英語多読は効果抜群!ポイントと安く済ませる方法も!
英語学習において大量の英文を読んでいく「多読」学習は非常に効果的です。
この記事では、英検1級、TOEIC985の現役英語コーチが以下の疑問にお答えします。
・多読にはどんな効果がある?
・正しい英語多読の取り組み方は?
・おすすめの多読教材は?
・月800円で多読する方法は?
英語多読は、英語の処理能力を上げるのに効果抜群のトレーニングですよ〜!
英語多読の効果
英語での多読は、大量の英文を読み込んでいく学習方法です。
学校の授業で一つ一つの英文を完璧に訳しながら進めていく精読とは違い、多読では100%の理解は求めずにどんどん新しい英文に触れていきます。
多読を行うことで、以下のような効果があります。
- リーディングのスピードが早くなる
- リスニング能力が向上する
- 英単語・英文法が定着する
リーディングのスピードが早くなる
まず、大量の英文を読んでいくことで英文を読むスピードが上がります。
学校で教わったやり方ですと丁寧に正しく解釈する力はつきますが、英文を読むスピードはなかなか上がりません。
試験では正しく解釈する力が求められているので、これはこれで良いと思います。
しかし、学校出た後に英語がうまくなりたい、検定試験でいい成績を残したいと思うなら英文を読むスピードが絶対に必要です。
リーディングのスピードを上げるためには、自力である程度意味が取れる英文を大量に処理するトレーニングが有効です。
TOEICでも文章そのものは難しくありませんが、制限時間内に大量の英文を読まなくてはならないので私はかなり苦労しました。
ちなみにTOEICでスコア860を取ったときでさえ、リーディングパートを終えたのはギリギリでした。
学校英語の読み方では、こういった大量の英文を素早く意味を取っていく作業には対応しきれません。
しかし、意識的に学習の中に多読トレーニングを取り込むことで英文を読むスピードを上げることができるのです。
リスニング能力が向上する
リスニング能力は多読と関係あるの?と感じるかもしれませんが、リスニング能力を高める上で多読トレーニングは大きな効果があります。
リスニング時の脳内処理は、①音を正しく聞き取る②聞き取った音から意味を理解するという2つのプロセスを踏みます。
例えば「How are you?」と流れてきた音声を「How are you?」と言ったんだな、と認識するのが①音声知覚の能力です。
次に「How are you?」の意味が「調子はどうですか?」であると理解するのが②意味理解の能力です。
そして多読トレーニングで身につくのは②の英文の処理能力です。
上の例では「How are you?」という短い例文でしたが、実際のリスニングでは複雑な文章や長い文章を瞬時に頭の中で処理していかなければなりません。
リスニングが伸び悩んでいる方の中には「何度も聞けば聞き取れるけど、初めて聞くときは英文の処理が追いつかない」と感じている方もいるかも知れません。
通常のスピードで読まれる英文は1分間に150語程度ですから、逆に言うと1分間に150語の英文処理能力がなければ、聞き取った内容を理解するのには間に合わないということになります。
ですから、リスニング能力を高めるには聞き取った後の英文処理能力を鍛える必要があり、そのためにもっとも有効なトレーニングの一つが多読というわけです。
英単語・英文法が定着する
英語力を高める上で語彙力、と文法力ということは非常に重要です。
しかし、単語帳、英文法のテキストを延々と繰り返すよりも、ある程度覚えた時点からは実際の英文の中で「使ってみる」ことで、語彙・文法知識はより深く定着します。
特に英単語は単語帳の最後まで行ったら、最初の単語を全く忘れてしまっていたなんてことも日常茶飯事です。
それを防ぎ単語の定着を促してくれるのが多読のメリットです。
あとで詳しいやり方を説明しますが、多読では自分が割と楽に読めるレベルの英文を大量に読んでいきます。
英文というのは分解していけば、英単語を文法のルールに則って配置したものです。
英文をたくさん読むということは、すなわちたくさんの英単語・英文法に出会う機会が劇的に増えるということでもあります。
特に重要単語や基礎単語と言われる英単語や頻出の文法事項は英文の中にも繰り返し登場するものです。
この繰り返しにより、みなさんがテキストで覚えた英単語や英文法が徐々に記憶に深く根ざしていきます。
多読をしているときはそのような意識がないかもしれませんが、しばらくトレーニングを続ければその効果に感動するはずです。
英語多読のポイント
ここからは実際に英語の多読の取り組み方を紹介していきます。
学校英語に慣れている方だと初めのうちは気持ち悪さを覚えるかもしれませんが、トレーニングの効果を最大化するために正しいやり方で多読をしていきましょう。
- 余裕を持って読めるレベルの英文を読む
- 8割の理解で速く読む
- 日本語の語順できれいに訳そうとしない
- なるべく辞書を使わない
- つまらなかったら途中でやめてOK
余裕を持って読めるレベルの英文を読む
多読に使う教材は自分が余裕を持って読めるレベルのものを選んでください。
簡単な英文や子供向けの本などは、内容がつまらなくどうしても学習者にとって抵抗があります。
読むんだったら大人向けの洋書やペーパーバックがいい、という気持ちはわかります。
しかし、そういった手加減なしの洋書を読むには最低でも15000語以上の英単語の語彙が必要です。
そして多読の目標は「速く」読むことです。
1文1文きっちり読んでいく精読トレーニングとは意味合いが変わってきますので、教材は自分が速く読めるものを選びます。
まずは簡単に読めるレベルの英文を大量に読み込んで「英語を流れに乗って速く読む」力を身に着けましょう。
8割の理解で速く読む
速く読むトレーニングをしないと、英文を速く読めるようにはなりません。
わからないところがあっても構いません。
8割程度理解できていれば、話の内容は大体理解できるはずです。
わからないところを残したまま、読み進めるのはなんとも気持ち悪く感じるかもしれませんが多読トレーニングでは重要なポイントです。
日本語の語順できれいに訳そうとしない
「下線部を和訳しなさい」
「この一文訳してみて」
いずれも中学・高校で授業中やテストでよく聞かれるセリフです。
文法などへの理解を深めるにはある程度有効な方法ですが、速く英文を読むためにはいちいち頭の中で英語の語順を日本語の語順に直して、意味を考えてつなげて理解する、というプロセスは時間がかかりすぎます。
英語を、英語の語順のまま理解するという感覚で読んでいきます。
勘違いしてはいけないのは、「英語を、英語のまま理解する」わけでは無いということです。
第二言語習得論の見地からすると、第二言語である英語を「英語のまま理解する」ことは不可能です。
必ず、母語である日本語を介して英語を理解することになります。
ですから、英語を構造の切れ目で切って前から英語の語順のまま理解していくことを強く意識しましょう。
もし、しばらくこの方法を続けても頭の中に英文の意味が全く入ってこない場合は、おそらく読んでいる英文のレベルが高すぎます。
なるべく辞書を使わない
英文を読んでいればわからない英単語、表現などがたくさん出てきます。
これらは基本的に無視してください。
一つ一つ調べていては時間がかかりすぎるし、せっかく英文の波に乗りかかっていた意識を別のところに向けてしまっては多読の効果が半減してしまいます。
全部調べたほうがより、多くのことを学べるのではないかと考えてしまうかもしれませんが、多読トレーニングの意図するところではありません。
ここは「速く」読むためのトレーニングだと割り切ってしまいましょう。
つまらなかったら途中でやめてOK
多読というのはトレーニングではありますが、本来英語を通して文章を読むというのは楽しいものです。
読んでいて「つまらないな」「このテーマは興味がわかないな」と思ったら途中で読むのを辞めてしまいましょう。
勉強だから、と根を詰めすぎては英語嫌いになりかねません。
また別の本を探せばいいだけの話です。
ちなみに後で紹介するサービスですと、多読用教材が読み放題なので「せっかく買ったのに」という気兼ねもなく教材を何度でも変更できます。
英語多読におすすめの教材
ここまで多読の効果とそのポイントを説明してきました。
多読では「余裕を持って」読める英文を「大量に」読むことが重要だとお伝えしました。
しかし、一般の洋書の中からそういった教材を選ぶのは骨が折れますし、どうしても子供向けの本ばかりになってしまいます。
そこでおすすめしたいのが語彙制限本です。
これは一般洋書を読むには語彙力が足りない学習者のために、使用される語彙数を制限して書かれた英語の教材です。
内容は国内外の小説や評論を平易に書き直したものや、オリジナルの文章もあり多岐にわたります。
この中で有名なシリーズをいくつか紹介します。
ラダーシリーズ
こちらのシリーズは使われている語彙数によってレベルが分けられており、5段階の中から自分にあったレベルの教材を選ぶ形式です。
https://www.ibcpub.co.jp/ladder/
シリーズ累計170冊以上出版されており、バリエーションにも事欠かないです。
知名度は非常に高く一般の書店でも手に入りやすいです。
通販でも買えます。
ペンギンリーダーズ(Pearson Graded Readers)
こちらも非常に有名なレベル別英語文庫。
Easystarts〜レベル6までの7段階でレベル分けされています。
また、使用語彙に加えて文法事項もレベル分けされているので、学習者にとっては取り組みやすいです。
https://www.pearson.co.jp/catalog/pearsons-graded-readers.php
月800円で多読を行う方法
多読はお金がかかります。
ある程度の量、例えば50冊読むとして1冊1,000円だと仮定すれば総額は50,000円となりかなりの出費になります。
私はなんとかこれを安く済ませられないものかと探して、こんなサービスを見つけました。
英語多読の森です。
こちらは月額800円で多読用教材を読み放題のサービスです。
上で挙げたラダーシリーズも入っています。
月10冊読むとしたら10,000円かかるところが、800円で済むのですからコスパ抜群です。
さらに電子書籍化されているので、読みたいと思った本をすぐに読める上置き場所にも困らないのも嬉しいです。
また、持ち運びは言うまでもなく、気に入らなかった本はすぐに辞めて他の本に移ってももちろんお金はかかりません。
まとめ
英語のスピード力を上げるには多読は最高のトレーニング方法です。
少しお金はかかりますが、読み放題サービスを利用することでかかるお金を抑えることは可能です。
ぜひ多読トレーニングで英語力を伸ばしてください!
コメント
コメント一覧 (2件)
高校の期末テストのとき、成績優秀なクラスメイトの教えで、教科書の範囲をひたすら音読するだけ勉強法を試したところ、嘘みたいに点数が取れたことがあります。
単語問題や発音問題、穴埋め問題にも対応できるので、定期テスト対策には効果てきめんかもしれませんね。
貴重なお話ありがとうございます。
本質的な勉強法であるからこそ様々な形式のテストでも同じように結果が出るのでしょうね、
ぜひ日々の学習に取り入れてほしいものです。