。
長文読解では「本質的な英語力」が試され、ごまかしが効きません。
共通していることは「読めれば解ける」ということです。
英語の試験で、設問が難しすぎて解けないということはほぼないです。
文章の内容を素早く正確に読めれば勝手に点は取れるようになります。
ですから、「テクニックで点をあげよう」と考えるのは本質的ではありません。
まずは本文をしっかり読めるようになる、そのために努力するというのが王道です。
そうはいっても、傾向や注意点というのは存在します。
ここからは「無駄な失点をしない」「試験本番で実力を発揮する」ためのテクニックを紹介したいと思います。
TOEIC Part7のテクニック
- 解き方を決めておく
- NOTの選択肢に注意する
- 登場人物になりきって読んでいく
- 文章補充問題は空欄の位置から考える
解き方を決めておく
TOEIC、特にパート7でもっとも怖いのは「時間切れ」です。
800ほどのハイスコアを持っている人でも、時間内に解き終わらないことがあるくらい時間制限が厳しいです。
その大きな要因は「焦り」です。
「TOEICは時間制限が厳しい」
「この長文の意味がうまく取れない」
「見たことないパターンが出た」
「隣の人がカタカタ音を立てて集中できない」
こういったことが起きるとどうしても「焦り」が生じます。
これは誰にでも起こりうることです。
しかし、100%ではないにせよ対処ができないわけではありません。
ポイントは「自分の解き方を決めておく」ということです。
普段から自分の型を持っていれば試験本番で予期せぬことがあっても焦ることなく落ち着いて取り組めます。
自分の解き方の視点としては以下が挙げられます。
- 負担の大きいパート7の最後の問題から解くようにする
- 文の挿入問題があるときは挿入文を読んでから長文を読み始める
- 選択肢を解きながら長文を読む
はっきりいってこの辺の解き方は好みです。
僕の知り合いでは「英文全部読んだ後じゃないと設問に答えられない」という人がいますが、そうでない人もいます。
この辺はおそらく脳のクセが影響していると思います。
僕は短期記憶がすぐに消え去っていくのと、問題から特定の箇所を探すのがめちゃめちゃ遅いというクセがあります。
だから短い英文以外は「解きながら読む」というスタイルがぴったりハマったんだと思います。
いろいろ試してみて「この問題はこうやると解きやすい」というのを模試や日々の学習の中で見つけましょう。
試験本番でその解き方を変えずに貫くことで、試験本番で頭が真っ白になる事態を避けることができます。
NOTの選択肢に注意する
僕の実体験ですが設問の問題文に「当てはまらないものはどれか」という問題でよくミスをします。
問題文を流し読みするクセがあるので、せっかく太字で書いてくれている「NOT」という文字を見落としまうのです。
選択肢を見て「え、当てはまるものが2つ以上ある!?」
「うーん、消去法でこれかな?」
結果解説を見た時に「NOT問題だったんか〜い」というのが多々あります。
一度や二度じゃないです。
1回の試験で1度は出てくるつもりで「NOT」の選択肢を選ぶ問題かどうかを確認しておきましょう。
登場人物になりきって読んでいく
僕みたいに短期記憶に自信がない方には「解きながら読む」というのも1つの手ですが、それでは解けない問題もあります。
そういった場合におすすめしたいのが「登場人物になりきる」です。
英文の形式が「市民の方へ図書館でのイベントのお知らせ」だったら「平日に時間がある本好きの人」になりきります。
「打ち合わせの資料を忘れたから、スキャンして送ってほしい」というお願いだったら「まったく仕方ないやつだ」と思いながら職場の同僚になりきります。
登場人物に感情移入して文章を読むことで我が事として頭に入ってきやすくなります。
選択肢を選ぶときにも主語を取り違える、といったミスも減るかと思います。
文章補充問題は空欄の位置から考える
空欄補充問題は英語の読解力と簡単な論理的思考力が問われます。
英語の読解力はテクニックではどうにもならないので、ここでは考えません。
パート7で求められる論理的思考力はとてもカンタンなものです。
「空欄の位置に来て違和感がないか?」ということだけです。
具体的な解き方をステップで紹介します。
To understand the life of a great man, who has exemplified his century by ( 1-1 ) the world, is to eulogize the human spirit. He who has taken it upon himself to paint this interesting canvas will be hard pressed to perform his task if he has not added to a perfect understanding of the progress of sciences, all the necessary attributes of style that this type of eulogy requires and one which is said to be incompatible with the study of the abstract sciences. ( 1-2 ).
He must show how nature gives birth to a great man and he ( 1-3 ) deconstruct the circumstances which apply to his development and by doing so expose through the details of the literary works of the scientist for who he is constructing the eulogy, that which he has done ( 1-4 ) the sciences by not forgetting to examine his state prior to this period and to establish the point of departure.
例題では( 1-2 )は第一段落の最後にあります。
このあと段落が分かれるので話の流れがここで変わります。
ステップ1で空欄( 1-2 )は第一段落にあることを確認しました。
( 1-2 )に入る英文は第一段落だけを見て考えればいいです。
第二段落の内容や文章全体のテーマを考えて解くと引っかかってしまうので注意です。
ここまで来ればあとは選択肢から空欄に入る文章を選ぶだけです。
選択肢を選ぶ際のポイントは次のとおりです。
- 選択肢の中の代名詞がうまくつがなるか
- ほかの段落の内容ではないか
選択肢の中にthis, that, itなどの代名詞が登場したらラッキーです。
空欄の前にその代名詞が指す名詞があれば、うまくつながるでしょうし、そうでなければすぐに選択肢から外せます。
また、選択肢のひっかけで多いのが他の段落の内容が書かれているものです。
下の図を見てください。
文章のテーマは地域イベントの開催についてです。
空欄は第一段落の最後にありますから、選択肢の中からイベントの日時・場所関連の話が続くものを選べばOKです。
このとき、選択肢の中にイベントの主催者についての選択肢がある可能性があります。
イベントの主催者については第二段落の内容なので不適切です。
違う段落についての選択肢に引っかからないように気をつけましょう。
Part7まとめ
TOEIC Part7のまとめ
- 時間制限が厳しい
- 図表・意図問題が出る
- 言い換え問題が出る
- 文挿入問題が出る
- 複数の英文をまたいで解答する問題が出る
- 長文は読めれば解ける
- 解き方を決めておく
- NOTの選択肢に注意する
- 登場人物になりきって読んでいく
パート7はTOEICの山場であり、得点を大きく伸ばすポイントでもあります。
長文はテクニックが通用しづらい「本質の英語力」を問われます。
日々の学習で長文読解を取り入れた上で、紹介したテクニックを実践してみてくださいね。
【TOEIC対策コース】Satellite英語コーチングでスコアアップ
私が運営するSatellite英語コーチングでは短期間でTOEICスコアを最大限上昇させるためのサポートを提供しています。
英語コーチングとは、英語学習のプロである英語コーチが専属であなたの英語学習を徹底的にサポートするサービスです。
具体的には
- 週次の面談
- 毎日の学習進捗チェック
- 学習計画の作成
- 発音・英作文の添削
- チャットでの質問対応
といったサポートを提供することで、スコアアップまでの時間を1/2~1/3にまで短縮することができます。
英会話教室やオンライン英会話はレッスン時間にのみ英会話の機会を提供しますが、英語コーチングは面談以外の時間にも毎日学習進捗の確認や課題の添削などのサポートを行っている点が最大の違いです。
学習の継続と効率的な学習の2つに重点を置くことで、TOEICスコアアップをサポートします。
Satellite英語コーチングとは?
Satelliteは社会人が最短で英語を身につけるためのオンライン英語コーチングサービスです。
効率的な学習を実現するためには、一人ひとりの課題に合った学習計画がカギを握ります。
第二言語習得理論に基づき、科学的に正しい英語学習ができるようあなた専用の学習カリキュラムを一つひとつ作成しております。
効率的な学習計画があっても、学習が継続できなければ意味がありません。
Satellite英語コーチングでは、担当コーチから毎日チャットで学習進捗の確認連絡が来るほか、シャドーイングや英作文の課題提出があるため、「見られている」ことで英語学習が継続しやすくなります。
第二言語習得理論とは?
第二言語習得理論とは、日本人が英語を習得するときなど、外国語を習得する際の脳の働きを科学的に分析する学問です。
この理論に基づいて学習することで、社会人の方でも効率よく英語を習得することが可能になります。
現在日本の英語学習理論はまだまだ遅れており、未だに「私はこうやってうまく行った」という個人の経験によった体験談などがはびこっています。
一人ひとりゴールもスタート地点も異なる、社会人の英語学習では以下の図のような第二言語習得理論をもとに個別の課題を特定し、ピンポイントで効果が出るトレーニングに取り組むことで最短で最大の結果を得ることができます。
Satellite英語コーチングでは、この第二言語習得理論を熟知した代表の石井コーチがあなた専用の学習カリキュラムを作成し最短での英語習得をサポートします。
TOEIC対策コースがおすすめの方
コースの特徴
Feature1
弱点にフォーカスで
苦手パートを徹底攻略
TOEICの苦手パートにピンポイントで刺さるトレーニングを実施します。
足りない要素を徹底的に鍛えることで短期間でのスコアアップを実現。
Feature2
本番前の模試演習で
TOEICの傾向と対策を掴む
TOEIC本番で実力を発揮するには、長時間集中する力、各パートの時間配分などしっかりと対策を立てることが必須です。
本番前に徹底的に模試演習を繰り返すことで傾向を掴みます。
Feature3
TOEIC985保有の
代表コーチが担当
SatelliteではTOEIC985を保有する代表コーチが担当します。TOEICに関する執筆記事も多いTOEICのプロから直接コーチングを受けることができ、効率的にスコアアップが狙えます。
受講者の声
受講4ヶ月
TOEICスコア120点アップ
受講前800点→受講後920点
30代男性
外資系企業への転職にあたり、TOEIC900overを達成するために受講しました。
TOEIC800までは独学で行けたのですが、1年以上スコアが伸び悩んでおり、科学的な理論に基づいて自分の課題特定をプロにお願いしました。
診断テストを通して、語彙不足と音声知識の不足を指摘され、自分では完璧と思っていた部分だったので目からウロコでした。
実際そこに絞った学習と演習でサラッと900点を超えることができました。
受講12ヶ月
TOEICスコア310点アップ
受講前570点→受講後880点
30代女性
1年後の転職に向けて、英語力を武器にしたいと思いTOEICコースを受講しました。
今まで英語学習の方法を調べても自分に合わなかったり、計画倒れで継続ができなかったりということがあり、石井コーチについていただくことにしました。
結果、大正解だったと思います!
コーチングは安い買い物ではないですが、転職の選択肢が広がり、年収もアップしたので最高の投資になったと感じています。
ここまで来たら、900点を目指してみたいな、と思っているのでまたお願いするかもしれません笑
受講6ヶ月
TOEICスコア200点アップ
受講前510点→受講後710点
40代男性
昇格基準のTOEICスコアを達成するために効率的な英語学習方法を探している中で、英語コーチングを知り、石井さんに依頼しました。
英語学習は昇格のためと割り切っていましたが、スコアが伸びていくにつれて楽しく感じるようになりました。
独学では怠けてしまっていたと思いますが、チャットをくださったり、毎週の面談があったりするので緊張感を持って毎日の学習を続けることができました。
無事昇格試験も合格し、今後も学習は継続していきたいと思っております。
英語学習の悩みを無料でプロに相談
代表コーチによる無料カウンセリング実施中
- 英語学習の課題が明確になる
- 効率的な英語学習の進め方が分かる
- コーチング期間で何ができるようになるかが分かる
\ フォームで簡単入力 /