英作文でどれくらい英会話が成長する?効果とやり方も解説
英会話でのスピーキング能力の向上に向けて、英作文をトレーニングに取り入れようとしている人も多いのではないでしょうか?
とはいえ英作文と英会話は別物でどんな効果がどれくらいの期間で現れるのか気になりますよね。
この記事では以下の疑問に答えていきます。
- 英作文は英会話にどんな効果があるの?
- 英作文で英会話はどれくらい成長する?
- 英会話に効果的な英作文のやり方は?
英作文が英会話に与える効果とは?
英作文をすることで、英会話のスピーキングにおいてどんな効果があるのでしょうか?
具体的には以下の4つです。
- シミュレーション効果がある
- 文法の正確性が向上する
- 流暢性の成長が可視化される
- 表現の幅が増える
シミュレーション効果がある
英語のアウトプットには、ライティングとスピーキングという2つの技能があります。
下の図は第二言語習得理論において、アウトプットのプロセスを図示したものです。
最終的に文字にするか、音声にするかという違いはありますが、ライティングとスピーキングは「概念化」「文章化」のプロセスが共通していることが分かります。
「概念化」は頭の中で「何を話すか」を考えるプロセスで、「文章化」は頭に浮かんだ内容を英語に直すプロセスです。
つまり英作文をすることで「概念化」「文章化」「文字化」の力が鍛えられますが、同時にスピーキングの「概念化」「文章化」の能力も鍛えられるということになります。
英会話におけるスピーキングのプロセスを英作文によってシミュレーションできるわけです。
もちろん書き言葉と話し言葉、瞬発性の違いはありますが、英作文は英会話に一定のシミュレーション効果があると言えるでしょう。
文法の正確性が向上する
英作文をすることで、英会話中で使う文法が正しくなります。
英会話でよくある悩みとして「文法知識はあるはずなのに、英会話になると文法がめちゃくちゃになる」というものです。
読み・聞きといったインプットのときに文法が「わかる」のと、話す・書くといったアウトプットのときに文法が「使える」というのは別物です。
特にスピーキングにおけるアウトプットは、瞬発性が求められるため文法が崩れやすいです。
英作文はスピーキングに比べると、時間に余裕があるため文法を意識してアウトプットすることができます。
また、スピーキングの内容は残りませんが、英作文は自分の書いた内容が残るので後で見返すことができます。
自分の書いた英文を見て文法が正しくチェックしたり、人によっては添削を依頼することができます。
スピーキングの文法が崩れやすい場合は、英作文を取り入れて怪しい文法を復習することで文法の正確さを向上させることができます。
流暢性の成長が可視化される
英会話のうち、スピーキングの「流暢さ」は重視される項目の一つです。
流暢さとは、思いついたことをスムーズに英語にしてアウトプットする能力のことで、流暢性が高いといわゆる「英語がペラペラ」に聞こえます。
しかし、この流暢性は自分だと成長が分かりづらいという難点があります。
例えば英会話の中でどれだけ多く発言できるようになったか、というのはなかなか可視化するのは難しいです。
英作文は自分が書いたものが残るので、一定の制限時間を設けたうえで語数を数えれば流暢性がどのように成長したかが分かるようになります。
例えば20分の中でできるだけ多くの語数をアウトプットする、という感じで英作文をするとはじめのうちは50語しか書けなかったものが、徐々に語数が増えて150語書けるようになれば流暢性が向上したと言えるでしょう。
ちなみに私は受講者に上のような自動で語数をカウントしてくれるスプレッドシートを作成して語数の成長を可視化しています。
流暢性を可視化することでモチベーションも高まり、スピーキングの成長を感じることができるでしょう。
表現の幅が増える
英作文をすることで、スピーキング中で使える表現の幅を増やすことができます。
英会話の中では、瞬発性が求められますし話の流れによって「今日はこの表現を使ってみよう」と思っても思い通りに練習できないことが多いです。
一方英作文であれば、考える時間もありますし、話の流れも自分でコントロールできるので英会話で使いたい表現を英作文の中で練習することができます。
普段同じ表現ばかり使ってしまい、幅に広がりが出ないと感じている場合はまず英作文の中で使う表現を決めて書く練習をするといいでしょう。
英作文でどれくらい英会話が成長するのか?
すでに挙げたように英作文は英会話において以下のような効果があります。
- 流暢さが増す
- 文法が正確になる
- 表現の幅が増える
ではどれくらいの期間でこういった効果が出るのでしょうか?
自由英作文をするならば、効果を実感するまでに3~4ヶ月で100本を目安にしてみましょう。
私が英語コーチングを提供している受講者でも、スピーキングの流暢性と英作文の語数は比例しており、20分で書ける語数が多い人ほど英会話でも流暢にスピーキングができています。
- 50語:中学英語に不安があったり、アウトプットの経験がほとんどない方のスタート地点。英会話は成り立たない。
- 100語:中学英語はある程度理解しているが、まだまだアウトプットには不慣れ。簡単な応答は可能。
- 150語:しっかり大学受験までされてきた方のスタートライン。言いたいことに対して英文が出てこないが、短文での応答は可能。
- 200語:一定期間アウトプットを継続した方のみが超えられる壁。日常英会話程度なら成立させることが可能。
- 300語:アウトプットを長期間行い、「英語が話せる」と自信を持って言えるライン。込み入った話題に準備なしでは厳しい。
- 400語:英検1級ホルダーレベルで、周りからは完全に「ペラペラ」と思われる。英語で一通りの事ができる。
- 500語:フリーカンバセーションに事前準備なしでも全く問題ない。ここからは趣味の領域。
上記は20分といいう制限時間の中で書ける語数に応じて、スピーキングのレベルがどれくらいになるかを表しています。
例えば、大学受験までである程度英語の基礎を勉強したことがある人ならば100~150語くらいからのスタートになることが多いです。
3~4ヶ月で100本ほど英作文を書けば、200語を安定して超えられるようになるでしょう。
すでに述べたように、英作文の語数は英会話での発話の流暢性と比例していますから、その頃には英会話でも発話の流暢性や文法の正確さにおいて成長を感じやすいでしょう。
英会話に効果的な英作文のやり方は?
英会話のための英作文の具体的な進め方を紹介します。
英作文を何に書くのかなどを決めましょう。
英作文のお題を決めましょう。
毎回選ぶのは手間なのでまとめて10日分などを決めておくと良いです。
20分測って実際に英作文してみましょう。
辞書は使わずに、間違ってもいいのでとにかく語数を多く書きましょう。
書いた英作文はできれば添削を受けましょう。
添削を受けない場合は、自分で言いたかったけど言えなかった表現を復習したり、冠詞・三単現などの項目をチェックしたりしましょう。
今回の英作文の目的は「英会話の上達」ですから、以下のポイントを意識することでより効果的になります。
- 20分で書く
- 語数を数える
- 添削を受ける
- 短く簡単に書く
- 辞書を使わない
- 好きなお題で書く
さらに詳しい進め方は以下の記事で紹介しています。
英会話に効果的な英作文まとめ
この記事では以下の疑問を解決しました。
- 英作文は英会話にどんな効果があるの?
- 英作文で英会話はどれくらい成長する?
- 英会話に効果的な英作文のやり方は?
英作文が英会話に与える効果としては以下の4つです。
- シミュレーション効果がある
- 文法の正確性が向上する
- 流暢性の成長が可視化される
- 表現の幅が増える
英作文で英会話は3~4ヶ月で100本ほど書くことで流暢性や文法の正確性の面で成長が見られるでしょう。
流暢性の成長は以下のような語数を目安にしていくといいでしょう。
- 50語:中学英語に不安があったり、アウトプットの経験がほとんどない方のスタート地点。英会話は成り立たない。
- 100語:中学英語はある程度理解しているが、まだまだアウトプットには不慣れ。簡単な応答は可能。
- 150語:しっかり大学受験までされてきた方のスタートライン。言いたいことに対して英文が出てこないが、短文での応答は可能。
- 200語:一定期間アウトプットを継続した方のみが超えられる壁。日常英会話程度なら成立させることが可能。
- 300語:アウトプットを長期間行い、「英語が話せる」と自信を持って言えるライン。込み入った話題に準備なしでは厳しい。
- 400語:英検1級ホルダーレベルで、周りからは完全に「ペラペラ」と思われる。英語で一通りの事ができる。
- 500語:フリーカンバセーションに事前準備なしでも全く問題ない。ここからは趣味の領域。
英会話に効果的な英作文のやり方は以下のとおりです。
英作文を何に書くのかなどを決めましょう。
英作文のお題を決めましょう。
毎回選ぶのは手間なのでまとめて10日分などを決めておくと良いです。
20分測って実際に英作文してみましょう。
辞書は使わずに、間違ってもいいのでとにかく語数を多く書きましょう。
書いた英作文はできれば添削を受けましょう。
添削を受けない場合は、自分で言いたかったけど言えなかった表現を復習したり、冠詞・三単現などの項目をチェックしたりしましょう。
英会話のための英作文では以下の点を意識しましょう。
- 20分で書く
- 語数を数える
- 添削を受ける
- 短く簡単に書く
- 辞書を使わない
- 好きなお題で書く
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