英語コーチングでリスニングは伸びる?
英語コーチングでは、TOEICのリスニングスコアを上げたい、英会話で相手の言っていることを聞き取りたいといったリスニング力を伸ばしたいという要望にも対応しています。
英語コーチングでリスニングを伸ばしたい場合、英語コーチングは効率的な手段だと言えます。
この記事では以下の疑問に答えていきます。
・英語コーチングでなぜリスニング能力が効率的に伸ばせるのか?
・英語コーチングではどんなリスニング・トレーニングを行うのか?
現役の英語コーチが執筆しています!
なぜリスニングが出来ないのか?
そもそも「リスニングが出来ない」のはなぜなのでしょうか?
リスニングの際の脳の動きを図式化して見てみましょう。
まず「音声知覚」は聞こえてきた音を認識するプロセスです。
このときに自分の脳内のデータベースにある単語の発音や音声変化のルールを参照しながら処理を行っていきます。
次に「意味理解」は聞こえてきた音から、意味を解釈するプロセスになります。
ここでは単語の意味と文法知識をもとに英文の意味を解釈していきます。
実はこのプロセスは「リーディング」と同じです。
リスニングが出来ない理由①音声知覚に課題がある
聞こえてきた音を正しく認識する「音声知覚」のプロセスに課題がある場合、リスニングは出来ません。
音声知覚の具体的な課題としては
- 単語の発音を正しく理解していない
- 音声変化のルールを理解していない
といったものがあります。
1の「単語の発音を正しく理解していない」場合「音読の時点で正しく読めない」ことが特徴となります。
そもそも単語の発音を間違って覚えている、発音を聞かずに意味だけ覚えているため、音読の時点で誤った発音でしか読めません。
2の「音声変化のルールを理解していない」場合「音読は正しく出来るが、ある程度の速さから聞こえない」ことが特徴となります。
個々の単語の発音はしっかり覚えていても、実際に英語が読まれるときには音どうしが繋がったり、脱落したりして字面通りの発音とは大きく異なってしまいます。
この「音声変化」のルールを覚えて、聞き慣れていないとリスニングは出来ません。
リスニングが出来ない理由②意味理解に課題がある
音が正しく聞こえていても、意味が理解できなければリスニングが出来ていることにはなりません。
意味理解のプロセスにおける具体的な課題としては
- 文章の意味を正しく解釈出来ない
- 文章の意味を解釈するのに時間がかかっている
といったものがあります。
1の「文章の意味を正しく解釈出来ない」に関しては、例えば「What do you do?」という質問に対して「I’m studying English!」と答えてしまうなどがあります。
What do you do?は「普段何をしているの?=職業は?」という質問ですが、「今現在何をしているの?」だと誤って解釈してしまっているわけです。
これは自分のデータベース内に知識が不足しているために起こる現象です。
2の「文章の意味を解釈するのに時間がかかっている」に関しては、「時間をかければ英文の意味を解釈できるけれど時間がかかってしまい、次の英文が始まってしまっている」といった現象が挙げられます。
英文を前から読んでいくスラッシュリーディング的な解釈が定着していなかったり、単語の意味が出てくるまでに時間がかかったりすることが原因です。
英語コーチングでリスニング力が身につく4つの理由
英語コーチングでは効率的にリスニング能力を身につけることが出来ます。
理由は以下の4つにまとめられます。
1.聞こえない理由をコーチが特定してくれるから
2.特定した課題にフォーカスしたトレーニングを行うから
3.受講者の興味・レベルに合った教材を選んでくれるから
4.正しくリスニングトレーニングが出来ているかチェックするから
1つずつ解説していきます。
理由①聞こえない理由をコーチが特定してくれるから
一口に「リスニングができない」といっても、その原因は人それぞれです。
英語コーチングでは、担当のコーチが受講者のリスニングのプロセスのうち、どこが課題になっているのかを分析します。
例えば、音源のスピードを変えながら「どの速さまでシャドーイングできるか」測定することで、音声知覚のレベルを測ることができます。
また、リスニングのスクリプトの解釈のスピードを見て、意味処理の能力を測定したり、精読をしてもらって語彙・文法課題がないかをチェックします。
第二言語習得理論に基づいて、受講者のリスニング上の課題をピンポイントで発見していきます。
理由②特定した課題にフォーカスしたトレーニングを行うから
課題が特定できたら、次は課題を解決するためのトレーニングを提案します。
自分の課題にピンポイントで刺さるトレーニングを集中して行うことで、効率的にリスニング能力を伸ばすことが出来ます。
例えば、音声知覚に問題がある場合は、単語帳でCDを聞きながら単語の音を正しくインプットしたり、シャドーイングで細部までしっかり再現できるようなトレーニングをしたりします。
「自分で音読することは出来るけれど、シャドーイングとなると聞き取れない・発音できない」という場合は、音のつながりなどをルール化した「音声変化」を学習することで解決します。
他にも、そもそもスクリプトの英文を正しく・正確に解釈できない場合は、精読・多読のトレーニングが有効です。
このように受講者に不足しているトレーニングをオーダーメイドで作成することで、効率よくリスニング能力を伸ばすことが可能です。
理由③受講者の興味・レベルに合った教材を選んでくれるから
リスニングには様々な教材があります。
音源のスピードで言えば、WPM(1分間に読まれる語数)が90~200程度のものまで、種類で言えば現地のニュースから子供向けのアニメまで様々なものが教材になりえます。
リスニングのトレーニングでは、学習者のレベル・興味に合わせて教材を選定することでモチベーション・成長度合いが大きく変わります。
英語コーチングでは多彩なスクリプト付き音源から受講者にピッタリの教材を選定します。
理由④正しくリスニングトレーニングが出来ているかチェックするから
英語学習者の方の中には、シャドーイングというトレーニングを耳にしたことがある人もいらっしゃるかもしれません。
リスニング、特に音声知覚の能力を伸ばす上で有効なトレーニングですが、これを正しく実践できている方は実は多くありません。
学習方法1つとっても、取り組み方にはポイントがあります。
英語コーチングでは、面談・チャットを通して受講者が正しくリスニング・トレーニングに取り組めているかをチェックしながら進めていくので独学に比べて効果的な学習が可能になります。
英語コーチングではどんなリスニングトレーニングをするの?
英語コーチングで、実際に取り入れられているリスニング・トレーニングをご紹介します。
①音読
スクリプトを音声化して読み上げていくトレーニングです。
音声に追われずにできるので、発音の確認や英文の意味を考えながらなどテーマに集中して自分のペースで進められます。
②オーバーラッピング
スクリプトを見ながら、聞こえてきた音声を即座に音声していくトレーニングです。
音源を聞きながら行うので、発音と文字情報を一致させながら進めることが出来ます。
徐々にスピードを上げていくことで、口周りの筋肉を鍛えていくことが出来ます。
③シャドーイング
スクリプトを見ずに、聞こえてくる英文をそのまま発音していくトレーニングです。
主に音声知覚のトレーニングに有効とされ、現在多くの英語コーチングでリスニングプログラムの基本となっています。
また文字情報なしで、音声化まで行うので英会話などのアウトプット学習の効果もあるとされています。
④ディクテーション
スクリプトを見ずに、聞き取った音声を書き出すトレーニングです。
時間はかかりますが、細かい箇所まで正確に聞き取れているかが可視化されるので、リスニング能力の診断として初期に活用されることが多いです。
⑤ルックアップアンドセイ
スクリプトを見て、一文音読した後、同じ英文を暗唱します。
名前の通り、暗唱するときはテキストから顔を上に反らして英文を口にしていきます。
英文をカタマリで捉えないと、即座に記憶できないため、リスニング中の短期記憶能力とスラッシュリーディングの実践に有効です。
⑥リピーティング
スクリプトを見ずに、一文聞いた後、同じ英文を暗唱します。
ルックアップアンドセイの入力方法が「文字」から「音声」に代わったものです。
リスニングした英文をカタマリで短期記憶に残す能力に大きな成長を与えてくれますが、負荷がかなり大きいです。
リスニングの仕上げとして採用されることが多いです。
⑦単語学習
意味理解に課題がある方のうち、「単語の音を正しく覚えていない」場合にはCDを聞きながら一つずつ単語の発音を正しく覚えていく作業が有効です。
⑧音声変化の学習
英文が音声化されるときには、一定のルールに従って変化が起きます。
これを「音声変化」といい、5つのルールにまとめられます。(教材によって分け方が違います)
例えばcome onの発音は「カム オン」ですが、実際にはcomeの語末の/m/の音と、onの語頭の/o/が繋がって「カモン」と読まれます。
これには5つのルールのうちの「連結」というものが適用されており、こういったルールを知らないとはじめての組み合わせの場合正しく音を認識できないことになります。
こういったルールを体系化して、集中的に学習することで速めの音声でも正しく音声を認識することが出来ます。
⑨精読・多読学習
「リスニングのトレーニングなのに、リーディング?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、音は聞き取れていてもスクリプト=リスニングの原稿を正しく・速く解釈できなければ、リスニングは出来ません。
そういった方は、音を聞き取る練習の前に簡単な英文から徐々に難易度を上げながら英文を速く・正しく解釈するトレーニングが有効です。
実際に、リーディングのスキルが高い方は音声知覚のトレーニングをするだけで、すぐにリスニング能力が向上することが知られています。
よくある質問
- 英語が全然聞き取れないのですが、英語コーチングを受ければ聞こえるようになりますか?
-
はい。
英語コーチが詳しく現状を分析して「なぜ聞き取れないのか」を分析して、一人ひとりに専用のカリキュラムを作成します。
これにより独学よりも効率的にリスニング能力を鍛えることが出来ます。 - 聞いた内容を考えていると、次の音が聞き取れなくなってしまいますがどうしたらいいですか?
-
英文を処理するスピードを速めましょう。
脳のリソースは有限ですから、英文を処理するのに手間取っていると「聞く」作業がおろそかになります。
精読・多読により、まずは英文を素早く正確に処理できるようにしたうえで、コンテンツシャドーイング(意味を理解しながら行うシャドーイング)を行うことをオススメします。 - 聞いた内容を忘れてしまうのですがどうしたらいいですか?
-
2つの方向からアプローチがあります。
1つ目はリスニング能力を伸ばすトレーニングを重ねることです。
リスニング能力の限界に近い音源を聞くと、短期記憶に内容を留めることが難しくなります。
リスニング能力が伸びて、余裕で聞き取れるようになれば自然と記憶に残るようになります。
2つ目は英文を塊で捉えて、短期記憶を強くするトレーニングです。
ルックアップアンドセイ、一文ごとのレシテーションなどが効果的です。 - 短期間で英語が聞こえるようになりますか?
-
はい。
英語が聞こえないのには必ず原因があります。
一人ひとり、聞こえない原因はバラバラですから、英語コーチがしっかりと課題を特定して短期間で英語が聞こえるようになるトレーニングを提案します。 - 英語コーチングでTOEICのリスニングスコアをあげることが出来ますか?
-
はい。
徐々に教材の音声スピードを上げながら、TOEICレベルのスピードの英文を正確に聞き取れるようにトレーニングしていきます。 - 海外ドラマや洋画の聞き流しは意味がありますか?
-
アクセントやイントネーションの習得においては一定の効果があると言えます。
一方スクリプトを見ずに、一度しか聞かない場合学習としての効果は非常に小さいと言えます。
効率的にリスニング能力を伸ばせるとは言えません。
まとめ
この記事では、英語コーチングで効率的にリスニング能力を伸ばせる理由と、どんなリスニング・トレーニングを行うのかを紹介しました。
英語コーチングでは、受講者の課題を第二言語習得理論に基づいて特定し、一人ひとりにあったリスニングカリキュラムを作成します。
リスニング能力を劇的に伸ばしたい方はぜひ下記の記事で、英語コーチングを比較してみてくださいね。
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