英語コーチングでスピーキングは伸びる?

英語コーチングでもっとも多い目標として「スピーキングができるようになりたい」というものがあります。

学校教育では文法・リーディングが出来るようになっても、スピーキングの授業というのはありませんから、そもそもどうやって勉強していいかが分からないとお悩みの方も多いです。

英語コーチングでは、スピーキングを理論に沿ってトレーニングするため非常に有効な手段であると言えます。

この記事では以下の疑問に答えていきます。

英語コーチングでなぜスピーキングが効率的に伸ばせるのか?
英語コーチングではどんなスピーキング・トレーニングを行っているのか?

Kai

現役の英語コーチが執筆しています!

目次

なぜスピーキングが出来ないのか?

そもそもスピーキングが出来ないのはなぜなのでしょうか?

スピーキングの際の脳の動きを図式化して見てみましょう。

まず「概念化」は言いたいことを考えてまとめるプロセスです。

日本語、英語に関わらず言語化する前のプロセスで「こういうことを伝えたい」という概念レベルでの作業です。


次に「文章化」は概念化したものを実際に英文として構築するプロセスです。

正しい英文法や語彙知識をもとに、英文を構築して口に出せる状態にしていきます。


最後に「音声化」は文章化したものを実際に発音するというプロセスです。

頭の中にある英文をデータベース内にある発音の情報をもとに相手に伝えます。

スピーキングが出来ない理由①概念化に課題がある

そもそも伝えたいことをまとめる力がないと英語は話せません

これは母語の能力にも依存しますが、日本語で話せないことは当然英語でも話せません。


また、言語にはそれぞれ特性があるので「日本語らしい文章構造」があれば当然「英語らしい文章構造」があるわけです。

例えば「体が弱い」というのは日本語らしい発想のままだと「My body is weak.」となりますが、実際には「I fall cold easily.」というのが英語らしい表現になります。

こういった概念化の時点で日本語大きく異なるのが、英語の特徴でもあるので「日本語の考え方のまま、英語を話そうとする」ために英語が話せなくなります

スピーキングが出来ない理由②文章化に問題がある

頭に言いたいことが浮かんでも、それを正しく・速く英文に直すことが出来ないと会話は成立しません

日本人の学習者の場合、時間をかければ正しい英文を作成出来る方は比較的多いです。

しかし、上級者であってもそういった英文を瞬時に、口頭でのコミュニケーションに支障がないレベルでやり取りできる人は多くありません

反対にTOEICなどのインプット能力を測る試験ではそれほど得点が取れなくても、ある程度コミュニケーションが取れる学習者もいます。


ここに文章化の課題を解決するヒントがあります。

文章化の際にはデータベース内の「例文データ」の豊富さが重要です。

いちいち頭の中で文法と語彙を丁寧に構成していくのでは遅いです。

英語が話せる人は「こういうときはこのように言う」という例文の形で、頭の中に英文のストックがあり、それらを文法と語彙の知識をもとにマイナーチェンジさせながら、文章化をしています。

TOEICのスコアが低くてても、すぐに口をついて出る形になっている英文のストックが一定数あれば、あとは簡単な語彙と英文法でコミュニケーションは成立します。

スピーキングが出来ない理由③音声化に問題がある

英語の発音をきちんと練習していない場合、音声化の時点で相手に伝わらないということがあります。

100%聞き取ってもらえない、ということはないですがかなりの頻度で聞き返される、という場合は音声化に失敗していることが考えられます。

これはデータベース内の「発音データ」と「個別の音素」が間違っているために自分の発音が相手に届かないことが原因です。

英語コーチングでスピーキング力が身につく5つの理由

1.喋れない理由をコーチが特定してくれるから
2.特定した課題にフォーカスしたトレーニングを行うから
3.アウトプットの添削により、正しい英文を発する事ができるから
4.スピーキングの正しい勉強の方法・順序が分かるから
5.正しくスピーキングトレーニングが出来ているかチェックするから

理由①喋れない理由をコーチが特定してくれるから

一口に「英語が話せない」といっても、その原因は人それぞれです。

英語コーチングでは、担当のコーチが受講者のスピーキングのプロセスのうち、どこが課題になっているのかを分析します。

例えば、簡単な英語を話してもらって文章化までのスピード・例文データのストックをチェックしたり、英作文をしてもらってそもそもの文法知識に漏れがないかなどを確認したりします。

また、実際に発音を聞くことで相手に聞き取ってもらえるレベルであるかどうかも確認します。


第二言語習得理論に基づいて、受講者のスピーキング上の課題をピンポイントで発見していきます。

理由②特定した課題にフォーカスしたトレーニングを行うから

課題が特定できたら、次は課題を解決するためのトレーニングを提案します。

自分の課題にピンポイントで刺さるトレーニングを集中して行うことで、効率的にスピーキング能力を伸ばすことが出来ます。

例えば、概念化・文章化に問題がある場合は、英作文を書いてとにかくアウトプットの量を確保したり、その中で文法事項への不安があれば、基礎文法から学習してもらったりします。

音声化に不安がある場合は、まず個別の音素の発音からトレーニングをしていったり、実際の英文をシャドーイングしていったりします。

またほとんどの人が話すのに十分な英文のストック=例文データが不足しているために瞬間英作文に取り組んでもらいます。

このように受講者に不足しているトレーニングをオーダーメイドで作成することで、効率よくスピーキング能力を伸ばすことが可能です。

理由③アウトプットの添削により、正しい英文を発する事ができるから

英語コーチングの中には受講者の提出したアウトプット課題に添削を入れてくれるサービスがあります。

具体的には、発音添削、英作文添削、英会話添削などがあります。

アウトプットをもっとも効率的に伸ばすには、添削を受けて改善することを繰り返すことです。

もちろん自分でインプットを続けることが大前提ですが、アウトプットの際に自分では気づかないような癖やミスをプロからしっかりと指摘を受けることが出来る環境はスピーキングを伸ばす上で非常に重要です。

すべての英語コーチングが添削に対応してくれるわけではありません。
また「シャドーイングだけ」「英作文だけ」と添削の対応範囲が決まっていることのほうが多いです。
受講前に必ず確認しておきましょう。

理由④スピーキングの正しい勉強の方法・順序が分かるから

学校英語で文法、単語、リーディングの勉強の仕方を習ったことがある人は多いのではないでしょうか?

しかし、書く・話すといったアウトプットの勉強の仕方を習ったことがある人は少ないと思います。

未だに受験ではインプットの能力がメインで測られるため、教育現場ではスピーキングの勉強方法は浸透していません。


ですので実際に英語コーチングを検討されている場合「スピーキングの勉強方法を教えてほしい」という方が多いです。

英語コーチングでは、第二言語習得理論という科学的に正しい語学の学習理論に基づいてスピーキングの具体的な学習方法やその順序を受講者に伝えています

英語コーチングは「スピーキングをどうにかしたい気持ちはあるけど、勉強法が分からなくて困っている」方にはピッタリのサービスと言えます。

理由⑤正しくスピーキングトレーニングが出来ているかチェックするから

実際にスピーキングの学習方法をお伝えしても、始めから上手く行ったり、十分に伸びを実感しながら一人で進められる学習者は多くありません

なにしろスピーキングを勉強した経験がないために「こういうときはどうするの?」「これでやり方あってる?」といった悩みが次々と出てきます。

英語コーチングでは、スピーキングの勉強方法をお伝えした後も、面談やチャットで受講者の学習中の悩みを解決していくことが出来ます。

英語コーチングではどんなスピーキング・トレーニングをするの?

英語コーチングで、実際に取り入れられているスピーキング・トレーニングの方法をご紹介します。

①瞬間英作文・基礎編

文法事項ごとに簡単な日本語を英語に直していくトレーニングです。

英語に直していくと書いていますが、実際には暗記して瞬時に日本語から英語が飛び出してくるまで反復します。

英語が話せない人のほとんどが例文データの不足という課題を持っているため、地道に取り組んでもらいます。

旅行先での簡単な英会話、同僚との挨拶ができるようになりたい場合、データベースとしてはこのトレーニングで十分です。

②瞬間英作文・応用編

基礎的な例文データを習得したら、より実践的で内容のある英文を話すために、各文法項目をランダムで瞬時に英作文したり、接続詞を使って長い英文を作るトレーニングを行います。

会議などで、自分の考えを発表したい、商談や面接などフォーマルな英語が求められる場面での実践的な応用力を育成します。

③復文

高校入試レベルの英文などを和訳文から、英語に戻していくトレーニングです。

瞬間英作文の応用を終えた方で、継続的にアウトプットの機会を持ちたい場合にオススメです。

④自由英作文

英作文の前段階として、テーマに対して自分の考えを述べたり、自由に英文を書いたりしてもらいます。

文法事項の抜け漏れの洗い出し、語数を伸ばすことによる概念化力の向上の可視化などに効果があります。

⑤写真で一言

一枚の写真について、その様子を次々に描写していきます。

自由英作文だとテーマが高尚なものになったりして、日常英会話から離れることが多いですが、写真を描写するときには日常の一コマが多いので、そういった表現を身につけるのにオススメです。

⑥英語で独り言

英会話などに通う時間がない、スキマ時間が多いという方には英語で独り言を行うことをオススメしています。

歩きながら自分の考えを英語でまとめてみたり、街ゆく人の様子について英語で描写をしてみることで、アウトプットの機会を増やすことが出来ます。

英会話と違って相手の反応がないので、上級者向けです。

⑦英会話

英会話ができるようになるためには、実際に英会話に取り組んでみることが必要です。

オンラインでも対面でも構わないので、瞬間英作文の基礎ができあがったら英会話に入ってもらいます。

反対に基礎ができていないうちに、英会話に取り組んでも成長を感じない、恐怖心がまさるといったデメリットが大きいのでゆっくりと慣らしていくイメージで取り組んでもらっています。

よくある質問

英語が全然話せないのですが、英語コーチングを受ければ話せるようになりますか?

はい。
英語コーチングでは、第二言語習得理論に基づいて、受講者のスピーキング能力のどこに課題があるかをチェックしてピンポイントで刺さるトレーニングカリキュラムを作成します。
スタート地点によって、習得できるまでの期間は変わりますが、効率的に英語が話せるようになります。

英会話レッスンに抵抗があるのですが、英語が話せるようになりますか?

はい。
基礎的な例文データがないうちは英会話に抵抗があるのは当然です。前段階としての瞬間英作文や英作文などでアウトプットの準備運動をしたあとに少しづつ取り組んでもらいます。

TOEICスコアが高いのに、英語が話せないのはなぜですか?

TOEICなどのインプット型試験では、話すために必要な例文データが必要ないためです。
簡単な英文でも瞬時に英語が出てこない場合は、上級者であれど例文データが不足していることが原因です。

短期間で英語が話せるようになりますか?

目標と現在の力、確保できる時間によって決まります。
受講者にとっての「英語が話せる」という定義によって変わります。
例えば「旅行で注文ができるくらい」という方と「英語の商談でスラスラと商品説明が出来るくらい」という方とでは、そもそものゴールが違います。
これに加えて、スタート地点と確保できる時間が見合っていれば、短期間で英会話が習得できます。

ただし「楽に急激に英語が話せる」ようになることは絶対にありません。

TOEICの勉強をすれば英語が話せるようになりますか?

TOEICの勉強だけでは不足します。
インプットの一環として、TOEICの学習は効果的ですが、「英語が話せるようになりたい」という場合はその目標に合わせたトレーニングを行う方が効率的です。

海外に住めば英語を話せるようになりますか?

いいえ。
海外に長く在住しても、意識的に学習をしない、話す機会がない場合は英語が話せない、本人は話せているつもりでも伝わっていない、という状態に陥いります。
反対に、日本にいたとしても意識的に勉強し、会話の機会を持てば英語が話せるようになります。

英文が出るまでに時間がかかってしまうのですが、どうしたらいいですか?

まずは基礎的な例文を暗唱できるようになりましょう。
英文が出るまでに時間がかかる場合は、基礎的な例文データが不足していることがほとんどです。

オンライン英会話を続けていれば英語が話せるようになりますか?

いいえ。
第二言語習得理論ではインプット:アウトプット=7:3で学習を行うのが効率的とされています。
インプットだけ、アウトプットだけの勉強では効率的に実力を伸ばすことは出来ません。

英会話にも「勉強法」はあるのですか?

はい。
第二言語習得理論に基づいて、自分の課題を発見し、この記事で紹介しているようなトレーニングを組み合わせていくことで効率的な英会話の学習プログラムを提供しています。

まとめ

この記事では、英語コーチングで効率的にスピーキング能力を伸ばせる理由と、どんなスピーキング・トレーニングを行うのかを紹介しました。

英語コーチングでは、受講者の課題を第二言語習得理論に基づいて特定し、一人ひとりにあったスピーキングカリキュラムを作成します。

スピーキング能力を劇的に伸ばしたい方はぜひ下記の記事で、英語コーチングを比較してみてくださいね。

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この記事を書いた人

現役の英語コーチ・講師が英語学習に関するお役立ち情報を発信中!
TOEIC985・英検1級保有

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