【第二言語習得理論】英語学習のやる気・モチベーションを上げる方法は??
英語学習は長い道のりです。
始めのうちはやる気が続いても、だんだんと「なぜこんなに頑張って勉強しないといけないのか」と勉強に充てる時間が減っている、という経験は誰しもあるのではないでしょうか?
この記事では、第二言語習得理論の研究をもとに、以下の疑問に答えていきます。
・自分で英語学習へのモチベーションを上げるにはどうすればいい?
・外からの刺激で英語学習へのモチベーションを上げるにはどうすればいい?
通読後はここで紹介しているメソッドを「実際にやってみる」ことを忘れないでほしいです!
自分で出来るやる気・モチベーションの上げ方
モチベーション管理を考えるときには①自分で鼓舞する ②外部からの刺激を借りるという2つの方法があります。
まずこの節では、①自分で鼓舞する視点から英語学習のやる気・モチベーションを上げる方法をご紹介します。
自分で出来る英語学習のモチベーションの上げ方は以下の5つです。
- 自己暗示をかける
- 英語学習の環境を整える
- ポジティブな感情に持ち込む
- 勉強のルーティンをあえて崩す
- 英語学習で成功・失敗した姿を想像する
1つずつ具体的な方法とともに紹介します!
①自己暗示をかける
継続的に自分に対して鼓舞するような言葉をかける自己暗示もモチベーションを高め・保持するのに有効です。
「集中しろ!鈍っているぞ!」や「ほら!もう少しだ!」など自分の中のもうひとりの自分に自分を鼓舞させましょう。
- 集中力が欠けることによって、起こるミスを想像することは集中力を保つのに有効です。
極端に言えば、自分の人生がこの問題にかかっている、くらいの想像です。
例えば、私は電車で単語アプリを勉強しているときには、「この単語の回答を押し間違えたら、電車の天井が飛んでいってしまう」などと想像して世界を救うヒーローになりきっています。
- 学習課題の締切を設定しましょう。
「締切に間に合わなければ、多大な人々に迷惑がかかる」と想像することが有効です。
そうならないようにするには、事前に締め切りに合わせて定期的な進捗チェックを行い必ず達成しようとするはずです。
- 意識的に魅力的な誘惑を断ち、取り組みたい学習に関係のない刺激を排除しましょう。
学習中、スマホが気になるならオフにするか目の届かない場所へ、電車で赤ちゃんが泣いているなら、イヤホンで音をかき消して集中しましょう。
- 湧き上がってくる邪念を認識し、それらを退けるルーティンを身につけましょう。
しばらく自分の中で湧き上がってくる邪念を観察して、意識を勉強から逸らす要因を見極めましょう。
そして、独り言で「今集中すべきは目の前のテキストで、邪念・不安については後で考えればいい」とあらためて学習の対象にだけ集中するよう自己暗示をかけます。
- 目的のない、非生産的な先延ばしは許さないようにしましょう。
だらだらと、他のことを考えているときは目標達成の障害になりますから「もうこのことを考えるのは辞めにして、目の前の勉強に集中しよう」と言葉に出してみましょう。
英語学習のときに頭に浮かぶことで、本当にその時考えなくてはならないことはありません。
英語学習のときに邪念が浮かんでくるのは、あれこれ理由をつけて英語学習から逃げたいという怠惰な気持ちです。
- 集中モードに入るための自分だけのルーティンを作りましょう。
勉強道具を揃え、机をきれいにして、雑念となるものを排除して気持ちを勉強モードに切り替えていきましょう。
- 学習の最初に全集中しましょう。
その日やることの詳細などは考えず、とりあえず一番最初に手を付ける学習のことだけに集中しましょう。
一つ一つ目の前のことにだけ集中していれば、いずれ勉強のノルマはクリアできます。
②英語学習の環境を整える
英語の学習環境を整えるというのは、①勉強の邪魔になるものを除去する②環境を味方につける、という2つの観点があります。
- 勉強の邪魔になるものを除去する
まずは勉強の際に邪魔になる騒音や、ちょっかいを出してくる友人などを遠ざけましょう。
次に誘惑となるものを目に入らないようにしましょう。
スマホ、タブレット、パソコン、タバコ、漫画などの誘惑因子は目に入れないようにしましょう。
- 環境を味方につける
環境は自ら味方になってくれるわけではなく、こちらから働きかけて味方になってくれます。
例えば、勉強会を企画することは学習環境を作り出すのに有効でしょう。
集まって、勉強せざるを得ない環境を自ら作り出しましょう。
SNSや知人などに勉強の目標を宣言しましょう。
目標を公にすることで、勉強せざるを得ない環境に自らを追い込みましょう。
「恥ずかしくて言えない」などいろいろと理由を付ける人は多いですが、単純に覚悟の差です。
一旦宣言してしまえば、後は「達成できなかったら恥ずかしい」という風に読み替えて必然的に机に向かいやすくなります。
③勉強のルーティンをあえて崩す
学習が進むにつれて登場する一番の敵は「飽き」です。
特に英語学習は、長く続ける上では習慣化が重要なので、ルーティン化するのが有効である一方で、ルーティン化することで飽きが来やすくなるというトレードオフがあります。
しかし飽きが来るのが分かっていれば対策が取れます。
- 学習に取り組む順番を変える
- 環境を変える
- 音を取り入れる
- 自分でノルマを設定して越えようとする
- 難しい問題に取り組む
- いつもよりも字を綺麗にしたり、見栄えを気にする
飽きを感じた時点で、これらを少しづつ試して自分を飽きさせない工夫を施しましょう。
④ポジティブな感情に持ち込む
- 勉強の気晴らしを取り入れましょう。
何か勉強以外の楽しいことを頭に浮かべましょう。
週末のお出かけのことや、勉強の後の楽しみにしているドラマを見ることなどを想像するのもいいでしょう。
何か没頭できることに取り組むのもいいですね。
例えば、私は仕事の合間にプラモデルを組み立てて気晴らしをしています。
部品を切り分け、ヤスリをかけ、着色をしていく作業は頭の中を空っぽにするのにうってつけだと感じています。
ゲームをすることもあります。
他には体を使うのも効果的です。
歌を歌ったり、散歩に行くのもいいですね。
ちなみに私は散歩と、キックボクシングを仕事や勉強の合間に取り入れています。
- 自己肯定感を高めることで、負の感情を相殺することが出来ます。
英語の資格試験の点数が伸び悩んでいる、何度やってもスムーズに出来るようにならないなど、英語学習で気持ちが弱り自己嫌悪に陥りそうなときにぜひ試してみてほしいメソッドです。
英語学習以外でもいいので、過去に自分が成功したときのイメージを持ちましょう。
例えば、野球部時代、練習してもなかなかレギュラーを取れなくてもなんとか愚直に努力を続けた結果、ある日練習の成果が現れて無事レギュラーになることが出来た、というのは苦境を乗り切った経験としてポジティブな感情を想起することに繋がります。
- ネガティブな出来事のいい面に目を向ける
英語学習におけるネガティブな出来事によって、気分が落ち込みそうなときは、出来事のいい面に目を向けてみることでネガティブな感情を軽減させることが出来ます。
例えば、1日勉強をする気になれなくて、毎日の勉強記録が途絶えてしまったとしましょう。
このとき「あ〜あ、せっかく積み上げてきた記録が途絶えちゃった」と考えるのではなく、「これまでよくぞ毎日続けられてきたな。1日休憩して今度は前の継続記録を超えるよう頑張ろう」という視点を持ちましょう。
- つらい状況を敢えて笑い飛ばす
失意の中でも状況を笑い飛ばすことで、一気に明るい気持ちになることが出来ます。
例えば、3ヶ月間しっかり勉強したのにテストの点数が上がるどころか下がってしまったとしましょう。
これは当人からすれば非常につらい状況であることは想像に難くありません。
しかし「ああ、なぜ勉強したのに点数が下がってしまったのだ。自分はなんてだめなやつなんだ」と考えてしまうと、そこからはどんどん気持ちが落ちていくだけです。
このとき、「3ヶ月間勉強したのに、点数が下がっているなんておかしな話だ!いずれ達人になったときに、この話をしてやろう!」と笑い飛ばすことで、脳は「これはネガティブな思考ではない」として気持ちを沈めないようにします。
- リラックス・瞑想をする
人は意識的にリラックスしたり、瞑想をすることで感情をコントロールすることが出来ます。
例えばストレスフルな状況で、息を深く・長くしていくことで自然と気持ちを落ち着けることが出来ます。
- 悩みや感情を打ち明ける
一人で抱え込んでいた問題が、誰かに話しただけでさも解決したような、ホッとした気持ちになったことはないでしょうか?
自分だけで抱え込むのは百害あって一利なしです。
話を聞いてくれる友人や家族に、自分の素直な感情を打ち明けることで感情を落ち着かせましょう。
⑤英語学習で成功・失敗した姿を想像する
英語学習で成功したときに得られる好ましい結果や、報酬などを心に持ち続けましょう。
意識的に成功した姿を想像することで、英語学習へのモチベーションを再燃させることが出来ます。
反対に、当初の目標を達成できなかった姿を想像することも有効です。
行動を辞めて、得られるネガティブな結果をリアルに想像することもそれを避けようとしてエネルギーが生まれてくることに繋がります。
外部の力を借りた英語学習のやる気・モチベーションの上げ方
前節では英語学習のやる気・モチベーションの上げ方のうち、「①自分で出来ること」について解説しました。
自分で出来ることをしても、モチベーションが上がらない方はぜひこの節で紹介する「②外部からの刺激を借りる」について、以下の4つの方法を試してみてください。
- 仲間を作る
- 一旦英語学習から離れる
- 勉強した先のあこがれを作る
- 勉強しないといけない環境に身を置く
英語学習のやる気・モチベーションを上げるためには自分で出来ることを実践しつつ、外部の刺激も利用していくといいですよ!
①仲間を作る
独学だとどうしても、モチベーションが低くなったときに英語学習の習慣が途切れがちです。
そんなときのために、同じように英語学習を頑張る仲間を見つけましょう。
対面では、英語学習サークルや勉強会に参加することで英語学習仲間ができやすいでしょう。
最近はオンラインで、SNSで英語学習仲間を見つけることも容易です。
例えば、Twitterではいわゆる「英語学習アカウント」として日々の英語学習を記録したり、試験への意気込みを投稿する学習者どうしが交流している様子をよく目にします。
また、オンラインでZOOMをつないだ学習会なども無料で開催されていることがあるので、参加してみると良いでしょう。
②一旦英語学習から離れる
どうしてもやる気がでないときは、無理せずに1週間ほど休んでみることをおすすめします。
やる気がでないときは、まず直近でのご自身の疲れ具合を確認しましょう。
- 仕事が忙しかったのではないか?
- 最近睡眠時間が短くなっていないか?
- プライベートで少し不安定な気持ちになっていないか?
- 朝日を浴びたり、運動したり出来ていないのではないか?
- 英語学習のためにリラックス時間が取れていないのではないか?
忙しくても歯を食いしばって英語学習に取り組む、というのは一見美しく、ともすれば英語上達の絶対条件に思えるかも知れません。
しかし、ストレスを感じながらの英語学習は1週間などは続けられても、5年、10年と続けられるでしょうか?
3ヶ月後に急激に成長できていても、5年後に英語学習を続けられていなければあまり大きな意味はないように思われます。
自分の心と相談しながら、「たまには休んだっていいじゃないか。5年後に続けていればOK」くらいの気構えで取り組んでみましょう。
心身を休めれば、自然とモチベーションが回復することは十分ありえます。
もし休んでも回復しないようであれば、ここで紹介している他の戦略を試してみることをおすすめします。
③勉強した先のあこがれを作る
前章「自分で出来るやる気・モチベーションの上げ方」で「①英語学習で成功・失敗した姿を想像する」という方策をご紹介しました。
こちらを別の角度から考えれば、インターネットなどで自分の勉強した先のあこがれを探してみることも有効です。
例えば、海外で英語を使ってビジネスをする日本人の姿や、インタービューに流暢な英語で回答する日本人などの姿を見て「自分もこうなりたい」と思えるようにするのです。
Youtubeなどの動画サイトでもいいですし、TwitterなどのSNSでも流暢な英語を習得したロールモデルを見つけることが出来ます。
④勉強しないといけない環境に身を置く
独学では、勉強をサボったとて注意してくる人はいません。
人間ある程度「やらなくてはいけない」という状況に置かれてはじめて、英語を勉強しようとすることもあるでしょう。
「将来的に英語が必要になったときのために」「外資系を転職の候補に入れるために」というような目標を持つことは素晴らしいですが、緊急性を先延ばしにしています。
今の英語力のまま、英語を使わざるを得ない・勉強せざるを得ない環境に身を置くことが一番の近道です。
例えば「TOEIC800点を取ったら、外資系を視野に転職活動してみよう」とするのではなく、とりあえず転職活動をしてみましょう。
採用とはならずとも、外資系の要求水準に届かないことが身を持って分かれば「絶対すぐにTOEIC800を取ってやる」というようにモチベーションが湧き上がってくることでしょう。
まとめ
この記事では以下の疑問にお答えしてきました。
・自分で英語学習へのモチベーションを上げるにはどうすればいい?
・外からの刺激で英語学習へのモチベーションを上げるにはどうすればいい?
1つ目の「自分で英語学習へのモチベーションを上げるにはどうすればいい?」に対しては、以下の5つを紹介しました。
自分で英語学習へのモチベーションを上げる方法
- 自己暗示をかける
- 英語学習の環境を整える
- ポジティブな感情に持ち込む
- 勉強のルーティンをあえて崩す
- 英語学習で成功・失敗した姿を想像する
2つ目の「外からの刺激で英語学習へのモチベーションを上げるにはどうすればいい?」については、以下の4つを紹介しました。
外からの刺激で英語学習へのモチベーションを上げる方法
- 仲間を作る
- 一旦英語学習から離れる
- 勉強した先のあこがれを作る
- 勉強しないといけない環境に身を置く
英語の指導をしていて思うのは、英語学習に成功する人は「行動力がある」ということです。
モチベーションの上がり下がりは、誰にでもあります。
しかしモチベーションが下がったときに行動を取るか、取らないかは人によって大きく分かれます。
残念ながら、「やる気が出ない」ことをいくら相談してもアドバイスを貰っても、実行しなければ変わりません。
この記事に書いてあることは考えてみれば当たり前のことばかりだったかも知れません。
しかし、この記事を読んで「やってみるか」と実際に行動に移して見る人はなにしらの変化が得られ、何もしない人は今後もインターネットで方策を調べ続けることに終始してしまうでしょう。
この記事が少しでも、あなたの長く続く英語学習に資することが出来れば幸いです。