対訳本って何?英語多読におすすめの対訳本を紹介

皆さんは対訳本という英語の学習教材をご存知ですか?

対訳本とは本の見開き左ページに英語、右ページに対応する日本語訳が書いてある本です。

英語の原著を辞書無しで読むのが難しい人向けの英語教材としてよく使用されています。

この記事では、対訳本を読むメリットと読む上での注意点について解説していきます。

・対訳本ってどんな本?
・対訳本を読むメリットって?
・対訳本を読むときの注意点は?
・対訳本を英語学習に取り入れるべき人の特徴は?
・おすすめの対訳本は?

Kai

対訳本は独学での多読にうってつけの教材です!
ぜひ日々の学習に取り入れてみましょう〜!

目次

実際に対訳本を見てみよう

古いものですが、こちらが私の家にある対訳本です。

中身はこの様になっています。

少し見づらいですが、左側に英文が、右側に日本語訳が載っています。

英語に対する和訳がすぐ隣で確認できることから「対訳本」と呼ばれています。

この対訳本ですが、基本的には左側を読み進めていき、意味が上手く取れない箇所は右側の訳を読んでいくことになります。

対訳本を読むメリット

対訳本は英語教材としてはあまりメジャーではありませんが、対訳本ならではのメリットがあります。
しっかりと使いこなせば英語力を伸ばす上で大きく役立ってくれます!

対訳本を読むメリット

  1. 語彙が増える
  2. リーディングの正確性が向上する
  3. 小説独自の表現が覚えられる

①語彙が増える

対訳本はラダーシリーズなどの語彙制限本と違って、使用されている語彙に制限がない場合がほとんどです。

ですから、対訳本を読んでいるときには多くの未習単語に出会うことになります。

文章中の単語を、すぐに日本語訳で意味を確認できるのでたくさんの単語を覚えることができます。

また、ストーリーの流れの中で単語を覚えられるので、定着度が高く、単語帳での学習が苦手な方には理想的な単語の覚え方だと言えます。

②リーディングの正確性が向上する

対訳本は右側にプロの翻訳家が書き下ろした日本語訳が付いています。

社会人になると、誰かが隣について英語の読み方を、手取り足取り教えてくれる状況というのは難しいです。
特に初期の段階から独学で進めてきた場合、自分が「きちんと英文の意味を正しくとれているのか」に頭を悩ませることも多いでしょう。

しかし、対訳本では英文を読んだ後すぐに正しい訳を確認できるので、それまで気づかなかった単語や文法のミスに気づくことができます。

独学の際、この対訳本はあなたの隣にいてくれる先生のような存在になってくれるでしょう。

③小説独自の表現が覚えられる

文章は大別すると、論理的に事実や仮説を伝える「論説」と登場人物がストーリーを紡ぐ「小説」に分かれます。

例を挙げると「地球環境の現状と各国の対応策」のような内容が論説、「アリス・イン・ワンダーランド」のように物語が存在しているのが小説です。

大学受験まで英語の教材として使用されるほとんどの文章が論説文です。

そのせいか、多くの英語学習社が論説の読解に比べて、小説の読解が非常に苦手です。

多読の際に用いられる指標YL(=読みやすさレベル)では、論説の場合最高クラスのレベル7の文章をスラスラと読めますが、小説になるとレベル3でも時々内容を追えなくなることがあります。

これは小説独自の表現が多いからだと思います。

日本語でも論説と小説とでは使われる言い回しや、語彙、表現は大きく異なりますよね?

それと同じで、論説文ばかり読んできた日本人にとって、小説はもはや別言語で書かれた文章とさえ言えます。

対訳本の多くは小説を題材にしています。

ですから、対訳本をたくさん読むことで自然と小説によく使用される表現や語彙、そして読み方を身につけることができます。

対訳本を読む上での注意点

ここまで対訳本のメリットを見てきました。

しかし、対訳本を読む上ではいくつか注意点があります。

対訳本を読む上での注意点

  1. すべての訳を読む必要はない
  2. 英語は英語のまま理解する

①すべての訳を読む必要はない

対訳本を教材として考える場合、すべての日本語訳を読むのは得策ではありません。

理由は時間がかかりすぎるからです。

自分の解釈があっているか自信がないと、すぐに日本語訳を見たくなりますよね?

ですが、極力日本語訳を確認するのは本当に意味が取れていないときだけにしましょう。

すべての文章の対訳をみて一言一句意味を取り違えていないかを確認するのは時間がかかりますし、なによりストーリーを楽しめなくなります。

②英語は英語のまま理解する

矛盾するようですが、対訳本を読むときには、基本的に英文を読むときは頭の中で日本語訳を行わないようにしましょう。

学校教育では、教科書の内容を丁寧に日本語に訳していく学習をしていたと思います。

しかし、対訳本を読む段階は「多読」と呼ばれ、たくさんの文章を浴びるように読むことで読解のスピードを上げていく必要があります。

検定試験や受験でも、学校英語のようにいちいち日本語訳を組み立てていては大量の英文を読みこなすことはできません。

ですから、対訳本を読むときも日本語訳を考えて読むのではなく英語のまま読み進めることをオススメします。

文章の意味がつかめないときや語彙・表現がわからない箇所だけ日本語訳をさっと確認する程度にしましょう。

対訳本を英語学習に取り入れるべき人の特徴は?

対訳本のメリット・デメリットを踏まえて、対訳本を英語学習に取り入れるべき人の特徴は以下です。

  1. 基本的な英文なら自力で読める人
  2. 教材ではなく、物語で英文を読みたい人
  3. 自分の訳を確認しながらリーディングの練習をしたい人
  4. 小説を読みこなせるようになりたい人

基本的な英文なら自力で読める人

教材のレベルにもよりますが、基礎的な英文読解の力がある方に対訳本はおすすめです。

というのも、対訳本は受験参考書のように英文の解説が付いていないためです。

英文のほとんどが読めない状況では、リーディングの力がつきづらいため、あまりおすすめできません。

対訳教材をパラパラと読んでみて、ある程度自力で理解できるレベルのものを選びましょう

教材ではなく、物語で英文を読みたい人

受験や資格試験の英文はほとんどが説明文で、小説が題材になることは多くありません。

これが苦にならない方はいいですが、楽しみながら英語の多読に取り組みたい場合は物語文が中心の対訳本がおすすめできます。

後で紹介しますが、対訳本はたくさんの種類の物語で出版されていますから、自分の好きな題材でリーディングが出来ます。

自分の訳を確認しながらリーディングの練習をしたい人

個別指導を受けている学生さんなら話は別ですが、社会人の方で先生からマンツーマンで精読のレクチャーを受けている人は多くないでしょう。

大人の学び直しを独学で行っている場合、「自分の解釈って正しいの?」というのが常に疑問としてつきまといます。

実際、私が精読の質問を受けると多くの学習者が構文を取り違えていたり、意味の解釈を誤っていたりすることは多々あります。

対訳本は、隣に正しい訳が書いてあり、不安な場合は自分の解釈をすぐに確認できるので、独学でリーディングの正確性を向上させたい方にもおすすめです。

小説を読みこなせるようになりたい人

英語の小説を読んだことがある方は分かると思いますが、小説で使用される語彙・表現は受験英語などとは大きく異なります

ですから、かなりの実力がある方でも、辞書や検索なしに英語の小説を自力で読み進めるのは苦難の業です。

とはいえ、小説を読めるようになるには、小説を読みながら地道に独特の語彙・表現を覚えていくのが近道です。

普通、小説の語彙・表現がままならないまま、読解をはじめると逐一未知の英単語や表現を調べるため、ストーリーに集中できずイライラが募っていきます。

しかし、対訳本ならすぐ隣に語彙・表現の和訳が載っているためストレスなくストーリに集中できます

また、同じ語彙・表現が何回も出てくれば自然と小説語彙・表現が記憶できるため、英語で小説を読めるようになりたい方の入門教材として、対訳本は非常に優秀だと言えます。

おすすめの対訳本は?

対訳本を購入する際におすすめの出版社・シリーズを3つ紹介します。

ご自身の用途・趣向に合わせて選んでみてくださいね。

IBC対訳ライブラリー

対訳本の中で、もっとも種類が豊富なのがこちらのIBC対訳ライブラリーです。

私も高校生の頃、こちらの「シャーロック・ホームズ」シリーズを読解の素材にしていました。

話の展開も分かりやすく、内容もどんどん次が気になるものになっているので退屈せずに読み進められるでしょう。

南雲堂

少し古い本ですが、南雲堂の対訳本は文学的な読み物を読みたい方におすすめのラインナップです。

以下はすでに紹介した通り、私の実家にあるものと同じヘミングウェイの「老人と海」です。

出版がかなり昔なので、訳が少し古めかしい部分もありますが、骨太な内容でリーディング素材を探している方にはおすすめです。

ピーターラビットシリーズ

ピーターラビット・シリーズは、イラスト付きの対訳本です。

カラー付きの挿絵が入っており、内容も子供向けで非常に分かりやすいため、最初の1冊におすすめです。

お子さんが英語に親しむために用いるのもいいかもしれません。

まとめ

この記事では対訳本の使い方とメリット・注意点を紹介しました。

対訳本まとめ

  • 語彙が増える
  • 独学しやすい
  • 小説独自の表現が覚えられる
  • すべての訳を読む必要はない
  • 英語は英語のまま理解する

英語の多読では、語彙制限本と対訳本が役に立ちます。

どちらもメリット・デメリットがありますが、対訳本を上手に活用できれば、ストーリーが負えなくなるストレスを感じずに楽しく英語学習を進めることが出来ます。

ぜひ日常の多読にも対訳本を取り入れてみてくださいね!

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この記事を書いた人

現役の英語コーチ・講師が英語学習に関するお役立ち情報を発信中!
TOEIC985・英検1級保有

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