TOEICと英会話はどっちを優先すべき?並行して勉強する方法を解説!

社会人の英語学習と言えば「TOEIC」と「英会話」の2つが代表格ですが、どちらを勉強したほういいのでしょうか?
欲を言えば両方を同時に習得したいという人もいるでしょうが、それは本当に可能なのでしょうか?
この記事ではTOEICで高得点を取るのと、英会話を習得するのとではどっちを選んだほうがいいのかについて以下の疑問に答えていきます。
- TOEICと英会話はどちらを勉強するべき?
- TOEICと英会話の勉強はどこが違う?
- TOEICを勉強するのがおすすめの人は?
- 英会話を勉強するのがおすすめの人は?
- TOEICと英会話を並行して勉強することは可能?
TOEICと英会話はどちらを勉強するべき?
結論から言うと、TOEICと英会話どちらを優先して勉強すべきかは目的によって異なります。
英語を学ぶこと自体が好きで趣味としてはじめるなら別ですが、キャリアアップなどの目的のための手段として英語学習を始めるのであれば自身の目的に合わせてTOEICと英会話どちらをメインで勉強するかを決めておきましょう。
英会話スクールは「TOEICができても話せなければ意味がない!」というでしょうし、TOEIC対策スクールは「社会人はTOEICスコアが命!」という宣伝文句を掲げています。
自分の目標や軸を持っていないと、そういった文句に惑わされてしまうのでしっかり自分に必要なのはTOEIC・英会話どちらなのかをはっきりさせておきましょう。
TOEICと英会話の勉強はどこが違う?
TOEICと英会話の勉強は基礎部分は共通していますが、その後の学習で異なる部分が出てきます。

TOEIC | 英会話 | |
---|---|---|
単語 | 5,000〜10,000語必要 | 5,000語でOK |
文法 | 高校英文法までを理解できる | 中学英文法を使いこなせる |
リーディング | 大量の文章を高速で処理 | かんたんな理解ができればOK |
リスニング | ネイティブの音源 | 話し相手による |
スピーキング | 必要なし | 必要 |
TOEICにせよ、英会話にせよ、英語であることに変わりはなく基本的な語彙・文法は必須です。
具体的に言うと
- 5,000語の語彙
- 中学英文法の理解
は共通して習得が必要です。
その後はそれぞれの学習に特化していきます。
TOEICの学習の特徴
TOEICはリーディング・リスニングの試験で120分で200問に解答していきます。
10点〜990点の5点刻みのスコアで英語のインプット能力が評価されます。
日常・ビジネス系のトピックで、大量の英文を聞く・読む処理能力が試されます。
特にリーディングパートは書き言葉のため、英会話に比べて必要な語彙数が多く、目標のスコア×10倍の語彙数が求められます。
例えば高得点とされる800点を目指すなら8,000語が目安となり、英会話で求められる5,000語に加えて更に3,000語を新たに習得する必要があります。
また直接文法知識を問う問題や、問題文の中に高度な文法が含まれていることも多く、高得点を取るには高校レベルまでの英文法を理解する必要があります。
またパートごとの出題内容や傾向が明確に打ち出されているため、TOEICの模試をたくさん解いて試験形式に慣れる必要があります。
英会話の学習の特徴
英会話ではリスニング・スピーキングのスキルが求められます。
TOEICでは5,000語を超える語彙や高校レベルの英文法の理解が求められますが、英会話では基礎語彙と中学レベルの英文法を理解していれば十分です。
一方で、英会話では知識を「知っている」だけでは不十分で、知識を「使える」レベルに引き上げる事が重要です。
下の図はTOEIC900点でも英会話が苦手な人とTOEIC550点でも英会話が得意な人の知識量示しています。

TOEIC900点でも英会話が苦手な人は知っている知識の量は多いですが、使える知識は少なくなっています。
一方で、TOEIC550点でも英会話が得意な人は知っている知識は少ないですが、使える知識が多くなっています。
英会話ではかんたんな知識で構わないので、それらを使いこなせるようになるまで口頭で反復する学習がメインになります。
TOEICを勉強するのがおすすめの人は?
TOEICを勉強するのがおすすめの人は以下のとおりです。
- 就職・転職活動で英語力をアピールしたい人
- 会社の昇進や昇給に活用したい人
- 基礎的な英語力がない人(550点以下の人)
就職・転職活動で英語力をアピールしたい人
就職・転職でTOEICスコアは英語力をアピールするもっとも一般的な指標です。
英会話の資格は知名度・受験者数ともにTOEICに比べると圧倒的に少ないため、就職・転職活動で英語力をアピールしたい方はTOEICの勉強をするのがおすすめです。
TOEICを運営するIIBCによると、TOEICのスコア別のレベル感と企業が期待するスコア、コミュニケーションは以下のようになります。

スコアが10〜215点はEランク、220〜465点はDランク、470〜725点はCランク、730〜855点はBランク、860〜990点はAランクとなり、海外部門の社員には570~810点のスコアを期待する企業が多いということです。
また、以下の図を見ると実際に多くの企業がTOEICのスコアを採用・昇進の基準に持っていることが分かります。

日系大企業では最低要件として平均スコアと同程度の600点以上を掲げています。また特に海外との取引や駐在が多い業界や外資系企業では800点以上を必要とする企業もあります。
これらはあくまで目安であり、管理職以上の役職、外資系投資銀行、海外部門などではより高いスコアが求められる傾向があります。
いずれにせよ、高いTOEICスコアを保有していれば、多くの企業の選考で高い英語力をアピールすることができます。
会社の昇進や昇給に活用したい人
以下の2022年の調査では企業・団体が管理職を中心に英語力において一定のスキルを求めていることが分かります。

つまり、英語スキルは社会人にとって年収アップ・昇進・転職において大きな影響があると言えます。
さらに以下の図を見ると、企業・団体が昇進・昇格時にTOEICスコアを評価して入ることが分かります。
係長・主任クラスでは、TOEICスコアを昇進・昇格の「要件としている」「参考としている」企業・団体が21.5%、今後「要件・参考とする可能性がある」回答を含めると、46.5%がTOEICスコアを査定に入れる可能性があることが分かります。

また、昇進・昇格の要件となる場合の平均スコアは役職別に以下のようになっています。
- 係長・主任→520点
- 課長→560点
- 部長→555点
- 役員→590点
これは平均値ですので、グローバル事業を手掛けている会社や外資系の企業ではもっと高いスコアが要件となるでしょう。
いずれにせよ、TOEICハイスコアは昇格・昇進においても大きな役割を果たすであろうことが分かります。
基礎的な英語力がない人(550点以下の人)
基礎的な英語力がない方、具体的なスコアでいうと現在の点数が550点以下の方は一旦TOEICの勉強をしてからその後の進路を考えるのがおすすめです。
英会話は基礎的な語彙・文法で十分とお伝えしていますが、TOEIC550点が取れないうちはその基礎が足りていないことが予想されるため、まずはTOEIC550点を取って基礎を築いた後に英会話に移行するのがおすすめです。
現在のスコアが分からない、TOEICを受けたことがない方は無料で使えるスコア予測ツールを使ってみてください。
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TOEICスコアの予測ツールの使い方は以下の記事で詳しく解説しています。

英会話を勉強するのがおすすめの人は?
英会話を勉強するのがおすすめの人は以下のとおりです。
- 海外旅行で英語を使いたい人
- 留学や駐在を控えている人
- すでにTOEIC800点を超えている人
海外旅行で英語を使いたい人
海外旅行先で現地の人とのコミュニケーションを楽しみたい、といった方は英会話の勉強がおすすめです。
まずは基礎的な単語と文法を学習して、そこからは旅行先でよく使うフレーズ集を覚えたり、字幕付きでリスニングをしたりするのもおすすめです。
留学や駐在を控えている人
留学や駐在を控えており、現地で円滑なコミュニケーションを必要とされる方は英会話の学習を行うといいでしょう。
ある程度基礎ができていない場合はすでに述べたように、基礎語彙と中学英文法を勉強し、基礎ができているのならば英会話の学習に移行しましょう。
留学や駐在は旅行に比べるとやり取りのレベルが高くなることが予想されるため、しっかりとトレーニングを積んでいくことが必要です。
以下の記事では初心者が独学で英会話を習得するための具体的なロードマップを解説しています。

すでにTOEIC800点を超えている人
TOEIC800点をすでに取得している人はさらなるハイスコアを求めるよりは英会話の習得に移行するのがおすすめです。
TOEIC800点はすでに基礎が十分できていることを示しており、就職・転職活動でも十分英語力をアピールできるレベルです。
また、TOEICはスコアが高くなるほどスコアを伸ばすのが難しくなります。
800点以降はスコアを伸ばすのに時間がかかるため、コストパフォーマンスが悪くなってしまいます。
TOEIC800点で英会話に苦手意識がある場合は、英会話の学習に移行して4技能バランスの良い状態を目指すのがおすすめです。
以下の記事ではTOEIC800点がやめどきと言える根拠を詳しく解説しています。

TOEICと英会話を並行して勉強することは可能?
結論から言うと、1日の学習時間が3時間取れるならTOEICと英会話の学習を並行することは可能です。
もちろん、1日の学習時間がもっと短くても並行すること自体は可能ですが、どちらも中途半端な結果に終わってしまうことが予想されます。
反対に1日3時間以上学習時間が取れる場合は、TOEICと英会話に1.5時間ずつ使っても十分伸びを実感できますしいい気分転換にもなるため、TOEICと英会話を並行して勉強することをおすすめします。
ちなみに私も学び直しのときに、1日3時間の学習でTOEICと英会話を並行して勉強していました。
TOEICと英会話を並行して勉強するメリット・デメリットを両方加味したうえで学習の方向性を決めましょう。
TOEICと英会話を並行して勉強するメリット
- 4技能がバランスよく育つ
- 飽きづらい
TOEICと英会話を並行して勉強することで、リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングといった4技能がバランスよく育ちます。
TOEICだけの勉強だと「スコアは取れても英会話ができない」、英会話だけの勉強だと「難しい内容が理解できない」というインプット能力とアウトプット能力の乖離にコンプレックスを抱く人も多いです。
並行して勉強すればどの技能も満遍なく成長していくので、英語力全体が同じレベルに揃って成長していくでしょう。
また、TOEIC用と英会話用の勉強は異なる教材、学習方法で行うので、多様な言語活動に取り組むことになります。
1日のスケジュール例
・オンライン英会話25分
・単語帳15分
・瞬間英作文60分
・TOEICリスニング復習80分
同じ教材・言語活動をずっと続けるのが辛い、という方にとっては飽き解消につながるため学習を継続しやすいでしょう。
TOEICと英会話を並行して勉強するデメリット
- 伸びが遅い
- 活動・教材が増える
TOEICと英会話を並行して勉強することで、それぞれの学習時間が短くなるため成長速度が遅くなります。
学習時間を50:50にした場合、単純計算でTOEIC・英会話の伸びはそれぞれ1/2になってしまいます。
もちろん、相乗効果もあるため1/2まで成長速度が落ちることはありませんが、それでもTOEIC・英会話それぞれの学習に集中した場合に比べると伸びは確実に鈍化するでしょう。
また、教材や言語活動の数が増えるため、集中し始めた頃には次の活動に移る必要があり、1日の学習時間が短い場合は教材が増えてしまい煩雑に感じる場面も多くなることでしょう。
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TOEIC高得点 vs. 英会話力!本当に役立つのはどっち?についてまとめ
この記事ではTOEICで高得点を取るのと、英会話を習得するのとではどっちを選んだほうがいいのかについて以下の疑問に答えてきました。
- TOEICと英会話はどちらを勉強するべき?
- TOEICと英会話の勉強はどこが違う?
- TOEICを勉強するのがおすすめの人は?
- 英会話を勉強するのがおすすめの人は?
- TOEICと英会話を並行して勉強することは可能?
結論から言うと、TOEICと英会話どちらを優先して勉強すべきかは目的によって異なります。
TOEICと英会話の勉強の違いは以下の表のとおりです。
TOEIC | 英会話 | |
---|---|---|
単語 | 5,000〜10,000語必要 | 5,000語でOK |
文法 | 高校英文法までを理解できる | 中学英文法を使いこなせる |
リーディング | 大量の文章を高速で処理 | かんたんな理解ができればOK |
リスニング | ネイティブの音源 | 話し相手による |
スピーキング | 必要なし | 必要 |
TOEICを勉強するのがおすすめの人は以下のとおりです。
- 就職・転職活動で英語力をアピールしたい人
- 会社の昇進や昇給に活用したい人
- 基礎的な英語力がない人(550点以下の人)
英会話を勉強するのがおすすめの人は以下のとおりです。
- 海外旅行で英語を使いたい人
- 留学や駐在を控えている人
- すでにTOEIC800点を超えている人
1日の学習時間が3時間取れるならTOEICと英会話の学習を並行することは可能です。
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