「外資系企業に転職したい!…けど英語に自信がないから…」
この記事はそんな方に向けて、外資系企業に転職に向けて行動できるように必要な情報をまとめています。
英検1級、TOEIC985の現役英語コーチが、英語学習のプロの目線から「英語×外資転職」について以下の疑問・お悩みに答えていきます。
・英語が苦手でも外資系企業に転職できる?
・外資系企業に転職するために必要な英語力は?
・最短で外資系企業に転職するための英語の学習方法は?

英語ができなくても、外資転職を諦める必要はありません!
英語が苦手でも外資系企業に転職できる?


結論から言うと、英語が苦手でも外資系企業に転職可能です。
もちろん、英語力が高い方が転職先の候補が増え、合格率も高くなることは言うまでもありません。
しかし、外資系=英語が得意でないと入社できない、というわけではありません。
例えば、以下のような場合、多少英語力に不安があっても、入社できる可能性は十分あります。
- 外資系企業だが、取引先とはすべて日本語でやり取りする
- 英語以外のスキルをアピールする
- 現在、そしてこれから英語を勉強していく意欲を見せる
外資系=英語、というイメージが強いですが、実際には業界、職種、職位によって英語を使う頻度、場面求められるレベル感は大きく異なります。
例えば、外資系の生命保険営業では、相手はもちろん日本人の顧客であり、英語を使う場面はほとんど無いでしょう。
一方で、同僚が外国人ばかり、英語での国際会議が多い、顧客が外国人、という場合は英語でのアウトプット能力が入社後すぐ、高いレベルで求められることになります。
このように一口に「外資転職」といえど、希望する求人によって求められる英語力は様々です。
まずは自分の希望する転職求人で求められる英語力がどんなものなのかを知ることから始めましょう。
外資系企業に転職するために必要な英語力は?


外資系企業に転職するために必要な英語力は、大きく分けて以下の2つに分かれます。
- 入社するのに必要な英語力
- 働き始めた後に必要な英語力
もちろん「外資系企業に転職さえできればOK!」というのであれば、前者のみを目標に英語学習に取り組むと良いでしょう。
しかし、転職はスタートであり、ゴールではありません。
仮に入社が出来ても、入社後に英語への苦手意識があるばかりに、辛い思いをしたのでは転職が成功したとは言えません。
入社するのに必要な英語力
結論からお伝えすると、外資系企業に入社するために必要な一律の英語力の基準はありません。
というのも、再三お伝えした通り、業界・職種・職位によって求められる英語力に大きな差があるため、外資系企業の入社に一律で求められる英語力というのは存在し得ないためです。
検索上位のサイトを見ると、「外資系企業に入社するための最低限のTOEICスコアは700点」とありますが、いずれも出典がなく、おそらく最初にどこかのサイトが「なんとなく」出だした数字を使いまわしているのだと思います。
入社時に求められる英語力は、希望する転職先の求人票を見ましょう。
参考までに、唯一といっていいきちんとした根拠足りうる「外資系企業で働く上で必要なTOEICスコア」のアンケート結果(外資系企業で働く573名を対象に調査)は以下のような結果になったようです。


こちらは「入社時に求められるTOEICスコア」ではなく、あくまで「外資系企業で働く上で、困らないレベルのTOEICスコア」を実際に外資系企業で働く人たちにアンケートした結果です。
とはいえ、実際に外資系企業で働く方たちが「TOEICで、これくらいのスコアがないとやっていけないよ」というレベル感を示していると言えます。
これを見ると、700〜800程度のスコアが、外資系企業におけるTOEICスコアの相場感と言えるでしょう。
働き始めた後に必要な英語力
働き始めた後に、苦労するのはほぼ間違いなく英会話のスキルでしょう。
入社時のTOEICのスコアが高くても、英会話に苦手意識がある状態では、同僚や取引先との英語でのコミュニケーションに支障をきたします。
ですから、外資系で活躍するためには、英語力の国際基準であるCEFRでB2レベルを目指すと良いでしょう。
CEFRとはヨーロッパ言語共通参照枠組といって、あらゆる資格試験の評価の大本になっているものです。
例えば英検は1級、2級など級によって評価されますが、TOEICは990点満点のスコアで評価されます。
両者は級とスコアという異なる評価軸であるため比較が出来ないように思えますが、CEFRを用いれば比較が可能です。
例えば下の図を見ると、英検準1級はCEFR基準におけるB2レベルにあたり、これは同じB2レベルにあるTOEICスコア785〜945程度に相当すると言えます。


英会話の能力を図るために国内で気軽に受けられる試験としては、VERSANT、PROGOSなどの試験があります。
VERSANTでは58~68、PROGOSではそのままB2がB2レベルに該当します。
また少し費用がかさみますが、IELTS、TOEFL、TOEIC S&Wなどの試験も英会話能力を測定するのに有用な試験だと言えます。
IELTSでは5.5~6.5、TOEFL iBTでは72~94、TOEIC S&Wでは310~360がB2レベルに該当します。


最短で外資系企業に転職するための英語の学習方法は?


最短で外資系企業に転職するための、具体的なステップは以下のようになります。
業界や職種、職位によって重視される英語力が異なります。
例えば、社内外で外国人とのコミュニケーションが日常的に求められる職場であれば英会話の能力が試され、面接でも英語での質疑応答が想定されます。
一方、海外とメールでやり取りをする機会があったり、社内メールが英語でやり取りされる場合など、一定のインプット能力が求められる職場ではTOEICのスコアを重視されます。
このように一口に「英語力」と言っても、各企業が求めているものには違いがあります。
自分の業界や職種、職位などにおいて、どんな場面で英語を使うのかを確認しておくことで、企業が求める英語力=転職のゴールが明確になります。
転職に向けて、求められる英語力のゴールが決まったら、自分の現時点での英語力をチェックしましょう。
「今は全然だから、英語の試験はある程度勉強してから…」と考える方が多いですが、現在地が分からないまま最短距離でゴールに向かうことは出来ません。
どれだけ英語が苦手だとしても、「中学までの英文法は問題なさそう」や「リスニングはこれくらいのスピードだったら聞き取れる」というように、自分の英語力の現状を正しく理解しておくことで、その後の学習計画の立案に大いに役立ちます。
具体的には、以下のようなテストを受けてみると良いでしょう。
- 語彙力
- 文法力
- インプットスキル(TOEICスコアなど)
- 英会話力
- 発音
語彙力ならpreplyというWebサービスで無料で測定できます。
文法は市販の参考書の巻末テストなどでいいでしょう。
以下のテキストは中学〜高校基礎の英文法がチェックできる巻末テストが優秀です。
インプットスキルとしては、最終目標にもなりうるTOEICスコアを利用すると良いでしょう。
会場の試験でもOKですが、あくまで現状把握のためなら、無料のアプリ診断で十分です。
以下のアプリは初回のみ無料でTOEICスコアを95%の精度で判定してくれます。
英会話力に関しては数値化が難しそうに思うかもしれませんが、近年は英会話の能力を数値化できるアプリが登場しています。
ビジネス英語の英会話力を測定するのにもっともよく使われているのが、VERSANTです。
有料ですが、正確に英会話力を測定するのに便利です。
また、もし予算的に厳しければ知名度・精度ともに劣りますが2023年11月現在、無料で受験できるPROGOSというアプリが利用できます。
最後に、発音のテストとしてはELSAがオススメです。
転職に必要な英語学習のゴールを知り、スタート地点が分かれば、あとは優先順位を決めて学習計画の立案・実行です。
しかし、残念ながらテスト結果をもとに、求められる英語力を身につけるまでの最短学習方法を自分で実行まで落とし込むのは至難の業です。
というのも、科学的に正しい英語学習理論というのはまだまだ普及しておらず、インターネットの個人経験や英語系インフルエンサーの書籍程度しか情報源がありません。
こういった「私はこのようにして英語力を身に付けました!」という個人の体験談は、参考になる部分はあっても、再現性に欠けます。
一人ひとりゴールが違えば、スタート地点の英語力も異なるため、ネットや書籍の体験談を真似てもうまく行かないことが多いです。
特にこのページを見ている方の場合、「英語力に自信がない」「英語学習に苦手意識がある」と思いますのでなおさら英語学習計画を立てている段階で挫折するリスクがあります。
ある程度予算がかけられる方は、プロの手を借りることをおすすめします。


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