【結論は出ています】TOEICと英会話どちらを優先して勉強するべき?
社会人の英語学習では「TOEICが評価される」と聞けば今度は「これからは英語が話せる人材が必要」ということをよく聞きます。
しかし、学習者からしたら「結局、どっちを勉強したらいいの?」というのが気になりますよね。
この記事では現役の英語コーチである私が、以下の悩み・疑問に答えていきます。
・TOEICと英会話はどちらを優先して勉強するべき?
・TOEICの勉強は英会話に役立つのか?
・TOEICスコアが高くても英会話はできないのはなぜ?
この記事を読めば「これから自分はどうするか」が分かりますよ〜!
TOEICと英会話はどちらを優先して勉強するべき?
結論から言うと、TOEICスコアや勉強の目的から以下のように決めるのがおすすめです。
・TOEIC550未満
→基礎学習学習に専念
・TEOIC550以上で簡単な英会話が出来るようになりたい
→英会話学習に専念
・TEOIC550以上で期間的な余裕がある人 / とりあえず英語力を高めておきたい人
→TOEIC(インプット)学習と英会話学習(アウトプット)を並行
1つずつ詳しく見ていきましょう!
TOEICの学習に専念したほうがいい人の特徴
TOEICが550に満たない人は、まずTOEICの勉強、というよりも英語の基礎的な内容に絞って学習を進めていくのがおすすめです。
英語の基礎となる「発音・単語・文法」は英会話とTOEICに共通する基礎の知識です。
TOEICはスコア550が国際指標のCEFRにおいて、B1=脱初心者レベルとされています。
ここに満たないうちは、まだ初学者であり、基礎的な知識が不足しているということが言えます。
B1未満の人はまず、発音・単語・文法を勉強した後、TOEICが550になるまではリーディング・リスニング学習に注力していくのがおすすめです。
ちなみにこの時点ではTOEICの英文や音源はレベルが高すぎるため、TOEICの問題集などを教材に使う必要はありません。
あくまで基礎学習→高校レベルのリーディング・リスニングの学習の成果確認として、自然とTOEICが550を超えたら、最低限の基礎が整ったと判断できるレベルになったと言えます。
TOEICが550を満たしている場合で、さらにTOEICのスコアを最優先で伸ばしていきたい人はこのままインプットに特化していくことになります。
TOEICを伸ばすことで、昇進・昇格、就活、転職、受験において手っ取り早く高い評価を得ることが出来ます。
TOEIC対策といっても、基礎レベルを終えたばかりの人がいきなりTOEICの教材で勉強するのはレベルがかけ離れているので、徐々にリーディング・リスニング教材のレベルを上げていき、試験前にはTOEICの過去問をたくさん解いていくことになります。
英会話の学習に専念した方がいい人の特徴
TOEICで550が特に対策をせずに取れるようになったら、基礎は完成です。
ここからはようやく、英会話の学習に取り組めるようになります。
日常英会話でのやり取りを目標とする場合、TOEIC550を超えるような語彙や構文は不要です。
むしろそれまでに培った中学〜高校基礎英語を「知っている」レベルから「使いこなせる」レベルに引き上げる作業の方が重要です。
TOEICが550を取れている場合は、英語の基礎知識を「知っている」と言えます。
しかし、中学英文法・英単語を「使いこなして」瞬時に英文を話すことは出来ないはずです。
基礎知識を繰り返し、口をついて出るようになるまで練習しながら、英会話の実践を行うといいでしょう。
TOEICと英会話の学習を並行したほうがいい人の特徴
TOEICスコアが550以上で、直近で英会話やTOEICのスコアを上げる必要がない場合は、両者を並行して進めていくのがおすすめです。
第二言語習得理論からすると、インプット7割・アウトプット3割が英語学習の黄金比率です。
インプットというのは単語・文法・リーディング・リスニングといった受動的な活動で、アウトプットとは英会話・英作文などの産出的な活動を指します。
ですから、試験が迫っているなどの理由がない場合はTOEIC対策となるインプット学習を7割、英会話などのアウトプット学習を3割行っていくのが理想です。
いわば王道ルートとも言えます。
特に、「今すぐに英語を使うわけではないけれど、今後のキャリアアップに繋げるために勉強しておきたい」という方は、この王道ルートで学習を進めておけば、いざというときにもTOEIC・英会話両方で高い成果を出すことが出来るようになるはずです。
TOEICの勉強は英会話に役立つのか?
結論から言うと、TOEICの学習は英会話に役に立ちます。
理由は以下の2つです。
- TOEICの基礎と英会話の基礎は共通しているから
- 英会話・スピーキング力を伸ばすのにもインプット学習は必要だから
理由①TOEICの基礎と英会話の基礎は共通しているから
冒頭でも説明したとおり、TOEICであろうが英会話であろうが、もとは同じ英語です。
発音・語彙・文法というのは両者に共通して必要な基礎です。
TOEICの勉強をしていると、自然と発音・語彙・文法を学ぶことになりますから、TOEICのスコアが高い人のほうが基礎が出来上がっている可能性が高く、英会話も伸びやすいです。
理由②英会話・スピーキング力を伸ばすのにもインプット学習は必要だから
前述の通り、英語学習の黄金比率はインプット7割・アウト3割です。
たとえ英会話を伸ばしたくても、英会話だけしていればいいわけではありません。
英会話にかけた時間の倍以上はインプット学習をすることで、効率よく英語の力を伸ばすことが出来ます。
TOEIC学習におけるインプット学習(単語、文法、リーディング、リスニング)も十分アウトプットの力に繋がります。
TOEICスコアが高くても英会話はできないのはなぜ?
「TOEICスコアが800あるのに、英語が話せない」というのはよく聞く話です。
反対に「TOEICスコアが550なのに、英語が話せる」という人もいます。
これはなぜなのでしょうか?
理由は2つです。
- TOEICはインプットの能力を測る試験だから
- 例文データが不足しているから
- アウトプットの学習が少ないから
理由①TOEICはインプットの能力を測る試験だから
実はTOEICには複数の種類がありますが、一般に言うTOEICはTOEIC L&Rを指します。
これはその名の通り「リスニングとリーディングの能力を測る試験」です。
ですから、TOEICのスコアが高い=インプット能力が高いことの証明にはなりますが、英会話(スピーキング)ができるということにはならないのです。
理由②例文データが不足しているから
第二言語習得理論では、口をついて出る形で頭の中に入っている英文・文法事項を指して「例文データ」と呼んでいます。
これは英会話のときの反射神経にも直接繋がる話です。
英語が話せる人というのは、文法事項を使った構文・適切な語彙(語法)へのアクセスが非常に速く出来ます。
例えば、以下のようなステップを超高速で出来るようになっているわけです。
「昨夜おもしろいTVを見て夜ふかししていたから、今眠い」みたいなことを言いたい
①soで文をつなぐ
②夜ふかしはstay up late
③watchのところは分詞構文で表せる
④時制は過去、現在だな
I stayed up late watching an interesting TV program last night, so I am sleepy now.
反対にTOEICスコアが高く、十分な知識量があってもこのプロセスに時間がかかれば英語を話せるとは言えません。
例えば、TOEICスコアが十分取れている方なら、soが順接であること、stay up lateの意味、分詞構文や時制のずれなどの知識はすべて言われれば分かるはずです。
しかし、自分でそれらを瞬時に選択して引き出す事はできないわけです。
ここにインプットレベルの知識と、アウトプットレベルの知識の差が出てきます。
理由③アウトプットの学習が少ないから
インプット学習をひたすら続けていれば、TOEICのスコアが上がっていきますが、英会話は出来るようにならないでしょう。
繰り返し述べている通り、学習時間の3割はアウトプットに充てるのが理想です。
いくらインプット能力が高くても、アウトプットの学習を行っていなければ、英会話は出来るようになりません。
日本人は英語を話せない、ということをよく聞きますが、日本の教育でアウトプットに掛けていた時間は1割未満ではないでしょうか?
これでは当然話せるようにはなりません。
TOEICと英会話の優先順位に関してよくある質問
- TOEICと英会話を並行して勉強することは可能ですか?
-
はい。
英語学習の黄金比率はインプット7割、アウトプット3割です。
TOEICはインプットの勉強、英会話はアウトプットの勉強になります。
ですから両者を割合を守りながら並行して進めるのが効率の良い英語学習と言えます。 - 1日の勉強時間が30分しか取れない場合でも、TOEICと英会話の勉強を並行できますか?
-
はい。
1日の中でインプット7割・アウトプット3割は難しいかも知れませんが、例えば週単位で調整するのも1つの手です。
例えば平日はインプット、休日はアウトプットとして英会話に取り組むなどで調整出来そうですね。 - TOEICと英会話を並行して勉強するメリットとデメリットは?
-
メリット
- 黄金比で勉強することで、バランス良く英語力を伸ばしていくことができる
- 勉強に飽きが出づらい
デメリット
- 資格試験などでの即効性がない
- 複数の勉強を並行する必要がある
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