TOEICは独学できる?効率的な勉強法や参考書を解説!
TOEICの学習をするときには、独学かプロの手を借りるかという選択肢があります。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、そもそも独学でTOEICスコアを伸ばすことは可能なのでしょうか?
この記事では、TOEICの独学について以下の疑問に答えていきます。
- TOEICは独学できる?
- TOEIC独学の5ステップ
- 独学でTOEICスコアを伸ばす勉強法や参考書は?
TOEICは独学できる?
結論から言うとTOEICは独学できます。
TOEICは多くの参考書が出版されており、Googleで検索すれば勉強方法や体験談などもたくさん出てくるため、情報を集めることも難しくありません。
実際に私も留学経験はなく、独学でTOEIC985点を取得することができました。
しかし、独学にはいいところも悪いところもあり、独学が向いている人と向いていない人がいます。
英語を勉強する人が全員が「独学で十分」や反対に「独学は非効率」ということではありません。
自分の状況にあわせて、独学でTOEICの勉強をするのか、スクールや英語コーチングの力を借りるのかを決めるといいでしょう。
独学が向いている人の特徴
- 大学受験などで長期間勉強を頑張った経験がある
- 自己管理能力が非常に高い
- なるべくお金をかけずに勉強したい
- スコアアップの期限まで余裕がある
TOEICのスコアアップには時間がかかります。
下の図は現在のスコアから目標のスコアに到達するまでにかかる時間の一覧表です。
例えば現在TOEICスコアが250点の人が950点に到達するまでには1750時間かかることが予想され、これは毎日1時間勉強した場合5年近くかかることになります。
スコアを100点伸ばしたい場合でも200〜325時間かかることが予想されるため、長期間継続的に学習を続けていく必要があります。
これまでの人生で長期間にわたって大学受験や資格取得のために学習した経験がある方はTOEICの独学でも成功しやすいでしょう。
社会人になってからの自己研鑽は、日々の生活の合間を縫って時間を捻出する必要があります。
TOEICスコアアップのためには仕事、家事、育児など毎日忙しい中で平日勉強し、心身を休めたい休日にも勉強しなくてはなりません。
そのため、かなり自己管理能力に自信がある人ならば独学でもTOEICスコアアップを達成できる可能性が高いです。
TOEIC対策のためにスクールや英語コーチングを頼むとお金がかかります。
なるべくお金をかけずにTOEICスコアアップを目指す場合独学をすることでお金を節約することができます。
独学はプロがバックアップする場合に比べるとスコアアップの効率は悪くなりがちです。
しかし、目標のスコアを達成するまでに期間的な余裕がある場合、焦って勉強する必要はないでしょう。
自分のペースで年単位で徐々にスコアを上げていきたい場合、独学でも十分だと言えます。
独学が向いていない人の特徴
- 今まで長期間勉強したことがないor失敗したことがある
- 効率的な学習方法を知りたい
- 誰かに管理されないと勉強できない
- スコアアップまでに時間がない
今まで長期間に渡って計画的に学習をしたことがない、失敗したことがある場合、独学はおすすめできません。
すでに表で示した通り、TOEICのスコアアップには数百〜数千時間の学習時間が必要となります。
数ヶ月〜数年の学習を継続する場合、これまでに経験がなかったり、学習の継続に失敗したりしたことがある場合プロの手を借りることで学習を継続しやすくなるでしょう。
TOEICの対策スクールや英語コーチングでは、TOEICのスコアアップに効率的な学習方法を実践しています。
特に私も提供している英語コーチングでは、第二言語習得論といって第二言語を習得するプロセスを科学的に明らかにする学問に則った英語学習方法を提供しています。
一度通うことで、正しい英語学習の理論を習得し今後の英語学習も効率的に進めることができるようになります。
社会人の学習は学校や塾と違って提出物などもないため、非常に高い自己管理能力がないと長期間学習を継続するのは難しいでしょう。
もし「コツコツ継続するのが苦手」「誰かに見られている状況じゃないとやる気が起きない」という場合は、独学は避けたほうが無難です。
「半年後にTOEIC800点を取らないといけない」というようにスコア取得の期限が迫っている場合、独学ではなくプロの手を借りることで効率的なスコアアップを実現できるでしょう。
具体的にはTOEIC対策スクールや、私も運営している英語コーチングなどを受講するのがおすすめです。
TOEIC独学の5ステップ
TOEICを独学で勉強する場合、以下の5つのステップを踏むことで目標を達成しやすくなるでしょう。
- 目標スコアを設定する
- 現状のスコアを知る
- 受験日を決める
- 学習スケジュールを決める
- 学習を継続する
目標スコアを設定する
一番はじめにTOEICで取得したいスコアを設定しましょう。
TOEICのスコアは5点刻みの990点満点です。各スコアのレベル感を知って現状の確認や目標設定に役立てましょう。
まずTOEICを運営するIIBCによると、TOEICのスコア別のレベル感と企業が期待するスコア、コミュニケーションは以下のようになります。
スコアが10〜215点はEランク、220〜465点はDランク、470〜725点はCランク、730〜855点はBランク、860〜990点はAランクとなり、海外部門の社員には570~810点のスコアを期待する企業が多いということです。
また2023年度実施回の平均スコアは612点となっており、スコアの分布は以下のようになっています。
また、以下の図を見ると実際に多くの企業がTOEICのスコアを採用・昇進の基準に持っていることが分かります。
日系大企業では最低要件として平均スコアと同程度の600点以上を掲げています。また特に海外との取引や駐在が多い業界や外資系企業では800点以上を必要とする企業もあります。
これらはあくまで目安であり、管理職以上の役職、外資系投資銀行、海外部門などではより高いスコアが求められる傾向があります。
いずれにせよ、TOEICスコア600点以上からは履歴書に書くことができるスコアだと言われています。
スコアのレベル感や企業からの評価の相場感が分かったら、自分がどのスコアを目指すのかを決めましょう。
「とりあえず高い点数」ではなく、「まずは平均の600点」「外資系に転職したいから800点」など明確な目標を持って学習に臨むことで、常に目標意識を持ってモチベーション高く学習できるでしょう。
すでに目指す企業や業界が決まっている人は、公表されている採用条件に含まれるTOEICのスコアを確認するといいでしょう。
また社内昇進を目指す人は、社内情報から求められるTOEICスコア探してみるといいでしょう。
現状のスコアを知る
目標が定まったら現時点での自分のスコアを知りましょう。過去にTOEICを受けたことがある人はそのスコアでもOKです。
おすすめは「公式問題集」といってTOEICを開発するETSが発行するTOEICの模試で、2回分が収録されていますのでこちらを通しで解いて予測スコアを出してみましょう。
実施するときは120分しっかりと時間を測ってなるべく本番と近い環境で取り組みましょう。
時間がない方はabceedやSANTAといったアプリで短時間で予測スコアを算出することもできます。ただし、公式問題集で120分測って取り組んだほうが精度が高い予測が可能です。
公式問題集を解いた後は、以下のような巻末の正答数とスコアの対照表からおおよそのスコアを算出できます。
Listening Section | Scaled Score Range | Reading Section | Scaled Score Range |
---|---|---|---|
96-100 | 475-495 | 96-100 | 460-495 |
91-95 | 435-495 | 91-95 | 425-490 |
86-90 | 405-475 | 86-90 | 395-465 |
81-85 | 370-450 | 81-85 | 370-440 |
76-80 | 345-420 | 76-80 | 335-415 |
71-75 | 320-390 | 71-75 | 310-390 |
66-70 | 290-360 | 66-70 | 280-365 |
61-65 | 265-335 | 61-65 | 250-335 |
56-60 | 235-310 | 56-60 | 220-305 |
51-55 | 210-280 | 51-55 | 195-270 |
46-50 | 180-255 | 46-50 | 165-240 |
41-45 | 155-230 | 41-45 | 140-215 |
36-40 | 125-205 | 36-40 | 115-180 |
31-35 | 105-175 | 31-35 | 95-145 |
26-30 | 85-145 | 26-30 | 75-120 |
21-25 | 60-115 | 21-25 | 60-95 |
16-20 | 30-90 | 16-20 | 45-75 |
11-15 | 5-70 | 11-15 | 30-55 |
6-10 | 5-60 | 6-10 | 10-40 |
1-5 | 5-50 | 1-5 | 5-30 |
0 | 5-35 | 0 | 5-15 |
また、現状スコアと一緒に現状の語彙力=すぐに意味がわかる英単語の数を測定しましょう。
語学力=語彙力と言っていいくらい、TOEICにおいても語彙数とスコアは比例しています。語彙数というのは日本語の訳がすぐに出てくる英単語の数です。
TEOICにおいては、目標のスコアの10倍の語彙数を持っていることが理想で、例えば500点を目指すなら5000語、800点を目指すなら8000語といった語彙数となります。
この語彙数はTest your English vocabularyというサイトで5分程度でチェックすることができます。
回答を終えると以下のように結果が表示されます。例えば以下の場合だと語彙力は10,436語あることになります。
意味が分かる英単語にチェックを入れていくだけで語彙力が簡単に測定できます。いろいろ試しましたがこちらのサイトは割と正確だと思います。
例えば目標のTOEICスコアが650点の場合、理想の語彙力は6500語となります。こちらのサイトで測定した語彙力が4000だった場合、語彙力を鍛えることがスコアに直結します。
受験日を決める
現状のスコアと目標のスコアが定まれば、以下の一覧表(再掲)から必要な学習時間の概算値が分かります。
こちらの学習時間と一日に確保できる学習時間から、TOEICの受験日を決めましょう。
例えば、現在350点で550点を一旦の目標に設定した場合、約450時間の学習時間が必要だと分かります。
一日あたり1.5時間ずつ勉強できる場合、300日=10ヶ月程度で目標時間に到達できます。
今が1月1日だとすると10ヶ月後の11月のTOEICを受験するのが現実的です。
TOEICの公式サイトから、11月前後のTOEICの開催日程を調べてカレンダーに受験予定日を入力しておきましょう。
(申し込み自体は先なので、あくまで予定としてカレンダーに入力しましょう。)
カレンダーに入力することで、「実際にこの日に受験するのだ」というのが具体的になり、目標を達成しやすくなりますので必ず実施しましょう。
学習スケジュールを決める
TOEICについて理解が深まったら、いよいよ学習計画を作っていきましょう。0からのTOEIC受験を想定した学習計画の作り方の一例をご紹介します。
ここまでに確認した事項を織り込んで、自分専用の学習プランを作りましょう。
- スコア別のレベル感を知る
→OK - 目標のスコアを決める
→まずは500点(1年後) - 現状のスコアを知る
→解いた結果350点(リスニング200点、リーディング150点) - TOEICの受験日を決める
→11月18日(カレンダーに入力済み) - 1日の学習時間を決める
→1日1.5h - 机に座れる時間、電車で取れる時間などを確認する
→机に座れるのは1h、電車やスキマ時間で30分
仮にここまでの項目をもとに自分の状況・目標がはっきりしたとしましょう。
その後最終的に以下のような学習計画を立てるとよいでしょう。
こちらの学習計画では、まず最初に単語・文法・発音を学習し、発音の学習が終わったら単語・文法を4ヶ月で仕上げ、その後は中学英語の音読&シャドーイングと単語学習を並行していく形を取っていきます。
机に座れる時間は文法、発音やシャドーイングを、移動時間には単語を学習していくように生活スタイルに合わせて計画を組んでいます。
具体的にどんな学習をするかは次章で紹介していきます。
学習を継続する
学習計画が作成できたら、実際に学習を開始しましょう。
実際に学習を開始すると、忙しい日々の中で時間を作って継続するのは非常に難しいことが分かります。
以下は学習を継続するための9つのコツです。
- 習慣化出来るまで頑張る
- 定期的に実力を測る
- 目標を明確にする
- スキマ時間を活用する
- アプリを活用する
- 仲間を作る
- 学習記録を残す
- 周りに宣言する
- プロの手を借りる
これらのコツを活用することで、学習を継続しやすくなります。
それぞれの詳細については以下の記事で解説しています。
独学でTOEICスコアを伸ばす勉強法や参考書は?
- 発音と音声変化の習得
- 英単語の暗記
- 中学・高校レベルの文法習得
- 7割の力で聞き取れる英文で読む・聞く活動を大量に行う
- TOEIC模試演習
発音と音声変化の習得
一番はじめに学習するのは発音です。
発音学習で身につけてほしいのは以下の2つです。
- 発音記号
- 音声変化
発音記号(/ɑ/, /ʌ/など)とは英語の音素を表すもので、約15個の母音と24個の子音で構成されています。
正しい発音を身につけることで、リスニングでの聞き分けができるようになる、リーディングのスピードが上がるといったような効果が期待できます。
英語と日本語の発音は大きく異なります。例えば日本語の母音「あ」に近い発音は、英語では/ʌ/, /ə/, /æ/, /ɑ/など複数存在します。
本来は一番はじめに学習するべきですが日本の学校教育では学ばないことのほうが多いです。
発音を学ぶ際は動画つきの教材がおすすめです。
英語の会の発音記号3時間マスターは動画とセットで発音記号を学習できます。書籍で学習したい方はDVD&CDでマスター 英語の発音が正しくなる本がおすすめです。
発音記号は数が多くないので、数時間程度で学習を終えることができます。実際に発音しながら、学習してみましょう。
音声変化とは文章を読むときに発音が変化する現象のことで、大きく5つに分類できます。
英語の文章を読めば分かるのに、うまく音が聞き取れないのは音声変化が発生しているためです。
音声変化のルールを学ぶことで、リスニング力を効率的に上げることができます。2週間程度で一通りのルールは学習できます。
音声変化を学習する際には、kindle版とハードカバーがある5つの音声変化がわかれば英語はみるみる聞き取れるがおすすめです。
発音の学習を終えたら、自分の発音の正しさをチェックできるELSA Speakなどのアプリでテストを受けるのがおすすめです。
画像のように発音の正確さが数値で確認できます。
音声記号別に発音の正確度を診断することもできるので、例えば/ʌ/の発音は90%出ているけれど/ə/の発音が30%という数字の場合は、後者の音素を復習する、といった効率的な学習ができます。
ELSA Speak: AIで英会話・英語の学習・発音を改善
Elsa Corp無料posted withアプリーチ
英単語の暗記
語学力=語彙力と言っていいくらい、TOEICにおいても語彙数とスコアは比例しています。語彙数というのは日本語の訳がすぐに出てくる英単語の数です。
TEOICにおいては、目標のスコアの10倍の語彙数を持っていることが理想で、例えば500点を目指すなら5000語、800点を目指すなら8000語といった語彙数となります。
すでに紹介したこちらのTest your English vocabularyというサイトで5分程度でチェックすることができますので、まだチェックしてない方はぜひ早速実施してみましょう。
例えば目標のTOEICスコアが650点の場合、理想の語彙力は6500語となります。こちらのサイトで測定した語彙力が4000だった場合、語彙力を鍛えることがスコアに直結します。
99%の人は目標スコアに対して語彙が足りていないので、語彙学習はほぼ必須です。
単語帳はレベル感に合ったものを選ぶのが大切です。すでに実施した語彙力テストの結果をもとに、自分のレベルに合った単語帳を一冊やり抜きましょう。
キクタンTOEIC(R) L&Rテストシリーズです。4冊出ていますので、語彙数に合わせてどれにするかを決めるのがいいでしょう。
- 語彙力が4000以下の人→SCORE500
- 語彙力が4000〜5000の人→SCORE500
- 語彙力が5000〜6000の人→SCORE800
- 語彙力が6000以上の人→SCORE990
kindle版とペーパーバック版があるので好きな方を選ぶといいでしょう。
アプリで学習したい場合はmikanがイチ推しです。
スマホでスキマ時間に学習したり、音声が自動で再生できたり、覚えている度で出題を変えられたり、自動で学習記録が付けられたりする点がおすすめです。
mikanの詳しい使い方は以下の記事で詳しく解説しています。
半年でTOEICを伸ばすためには以下のような流れで単語学習を行うといいでしょう。
- 1日で終わらせる
- 範囲を区切らず、最初から最後まで通しで進める
- 音声もセットで覚える
- 1日最低300語に触れる
まずは意味がパッと出てこない英単語にチェックをつけましょう。ここでチェックが付かなかった=すでに意味を知っている英単語は最後まで触れなくてOKです。
チェックを付けた単語のみを半年後のTOEICまでひたすら勉強していくので、ここでは「仕分け」作業になります。
1000語以上あると思いますが、意味を覚えようとする必要はないので買ったその日に仕分けは済ませましょう。
仕分けが終わったら実際に英単語を覚えていきましょう。チェックが付いた単語だけを1から順に発音と和訳を読み上げていきましょう。
ただ単語帳を眺めるだけでなく、必ず音声もセットで自分でも発音したり和訳を口に出したりすることで効率的に覚えられます。
毎日違う単語に触れて、復習の感覚を空けるのがポイントです。脳は「忘れた頃に復習する」ことで効率的に記憶することができます。前日と同じ範囲を復習したり、1週間で同じ範囲の単語を復習したりするのは避けましょう。
英単語は1日300単語のように「広く浅く」勉強しましょう。1日50個などの「深く狭く」の学習はNGです。
とにかく覚えていなくても前に進んでまた周回を重ねて徐々に覚えていきましょう。
中学・高校レベルの文法習得
現状のTOEICスコアが400以下の場合は中学英文法を、500以下の場合は高校英文法を学習することが最優先です。
英文法は英語の「ルール」であり、ルールを知らずにリーディング・リスニングの学習をしてもすぐにスコアは頭打ちになってしまうでしょう。
英文法はすべての学習の基礎になります。TOEICのPart5は語彙・文法問題ですが、それ以外のPartでも英文法を理解していないと学習の効率が下がってしまいます。
中学文法のおすすめ参考書は中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。改訂版です。
わかりやすい挿絵もあり、演習もセットになっているので一冊仕上げれば十分です。
高校文法のおすすめ参考書はMr.Evineの英文法ブリッジコース[中学修了→高校基礎]です。
中学レベルの復習と高校基礎レベルの学習が一冊で完成します。
文法を学習するときは以下のポイントを押さえましょう。
- わからない部分は動画を見る
- 問題を解く
- 完璧主義を捨てる
- 1つの参考書を3周する
- 早めに4技能の学習に進む
文法学習で分からないところは何度読んでもわからないことが多いので、理解度が高まる動画視聴がおすすめです。Youtubeで該当の文法事項の名前で検索すれば文法講義の動画が見つかるはずです。
文法を学ぶときは説明を読んだあとに問題を解きましょう。アウトプットしてみると理解度が低いところが分かったり、記憶に残りやすくなったりします。
文法事項は参考書の学習だけでは100%分からない部分があります。実際に英語を読んだり書いたりする中で分かることもあるので、この時点で100%理解する必要はありません。
分からない箇所に詰まって時間をかけすぎるのは得策ではありません。
文法の参考書はコロコロ変えず、これと決めた一冊を最低三周しましょう。周回を重ねることで次第に理解が深まるので、三周を目安に取り組みましょう。
また、一周したら参考書を変える人がいますが、記憶が定着しないうちに参考書を変えるとせっかく深まりかけた記憶がリセットされるのでおすすめしません。
7割の力で聞き取れる英文で読む・聞く活動を大量に行う
TOEICのリスニングのスピードは多くの人にとっては「非常に速い」と感じることでしょう。
TOEICを受けるからと言って、無理に速い音源でリスニング練習をすることはおすすめしません。
リスニングは初見で7割聞き取れる音源で練習するのがもっとも効果的です。
TOEIC400点以下の場合は中学1・2年生レベル、700点以下の場合は中学3年生レベル、700点以上の場合は高校レベルの英文を丁寧に繰り返し読み・聞くトレーニングが効果的です。
具体的には英文を丁寧にすべて意味が分かるように解釈し、解釈が終わった英文の音声を聞き、自分でも音読していくのがおすすめです。
以下の教材は中学高校の教科書から集めた英文で構成されており、文法も自然な形で散りばめられているので非常におすすめです。
- TOEIC〜400
→英会話・ぜったい・音読 【入門編】 - TOEIC〜700
→英会話・ぜったい・音読 【標準編】 - TOEIC700〜
→英会話・ぜったい・音読 【挑戦編】
詳しい音読の方法はこちらの記事で解説しています。
TOEIC模試演習
効率的にTOEIC600を達成するためには試験に慣れることが必須です。
そのためにはできるだけ多くTOEICの問題を解いて形式に慣れることが必要です。目安としては、TOEICの模試を10回分解くといいでしょう。
TOEICは一回あたり120分という長丁場で高速の処理をするために、高い集中力が求められる試験です。
本番までになるべく通しで休みを挟まずに解く回数を稼ぐことで、時間配分や集中力のトレーニングになります。
10回も解けば、各パートでどんな問題が出るのか、時間配分はどうしたら良いのか、といった部分が分かってきて容量が掴めてくるはずです。
TOEICの模試を解く、復習する際は以下のポイントに注意しましょう。
- 解ける問題を解いていく
- 制限時間の中で解く
- 自分なりの解き方を確立する
- すべての問題を復習しようとしない
TOEICは900を超えるくらいになるまでは、すべての問題に腰を据えて解く時間はありません。英検などのグレード別試験と違って、TOEICは満点の人でも最低点の10点の人でも同じ問題を解きます。
ですから、普通に取り組んでも終わらないような問題数と制限時間が設定されています。
例えば、TOEIC700を目指す場合は普通に解いていったら、リーディングはPart7の前半くらいで制限時間を迎えてしまうでしょう。
分からない問題は飛ばしながら、解ける問題だけを解いていって最後の長文付近までたどり着けるように頑張りましょう。
またTOEICはリーディングパートの時間配分が大切です。日頃から意識していないと本番でペース配分がうまくいかなくなります。
普段からPart5は10分、Part6は8分、Part7は57分といったようにパート別に目標時間を設定しておいて制限時間を迎えたら次のパートに行ってしまうようにしましょう。
そうすると徐々にペース感が分かって来るはずです。
TOEICではリスニング、リーディング各パートの解き方のコツやテクニックがあります。絶対にこれ、というものはありませんが例えばPart3, 4の先読みやPart6,7の設問先読みなどそれぞれのパートの解き方を確立させておくことで安定したスコアを出すことができます。
最後に解き終わった後の復習のときには、すべての問題を復習するのは不可能に近いです。
問題を解くのにかかった2倍の時間をかけて復習するのが理想ですが、それだと900点以上でもない限り問題の1/4程度を復習して終わりになってしまうでしょう。
すべてを薄く復習するのではなく、自分の苦手とするパートに多めに時間を配分してすべての問題の中から数問ピックアップして復習するくらいでちょうどいいでしょう。
TOEICのリーディングは75分で100問の問題に解答していきますが、スコア950点以下の人は解き終わらない前提で作られているということを押さえましょう。
TOEICでは時間が間に合わずに答えられない問題の解答用紙のマーク欄を当てずっぽうで塗りつぶす行為を「塗り絵」と言います。
以下はリーディングパートで塗り絵にした問題数とTOEICのスコアの目安を表したものです。
- 塗り絵0問→950点以上
- 塗り絵5問→900点
- 塗り絵10問→800点代後半
- 塗り絵15問→800点
- 塗り絵20問→750点
- 塗り絵25問→700点
- 塗り絵30問→650点
- 塗り絵35問→600点
- 塗り絵40問→550点
これを見るとTOEIC600点を達成する場合でも、100問中35問は解かずに時間切れになることが分かります。
一見塗り絵は「すべての問題を解ききれないまずい状態」と思いがちですが、そんな事はありません。
TOEICではスコアに関係なく全員が同じ問題を解くため、問題ごとに「スコア950点以上の人が解くべき問題」「スコア700点以上の人が解くべき問題」「スコア400点以下の人でも解ける問題」というように問題にも難易度があります。
大切なのは自分の目指すスコアに応じて、解くべき問題を解き切る、そうでない問題は塗り絵をして飛ばしていくという心がけです。
頭からすべての問題を解き進めていくと、最後の方の問題にたどり着かないでしょうが、実はリーディングパートの後半にも比較的解きやすい問題が含まれています。
塗り絵をうまく活用することで、「後半の35問を丸々解き残してしまう」というもったいない状態を避けて、「途中分からないところを35問飛ばしながら解ける問題は最後まで解き進めた」という状態を作ることができます。
具体的にリーディングパートでどんな問題を塗り絵すべきなのかは以下の記事で詳しく解説しています。
TOEIC独学についてのまとめ
この記事ではTOEICの独学について以下の疑問に答えてきました。
- TOEICは独学できる?
- TOEIC独学の5ステップ
- 独学でTOEICスコアを伸ばす勉強法や参考書は?
TOEICは独学できるのかについてですが、結論から言うとTOEICは独学できます。
自分の状況や、独学が向いているか、向いていないかを見極めて場合によってはプロの手を借りるのもいいでしょう。
TOEIC独学の5ステップは以下のようになります。
- 目標スコアを設定する
- 現状のスコアを知る
- 受験日を決める
- 学習スケジュールを決める
- 学習を継続する
独学でTOEICスコアを伸ばす勉強法や参考書は、以下のようになります。
- 発音と音声変化の習得
- 英単語の暗記
- 中学・高校レベルの文法習得
- 7割の力で聞き取れる英文で読む・聞く活動を大量に行う
- TOEIC模試演習
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