1ヶ月で1000単語を覚えられる！効率的な英単語の覚え方と学習スケジュール

「毎日単語帳を開いているのに、なぜか頭に入らない…」「何度も繰り返してるはずなのに、すぐに忘れてしまう…」

もしあなたがそう感じているなら、それはあなたの記憶力に問題があるわけではありません。もしかしたら、これまでの単語学習法に「ちょっとした落とし穴」があっただけかもしれません。

英単語学習でつまずき、挫折を経験する人は少なくありません。しかし、ご安心ください。私自身の学習者としての経験、そして長年の指導経験を通じて、英単語がなかなか覚えられない理由には共通のパターンがあることを発見しました。そして、それらを乗り越えるための「科学的根拠に基づいた、最速で記憶に定着させる方法」も存在します。

この記事では、あなたがこれまで単語学習でつまずいてきた本当の理由を明らかにし、脳の仕組みを最大限に活用した「超効率的な英単語の覚え方」を具体的にご紹介します。もう遠回りする必要はありません。今日からあなたの英単語学習を劇的に変え、目標達成へと導くロードマップを、ぜひ手に入れてください。

なぜ、あなたは英単語を覚えられないのか？3つの落とし穴

「英単語がなかなか覚えられない」「単語帳での学習が苦手で効果を感じない」など、英単語の語彙数を増やすのにお困りの方は多いです。

私自身の学習者としての経験・指導者としての経験から、英単語を覚えられない理由は以下の3つに集約されます。

1. 学習時間が足りていないから
2. 繰り返しの数が足りていないから
3. 眺めているだけだから

落とし穴１：学習時間が足りていないから

「1日15分、8ヶ月間で1,000単語」

これが英単語学習にかけた時間と覚えられる単語数の関係です。これを多いと捉えるか、少ないと捉えるかですが、1日15分という短時間では、長期間学習しても覚えられる単語の数は劇的には伸びていきません。

単語学習は「毎日コツコツ積み重ねるもの」というイメージが定着しているため、1日の学習時間を短くしたほうがいいと思われがちですが、そうするとどうしてもトータルの学習時間は積み上がっていきません。

反対に言えば、1日の学習時間を増やせば短期間でも英単語の語彙数は増やせます。特に語彙数がネックで伸び悩んでいる方や語彙数が少ない初心者の方は、2ヶ月など期間を決めて「単語強化期間」として1日1時間など単語学習に割く時間を増やすことで大きな成長を感じられるでしょう。

落とし穴２：繰り返しの数が足りていないから

「英単語帳を3周もしたのに、全然覚えられません…才能がないんでしょうか？」

という相談を頻繁にされます。しかし、安心してください。3周で英単語を覚えられる人は特殊な才能を持つ記憶の天才です。実際、私も英検1級の学習時に単語帳を30周以上してようやく単語の意味を覚えることができました。

単語帳は数が多い分、「2, 3周もすれば覚えられるもの」と思っていると期待外れで全然覚えられないと感じてしまうでしょう。英単語の学習回数と定着率の関係は以下のようになっています。

イメージする成長曲線は一次関数的にやればやった分だけ単語をどんどん覚えられるというものですが、実際は違います。はじめのうちはやってもやっても覚えられず、15周目くらいから急激に定着し始めるのです。この理想と現実のギャップから、5周もしないうちに単語帳での学習を辞めてしまったり、結果が出る15周の直前で学習を断念してしまう人が多いのです。

落とし穴３：眺めているだけだから

何かを覚えたいとき一番やってはいけないのは黙読です。黙読では脳が活性化せず、時間をかけてもなかなか記憶が定着しません。

英単語を覚えるときもつい、英単語と和訳を交互に眺めているだけ、になりがちです。これでは眠くなってしまい、時間をかけてもなかなか英単語を覚えることはできません。

【科学的根拠あり】最速で覚えられる超効率的な英単語の覚え方

英単語は「根性で覚えるもの」と思っていませんか？実は、英単語には脳の仕組みに沿った正しい覚え方があります。ここでは、最新の認知心理学の研究と、私自身の学習者および指導者としての豊富な経験に基づき、最速で英単語を記憶に定着させる7つの秘訣をご紹介します。これらの方法を実践すれば、あなたの単語学習は劇的に変わるでしょう。

何度も繰り返し触れる

「単語帳を2、3周したけど、全然覚えられない…」そう感じているあなたは、決して才能がないわけではありません。単語を覚える上で最も大切なのは、「繰り返しの数」です。極論を言えば、どんな覚え方でも、十分な回数を繰り返せば英単語は記憶に定着します。

私自身、英検1級の学習時には、単語帳を30周以上してようやく単語の意味が明確に頭に入ってきました。2、3周で覚えられないのは当然のこと。単語学習では、諦めずに繰り返しの回数を確保することが、何よりも重要です。

意味を一つだけに絞る

あなたは、単語帳の「like: 〜を好む, 〜のような」のように、一つの単語に複数の和訳が載っているのを見て、全て覚えようとしていませんか？初期の段階では、意味は一つだけに絞って覚えましょう。派生語や類義語、関連語にまで手を広げないでください。

まずは核となる一つの意味だけを確実に覚えることで、圧倒的に速く多くの英単語に触れることができます。複数の意味を一度に覚えようとすると、脳に過度な負担がかかり、かえって記憶の定着を妨げてしまうのです。

音と意味をセットで覚える

英単語を覚える際、目で黙読するだけではもったいない！必ず音（発音）と意味をセットで覚えましょう。単語帳に付属している音声や、アプリの自動再生機能を積極的に活用してください。

音と結びつけて覚えることで、単語が記憶に残りやすくなるだけでなく、リスニングでも瞬時に意味を理解できる「使える知識」になります。ただ文字を追うだけでは、単語が文字情報としてしか認識されず、実際の英語を聞く際に苦労することになります。

自分で発音する

英単語帳を使うときは、ただ眺めるだけでなく、必ず自分でも単語の発音、和訳、例文を声に出して発音してください。自分で発音する行為は、黙読しているときよりもはるかに脳を活性化させます。視覚（文字）、聴覚（音）、そして発音する際の運動感覚（口の動き）という五感を活用することで、記憶はより強固になります。

電車内など声が出せない状況でも、口パクでも構いません。実際に口を動かすことで、運動神経と記憶が結びつき、効率的に単語を習得できるようになります。

例文とセットで覚える

英単語と和訳、発音を覚えたら、次に例文も一緒に確認する習慣をつけましょう。単語単体で和訳だけを覚えた単語は、記憶から抜けやすく、実際のリーディングやリスニングで遭遇した際に、なかなか意味がスムーズに出てこないことがあります。

例文を繰り返し読み、発音し、その意味をイメージしながら考えることで、単語が文脈の中でどのように使われるかを理解できます。これは、単語帳で覚えた知識を「実践で通用する生きた知識」へと昇華させるための重要なステップです。

復習の頻度を空ける

「復習の頻度は高ければ高いほど良い」と思っていませんか？実は、認知心理学の研究によると、復習の頻度が高すぎると、かえって長期記憶に残りづらくなることがあります。例えば、50単語を1日に3回学習するよりも、150単語を1回学習した後、少し間隔を空けて復習する方が効率的です。

脳が最も活性化し、記憶が定着しやすいのは、「うわ〜、見たことあるけど…何て意味だっけ…！」と、忘れかけた単語を思い出そうとする瞬間です。この適度な負荷が、記憶を短期記憶から長期記憶へと移行させる鍵となります。頻繁に復習しすぎると脳がフル回転しないため、覚えた気にはなっても、実際には長期記憶に定着しにくいのです。

一日に触れる単語の数を多くする

「復習の頻度を空ける」ことと関連しますが、復習の間隔を空けることで、1日に触れることができる単語の数を劇的に増やすことができます。例えば、同じ単語を1日に3回学習するのと、1回だけ学習するのとでは、同じ学習時間で触れられる単語の数は3倍になります。

復習の頻度を適切に空け、1日に触れる単語の数を増やすことで、同じ時間学習してもより多くの英単語の意味を効率的にインプットできるのです。

1ヶ月で1000語覚える！超具体的な学習スケジュール【ロードマップ公開】

英単語学習は時間をかけて少しづつ覚えていくのが一般的ですが、「語彙数が成長のボトルネックになっている」「目標達成の期日が迫っている」という場合、短期間で大量の英単語をインプットすることも十分可能です。

「1ヶ月で1,000個の英単語を覚える」ことを想定して、具体的な学習スケジュールの一例を作成しました。覚えたい語数や期間に応じて、スケジュールは読み替えていただいて構いません。（例：1日3時間で1ヶ月で2,000語など）

前提条件
学習時間	1日1〜1.5時間
覚えたい単語数	1,000語
使用教材	英単語帳（アプリがあると尚良し）

このやり方だと、1日に触れる単語の数が多くなり、苦手な単語は30周触れることになります。1ヶ月で単語帳を一周する、といった従来のやり方に比べるとスピード感があり短期間で非常に多くの単語を頭に入れることができます。

頻繁に定着度をチェックし、定着度に応じて単語の学習回数を変えることで「苦手な単語に多くの時間を割く」ことができます。また、途中からは例文音読も取り入れるため、リーディング・リスニングといった実戦でも通用し、定着率も良くなります。

スキマ時間で英単語を覚えるコツ

英単語学習は、ちょっとした時間を見つけては中断できるからこそ、スキマ時間を活用することが学習時間確保のカギとなります。ここでは、効率的にスキマ時間を活用するための3つのコツをご紹介します。

1. アプリを活用する
2. 通勤・通学時間を活用する
3. 日常のルーティンとセット化する

アプリを活用する

英単語学習と聞くと、まず紙の単語帳を思い浮かべるかもしれません。しかし、近年では英単語学習を飛躍的に効率化してくれるスマートフォンアプリが数多く登場しています。アプリを活用する最大のメリットは、その利便性と機能性にあります。

• 音声が自動で再生される: 発音を確認しながら単語を覚えることで、リスニング力も同時に鍛えられます。紙の単語帳だとCDプレイヤーやPCが必要ですが、アプリならスマホひとつで完結します。
• 学習履歴が自動で記録できる: どの単語を覚えているか、覚えていないかをアプリが自動で管理してくれます。自分で正誤をチェックする手間が省け、効率的な復習が可能です。
• 習熟度に合わせた出題ができる: 忘却曲線に基づいた復習機能や、間違えた単語だけを重点的に出題してくれる機能など、あなたの学習状況に合わせて最適化された問題が出されます。
• 持ち運びの手間がなくなる: スマホさえあればどこでも学習できるため、重い単語帳を持ち歩く必要がありません。

アプリを使うことで、スマホ一台でいつでもどこでも学習できるため、まさにスキマ時間を最大限に活かすことができます。おすすめの英単語アプリやその使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。

通勤・通学時間を活用する

通勤・通学時間は、毎日決まって発生する貴重なスキマ時間です。この時間を有効活用できれば、無理なく学習時間を確保できます。

• 電車やバスの中: 座席に座れたらアプリで単語学習、または音声を聞き流すのが効果的です。混んでいて身動きが取れない時でも、イヤホンさえあれば学習できます。
• 徒歩での移動中: 周囲に注意しながら、単語の音声を聞き流したり、覚えた単語を頭の中でリピートしてみましょう。
• 駅のホームや待ち時間: わずかな時間でも、アプリを開いて数単語だけでも目を通す習慣をつければ、塵も積もれば山となります。

日常のルーティンとセット化する

スキマ時間を最大限に活用するためには、日常生活の中の決まった行動（ルーティン）に英単語学習を組み込むのが非常に効果的です。

• 朝食を待つ間、歯磨き中: 5分でも10分でも、アプリを開いて新しい単語に触れる時間にする。
• お風呂の中: 防水スマホケースを使ったり、単語帳のコピーを持ち込んだりして、湯船につかりながら単語を眺める。
• 寝る前の5分: その日覚えた単語をざっと復習する時間にする。
• エレベーターを待つ間、レジの行列に並ぶ間: ほんの数十秒でも、アプリを開いて1単語でも覚える。

このように、すでに習慣化している行動に英単語学習を紐づけることで、「よし、勉強しよう」と意気込むことなく、自然と学習時間を確保できるようになります。「この行動の後は単語学習」というルールを自分の中で作ってみましょう。

おすすめの英単語帳・アプリ

英単語学習を始めるにあたって、自分のレベルに合った教材を選ぶことは、学習効率を大きく左右する重要な要素です。ここでは、あなたのレベルに合わせたおすすめの英単語帳とアプリをご紹介します。

中学英単語MAX3200

中学英単語MAX3200は、中1〜中3まで中学全教科書の英単語3,200語以上を収録した唯一無二英単語帳です。英会話初心者でもゼロから重要な英単語を学ぶことができ、収録語数が豊富であるため一冊学べば基本的な単語をマスターすることができます。

英検準2級 でる順パス単

英検準2級 でる順パス単は、英検単語集の超定番「でる順パス単」シリーズの準2級レベルの単語帳です。1998年シリーズ刊行以降、英検対策書として非常に人気を博している名著です。レベルとしては、高1〜高2レベルで、中学英単語を覚えた後に取り組むのがおすすめです。パス単は1〜5級までの7段階に対応してそれぞれ一冊ずつ刊行されているため、TOEIC対策のために使用する場合は準2級と2級の2冊を仕上げれば脱初心者はバッチリです。

英検2級 でる順パス単

英検2級 でる順パス単は、英検単語集の超定番「でる順パス単」シリーズの準2級レベルの単語帳です。1998年シリーズ刊行以降、英検対策書として非常に人気を博している名著です。レベルとしては、高3レベルで、高校の基礎英単語（英検準2級レベル）を覚えた後に取り組むのがおすすめです。パス単は1〜5級までの7段階に対応してそれぞれ一冊ずつ刊行されているため、TOEIC対策のために使用する場合は準2級と2級の2冊を仕上げれば脱初心者はバッチリです。

mikan

mikanは、教育系サービスの開発・運営を行う株式会社mikanが提供する英単語学習アプリです。月額サブスク型で200冊以上の英単語帳が使い放題です。全レベルに対応しているので、アプリで学習する際にはぜひ導入したいアプリです。

abceed

abceedは2025年6月時点で、累計利用者数400万人を超える英語学習アプリです。語彙学習、文法テキストの活用、リスニングの復習トレーニングなどオールインワンでアプリ内で学習を完結することができます。月額2000〜3000円と参考書1冊程度の価格でTOEIC対策や英単語学習を効率的に進めることができます。mikanに比べて英単語以外のコンテンツも使い放題のため値段は高くなりますが、TOEIC対策をしたい方にはおすすめです。

よくある質問

英単語の覚え方に関してはよくある質問にお答えしていきます。

書いて覚えるのはダメですか？

書いて覚えるのは最終手段です。2,30周したけどどうしても意味が入ってこない英単語は書いて覚えてもいいでしょう。しかし、それまでは単語帳を繰り返したほうが効率的です。書いて覚える行為はあまりにも時間がかかりすぎます。

英単語学習は朝・夜どっちがいい？

どちらでもOKです。様々な論争がありますが、私は「トータルで勉強した時間」のほうが圧倒的に大切だと思っています。自分が時間を取りやすい時間に英単語学習を行うことをおすすめします。

1日何単語ずつ覚えたらいい？

多ければ多いほどいいです。目安としては、20分で2〜300単語くらい触れられるといいです。ただし未知語がどれくらい含まれるかによって変動します。

熟語を覚えるコツはありますか？

語源を調べたり、例文で覚えたり、基本動詞の意味から考えたりするのがおすすめです。

まとめ

「英単語が覚えられない」という悩みは、決してあなた一人のものではありません。多くの学習者が経験する、共通の壁です。しかし、今日ご紹介したように、その原因は「学習時間の不足」「繰り返しの少なさ」「ただ眺めているだけ」というシンプルな3つの落とし穴に集約されます。

そして、これらの落とし穴を乗り越え、最速で英単語を記憶に定着させるための科学的根拠に基づいた7つの秘訣があります。

• 何度も繰り返し触れる: 記憶定着の絶対条件です。2,3周では足りません。苦手な単語は30周以上繰り返す覚悟で臨みましょう。
• 意味を一つだけに絞る: 初期段階では、核となる一つの意味に集中し、効率的に多くの単語に触れましょう。
• 音と意味をセットで覚える: 目と耳を使い、リスニングにも繋がる「使える知識」としてインプットします。
• 自分で発音する: 五感をフル活用し、脳を活性化させることで記憶の定着を促します。口パクでもOKです。
• 例文とセットで覚える: 単語を文脈の中で理解し、実践で通用する生きた知識へと昇華させます。
• 復習の頻度を空ける: 脳が最も活性化する「忘れかけ」の瞬間を狙い、長期記憶への移行を促します。
• 一日に触れる単語の数を多くする: 効率的な学習で、同じ時間でもより多くの単語をインプットできます。

さらに、具体的な1ヶ月1000語目標のスケジュールや、アプリを活用したスキマ時間の効果的な使い方、そしてレベル別のおすすめ教材もご紹介しました。

英単語学習は、決して才能や根性だけで乗り越えるものではありません。今回お伝えした「正しい覚え方」と「実践的なスケジュール」を組み合わせることで、誰もが確実に語彙力を伸ばすことができます。

さあ、今日から「覚えられない」の壁を打ち破り、あなたの英単語学習を劇的に変えていきましょう。小さな一歩が、大きな成長へと繋がります。