英語スピーキングテストの対策9つのコツ!
近年、リーディング・リスニングに加えて、スピーキングのテストが評価されるようになってきています。
読み・聞きだけでなく、会社や学校などでも「話せる」ようになることが求められています。
スピーキングのテストを受験する際には抑えておくべきコツがあります。
この記事では以下の疑問・悩みに答えていきます。
・スピーキングテストの採点項目は?
・スピーキングテスト対策のコツは?
スピーキングのテストスコアをどんどん上げていきましょう〜!
スピーキングテストにおいて対策すべき7つの採点項目
まず、スピーキングのテストで評価の基準となる項目について解説していきます。
テストのスコアを効率良く上げるためには、「何が評価されるのか」を知っておくことは必須です。
スピーキングテストの評価項目は主に以下の7つです。
- 発音
- 語彙
- 文法
- 流暢さ
- 論理性
- リスニング
- コミュニケーションスキル(態度)
1つずつ詳しく見ていきましょう!
①発音
英語と日本語で全く同じ発音はありません。
いわゆる「カタカナ読み」では、相手に聞き取ってもらえません。
発音で高い評価を得るためには以下の要素を学習するといいです。
- 音素
- 音声変化
音素とは音の最小単位です。
例えば、/tíːθ/などの発音記号に含まれている/t/, /íː/, /θ/のことを指します。
この最小単位の音素の時点で発音を誤っている場合、英文全体を読んだときに相手に英文を認識してもらえない可能性が高くなります。
例えば、日本語の「ア」に相当する音素は/ə/, /æ/, /ʌ/, /ɑ/の4つ存在します。
hat/hæt/, hut/hʌt/, hot/hɑt/はこの音素の発音が出来ないと、大きな誤解に繋がってしまいます。
次に、音声変化とは単語内、および英単語同士の間で発音される際に辞書通りの読まれ方とは異なる読まれ方になる際のルールです。
例えば、例えば「get out」が速く読まれると「ゲラウト」に聞こえるようになるのは一定のルールに沿って「ゲット アウト」という読みから変化しているためです。
音声変化がマスターできていないと、発音が忙しく聞こえたり、なめらかに読むことができなくなったりしてしまいます。
②語彙
語彙の観点では以下のポイントが評価されます。
- 英単語を場面や相手に応じて適切に使えているか
- 同じ表現ばかり使わずに、幅広い表現が使えているか
英単語は同じ意味を持っている単語でも、場面や相手に応じて使い分けが必要なことが多いです。
例えばrealize, notice, recognizeはいずれも「気づく」という意味を持っています。
しかし、realizeは「頭で理解すること」、noticeは「感覚器官で気づくこと」、recognizeは「すでに知っているものを識別すること」という使い分けが存在します。
realizeを使う場面でnoticeを使うのは不自然ですし、逆もしかりです。
また英語では、同じ言い回しが繰り返し登場するのを避ける文化があります。
同じ言い回しを使いたいときには、他の言葉で言い換えるのが自然です。
例えば「for instance」, 「for instance」は同じ意味を表す言い換え表現としてよく知られています。
これらを気にせずに同じ英単語ばかりを使ってしまうと「この人は表現の幅がない人だ」とみなされてしまいます。
③文法
文法の観点では以下のポイントが評価されます。
- 語法が適切か
- 時制に一貫性があるか
- 英文の構造に問題がないか
- 冠詞、三単現、名詞の単複などが正しく運用できているか
語法というのは英単語の使い方のことです。
例えばcauseという動詞は「cause O to do」という形で用いられることが多く、簡単に言えば「この動詞が来たら、後ろはこうなるよね」というお決まりのパターンのようなものです。
時制に関しては特に初学者にミスが多いですが、意外と中上級者も侮れません。
過去のことを話しているのに、現在形を使ってしまったり、現在完了形を使うべきところで過去形を使ってしまったりという時制のミスにも気をつけましょう。
文法の評価でもっともウェイトを占めるのが、英文の構造上の間違いになります。
例えば「I don’t happy.」などはbe動詞と一般動詞の識別がまだ出来ていない方に見られる構造上のエラーです。
こういった文の骨格に関わるような、致命的なエラーは文法の評価項目で大きく失点する要因になります。
構造にかかわらずとも、冠詞の有無やa, theの使い分け、三単現の付け忘れ、名詞の単数・複数なども文法におけるチェック項目となります。
④流暢さ
スピーキングではライティングと違って「流暢さ」、すなわち言い直しや沈黙なくスムーズに英語をアウトプットする力が求められます。
ライティングでは、時間の許す限り書き直したり、いい表現が浮かぶまで筆を止めることが出来ます。
しかし、スピーキングにおいてそれは「流暢さに欠ける」という評価になります。
流暢さは、一朝一夕で身につくものではありませんが、日頃から英語を話す機会がないとなかなか本番でスムーズに話をすることが出来ません。
⑤論理性
論理性というのは、聞き手に分かりやすく、筋道を立ててスピーチが出来るか、ということです。
非常に簡単に言えば「ちゃんと相手に伝わる?」という観点です。
論理性は日本語の能力にも大きく依存しますが、スピーチの試験で求められる論理性というのはそこまでハードルは高くありません。
例えば「私は猫が好きです。なぜなら犬はすぐに懐いてくれるからです。」というのは非論理的であると言えます。
また、英語では「結論ファースト」が大切です。
書き言葉ほど厳密ではありませんが、スピーキングにおいても、まず自分の意見を簡潔に述べた後、肉付け部分を話していくということが重要です。
意外と多いのが「猫は好きですか?」という質問に対して
といった流れです。
結論ファーストの伝え方ではまず伝えるのは「猫が好きかどうか」です。
なぜ好きなのか、具体的な理由や肉付けは後からいくらでも付け足せばいよいですが、始めにこちらを話し始めると聞いている側は「で結論は?」とずっとお預けのまま、結局結論から逸れた回答を聞かされることになります。
これは意識次第ですぐに改善出来るので、「結論ファースト」を意識して論理的なスピーチが出来るようになりましょう。
⑥リスニング
スピーキングの試験では大前提として「相手の質問を正確に聞き取る」ことが求められます。
実際のコミュニケーションでも相手の質問が聞き取れずに何度も聞き返したり、相手が聞いていないことをトンチンカンに答えてしまっては「英会話の能力が高い」とは言えません。
自分では質問が聞き取れていない、的はずれなことを答えているという自覚が持ちづらいので、対人で事前に英会話の練習をして、フィードバックをもらえるといいですね。
⑦コミュニケーションスキル(態度)
英語というのは相手とコミュニケーションを取るための「手段」です。
ただ、英語が上手に話せれば良いというわけではなく、相手と積極的にコミュニケーションを取ろうとする態度が評価されます。
日本語で話をするときにも変わりませんが、しっかりと相手と言葉をキャッチボールして、「聞き取ろうとする」「なんとか伝えようとする」ことを心がけましょう。
スピーキングテスト対策9つのコツ
いよいよスピーキングテストで高得点を取るための対策をご紹介していきます。
具体的には以下の9つを抑えていくと、効率よく英会話の力をつけて、自分の本来の実力を発揮する事ができます。
- 沈黙しない
- 日頃から英会話をする
- 結論ファーストで話す
- 英会話の予習・復習を行う
- Yes, Noだけで終わらせない
- はっきりと自信を持って話す
- 講師からフィードバックをもらう
- 聞かれたことが曖昧なまま答えない
- イントネーション(抑揚)を極端にする
1つずつポイントを抑えていきましょう!
①沈黙しない
スピーキングのテストでは、相手から質問された後に沈黙する時間ができないようにしましょう。
スピーキングテストで沈黙してしまうと、流暢さの観点からマイナスの評価を受けます。
試験官からしても、受験者が黙っていると、質問を聞き取れていないのか、考えている最中なのか、頭が真っ白になってしまっているのかが判別できません。
考えているときなど沈黙になりそうなときは、「let me see」などつなぎの言葉を挟むことで試験官を不安にさせずにすみます。
②日頃から英会話をする
スピーキングのテストでスコアを上げるためには、日頃から英会話をしておくのが必須です。
英語学習においての黄金比はインプット7割、アウトプット3割です。
つまり週に10時間を英語学習に割くことができるなら、3時間はアウトプット学習(英作文、英会話など)に費やすのがいということです。
また、日頃から英会話をしておかないと、スピーキングの試験でとっさに言葉が出て来なかったり、対人でのコミュニケーションがうまく行かなかったりします。
③結論ファーストで話す
英語は日本語よりも論理的で、簡潔な伝え方をします。
話すときに結論をまず簡潔に述べ、その後に理由や具体例を述べるのが「結論ファースト」と呼ばれる話し方です。
④英会話の予習・復習を行う
対策ポイント②日頃から英会話をする、と書きましたが漫然と英会話レッスンをこなすよりも、前後にしっかりと予習・復習をすることでより高い効果が期待できます。
具体的な予習・復習の取り組み方を紹介します。
予習の段階では、事前に英作文をしておくことで話題に困らずに話したいことを話すことが出来ます。
また、毎回の英会話で新しく使ってみたい表現を決めておくことで、表現が固定化されずに幅を広げることが出来ます。
復習では、英会話の中で言いたかったけれど咄嗟に出てこなかったフレーズや表現などをメモにとっておき、レッスン後に再考してみましょう。
ポイントはすぐに調べるのではなく、一旦自分の知っている表現で言えないかどうかを考えてみる、という工程を挟むことです。
その後に、直接的に表せる表現をWebなどで調べてみましょう。
例えば、英会話中に「処方箋」という英単語が咄嗟に出てこずにメモしておいたとします。
レッスン後にはまず「処方箋を他の表現で表せないか」を考えます。
例えば「診察の後でもらえる薬の指示書」と言い換えれば「an instruction on the medicine which we can get after we see a doctor」とできます。
ここで自分なりの言い換えをせずに、すぐに調べてしまえば処方箋=prescriptionということがわかります。
しかし、これではいつまで経っても「辞書・ネットがないと話せない人」止まりで、咄嗟の言い換え能力は身につきません。
ぜひ英会話の復習の際には、「自分の知っている言葉でなんとか伝えられないか」を考えてみましょう。
⑤Yes, Noだけで終わらせない
スピーキングテストでは、なるべく内容に身をもたせて話をしましょう。
質問に対して、端的に答えるのは「結論ファースト」の観点から大切ですが、その後にきちんと肉付けを行うことで「コミュニケーションを積極的に取ろうとしている」「きちんと情報量のある伝達が出来る」というアピールに繋がります。
例えば「今日は新聞を読みましたか?」という質問に対して「はい」とだけ答えるだけでは、コミュニケーションを成り立たせようとしているようには思われません。
・「はい。今日は〜のことが書いてありましたね。」
・「いいえ。我が家では新聞をとっていないので、Webのニュースを見ています。」
など少しでも付加的な情報などを加えることで、コミュニケーションが成立します。
⑥はっきりと自信を持って話す
自分のレベルに関わらず、スピーキングテストでは、はっきりと自信を持って話すようにしましょう。
人間、自信がなくなるとゴニョゴニョと小さい声で、相手を見ずに話してしまいがちです。
文法が間違っていても、発音が完璧でなくても、相手に聞こえないよりは100%ポジティブな評価が得られます。
自分の今の実力をしっかり出し切って評価してもらうためにも、しっかりと相手の目を見て大きく・はっきりと話しましょう。
⑦講師からフィードバックをもらう
英会話は相手ありきですから、どうしても自分では自分の弱みや癖などが把握しきれないものです。
試験の前に、英会話のレッスンを受けて講師から自分の印象についてフィードバックをもらうのがいいでしょう。
「声が小さくて聞こえない」「結論が分かりづらい」などすぐに改善できることが見えてくるかもしれません。
⑧聞かれたことが曖昧なまま答えない
スピーキング試験でやりがちなのが、「質問がよくわからないまま答える」ことです。
「聞き返したら評価が下がる…」という思いで、聞き返さないままになんとなくで答え始めてしまう人が多いです。
確かに何度も繰り返し、聞き返したりすることは「リスニング」における評価に多少影響するかも知れません。
しかし、それ以上に質問に対して答えられない方が問題です。
聞き取れていない状態で、話し始めるのは絶対に辞めましょう。
⑨イントネーション(抑揚)を極端にする
日本語は一定のリズムで発音されるため、外国人が日本語のリスニングで苦しむのはこの抑揚のなさということが言われています。
逆に言えば、英語を日本語のように一定のリズムで話してしまうと、聞き取ってもらえないことが多いです。
例えばorangeというのは日本語にも「オレンジ」というカタカナが存在しますが、英語では「オゥレンジ」というように、誤答にアクセントを置いて話します。
これは単語レベルの話ですが、文章を読む場合にはさらにどの単語を強く読むのか、という観点も加わります。
思っている以上に抑揚をつけて、強く読むところは強く・長く・ゆっくりと、弱く読むところは弱く・短く・素早く発音するようにしましょう。
まとめ
この記事では、スピーキングテストの採点項目と対策のコツについて解説しました。
採点項目については以下の7つを意識すると良いでしょう。
- 発音
- 語彙
- 文法
- 流暢さ
- 論理性
- リスニング
- コミュニケーションスキル(態度)
採点項目をもとに、スピーキングテストの対策としては以下のようなことが考えられます。
- 沈黙しない
- 日頃から英会話をする
- 結論ファーストで話す
- 英会話の予習・復習を行う
- Yes, Noだけで終わらせない
- はっきりと自信を持って話す
- 講師からフィードバックをもらう
- 聞かれたことが曖昧なまま答えない
- イントネーション(抑揚)を極端にする
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