最近の英単語学習は「文章で覚えること」に重きが置かれています。
私も単語は文章の中で覚えたほうが、頭に残りやすいし実際に使える形で覚えられると思っています。
しかし、英単語を文章で覚えることにはデメリットがあります。
この記事では文脈型単語帳を使うデメリットと正しい使い方をお伝えします!
英単語を文脈で覚えるデメリット

英単語を文章で覚えるデメリットは英単語を1つ覚えるのに時間がかかってしまうことです。
文章で覚えるという英単語の覚え方は理論的に正しいと思います。
前後の文章や、話の内容などが絡み合った状態で知識を取り入れたほうが印象に残りやすいのは確かです。
しかし、英単語を文章で覚えようとすると多大な時間がかかってしまうのです。
例えば、300語の英文に新出単語が10個ほど出現する文脈型単語帳を考えてみましょう。
新出単語が多めに出てくるように書かれている文章ですから、1つの文章を読むのに3分ほどはかかるでしょう。
そしてこのとき、単語に触れた回数は1回です。
1つの単語に触れるのに18秒ほどかかっている計算になります。
通常の単語帳であれば、英単語の発音と意味を5回以上は確認できる時間です。
そして、この時間差は覚えようとする単語の数が多いほどに広がっていきます。
そうすると、必然的に繰り返し同じ新出の英単語に触れる回数は減っていきます。
英単語を覚える上では繰り返しの作業が絶対的に重要です。
この「文脈で覚える」勉強方法は1回あたりで記憶に残る量は大きいですが、時間がかかるという特性のため繰り返しの学習には不向きです。
5000語レベル習得までは単語帳は必要なし?

高校卒業レベルと言われる英単語の語彙は5000語です。
しかし、多くの英語学習者はこのレベルに達していないことがほとんどです。
この5000語というのはいわゆる基礎語彙と呼ばれ、実際の英文や会話などでも頻繁に使用されるものが多いです。
そして、私は英単語の語彙が5000語に満たない学習者は英単語帳を使う段階ではないと考えています。
というのも、文法や教科書内容の音読などの基礎トレーニングを高校レベルまで積んでいれば自然と5000語程度の語彙は覚えられるからです。
語学学習において語彙は重要です。
しかし、学習の初期段階から単語帳で英単語を覚えた場合、単語の意味は答えられるけど基礎的な英語力(文法、発音、読解)が伴っていないというアンバランスな状況に陥るでしょう。
単語は道具です。
道具の使い方を知らない人が道具ばかり集めても仕方ありません。
道具はホコリを被ってやがて忘れ去られていくことでしょう。
単語帳を使わず5000語身についた体験談
私自身は高校時代に英文読解や文法学習などを通して学習を進め、単語帳を使った英単語の暗記は行っていませんでした。
とはいえ高校では単語帳が配られていたので、一応目を通してみるかと、ページを開いてみるとほとんどの単語の意味を既に殆ど知っていたのです。
たまたま開いたページの単語を知っているだけかと思いましたが、どのページを開いても同じように単語の意味がわかったのです。
当時の私は語彙力は5000語程度だったと思います。

身を持って学習の初期段階では単語帳は無理に使わなくて良い、と感じた瞬間でした。
文脈型英単語帳の使い時&使い方
ここまで、文脈型英単語で単語を学習するのは時間がかかりすぎる、また、5000語までは単語帳を使わなくとも自然に英語学習を進める中で単語を身につけるべきという意見を述べました。
では、文脈型の英単語帳は役に立たないのでしょうか?
文脈型英単語帳の使い時


文脈型単語帳の出番は「仕上げ」にあります。
英単語の語彙が5000語を超えてくると、新しく覚えるべき英単語に英文の中で出会う回数は減っていきます。
例えば、基本単語に含まれる”like”などは文章中でも多く出会いますが、英検1級レベルの英単語”demuer”などは英文の中で出会うことはあまり多くないでしょう。
ですから、5000語を超えてきた段階では、意図的に英単語を学習しないと英単語の語彙数がそれまでのように伸びていかないのです。
その段階になったときにはまず、普通の単語帳を使います。
まずは単語に出会う回数を増やして、英単語と日本語のイメージを結びます。
そして、8割型英単語を見て日本語が頭に浮かぶようになったら文章型の英単語帳に取り組むことをオススメします。
単語帳で覚えた単語は英文の中での使い方に慣れていないため、脳内でふわふわと浮いているような状態です。
この状態のままではすぐに意味が出てこないため、使い物にならず、またしばらく触れていないと忘れてしまいます。
単語は英語の文章の中で触れることで長期記憶にしっかりと刻まれていくのです。
この段階になると文章型の英単語帳は最適です。
文章で覚えるタイプの単語帳であれば新出単語が次々と出てくるため、効率よく単語帳で覚えた知識を定着させられるのです。
文脈型英単語帳の使い方
文脈型の単語帳のおすすめの学習方法を紹介します。
3ステップを踏んで効率的に単語を定着させましょう。
なるべく訳を見ないで読んでみてください。
文脈から単語を予測することで脳が活性化して、後で単語が記憶に残りやすくなります。
和訳はすべて読む必要はないです。
単語や表現でうまく意味が入ってこなかった箇所だけ確認して、文章の意味を理解した状態を作ります。
仕上げに音読でインプットしていきます。
インプットの際は黙読よりも音読をオススメします。
声に出すことで運動記憶として単語の意味が定着し、また自然と発音も意識するためリスニング対策になります。
1周目はこの3つのステップをそれぞれの文章で行います。
2周目以降は音読だけすれば十分でしょう。
音読している途中で意味があやふやな場所があれば和訳や単語リストなどを参照しましょう。
何周すればよいかについては、決まった回数はありません。
音読していて意味がすっと入ってくるようになったらOKです。
おすすめの文脈型英単語帳
最後に目的別におすすめできる文脈型の英単語帳を紹介していきます。
自分のレベルや目的に合わせてマッチしそうなものを選んでみてくださいね。
5000語(英検2級レベル)の語彙を習得したい方におすすめの文脈型英単語帳
この記事では、5000語レベルまでの語彙は単語帳を使わずとも自然に覚えていくのが理想とお伝えしました。
とはいっても実際には早い段階で語彙を増強したいと考えている方もいるでしょう。
そんな方におすすめの文脈型単語帳が「DUO」です。
この単語帳が画期的なのは1つの例文中に新出単語が複数含まれている点です。
1つの例文に単語が3つ含まれているとしたら、500の例文を読むだけで1500語の単語を学習することができます。



僕の友人も使っている人めっちゃ多いです!
8000語(英検準一級レベル)の語彙を習得したい方におすすめの文脈型英単語帳
500語を超えたあたりからは単語帳での英単語習得が効率的になります。
文脈型単語帳もこのレベルのものは結構ありますがおすすめは、「Core 1900」です。
例文が面白いので学習しやすいです。
あと音読教材にも使えるので僕はそっちメインで使ってます。
英検を受ける方におすすめの文脈型英単語帳
英検受験を控えているのであれば「文で覚える英単語」シリーズをオススメします。
英検対策の大家である旺文社が出版している単語帳で「文単」と略されているものです。
みなさん、英検対策の単語帳で最も売れている「パス単」はご存知でしょうか?
文単はパス単の文章バージョンのようなものです。
単語の重複が多いので、パス単を覚えた後に文単で復習すれば効果倍増です。
まとめ
文脈型単語帳のまとめ
- 5000語までは単語帳はいらない
- 普通の単語帳をやってから取り組むとベスト
- 音読しながら進める
文脈型単語帳は語彙レベルが5000語を超えて、一般的な単語帳を使った学習で記憶に薄く残った英単語を長期記憶に刷り込む際に絶大な威力を発揮します。
使い方を間違えれば、大きく時間をロスすることになりかねません。
自分の学習状況をしっかりと考えて単語帳に取り組んでみましょう!
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