「英会話・ぜったい・音読」ってどんな教材?おすすめの使い方は?

「英会話・ぜったい・音読」は英語学習の間で広く知られた、英語の音読教材です。

有名な同時通訳家の國弘正雄先生の著作で「只管音読=ただひたすらに音読をせよ」というメッセージとともに世の中に広く「音読学習」が取り込まれることとなりました。

この記事では以下の疑問に答えていきます。

・英会話・ぜったい・音読ってどんな教材?
・英会話・ぜったい・音読の良いところは?
・英会話・ぜったい・音読のイマイチなところは?
・英会話・ぜったい・音読はどんな効果がある?
・英会話・ぜったい・音読のおすすめの使い方は?

Kai

私も学び直しの際にはこの教材をメインに据えました!

目次

英会話・ぜったい・音読ってどんな教材?

「英会話・ぜったい・音読」シリーズは、2001年の発売以来、非常に多くの英語学習者たちの支持を得ている「英語の基礎回路」を作るためのテキスト教材です。

英語の基礎回路とは、英語を読めるだけではなく、「読む・聞く・書く・話す」という4技能すべてにおいて使える知識が出来上がった状態を指します。

タイトルにもある通り、繰り返しの音読トレーニングを信条としており、スポーツ同様英語学習においても練習が必要であるというメッセージとともにこの本は何度も覚えるまで繰り返し音読することが推奨されています。

現在出版されているのは以下の6冊になります。

タイトル内容TOEIC推奨レベルレッスン数付属CD
英会話・ぜったい・音読 【入門編】中1・2教科書470点までの人1225分×1
英会話・ぜったい・音読 【標準編】中3教科書470点-600点までの人1240分×1
英会話・ぜったい・音読 【挑戦編】高1教科書600点以上の人1045分×1
英会話・ぜったい・音読 【続・入門編】中1・2教科書470点までの人12?分×1
英会話・ぜったい・音読 【続・標準編】中3教科書470点-600点までの人12?分×1
英会話・ぜったい・音読 【続・挑戦編】高1教科書600点以上の人10?分×1

後で発売された、続編シリーズは対象・内容レベルは同じで、コンテンツが入れ替わりレイアウトが見やすくなったようです。

私はオリジナルの3冊で練習しました。

英会話・ぜったい・音読の良いところ

「英会話・ぜったい・音読」は人気の教材ですが、具体的にどんな点が優れているのでしょうか?

実際にこの教材を3,000回以上音読して使い込んだ私が感じた部分をご紹介します。

  1. 音源のナレーションがきれい
  2. 文法事項がふんだんに盛り込まれている
  3. 程よい長さの英文がレベル別になっている

①音源のナレーションがきれい

「英会話・ぜったい・音読」シリーズには付属のCDがありますが、この音源が非常に聞きやすいです。

癖がなく初学の方が発音などを定着させるのにぴったりなナレーションの綺麗さです。

英語コーチとしての仕事柄、様々な教材の音源に触れますが、無料の音源やニュース音源などはどうしても録音環境が悪かったり、少し癖がある話し方だったりと教材として使用しづらい部分が目立ちます。

それに比べて、プロのナレーターによって聞き取りやすく録音されている点でこの教材はおすすめです。

②文法事項がふんだんに盛り込まれている

「英会話・ぜったい・音読」は昔の教科書から抜粋された文章で構成されています。

英語の教科書には、実はレッスンごとに文法のテーマが存在しています。

例えば「Lesson4では現在完了形をテーマにしよう」という場合、Lesson4の英文の中に現在完了形を何度も意識的に使った文章を構成するわけです。

このため、私達がこの教材を使っていると、ところどころ「このレッスンではやけにhave+P.P.の形が多いな」という気づきがあります。

教科書の編纂には非常に多くの人手とお金がかかっています。

文法事項がふんだんに盛り込まれ、かつネイティブチェックもしっかり通った教科書の英文ですから、たくさん練習すれば知らず知らずのうちに、文法事項が内在化されていきます。

③程よい長さの英文がレベル別になっている

「英会話・ぜったい・音読」シリーズは、それぞれ以下のようなレベル構成になっています。

レベル
入門編中1〜中2の教科書
標準編中3の教科書
発展編高校1年生教科書

意外と、音源がついていて初級の学習者にとって程よいレベル・ボリュームで構成されている教材は少ないです。

特にネット上で、自分で教材を探すのは大変ですからこちらのレベル別になっているシリーズを選んでおけば間違いないのはありがたいですね。

英会話・ぜったい・音読 のイマイチなところ

教材を買う前には、イマイチなところも事前に知っておくと良いですね。

「英会話・ぜったい・音読」のイマイチなところは以下です。

  1. BGMがうるさい
  2. 内容がつまらない
  3. 訳がついていない
  4. CDのポーズが長い
  5. 音声がCDからいれないといけない

BGMがうるさい

これは謎なのですが、付属のCDの背景の音が結構大きくてうるさいです。

完全に英語の音声と被っているので、これはいらっときました。

内容がつまらない

かなり古い教科書からの抜粋ですから、内容自体は古めかしいものも目立ちます。

また、教科書ということで内容も学生向けで、大人の興味に耐えうるかといわれると微妙です。

ただ、私の場合は「英語の勉強」と割り切っていたため、さほど気にはなりませんでした。

そもそもかなりの数の繰り返しを前提にしていたので、どんな内容でもそのうち飽きるだろうと思うのでよっぽど気にならない限り問題ないでしょう。

訳がついていない

この教材の意向として、いちいち日本語に訳さないで理解しよう、というものがあるので、全訳がついていません

ですので、初級の学習者の方で独学の場合はうまく理解できない箇所があった時に困ってしまうかも知れません。

ただし、教科書的な内容で、使われている語彙・文法もオーソドックスなものなので、頑張って調べたり、先生についてもらえば解消できます。

CDのポーズが長い

私は上述の通り、このシリーズの教材で3,000回以上音読をしたのですが、CDのトラック間のポーズが長くイライラします。

たしか、入門編はすぐに次のトラックに入るのですが、標準編以降は長めのポーズや、トラックの説明が入り学習が注出されます。

最初は我慢していたのですが、しびれを切らして自分でCDのポーズを削って編集して対応しました。

英会話・ぜったい・音読はどんな効果がある?

「英会話・ぜったい・音読」を使って勉強するとどんな効果が得られるでしょうか?

第二言語習得理論と私も実体験に基づいて紹介していきます。

具体的には以下の4つです。

  1. 発音が良くなる
  2. リスニング力がつく
  3. リーディング力がつく
  4. スピーキング力がつく

①発音が良くなる

「英会話・ぜったい・音読」の特長は、音読を学習の中心に据えている点です。

つまり音を取り入れた学習を奨励しているわけです。

CDを繰り返し聞き、それを真似て音読をするので、自然と発音が良くなっていきます

とはいえ、個別の発音の説明や音声変化のルールが解説されているわけではないので、初学者の方はまず発音を先に学習し、この教材での音読を通して、定着を図るのがおすすめです。

以下の記事では、基本の発音の学習方法を詳しく解説しています。

②リスニング力がつく

私が学び直しでこの教材を使ったときのレベルはTOEIC860くらいでしたが、「英会話・ぜったい・音読」入門編を1冊目に選びました。

結果的には「標準編からで良かったかな」と思いますが、中3の教科書レベルの音源ですら、ところどころ聞こえなかったり、解釈が追いつかないことがありました

そういった細部までしっかりと聞こえるように、意味を拾えるように取り組んだ結果、リスニング力の基礎が身についたと思います。

結果として「英会話・ぜったい・音読」の入門編・標準編・発展編を合計3,000回以上、トレーニングした結果、ほぼ過去問演習のみで1年で、TOEIC985、英検1級を取得することが出来ました


もちろん、公式のやり方だけだと飽きが来たり、リスニング要素が弱いと感じたので、音読にバリエーションをもたせてリスニング力も育成することを意識しました。

③リーディング力がつく

この教材に取り組んだ時点で、私は大学受験を経験しておりTOEICも860あったので、リーディング能力の向上は期待していませんでした。

しかし、結果として「返り読み」がなくなったことで、この教材を取り組んで本当に良かったと感じています。

返り読み(私が勝手にそう呼んでいるだけですが)とは、一読で理解できなかった英文を前に戻って何度も読み返してしまう現象です。

私は時間を掛ければ、英文の多くを解釈することが出来ましたが、英語の語順のままスラスラと解釈してくことが出来ていなかったことに気づきました。

この教材でスラッシュ・リーディングを意識して、繰り返し音読していくうちに、英語の語順でカタマリ単位で意味を取っていく、ということが体で分かった感覚を得ました。

結果、リーディングのスピードが大きく向上し、TOEICのリーディングパートでも解答時間が20分縮まりました

④スピーキング力がつく

「英会話・ぜったい・音読」はその名の通り、英会話と音読の関係性についての言及が多く、音読を通して英会話能力の向上に資するというコンセプトの教材です。

第二言語習得理論の観点からすると、音読だけしていれば英会話が出来る、というのは極論で必ずしも正しいとは言えませんが「大量のインプット」が英会話において重要であることに異を唱える研究者はいません

大量のインプットのために、繰り返しこの教材を聞き・読み・話すことで、文法事項や語彙・表現が徐々に内在化されていき、実際にアウトプット能力にも寄与する、というのは第二言語習得理論においても十分効果が認められています。

私はこの教材で毎日1.5時間繰り返しインプットしていき、実際にその後の英会話でも明らかに通常予想されるより速いスピードで成長が出来ました。

【実体験】英会話・ぜったい・音読のおすすめの使い方

最後に、実際に4技能を育成する上で有効なトレーニングを組み合わせたものをご紹介します。

音読のやり方

次の4ステップで音読をしていました。

  1. CDで正しい音声を聞き、テキストを見ながらポーズのあとに続いて音読する
  2. テキストを見ながら音読する
  3. バリエーションを加えて音読する
  4. テキストを見ずにポーズのあとに続いて音読する

やり方次第では効果が出づらいのでこだわったほうがいいと思います。
それぞれのステップの詳しいやり方やバリエーション組み方など以下の記事で紹介しています。

音読の回数

1冊100回を目標にしました。

1冊目は途中で文章全部覚えてしまったので60周で終わり。
2冊目はそれぞれ100周しました。

3冊めは60周ほどしました。

普通の音読に加えて、バリエーション持たせて音読してました。

音読のスケジュール

1日1時間半をひたすら続けていました。

テキスト周回数音読の内容と回数
1、2周目音声を聞き、テキストありでリピーティング×5回、通常の音読×15回、シャドーイング×5回、テキストなしリピーティング×5回
3、4周目音声を聞き、テキストありでリピーティング×2回、通常の音読×7回、シャドーイング×3回、テキストなしリピーティング×3回 これを2レッスン分すすめる
5周目音声を聞き、テキストありでリピーティング×1回、通常の音読×5回、シャドーイング×2回、テキストなしリピーティング×2回 これを3レッスン分すすめる。

音読に使った参考書

一番初めに使った教材が「英会話・ぜったい・音読(入門編)」。
60周ほどで切り上げました。
レベルとしては最初歩の中1ではありますが、後半は結構長い文章もあります。

次に使ったのがシリーズ2作目の「英会話・ぜったい・音読(標準編)」。
レベルは中3までのものですが、今の教科書よりは大分難し目です。
僕は1ヶ月半ほど掛けて100回音読しました。
内容自体はわかりやすいですが、初めて聞いたときに100%理解はできなかったので、レベル的にちょうどよかったと思います。

そして、シリーズでもっともハイレベルなのが「英会話・ぜったい・音読(挑戦編)」。
高校生向けの英文です。
ほか2冊に比べて長さや、扱う文法項目が増えています。
60周くらいしました。

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この記事を書いた人

現役の英語コーチ・講師が英語学習に関するお役立ち情報を発信中!
TOEIC985・英検1級保有

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